「魚醤」のおすすめ商品の比較一覧表
魚醤の選び方 料理研究家に聞いた!
料理研究家の松本葉子さんに、魚醤を選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。自分に合った味を選ぶためにも、選び方をしっかりチェックしてくださいね。
生産地(生産国)から選ぶ
魚醤は世界中で作られていて、海外のものではタイの「ナンプラー(ナムプラー)」、ベトナムの「ニョクマム(ヌクマム)」、古代ローマの「ガルム」などが有名です。
さらに、日本でも古くから三大魚醤といわれる「しょっつる」、「いしる(いしり)」、「イカナゴ醤油」をはじめとしてさまざまな魚醤が作られてきました。
つまり、魚醤はそれぞれの土地で獲れる魚を使って作られる「郷土調味料」ともいうべきもので、その土地の料理を作るのに欠かせない調味料でもあるわけです。そのため、魚醤を選ぶときは生産地(生産国)で選ぶのがポイントです。
原料の魚介から選ぶ
魚醤の原料となる魚介には多くの種類があります。
はたはたを使う「しょっつる」のように、単一の魚を使う場合もありますし、魚の種類にこだわらず小魚を混ぜて作る魚醤もあります。
いずれも発酵・熟成によって醤油風味になりますが、イカと鮎(あゆ)ではまったく味が違うように、原料の魚によって魚醤の風味が異なります。
そのため、魚醤を選ぶときには、どんな魚介で作ったのかまでチェックしてみましょう。いろいろな原料の魚醤を試したり、それぞれの味わいに合う料理に使いわけたりするのも魚醤の魅力です。
魚介と塩以外の原料をチェックする
魚醤は基本、魚介と塩だけでつくる発酵調味料ですが、ナンプラーには砂糖が加えられていることも多いです。
また、日本の魚醤では大豆や小麦、麹など、醤油と同じ材料を使って作られているものがたくさんあるので、小麦アレルギーの方は注意が必要です。
ほかにも、醤油や別の魚醤とミックスしたものや、果汁を加えてつくられた商品もあり、それぞれ個性的な魚醤となっています。
そこで、魚醤を購入するときには、原材料をできる限りチェックしてみてください。原材料の1番目に何がきているか、魚介と塩以外に何が入っているかが分かれば味の傾向も想像できますよ。
魚醤のおすすめ7選 料理研究家が選ぶ!
うえで紹介した魚醤の選び方のポイントをふまえて、料理研究家の松本葉子さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。どのような味なのかイメージしながら、自分の好みや興味のある商品を選んでみてくださいね。

クセが弱く味わいのよさが魅力の魚醤
「においが強い」「クセがある」という魚醤のイメージを覆してくれるのがこの「鮎魚醤」です。そのまま口に含んでみると、心地よい香りと品のよい味わいに驚かされるでしょう。
見た目は淡い色ですが、濃厚な旨みがつまっており、お吸い物や、だし巻き卵など、色をつけたくない料理に隠し味として加えると深い旨みを与えられますよ。また、白身魚のお造りやカルパッチョに添えても、魚の旨みをぐっと引き出してくれます。
魚醤は使いにくそうと感じる人の入門編としても、洗練された魚醤を探している方にもおすすめできる商品です。

イカ好きにはたまらない旨味が詰まった魚醤
日本三大魚醤のひとつに挙げられる「いしり(いしる)」は、石川県能登地方の特産品です。
中でもこの商品は、日本有数のイカの漁獲地・奥能登の小木漁港に水揚げされる新鮮なイカを原料に作られたもの。
極寒の時期にイカの内臓に塩を混ぜて漬け込み、約2年かけてじっくり熟成させることで濃厚な旨みが醸し出されています。イカの旨味がクセになる味なので、イカの塩辛が好きな方には特に試していただきたい魚醤です。
魚介や野菜をいしるで調味する石川の郷土料理「いしるの貝焼き」や「いしるうどん」を作るのもよいでしょう。塩味がはっきりしていて柑橘との相性もよいので、ポン酢風に使ってみるのもおすすめですよ。

10年の熟成期間が味わいをより深くさせた魚醤
秋田の郷土料理「しょっつる鍋」に欠かせない調味料「しょっつる」は、日本の魚醤としても有名です。
しょっつるが大好きな方にはもちろん、ちょっと苦手だという方にもおすすめしたいのがこちらの商品です。一般的なしょっつるは1~3年程度の熟成期間ですが、このしょっつるは、はたはたと塩のみで漬け込み、なんと10年間熟成しているのです。
長い時を経て琥珀色となったしょっつるの中でクセは旨みに、においは香りへと鮮やかに転換していて口当たりも驚くほどまろやかになっています。
さまざまな料理の隠し味として、また刺身醤油やかけ醤油として、少量使うだけでも存在感が際立つ逸品です。

伝統製法で作られたイタリア現地の味
こちらは南イタリアのチェターラという小さな町の特産品で、「コラトゥーラ」とはイワシを使ったイタリアの魚醤を表しています。
旬の時期に水揚げされたイワシだけを用いて、塩とともに樽のなかで5カ月間発酵させるという伝統製法を守り続けています。
特に、オリーブオイルと相性がよいので、イタリア料理好きには特におすすめの魚醤です。コラトゥーラで味付けするチェターラ名物のパスタをぜひ作ってみてくださいね。
また、この魚醤は古代ローマの調味料「ガルム」の製法を受け継ぐものとしても知られています。
ヨーロッパの食文化に興味のある方、歴史好きな方にプレゼントとしても喜ばれるでしょう。

えびの旨味と甘味が詰まった変化球
北海道小樽市の水産会社が開発した甘えびを原料とした魚醤です。
北海道産の甘えびをふんだんに用い、塩と米麹を加えて約100日間発酵熟成して作られています。発酵熟成香の中にもえびの香りや甘みが生きていて、魚を原料とする魚醤とは異なる旨みが楽しめるのが特長です。それでいてえびのクセが後口に残ったりしないのは、刺身で食べられるほど新鮮な甘えびだけを原料にしているからでしょう。
ラーメンやチャーハン、寄せ鍋のつゆなどの熱を加える料理に向いていて、玉子との相性も抜群。ふわりとたなびくえびの風味が楽しめます。
えび好きな方はもちろん、ちょっと変わった魚醤を使ってみたい方にもおすすめです。

素材を選ばないまろやかな味わい
日本でも手に入りやすく、見覚えがある方も多いであろうこの天秤マークの「ナンプラー」は、タイ本国の料理店で愛用されているブランド商品です。
バランスのナンプラーの熟成期間は一般的なナンプラーより半年ほど長い約2年間。しっかりと熟成させることで塩分の角がとれ、また香りもすっきりしているので、さまざまな素材にも合わせやすくなっています。
はじめてナンプラーを使う方にも少量の60mlサイズがあるので試しやすいでしょう。
タイ料理だけでなくフランス料理のソースの隠し味、日本の漬け物のかけ醤油になど、いろいろな使い方を試してみてください。

スッキリとした味わいがレパートリーの幅を広げる
ベトナム料理に欠かせない調味料「ニョクマム」。
フンタンブランドのニョクマムが作られているのはベトナム最大の島であるフーコック島です。ニョクマムはこの島の特産物で、高品質なものを産出することでも知られています。
ニョクマムは多種類の小魚から作られますが、フンタンブランドのものはカタクチイワシの割合が多く、雑味が少ないのが特長。「ニョクマムは魚の香りが強いのでナンプラーの方が好み」という方にも試してほしい商品です。
ナンプラーには砂糖が入っているものが多いですが、このニョクマムには入っていないので、つけだれなどに使ってもすっきりとした味が楽しめます。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 魚醤の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの魚醤の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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魚醤選びに迷ったら! 料理研究家からのアドバイス
どんな料理に使いたいかで選ぶのもおすすめ
タイ料理を作りたいからナンプラー、しょっつる鍋を食べたいからしょっつる、というように作りたい料理があって魚醤を購入する方も多いと思います。
ですが、料理とそれほど密接な関係がない魚醤の場合、自分なりの使い方を想定してから選ぶのもおすすめです。
たとえば、「鮎魚醤は上品な味わいのようだから炊き込みご飯の味付けに使ってみよう」、「エビチリ作る時にエビ魚醤入れたらおいしくなるのでは? 」、「いしりはイカが原料だからイカ焼きにあうかも」というようなイメージですね。
魚醤の多彩さを知ることで、どんどん味の世界が広がりますよ!
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