チリワインの選び方 カベルネソーヴィニヨンやシャルドネ、カルメネールなど!
ワインエキスパート・石関華子さんへの取材をもとに、チリワインを選ぶときのポイントをご紹介します。
ブドウの品種で選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
チリではさまざまな品種のブドウが栽培されています。最も栽培量の多い品種は、赤ワイン用のカベルネ・ソーヴィニヨンという品種。しっかりとした味わいの豊かな渋みのあるワインを生み出す品種です。ほかにも赤ワイン用の品種としては、凝縮した果実味のあるカルメネール、渋みが穏やかで軽快な味わいのピノ・ノワールなどがあります。
また白ワイン用品種としては、華やかで爽快な白ワインを生み出すソーヴィニヨン・ブラン、ふくよかな白ワインを生み出すシャルドネなどが栽培されています。
このようにブドウ品種によってワインの味わいが大きく変化するので、お好みにあわせてブドウ品種から選ぶのもおすすめです。
チリワインらしい味わいが楽しめる「カルメネール」
「カルメネール」は、フランスのボルドー地方が原産のブドウです。近年はボルドー地方で栽培されておらず、おもにチリで栽培されています。
カルメネールを使ったワインは、まろやかな口当たりと豊かなコクが特徴。樽で熟成させることで、コーヒーやビターチョコレートのようなニュアンスも出てきます。
料理と合わせる際は、コクがあるものや香ばしさを感じるものと合わせるとよいでしょう。
チリ原産の品種「パイス」はレアなブドウ
チリ原産のブドウ「パイス」は、大航海時代に伝道師によってチリにもたらされた品種です。1980年代までは広く栽培されていましたが、近年はカベルネ・ソーヴィニョンなどの品種に押され、徐々に栽培されなくなりました。
最近になって再び作られるようになったパイスのワインは、チェリーのような赤い果実の香りとなめらかな口当たりが特徴。タンニンが少ないので、サングリアなどにも適しています。
チリワインの代表品種「カベルネ・ソーヴィニョン」
世界各地で栽培されている「カベルネ・ソーヴィニョン」は、熟成度合いによって味わいが変わる品種です。若いうちはしっかりとしたタンニンが感じられますが、熟成させることで角が取れ、エレガントな味わいに変化します。
チリはカベルネ・ソーヴィニョンの栽培に適した気候で、カシスのような黒系果実の香りやハーブを思わせるさわやかさが感じられます。チリ全土で栽培されているので、産地ごとの違いを楽しんでみるのもよいでしょう。
コスパが高い「ピノ・ノワール」
フランス・ブルゴーニュ地方が原産の「ピノ・ノワール」は、繊細な口当たりと華やかな香りをもつ品種です。暖かく、日照時間が多いチリでは、より力強さが感じられるパワフルなピノ・ノワールが作られています。
チリ産のピノ・ノワールで作られたワインは全体的に濃縮した強い果実味があり、ピノ・ノワールのチャーミングな魅力が詰まった味わいです。
料理と合わせるなら「メルロ」
フランスのボルドー地方が原産の「メルロ」は、料理と合わせやすい赤ワイン用のブドウ品種です。シルキーなテクスチャーで、タンニンのトゲがなくまろやかな味わいですが、ただまろやかなだけでなく、コクや奥行きのある複雑な味わいも感じられるのがポイント。
チリ産の熟したメルロからは、ブルーベリーなどの黒い果実やカカオ、ミントのような香りをもったワインが作られています。
華やかな香りの「ソーヴィニョン・ブラン」
温暖な気候で栽培されるチリの「ソーヴィニョン・ブラン」は、トロピカルフルーツのように華やかな香りが感じられます。とくに、レイダ・ヴァレーはチリ産ソーヴィニョン・ブランの銘醸地です。
ソーヴィニョン・ブランを使ったワインは、骨格のある酸味とイキイキとしたフレッシュなニュアンスが特徴。さっぱりとした白ワインを好む人にぴったりです。
フルーティーで飲みごたえがある「チリ産シャルドネ」
白ワイン用のブドウとして有名な「シャルドネ」は、栽培される土地の個性が出やすい品種です。冷涼な気候で育つとスッキリとシャープな味わいに、温暖な気候で育つとコクが感じられる味わいになります。チリのシャルドネは、バナナやパイナップルといったトロピカルフルーツの香りをもつのが特徴です。
南北に長いチリでは、地方によって気候が大きく異なります。それぞれの地方ごとの個性も楽しめるのが、チリ産シャルドネの魅力です。
ワインの個性を育む「生産地区」から選ぶ
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
チリのワインの産地は、その細長い国土を縦方向に区切り、「コスタ」と「エントレ・コルディリェラス」、「アンデス」の3つの地区に分けられます。
「コスタ」は西側の太平洋に面した地区。フンボルト海流の影響による冷涼な気候で、ミネラル感とシャープな酸味をもつワインが生み出されています。「エントレ・コルディリェラス」は海岸山脈とアンデス山脈にはさまれた中央部地区です。いくつもの河川が流れる入り組んだ地形で、チリを代表する赤ワインの産地です。「アンデス」は東側の山脈の麓の地区。ここでは昼夜の寒暖差が大きいため、凝縮感のある高品質なワインが生み出されています。
このように生産地区ごとにワインの個性も異なるので、生産地区から選ぶのもおすすめです。
しっかりとした味わいのアコンカグア地方のワイン
アコンカグア山の麓(ふもと)を流れる河の流域に広がっているアコンカグア地方では、手ごろな価格のおいしいワインが造られています。とくに、冷涼な気候で海からの風と霧の影響を受ける「カサブランカ・ヴァレー」や「レイダ・ヴァレー」のブドウを使ったワインは、濃厚な果実味が感じられるパワフルな味わいです。
アコンカグア・ヴァレーではカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーが、レイダー・ヴァレーでは繊細なピノ・ノワールが高い評価を得ています。
セントラル・ヴァレー地方のワインは個性派ぞろい
チリの中央部に位置するセントラル・ヴァレー地方のワインは、温暖で安定しており、カルメネールなどの栽培に適しています。この地方にはいくつかのヴァレーが含まれており、マイポ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニョンはとくに個性的な味わいです。
気温が高く日照量が多いカチャポアル・ヴァレーでは、カルメネールやマルベック、メルロなどのブドウが栽培されています。
セントラル・ヴァレーには、チリのブドウ栽培の心臓部とも呼ばれる「クリコ・バレー」も含まれており、ヴァレーごとに異なる味わいが楽しめるのが特徴です。
生産者の取り組みやブランドのコンセプトから選ぶ

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日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
チリには数多くのワインの生産者が存在し、大手ワインメーカーではそれぞれのコンセプトのもとで多彩なワインのブランドを展開しています。
たとえば、世界有数のオーガニック製品認証団体の認証を受けたコノスルのオーガニックシリーズはシ、オーガニック志向の方におすすめです。また、高品質なプレミアムワインを展開するモンテスのアルファシリーズは、ワンランク上のワインを楽しみたい方におすすめ。
このように生産者の取り組みやブランドのコンセプトにも注目して選ぶと、より自分に合ったワインを見つけられるでしょう。
オーガニックワインなら「ロス・ヴァスコス」を
チリに移住したスペイン人によって創業された「ロス・ヴァスコス」は、殺虫剤や除草剤などの化学物質に頼らない方法でブドウを栽培するなど、オーガニックにこだわってワインを造っています。
フランスの名門シャトー・ラフィット社と提携することで、フランスで培われたワイン造りの技術も醸造に取り入れるようになりました。
質の高いワインなら「モンテス S.A.」
質の高いプレミアムチリワインなら、「モンテスS.A.」のワインがよいでしょう。「モンテス S.A.」のワインは、農薬をほとんど使わずに育てられたブドウで造られます。
洗練された味わいが好みなら、アルファシリーズを。ボルドーのグランヴァンに引けをとらない香りと味わいです。クラシックシリーズは、デイリーワインにぴったりの価格帯と味わい。リミテッドシリーズは、そのクォリティに根強いファンが多いです。
「コノスル」はふだん飲むワインにぴったり
いつもの食卓でカジュアルに楽しみたいなら「コノスル」がぴったりです。チリ全土にいくつものブドウ畑を持ち、そこで収穫されたブドウを使って、品種ごとの個性がしっかりと感じられるワインを醸造しています。
買い求めやすい価格と質の高さのバランスがよいので、デイリーワインを探している人はぜひチェックしてみてください。
受賞歴のあるワインなら「サンタカロリーナ」
1875年創業のワイナリー「サンタカロリーナ」は、これまでに何度も国際コンペティションで賞を受賞しているワイナリーです。伝統と革新を大切にしたワイン造りのなかで生み出されるワインはバリエーション豊かで、プレミアムなワインからテーブルワインまで好みやシーンに合わせて選べるのがポイント。
新たに発売されたフラッグシップワイン「エレンシア」は、カルメネールらしい濃厚な果実味と豊かな香りが感じられ、チリワインのポテンシャルを存分に感じさせてくれます。
料理との相性から選ぶ

Photo by Unsplash
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
比較的手ごろな価格なものが多いチリワインは、日ごろの夕食のお供にされる方も多いのではないかと思います。そのため、「どんな料理と合わせるか」といった料理との相性から選ぶのもおすすめです。
たとえば、濃厚な味わいの赤ワインであれば濃厚な肉料理やボリューム感のある料理、すっきりとした白ワインであればあっさりとした味つけの料理や軽めの料理とよく合います。
また次に紹介しているおすすめ商品のなかにも、それぞれに相性のよい料理を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
チリワインおすすめ6選! コノスルやモンテスなど人気ワインを厳選!
上で紹介したチリワインの選び方のポイントをふまえて、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・石関華子さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

モンテス『モンテス・アルファ・カベルネ・ソーヴィニヨン 2017』
![[常温便][2本目以降700円引]モンテス”アルファ”カベルネソーヴィニヨン【2017年】](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
内容量 | 750ml |
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生産地 | コルチャグア・ヴァレー |
ブドウ品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー |
フルボディの赤ワインがお好きな方におすすめの1本
濃厚なフルボディの赤ワインがお好きな方におすすめのワインがこちら。「世界最高峰のチリワインをつくる」という信念のもとでワインづくりを行なうモンテスが手掛ける上質なプレミアムワイン、「アルファシリーズ」のひとつです。
産地はエントレ・コルディリェラス地区のコルチャグア・ヴァレーで、そのなかでも海岸山脈に近いエリアで作られます。適度に冷たい潮風の恩恵を受け、上質なブドウが育つのが特徴です。
ブドウ品種はおもにカベルネ・ソーヴィニヨン。プラムやイチジクのような香りと、果実味とタンニン(渋み)が見事に調和した味わいに仕上がっており、ミートソースやラムチョップなどと抜群の相性です。

サンタ・ヘレナ『サンタ・ヘレナ・グラン・ヴィーノ・カルメネール』
![サンタ・ヘレナグラン・ヴィーノカルメネール[赤ワインミディアムボディチリ750ml]](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
内容量 | 750ml |
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生産地 | セントラル・ヴァレー |
ブドウ品種 | カルメネール |

ウンドラーガ『シバリス グラン・レセルバ ピノ・ノワール』
![ウンドラーガシバリスグラン・レセルバピノ・ノワール[赤ワインミディアムボディチリ750ml]](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
内容量 | 750ml |
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生産地 | レイダ・ヴァレー |
ブドウ品種 | ピノ・ノワール |

テラノブレ『テラノブレ メルロ レゼルバ』
![テラノブレメルロ・レゼルバ[2018]TERRANOBLEMerlotReservaVineyardSelection](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:楽天市場
内容量 | 750ml |
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生産地 | マウレ・ヴァレー |
ブドウ品種 | メルロー |

コノスル『オーガニック ソーヴィニヨン・ブラン 2018』
![コノスルオーガニックソーヴィニヨン・ブラン[2018白ワイン辛口チリ750ml]](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
内容量 | 750ml |
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生産地 | サン・アントニオ・ヴァレー |
ブドウ品種 | ソーヴィニヨン・ブラン |
オーガニックの爽快な辛口白ワイン
辛口の白ワインやオーガニックワインをお探しの方におすすめな1本がこちら。
2017年に「世界で最も称賛されるワインブランドTOP20」に選出されたコノスルが手掛ける『コノスル オーガニック ソーヴィニヨン・ブラン』です。オーガニックシリーズのひとつで、フランスのオーガニック認証機関「エコサール」の認証を受けています。
産地は太平洋に近いコスタ地区のサン・アントニオ・ヴァレー。冷涼な気候に由来するフレッシュな果実味とさわやかな酸味、海洋性ミネラルを含んだ土壌に由来するミネラル分豊かな味わいが特徴です。シーフードマリネやスモークサーモンなどの海の幸とよく合います。

ビニャ・マイポ『ビニャ・マイポ ミ・プエブロ シャルドネ 2018』

出典:楽天市場
内容量 | 750ml |
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生産地 | セントラル・ヴァレー |
ブドウ品種 | シャルドネ |
「チリワイン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする チリワインの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでのチリワインの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ワインエキスパートからアドバイス
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
価格が手ごろな割に高品質なものが多く、コストパフォーマンスに優れたチリワイン。肩肘張らずに楽しめるので、ぜひ日ごろからチリワインを食卓に取り入れてみてくださいね。
またチリではさまざまなブドウ品種のワインが生産されているため、まずはチリワインでいろいろなブドウ品種のワインを試し、お気に入りのブドウ品種を見つけるというのもおすすめです。お気に入りのブドウ品種が見つかったら、そこからまた新たなワインの世界を広げていってくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:ピカルディ修士、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/14 記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/16 コンテンツ追加・修正のため記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 下田結賀子)
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。