除菌スプレーの効果とは?
「物体や液体、空間の菌やウイルスを取り除いて、数を減らす」ことを意味します。必ずしも菌やウイルスを殺さなくてもよく、取り除いて数を減らせば「除菌」したことになります。広い範囲で解釈すれば、単純に手を水で洗うことも「除菌」となります。
また、菌やウイルスをどれだけ減らしたらよいのかという、数や程度に決まりがあるわけではありません。洗剤や漂白剤、ウエットティッシュなどといった日用雑貨品の表示に使われることも多いです。除菌効果をもつスプレーが「除菌スプレー」です。
除菌スプレーの選び方
部屋の除菌はもちろんのこと、ウイルスなどの感染症対策にも便利な「除菌スプレー」。家具や寝具、衣類やペット用など、さまざまな種類が販売されています。成分もいろいろありますので、どのような製品を選べばよいのか迷ってしまいますよね。そこでこの記事では、ハウスクリーニング技能士・ライフアレンジニストの有賀照枝さんに、選び方のポイントを教えてもらいました。ポイントは以下のとおりです。
【1】用途に合わせてメインの成分を選ぶ
【2】トイレや布製品には「消臭効果」をチェック
【3】持ち運びには携帯用が便利
【4】コストパフォーマンスで選ぶなら大容量タイプ
それぞれ解説しているのでチェックしてみましょう。
【1】用途に合わせてメインの成分を選ぶ
除菌スプレーを使う際は、その用途・目的・場所によって使い分ける必要があります。
誤った使い方をすると、場所によっては塗装がはげてしまったり、シミができたり、有毒ガスが発生してしまうこともあります。除菌スプレーに期待できる効果はそれぞれ違うので、使用前には取扱説明書をよく読んでから使うようにしましょう。
キッチンやコロナ対策には「アルコール系スプレー」
一般的に「アルコール」というとエタノールを指します。エタノールを用いた除菌スプレーは、アルコールの中でも安全性が高く、汎用性もあるのが特徴です。手指の除菌や、包丁や食器、まな板、ふきんなどのキッチン用品、冷蔵庫や電子レンジ、リモコンなどの電化製品、手指の除菌におすすめ。食品に直接吹きつけられる醸造用アルコールを使った除菌スプレーもあります。
新型コロナウイルス対策であれば、厚生労働省より報告されている「アルコールを70%以上含む」医薬部外品を選びましょう。
ノロ・インフルエンザ対策には「次亜塩素酸ナトリウム」
次亜塩素酸ナトリウムは除菌効果が高く、ノロウイルスやインフルエンザウイルス対策に効果的とされています。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性が高く、薄めた液で拭いても材質によっては変色や腐食を起こすことがあります。次亜塩素酸ナトリウムで拭いた後は必ず清潔な布や紙を用いて、しっかりと水拭きしてください。また、効果が高い分手荒れしやすいので手袋をする、使っている間は換気をするなどの注意が必要です。
手に優しく使えるのは「次亜塩素酸水」
次亜塩素酸水は、塩酸や食塩水を電気分解して作られるものです。加湿器の除菌用として耳にしたことがある人もいるかもしれません。
刺激が少ないとされているので、肌が弱い方、においが気になる方でも使いやすいでしょう。上で紹介した次亜塩素酸ナトリウムと間違えないように注意してください。
赤ちゃんやペットがいるなら「天然成分由来」や「ノンアルコール」
赤ちゃんやペットがいる家庭こそ、除菌スプレーで清潔さを保ちたいところ。何でも口に入れたり舐めたりする赤ちゃんやペットがいるなら、口に入っても大丈夫な、天然由来成分100%でできている除菌スプレーなどを使いましょう。
また、人間にとってはいい香りでも鼻が敏感な動物にとっては、負担になる可能性も。ペット用の除菌スプレーは、成分が安全なだけでなく、できるだけ香りが少ないもの、できれば無臭のものを選びましょう。
ノンアルコールの除菌スプレーもおすすめです。アルコールも塩素系成分も使っていないのでニオイがなく、子どものおもちゃやぬいぐるみ、ペット用品やキッチンなどにも使うことができます。
【2】トイレや布製品には「消臭効果」をチェック
ニオイが気になるトイレで使うなら、除菌効果と合わせて消臭対策ができるスプレーがおすすめです。
また、毎日洗うことのできないコートやスーツ、洗うのが大変なソファやベッド、枕、カーテンなどには、衣類用除菌スプレーが便利。消臭にプラスして、香水のような優雅な香りを楽しめる芳香成分入りの除菌スプレーもおすすめです。
【3】持ち運びには携帯用が便利
自分の家の中をいくらきれいにしていても、一歩外に出れば菌やウイルスが気になりますよね。自宅で使っている消臭スプレーを100均などのスプレー瓶や携帯用容器に入れる方もいますが、専用ボトルでないと濃度が薄まるなど衛生面や効果面の問題から、容器の移し替えを推奨していないメーカーもあります。
携帯用の除菌スプレーがあれば、外出先で気になったときにいつでもシュッと使えて便利ですよ。
【4】コストパフォーマンスで選ぶなら大容量タイプ
どのくらいの頻度で除菌をするのか、使う人や除菌したい場所によっても回数が変わってくると思いますが、こまめに除菌をする場合は特にコスト面にも注目して選びたいところです。
食事のたびに使うダイニングテーブルを拭いたり、帰宅時に手指を除菌したりする場合は、大容量タイプを選ぶとよいでしょう。また除菌スプレーをあれもこれも揃えるのが大変な場合は、どこでも使える汎用性の高い除菌スプレーを選べば、「少しだけ残って無駄にしてしまう……」ということも少なくなるでしょう。
除菌スプレーのおすすめ14選
ここからは、ハウスクリーニング技能士・ライフアレンジニストの有賀照枝さんと編集部が厳選した、除菌スプレーのおすすめ商品をご紹介します。アルコール系や除菌・消臭できるスプレーなど、さまざまな製品がラインナップされているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
おすすめ商品の比較一覧表
高い殺菌作用で家の中に菌を持ち込ませない!
目薬にも使われ殺菌作用のあるベンザルコニウム塩化物を有効成分として配合している、アルコール消毒液です。とくに、手指や皮膚の菌の消毒におすすめ。
殺菌装置メーカーが作った携帯スプレー
殺菌装置メーカーが作った携帯用除菌スプレー。皮膚への刺激や刺激臭もなく、取り扱いも簡単。ハンディサイズで、外出先のトイレの便座や赤ちゃんのおむつ交換ベッドなど、さまざまな用途に使用可能です。
ママが開発した赤ちゃんにも安心の除菌スプレー
子どもをもつママが考えた、子どものための除菌スプレー。微酸性次亜塩素酸水を主成分としていて、菌やウイルスを除菌したあと水に変わります。コンパクトなサイズ感も魅力。
発酵アルコール77%! キッチンまわりにぴったり
酒造メーカーが開発した高濃度アルコール除菌スプレー。除菌以外に、ウイルス対策や消臭・防カビ対策におすすめ。カビが生えやすい食パンや野菜類、夏場のお弁当、靴やブーツ、部屋干しの洗濯物など幅広く使えます。
家中まるごと除菌! ホタテの高性能成分を使用
高い除菌力とすぐれた消臭力が特徴の「水酸化カルシウム」を主成分としています。冷蔵庫のなかやゴミ箱など、においが気になるところの除菌消臭に効果的です。
除菌消臭だけじゃない! 大人の香りのフレグランス
人気の柔軟剤「ランドリン」のファブリックミストです。クッションやカーテンなどなかなか洗濯できないものの除菌、消臭をしたい方におすすめ。いい香りでルームフレグランスとしても活躍します。
においの元から徹底消臭! 頑固な枕カバーにも最適
衣類についた汗や加齢臭など、気になるニオイをなんとかしたい方におすすめ。体臭の元になる菌の繁殖を抑えて、ニオイの元から消臭してくれます。枕カバーやスーツ、帽子や靴などにも。
衣類やファブリック製品にスプレーするだけ!
洗濯洗剤でもおなじみのナノックスから販売されている、除菌・消臭スプレーです。抗カビ・抗菌はもちろん、ウイルス対策としても便利な商品。ほのかなミンティーグリーンの香りで、香りは残りません。
おしゃれなパッケージ! 自然由来の香りのみ使用
除菌・消臭スプレーで有名なファブリーズの商品。100%自然由来の香りのみを使用しています。除菌成分も植物由来のものを配合し、布団や衣類などの布製品をしっかり除菌してくれます。
抗菌コートで汚れやすいキッチンのキレイが続く
発酵アルコールやグレープフルーツ種子エキスなど、天然成分を主とした除菌スプレー。抗菌効果が1カ月と長く続くのが特徴です。毎日使うまな板や包丁など、キッチン用品全般を除菌したい方におすすめ。
キッチン用品にシュッと吹きかけるだけ!
高濃度アルコールでまな板やシンク周り、台ふきんなどキッチン用品を99.99%除菌してくれます。スプレーを吹きかけたあとは、二度拭きや洗い流しは不要なのも手軽でうれしいですね。
キユーピーが独自に開発した卵白由来の成分配合
マヨネーズで有名なキユーピーが開発した卵白由来の抗ウイルス成分である「ノロクリアプロテイン」を配合した除菌スプレー。アルコールでも除菌できない菌に有効で、食材にスプレーしても安心して使えるのが特徴です。
外出時に便利なコンパクト除菌スプレー
天然由来の純石けん分等が主成分の除菌スプレーです。気づかないうちに汚れているトイレノズルや便器の内側の掃除に便利で、コンパクトサイズなので外出先でも使えます。
動物病院が認めたペット用除菌消臭剤
動物病院でも使われているプロ仕様の除菌消臭スプレー。99.9%が水でできているので、食べ物にかかっても、体にかかっても心配なし。家具やカーペットについても脱色する心配がありません。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 除菌スプレーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での除菌スプレーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
除菌スプレーに関するQ&A
除菌スプレーに関することについて、よくある質問を見ていきましょう!
除菌と「殺菌」の違いは?

「菌やウイルスを殺す、死滅させる」ことを意味します。何をどの程度殺すかの定義はないので、極端なことをいえば10%の菌を殺し、残り90%が生きていても「殺菌」といえます。
「殺菌」の表示は、薬機法という法律にもとづき、医薬品、医薬部外品のみに使用可能です。市販の洗剤や漂白剤、ウエットティッシュなどの日用雑貨品が「殺菌」効果をアピールすることは(たとえ殺菌に等しい効果をもっていたとしても)法律上、許されていません。
「殺菌」に似た言葉に「滅菌」があります。これは、微生物やウイルスを含むすべての菌を死滅させ除去することです。こちらは日本薬局方(厚生労働大臣が定めた医薬品の規格基準書)で、「菌や微生物の生存する確率が100万分の1以下になること」と決められています。医療器具(滅菌ガーゼ、マスクなど)の表示に使われます。
除菌と「抗菌」の違いは?

「菌やウイルスを殺したり減少させたりするのではなく、増殖を抑制・疎外する」ことを意味します。こちらも、何をどの程度抑制するのか、種類や量、範囲に定義はありません。
日用品や衣料品、家電製品、住宅建材、ペット用品などに菌やウイルスの住みにくい環境を作る加工を施す用途で使います。よく「抗菌加工」と表示されているものがありますよね。これらは、それぞれの業界団体が表示の自主基準を決めて表示しています。
キッチン用アルコール系除菌スプレーはコロナウイルスに効く?

一般的に、キッチン用アルコール系除菌スプレー、いわゆるキッチン用エタノールの濃度は50%ほどなのに対し、消毒用エタノールは80%程度です。キッチン用エタノールを消毒用エタノールの代替として使うことは難しいでしょう。
ただし、まったく効果がないというわけでもないようです。北里大学の研究チームは2020年4月20日にプレスリリースを出し、花王の『食卓クイックルスプレー』がコロナウイルスを不活性化させたこと、エタノール濃度50%でもコロナウイルスを不活性化させる結果になったこと、ほかに、界面活性剤をふくむハンドソープや住居用洗剤、洗濯洗剤などにも効果が認められたことなどを発表しました。
くわしくは、北里大学「医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について」をご覧ください。
【関連記事】お役立ち関連グッズはこちら
普段からこまめな掃除も心がけよう!
除菌スプレーの効果を高めるために
菌やウイルスは、「目に見えて除去できた!」とその効果をなかなか実感できにくいものです。しかしながら、除菌スプレーを使うことで目に見えない敵から私たちの暮らしを守り、より安心したものに変えてくれます。
除菌スプレーの効果を高めるためにも、普段からお掃除をこまめにして、少しでも清潔な状態を心がけましょう。また、使用上の注意や期限などをよく確認して、用法を守って使ってくださいね。
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