ドームテントの選び方
それでは、ドームテントの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】実用性
【2】「人数×70cm以上」のサイズの製品
【3】キャンプレベルによってポールの本数
【4】居住性
【5】テントの用途
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】実用性をチェック
歴史があり、今でも毎年新しいモデルが登場するドーム型は、テントの基本形といえます。その魅力は、ポールをしならせ側面を垂直に近く立ちあげることで確保できる室内の居住性、クロスするポールが四方にかたよりなく力をかけるために得られる耐風性です。
一方、標準的なデザインすぎるゆえに周囲のテントと差別化しにくいこともあって、個性派キャンパーは敬遠しがち。ドームテントを選ぶことは、ある程度実用性に重きを置いた選択といえるかもしれません。とはいえ魅力も多いタイプのテントですので、自分の使い方にマッチしたものを探してみましょう。
【2】「人数×70cm以上」のサイズの製品をチェック
ドームテントを選ぶ前提として最初に考えるのは居住人数(家族構成)です。それによって適正なサイズが変わってきます。
たとえば、大人×2、子ども×2の家族構成であれば少なくとも250×250cmの床面積、余裕をもって300×300cm、子どもがひとりなら200×200cm以上と、ひとり当たり幅60cm~70cmで換算していくと適正な面積がみつけやすいです。
わたしの経験からいえば、ひとり当たり幅70cm以上を確保していればまず快適に過ごせると考えます。
【3】キャンプレベルによってポールの本数をチェック
ドームテントでとくに広く普及している構造は、2本のポールを交差して立ちあげ、そこに前室用のポールを1本増やす3本構成のもの。それよりも多くのポールを使用するものは、さらに居住性や耐風性を高めた上級モデルに多くみられます。
ポールの本数が多くなれば、設営や撤収の難易度はどうしても上がってしまいます。1泊2日からはじめるビギナーは本数少なめの前者、レジャーシーズンの長期宿泊を考える中級者以上は、本数の多い後者を選択していくとよいでしょう。
【4】居住性をチェック
多くのテントは、ポールで立ちあげた居住スペースの「インナーテント」、風雨や冷気、日光などの気象条件からインナーテントを守る「フライシート」で構成されています。
インナーテントには、スリーブにポールを挿し込んで立ちあげる「スリーブ型」と、ポールを先に立ちあげてフックでインナーテントを吊るす「吊り下げ型」の2つの形式のものがあります。
吊り下げ型は設営・撤収がラクで早いという利点がありますが、スリーブ型に比べ天井が低く、やや居住性が悪くなるというデメリットもあります。スタートとしてはスリーブ型の選択がいいかもしれません。
【5】テントの用途をチェック
ドームテントの多くは「前室」を備えています。前室はテントの玄関であり、靴を脱ぎ履きしたり、荷物を置くためのユーティリティスペースとして活用することができるので、テントの満足度を左右する重要なポイント。
さらには、前室自体が広いリビングスペースになるモデルもあり、居住性の高さで人気があります。前室の間取りや設営するときの形式など、購入する前にしっかりと確かめておきましょう。
ドームテントおすすめ3選|2名用〜3名用
それでは、ドームテントのおすすめ商品をご紹介いたします。まずは、2〜3名用の商品です。ぜひ参考にしてください。
居住性バツグン!ソロでもこだわりの一張り
広い前室のあるOgawaのステイシーです。コンパクト収納なので、どこにでも持って行けそうです。大人2名、子供1名の3人でちょうど眠れるくらいの寝室があり、荷物は広い前室に入れられるので、定員の3人で泊まっても窮屈になりません。
正面の出入り口のほかに、前室の左右のフライシートをくるくる巻いて止めることで3方向に出入口ができ、タープ要らずで便利に過ごせます。カラーバリエーションは、サンドベージュとカーキの2色で、どちらもナチュラルテイストなカラーです。
空気で簡単に設営できるエアマジックドーム
フレームにあたる部分にチューブがはいっていて、空気をいれることで簡単に設営が完了するテントです。あらかじめフライシートにインナーテントがついているので立ち上げは一度で終わり、あとはペグで固定するだけ。面倒な作業がないので、初心者の方にもおすすめです。
フライシートとフロアシートは耐水圧3000mmと強い雨にも対応できます。エアポンプが付属しており、空気入れも楽々です。別売りの電動ポンプを使うと、空気圧が設定値になると自動で停止するのも便利なポイントです。
星が見えるかも? 天井に透明パネル採用
2人用のドーム型テントでコンパクトな設計と個性的なデザインが特徴的。重量が軽いため、フェスやキャンプにも持っていきやすいテントです。
1番の魅力は天井には透明パネルが使用されていること。ごろんと寝転べば、そこには満天の星が輝きます。仕事やいやなことはすべて忘れ、心ゆくまでくつろいでみるのはいかがでしょうか。
ドームテントおすすめ17選|4名用〜6名用
続いては、4〜6名用のドームテントのおすすめ商品をご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。

品質とコスパを両立した根強い人気のベストセラー
キャンパーからは親しみを込めて、通称「アメド」と呼ばれています。高品質を誇るスノーピーク製品のなかでも、とても手ごろな価格で購入できることから、登場以来その人気が途切れることがありません。後で紹介するコールマン「タフワイドドーム」とともに、最初のテントとして選ばれることも多い商品です。
高品質な各パーツにうら打ちされた対候性の高さ、設営のしやすさを考えた細部の工夫など、うれしいポイントたっぷり。前室を傾かせた変形の五角形で2カ所に入り口が設けられているため、狭いキャンプサイトでもテントの出入りがラクです。ただし、やや地上高が低く、居住性がさほど高くないことが唯一の難点かもしれません。
スクリーンタープとしても使えるリビングあり
2021年2月に発売されるコールマンのツールームテントです。リビングルームはスクリーン・クローズ・オープンと、好みによって変えられます。またリビングルームにはスカートがついているので、冷たい風の侵入だけではなく、虫が入り込むのも防いでくれます。
フライシートやフロアの耐水圧は2000mm、ポールはアルミフレームと強度もバッチリで、急な天気の崩れにも安心して眠っていられます。また、1人でも設営しやすいアシストクリップを採用しているので、気楽にキャンプに出掛けられますね。
色分けされたポールで迷わず設営
計4本のフレームワークで強度が高く、大雨でも問題がないほど耐水性も備えています。さらに各所にメッシュ素材を取り入れているので、換気もしっかりと行なわれます。
「設営もさぞ大変なのでは……?」、と思うかもしれませんが心配はいりません。ポールは色分けされており、設営がかんたんにできるよう配慮された作りになっています。本格的な機能を搭載しつつ、エントリーモデルとしても使えるドームテントです。

定番テントと必需品シートがセットのパッケージ
コールマンを代表する定番モデルです。幅300cm、高さ185cmと余裕のある室内空間を誇り、ドーム型のなかでも居住空間が広いテントです。4人なら余裕、最大6人まではじゅうぶんに使用可能。前室も同様に広めで、ポールを使って張り出しを作れば大きなキャノピー(入り口部分のひさし)が展開できます。
また、このタフワイドには「サークルベンチレーション」という換気システムが採用されており、結露(けつろ)しやすいドームテントの欠点を軽減しているのはありがたい工夫です。
スタートパッケージには専用のグランドシート、寝心地をよくするインナーシートがセットされており、いずれも必需品なので、パッケージ購入をおすすめします。

mont-bell(モンベル)『ムーンライトテント5型』
月明かりでも設営可能な日本が誇る名品テント
モンベルでもっとも歴史あるテントであり、まさしく名品といっていいでしょう。こまかなマイナーチェンジをしてグレードアップをしているところはあるものの、全体の仕様は発売以来ほとんど変わっていません。それだけ基本設計がしっかりしているということです。
ムーンライトテントの名前は「月明かりでも設営ができる」ことに由来しています。独自のフレーム構造、吊り下げ式のインナーテント、ソケット&ハンドループなどオリジナルアイデアが詰めこまれており、わたしが実際に月明かりのもとで設営したときには10分もかかりませんでした。
5型でもファミリー4人は収容できますが、広さに余裕があるものを希望するなら7型をおすすめします。
LOGOS(ロゴス)『ROSY ドゥーブルXL-AI(71805052)』
設営簡単なツールームテント!大きさも大満足
ツールーム仕様なのに、設営方法が単純でわかりやすいテントです。インナーが吊り下げ式なので、フライシートのみの設営が可能です。雨の日の撤収の時にもインナーテントを濡らすことなく片付けられ、便利ですね。
リビングルームのサイドウォールを1か所巻き上げると、2方向から出入りすることが可能になります。また、正面のフライを使って広いキャノピーを作れるので、より広くリビングスペースを確保可能に。フライシートをフルクローズしても、リビングスペースにある窓から外の様子を見られます。
これひとつでシェルター兼ドームテントに!
日中はシェルターとして、夜はドームテントにすれば快適な寝室として使うことができるすぐれもの。フライシートだけで自立し、かんたんに広々としたリビングルームがつくれます。
採光窓+ フルメッシュにすれば、テントの中でも開放感は抜群です。ファミリーはもちろん、友人などのグループで利用するのにも大活躍してくれます。
ogaogawa(オガワ)『ピスタ34(2657)』
簡単!早い!そして快適なテント
初めて買うテントだからこそ、いいものを買いたいと思っている方におすすめのファミリー向けのテントです。ブラウンをとベージュとの落ち着いたツートンカラーで、品質は安心の国内製。初めてでも設営しやすいドーム型のテントです。
正面パネルでキャノピーを作れて、後ろのフラップを巻き上げることで、背面にも出入口を作れます。インナーテント上部の2か所にベンチレーションがあり、夏など暑い時期でも風が前後に通り抜け快適に過ごせます。
近くで焚火もOK!広い前室の使い方はあなた次第
広い前室を備え、高い耐水圧をもつ、ファミリーキャンプにおすすめのテントです。正面のフライを跳ね上げキャノピーを作ることで、テントとタープとの連結が簡単になり、寝室からリビングへの移動が雨の日でも楽になりますね。
また前室が大きいので、夜にはテーブルや椅子をテント内に仕舞っておきたい方でも、ストレスなく使えるでしょう。耐水圧3000mmと十分高い機能をもつのに加え、火が燃え広がりにくい難燃加工が施されているため、テントの近くで安心して焚火を楽しめます。
ささっとテント設営を終わらせてゆったり過ごそう!
内側から紐を引くことでインナーテントが立てられるワンタッチテントです。インナーテントにフライシートを連結させたり、さらに前室用ポールを取り付けたりする作業も必要なので、本格的なテントをたてる気分も味わえるのがいいですね。
キャノピー用ポールが付属しているので、いつでも広いひさしを作れます。また、別売りのスクリーンタープの入り口にテントの入り口をいれるだけで、リビングと寝室を連結できるので、設営に時間を掛けたくない方におすすめです。
素早く設営できる男前のテントはここにある!
テントトップ中央にあるロープを引き上げ、ジョイント部を連結させることにより、簡単に設営できます。最大収容人数は4名ですが、2・3名で使用するのがベストな210×210cmという寝室の大きさです。インナー内には、ランタンフックや小物が仕舞えるポケットなどがあり、背面側にある大きなメッシュ窓から風が通って気持ちよく過ごせます。
前室が広く、大きな窓も2か所についており、キャノピーによりさらに広いリビングスペースとして使えます。グランドシートやキャノピーポールが付属していて、すぐにでもお出かけに使えます。
フォルムが斬新! ザ・ノース・フェイスのテント
なんとも斬新で近未来的なビジュアル。テントではあまり見かけないデザインです。天井までは約2mとかなり高く、男性が立ち上がっても腰を曲げたりせずに行動できます。
設営もかんたんなわずか6本という最小限のポールにも関わらず、この広い内部空間と強度を提供できているから驚き。まわりと一味違うキャンプギアをお求めの方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
コンパクト収納で持ち運びも楽々な大型テント
インナーテントの室内高が190cmと高いため、テント内をかがんで歩くことなく快適に過ごせます。6人で一緒に眠れる広さがあり、荷物が多めの小さいお子様がいる家族や、テント内で遊ぶことが多いグループでのキャンプにおすすめです。
天井やサイドの一部にメッシュ素材が使われており、通気性がよく結露しにくくなっています。ジオデシック構造であることに加え、ジェラルミンポールが使われていることで強風に強く、倒れにくいという安心感があります。前後にある広い荷物室には、靴やコットなど荷物を置けます。
快適!メッシュ付きリビングルームがあるテント
メッシュ付きのリビングスペースと寝室を備えたテントです。高さが190cmあり、着替えたり歩いたりなどストレスなく過ごせます。リビングスペースだけで280×280cmの広さがあるので、テーブルとチェアーを置いてもゆったりと食事を楽しめるでしょう。
ポールを買い足し、左右サイドのフライを跳ね上げひさしにすることで、リビングスペースをさらに広く作れます。また、インナーテントの後ろにも大きな出入口と広い荷物室があり、荷物を置くスペースは十分確保されているので、定員の6名でも余裕をもって眠れます。
グルキャンが楽しくなるシェルターテント
中央にフリースペース、両端に定員3名の寝室がある幅560cmのテントです。寝室が2つに分かれているので、男女のグループ、男女のお子様のいる家族など、プライベートを確保したい方におすすめです。
インナーテントを1つだけ使い、後は広々リビングスペースとして使用したり、インナーテントは使わず、グループキャンプの広いリビングスペースとして活用したりと、さまざまな使い方ができます。また、スカート付きなので、秋のキャンプなど隙間風が気になる季節にも使えます。
国内大型ドーム型の先駆けとなったテント
1990年に発売された、『AD-6 アメニティドーム エルフィールド』のフレーム形状はそのままに、現代に合わせたスタンダードな生地にスペックアップした復刻仕様。国内の大型ドーム型の先駆けとなった、歴史的なテントです。「今は手に入らなくなったあの商品をもう1度販売してほしい!」という声から形となりました。
室内高は210cmと背の高い男性でもストレスなく立ち上がることができ、内部も広々。5~6人で快適に使用できます。
空気を入れるだけのカンタン設営!
ロゴスのエアマジックドームは、エア注入式構造を採用し、組み立てが約100秒で完了するのが特徴。付属の電動ポンプで圧縮した空気を送り込み、パワフルな空気注入が実現しました。
大人4人、子供2人の家族6人ですごせる適度な広さで、出入り口も大きめなので移動もしやすく、耐風性にもすぐれた構造。設営に手間がかからず広めのテントが欲しい方にピッタリです。
「ドームテント」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ドームテントの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのドームテントの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
キャンプ入門テントにドーム型がおすすめ!
ここ数年、モノポール、ツーポール、あるいはトンネル型などのさまざまなデザインのテントが流行っていますが、やはりファミリーキャンプの基本はドーム(型)テントといっていいでしょう。
複数の金属ポールを交差しながら立ち上げて作る円形のドームは、組み立てがやさしくなおかつ居住スペースが広く、キャンプ入門のテントとして長く親しまれています。
もし、はじめてのテントの購入で迷ったなら、まずはドームテントからスタートしてみてはいかがですか。
ほかのブランド別のテントもチェック 【関連記事】
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