歯や口腔内の悩みは人それぞれ
口は食事をすることや会話など生活の中で多くの役割をもっています。しかし、むし歯や口臭などのトラブルが引き起こされることが問題です。自分が痛い思いをするだけでなく、相手の印象にも影響が出てしまいます。
歯や口腔内の悩みは人それぞれなので、歯科医に見てもらうだけでなく、日ごろのケアで影響は変わってきます。そのとき、歯・口腔内のケアをフォローしてくれるのが歯磨き粉です。
歯磨き粉の選び方
歯や口腔内の悩みの種を解消するために、歯磨き粉を選んでケアしてみましょう。実際にはさまざまな口腔トラブルにあわせてたくさんの種類の製品があります。
成分だけでなく、自分の歯の色合いや天然素材などこだわりの内容を持った歯磨き粉が多いです。ここからはたくさんの歯磨き粉から自分にあった製品を選ぶポイントをご紹介していきます。
【1】自分の歯の状態にあわせて成分で選ぶ
【2】フッ素入りはむし歯で悩む人におすすめ
【3】ポリリン酸ナトリウムはホワイトニングを維持できる
【4】研磨剤入りを選ぶのかはよく検討しよう
【5】低発泡の歯磨き粉で磨き残しなし
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】自分の歯の状態にあわせて成分で選ぶ
歯磨き粉を選ぶポイントとして、どのような成分が入っているのかは気になるところでしょう。自分の歯や口腔内にあるトラブルを防ぐことやケアしていくためには、内容に合った成分を選びましょう。
むし歯と歯周病では、ケアできる成分は違います。複数の症状に対応できる製品もありますので、成分をよく確認して参考にしてみましょう。
【2】フッ素入りはむし歯で悩む人におすすめ
歯の悩みで多いこととしてむし歯を思い浮かべる人は多いでしょう。食事したときに食べものの糖分をむし歯菌が吸収し、酸を作り出すことで歯を溶かしていきます。
むし歯の対策として使われる成分が、フッ素です。歯の表面の組織であるエナメル質にフッ素が浸透すると歯質が強くなり、むし歯になりにくくなります。あわせてむし歯の原因となる菌の活動を抑制してくれるでしょう。国内で流通する歯磨き粉にはフッ素が含まれていることが多いです。
フッ素の濃度は、法律上1,500ppm以下で配合できることになっています。
【3】ポリリン酸ナトリウムはホワイトニングを維持できる
歯の表面にコーヒーやタバコなどの製品に含まれている色素が着色し、黄ばみになったりします。歯科医院などでは過酸化水素を使って、ホワイトニングを実施していますがこれは歯科医院のみで使用できる成分です。
歯科医院で行ったホワイトニングの歯を長続きさせたい場合にはポリリン酸ナトリウム配合の歯磨き粉を選びましょう。ポリリン酸ナトリウムは洗浄の力があるので、白さをキープできます。
過酸化水素は歯を刺激するために痛みが生じますが、ポリリン酸ナトリウムは痛みが生じないので、手軽に使えます。
殺菌成分で歯周病を防ぐ
歯周病は、歯と歯ぐきの間に潜む菌の影響で起こってしまう口腔内トラブルです。菌には殺菌成分を含んでいる歯磨き粉で対抗しましょう。
殺菌成分は、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)やCPC(塩化セチルピリジニウム)、CHX(クロルヘキシジン)などがあります。歯周病の原因になりやすい菌のかたまりにはIPMPだけが対応できます。殺菌成分の内容も確認して選びましょう。
乳酸アルミニウムや硝酸カリウムは知覚過敏の人向け
アイスや冷たい飲み物を飲んだときに、キーンと染みるような感覚になるのが知覚過敏です。原因は歯の表面であるエナメル質がなんらかの原因で削れて、その内側にある象牙質が露出してしまい、そこに冷たいものが触れると起きてしまいます。
知覚過敏を抑えるには、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが含まれている歯磨き粉を選びましょう。硝酸カリウムはカリウムイオンで歯の神経のまわりで刺激を伝えないようにします。
乳酸アルミニウムは歯の神経に刺激を伝える象牙細管と呼ばれる小さな穴をふさいでくれるので、知覚過敏の発生による痛みを緩和できます。
【4】研磨剤入りを選ぶのかはよく検討しよう
研磨剤入りの歯磨き粉は、歯のトラブルの内容によって選びましょう。研磨剤が入っているとお茶やコーヒー、ワインなどをよく飲む人に起こりやすい着色汚れをきれいにできます。
研磨剤は炭酸カルシウム・水酸化アルミニウム・リン酸水素カルシウム、含水ケイ素、無水ケイ素(シリカ)など種類があります。
しかし、研磨剤はかたい粒子の場合、歯のエナメル質を削ってしまう可能性があります。エナメル質が削れてしまうと、知覚過敏の発生につながるかもしれないので、研磨剤のリスクを確認したうえで使うようにしましょう。使用する場合には歯のかたさよりもやわらかい粒子である炭酸カルシウムなどがよいです。
どうしても判断できないときは歯科医師に相談してみてください。
【5】低発泡の歯磨き粉で磨き残しなし
歯磨き粉の中には、口腔内に歯磨き粉の成分を広がりやすくするために発泡剤が含まれています。発泡剤によって泡立てやすくして成分を広げます。種類はラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンソーダ、ショ糖脂肪酸エステルなどがあります。
しかし発泡剤を使うと泡によって歯の表面がきれいになると誤った認識を持つ人も少なくありません。的確に歯磨きできていないことがあります。
発泡剤自体は汚れを落とすことはできないので、磨く部位を確認しながら、的確に汚れを落とすためにも低発泡の製品を選択して使ってみましょう。
歯磨き粉の成分を見極めて、購入しよう! エキスパートからのアドバイス
医療系フリーライター
歯磨き粉によって含まれる成分が異なります。むし歯予防、歯周病予防、ホワイトニングといったお口の悩みにアプローチできる歯磨き粉の中から、自身が求めるものを選んでいきましょう。また、研磨剤の有無や、泡立ちなども選ぶポイントとなるため、好みのものを見つけていきましょう。
おすすめ歯磨き粉40選
ここまで歯磨き粉をどのように選ぶかについて、説明してまいりました。では実際に医療系フリーライター粟飯原ももこさんと編集部がおすすめする歯磨き粉40選を見ていきましょう。
むし歯、ホワイトニング、歯槽膿漏、歯周炎など歯と口腔内における悩みを解決できる製品を取り揃えました。選ぶポイントを見ながら確認してみてください。
医療系フリーライター
ライオン(LION)『チェックアップ スタンダード マイルドピュアミント』 は、低研磨性であることが最大のポイントです。泡立たず、なおかつお口の中で広がりやすいので、使用しやすい歯磨き粉です。

医療系フリーライター
『DENT. システマ SP-T ジェル』は、酢酸トコフェロールが配合されており、歯ぐきの血行を促進させ免疫力を高める効果が期待できるため、歯周病予防におすすめです。

医療系フリーライター
『コンクール ジェルコートF』はジェル状の歯磨き粉であり、研磨剤を使用していないため、歯磨きしやすいのが特徴です。また、むし歯や歯周病、口臭にもアプローチできるため、おすすめです。

「歯磨き粉」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 歯磨き粉の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの歯磨き粉の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
歯ブラシや歯間ブラシもこだわろう
歯磨きは歯磨き粉だけでなく、歯ブラシ、歯間ブラシをどのようなものにするかで影響が変わってきます。歯磨きには欠かせないアイテムにもこだわりましょう。
歯ブラシはヘッドの薄さが操作性が変わります。奥まで磨きやすくなるでしょう。毛先はかたすぎず、やわらかすぎずで細いものを選ぶと歯と歯ぐきの間の汚れもかき出しやすいです。
歯間部の歯垢については、歯間ブラシで対処しましょう。先端がやわらかい植毛のブラシであれば、歯ぐきをキズつけずに歯垢が取れます。日本歯科医師会が推薦する商品もあるので調べてみましょう。
電動歯ブラシと歯磨き粉の関係
電動歯ブラシは、手で磨くより力具合なども調整いらないので、歯科医師さんでおすすめする人も増えてきています。電動歯ブラシで歯磨き粉を使用する場合は、研磨剤と発泡剤が含まれていないものを選びましょう。ジェル状の製品が良いです。
飛び散るようなこともないので、使用しやすいです。量としては米粒大から小指の爪程度にするとよいでしょう。メーカーによっては、歯磨き粉の使用に関して推奨していない場合があります。注意しましょう。
歯磨きに関連する記事はこちら!
自分に合った歯磨き粉で歯をいたわろう
歯磨き粉と言ってもさまざまな種類の製品があることを知ってもらえましたか。むし歯だけでなく、口腔内の多くの問題をケアしたり、防ぐことができることも説明させていただきました。
歯は生活していく中で、切っても切り離せない存在です。トラブルにかかってしまうと生活に支障をきたすことも考えられます。毎日歯磨き粉を使ってケアしてあげるだけでトラブルに合うことを防げます。
おいしく食事を食べたり、家族や友達とたのしい会話を続けるためにも自分に合った歯磨き粉を選んで歯や口腔内をいたわりましょう。
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2006年3月歯科衛生士免許取得。現在は3児の母親でもあり、日々仕事と子育てに奮闘中。 歯科医院勤務で得た経験を活かし、歯科に関するコラムを執筆・監修しております。歯科衛生士だからこそ得られる基礎知識や情報を、分かりやすく文章でみなさまにお伝えしていき、お口の中の健康を生涯に渡り維持できるようにサポートいたします!