サムピックとは? アルペジオ奏法に!

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サムピックとは、その名の通り親指にはめて使うアイテムです。おもに指弾きでアルペジオ奏法(分散和音)をするときに使用します。アコギやウクレレだけでなく、エレキギターでも使用する人もいますよ。サムピックを使うと、低音がクリアに聴こえる、正しい右手のフォームを身につけやすいなどのメリットがあります。はじめは慣れない、難しいと思うかもしれませんが、初心者にもおすすめのアイテムです。
また、サムピックと混同しやすいのが「フィンガーピック」。どちらも指につけてギターを演奏するものですが、使い方が異なり、フィンガーピックは親指以外にはめて使うものを指します。
サムピックの選び方 正しいフォームできれいな音が出る!
まずは、サムピックの選び方をご紹介します。材質や形状、厚さで弾きやすさや音の特徴が異なりますので、自分にぴったりのものを選びましょう。
材質による特徴を知ろう
一般的にサムピックの材質は、金属・プラスチック・べっ甲が多く使われています。材質により特徴が異なっているため、それをよく知り自分の好みに合った材質のサムピックを選びましょう。
指弾きとの違いがわかりやすい「金属製」
Jim Dunlop『NICKEL SILVER LEFT THUMBPICKS(3040TL)』
金属製のサムピックは、アタック音が強いはっきりとしたサウンドを出ることが特徴です。ピック弾きとの違いが出しやすいため、両者のニュアンスの違いを出したい人は使ってみるとよいでしょう。
しかし、金属製のサムピックはしなりがないためピッキングが難しく、はじめてサムピックを使う人には使いにくいと感じられるでしょう。
指弾きに近い感覚で弾ける「プラスチック製」
Ibanez『ULTEM Pick(UL22M)』
プラスチック製のサムピックは、指弾きに近い感覚で弾けるのが特徴です。しなりのある材質であるため弾きやすくピッキングをコントロールしやすく、はじめてサムピックを使う人にも使いやすいでしょう。
形状や厚さ、デザインなど豊富なラインナップがあるため、好みのものを見つけやすいのも特徴のひとつです。しかし、金属やべっ甲製のものよりも削れやすい材質のため、消耗が早いというデメリットがあります。
やわらかく優しい音が出せる「べっ甲製」
HOSCO『本鼈甲ピック(PK-T-THM)』
タイマイという亀の甲羅を原材料として作られているべっ甲製。べっ甲製のサムピックでなければ出すことができない特徴的なやわらかく優しい音は、聴けばすぐにわかるでしょう。
タイマイは手に入れにくい素材であるため、金属やプラスチック製のサムピックよりも高価であるのがデメリットです。そのため、気をつけて保管するようにしましょう。
形状の違いをチェック
サムピックにはさまざまな形状があります。形状によって向いている演奏スタイルが異なりますので、自分の演奏スタイルに合ったものを選びましょう。
ストロークも単音弾きにも向いている「ノーマルタイプ」
PROPIK『Metal-Plastic Thumbpick』
はじめてサムピックを使う人にも弾きやすいノーマルタイプ。ストローク弾きにも単音弾きにも向いているため、どんなジャンルの音楽にも対応できるのが特徴です。
ノーマルタイプでも材質や厚さが異なれば、微妙に弾きやすさや音が違ってきます。さまざまな種類のものがあるため、弾きやすいサムピックを見つけやすいでしょう。
ストロークに向いている「POPタイプ」
TAB『フラットピック:nine9(TE127-MBL×GY)』
親指にはめる部分を、トライアングルタイプやティアドロップタイプのピックに取りつけたPOPタイプ。ストローク弾きに向いているサムピックです。
人差し指と挟めば通常のピックのようにも使えるため、ピックをよく落とす人は使ってみてもいいでしょう。しかし、固定されてしまうので、ピックと弦が当たる角度を調整しにくく、微妙なニュアンスを表現しづらいというデメリットがあります。この問題を解消するために、親指をはめる部分をある程度伸縮性がある素材にした商品も発売されています。
単音弾きに向いている「スピードピック」
Fred Kelly『SPEED PICK』
弦を弾く部分が細くなっているスピードピック。ストローク弾きよりも単音弾きに向いているサムピックです。速弾きにもおすすめ。
初心者には使いにくいタイプですが、ふだんから小さめのピックを使っている人ならはじめてサムピックを使う人でも違和感なく使えるでしょう。弦と当たる部分の細さは種類によって異なるため、弾きやすいものを注意して探す必要があります。
薄めはストローク、厚めは単音弾きにぴったり
Fred Kelly『SLICK PICK』
サムピックは、厚さによって向いている演奏スタイルが異なっているので注意が必要です。1mmなどの薄めのものはやわらかく微妙なタッチを表現できるため、ストロークプレイがしやすいです。厚めのものは硬くピッキングの強弱を表現できるので、単音弾きに向いています。
適度な厚さのものを選べば、ストロークプレイにも単音弾きにも対応できるため、プレイスタイルが定まっていない人には使いやすいなサムピックでしょう。
サイズが合わなかったら調整しましょう
TAB『TAB Special II(TP114-MBK×GY)』
サムピックの親指を入れる部分は、同じ種類でも微妙に異なります。緩すぎると弾いているうちにずれてきてしまうため、弾きにくくなってしまうでしょう。逆にきつすぎるとピックが固定されてしまうため、弦に当てる微妙な角度を調整できなくなってしまいます。
プラスチック製ならサイズが合わないときでも、お湯でやわらかくして自分の指に合うように調整できます。このときピック部分に熱湯をかけてしまうと、変形して弾きにくくなってしまう可能性があるので注意してください。また、ヤスリで削るなど加工をして自分の好みの形にカスタムする人もいます。
サムピックおすすめ13選 初心者にもおすすめ! 人気メーカーも
ここからは、おすすめのサムピックをご紹介します。ご紹介したサムピックの選び方を参考に自分に合った商品を見つけましょう。
Black Mountain Picks『BM-TPK01』






出典:Amazon
メーカー | Black Mountain |
---|---|
材質 | ナイロン |
厚さ | 1.5mm |
形状 | - |
大きさ | - |
TAB『フラットピック:nine9(TE127-MBL×GY)』






出典:Amazon
メーカー | TAB |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | - |
形状 | POPピック |
大きさ | - |
TAB『TAB Special II(TP114-MBK×GY)』






出典:Amazon
メーカー | TAB |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | - |
Fred Kelly『SPEED PICK』

出典:Amazon
メーカー | Fred Kelly |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | - |
形状 | スピードピック |
大きさ | ラージ、レギュラー |
Jim Dunlop『WHITE MEDIUM THUMBPICKS(9002)』

出典:Amazon
メーカー | Jim Dunlop |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | ミディアム |
Fred Kelly『SLICK PICK』

出典:Amazon
メーカー | Fred Kelly |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | ラージ、レギュラー |
Jim Dunlop『NICKEL SILVER LEFT THUMBPICKS(3040TL)』

出典:Amazon
メーカー | Jim Dunlop |
---|---|
材質 | 金属 |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | 0.25インチ |
HOSCO『本鼈甲ピック(PK-T-THM)』






出典:Amazon
メーカー | HOSCO |
---|---|
材質 | べっ甲 |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | ミディアム |
Ibanez『ULTEM Pick(UL22M)』






出典:Amazon
メーカー | Ibanez |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | - |
YAMAHA『Thumb Pick』

出典:Amazon
メーカー | YAMAHA |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | - |
Takamine『サムピック ミディアム(TPW)』

出典:Amazon
メーカー | Takamine |
---|---|
材質 | プラスチック |
厚さ | 1.5mm |
形状 | ノーマル |
大きさ | ミディアム |
PROPIK『Metal ThumbPick』

出典:Amazon
メーカー | PROPIK |
---|---|
材質 | 金属 |
厚さ | - |
形状 | ノーマル |
大きさ | スモール、ミディアム、ラージ、Xラージ |
PROPIK『Metal-Plastic Thumbpick』

出典:Amazon
メーカー | PROPIK |
---|---|
材質 | ピック:プラスチック、ラップ部分:金属 |
厚さ | 1mm |
形状 | ノーマルタイプ |
大きさ | スモール、ミディアム、ラージ |
「サムピック」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする サムピックの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのサムピックの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
エキスパートからのアドバイス
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務
はっきりとした低音の発音やアルペジオの演奏をしやすくする、サムピック。選ぶ際は指へのフィット感やピッキングなどの感覚、音の鳴り具合をよくチェックして、希望に合うものを見つけてください。サムピックは素材も形状もさまざま。先端が細いもの、金属製、サイズ調整がかんたんにできるものなど数種類用意して、演奏スタイルに合わせて使い分けるのもいいでしょう。
ギター本体へのキズを防ぐにはピックガード
ピックガードは、演奏中にピックがギター本体に擦れてキズがつくのを防ぐために使うパーツです。さまざまなタイプがあるため、交換すると見た目の印象がガラッと変わります。
ピックガードについて詳しく知りたい人は、あわせてこちらの記事をチェックしてみてください。
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自分の好みに合ったサムピックを見つけよう!
サムピックを選ぶ際のポイントやおすすめの商品をご紹介しました。サムピックはおもにアコースティックギターを演奏するときに使用するピックです。厚さや材質、サイズなどによって弾きやすさや音が変わります。
さまざまなタイプの商品が販売されていますが、フィット感を重視して商品を選びましょう。今回ご紹介したおすすめの商品を参考に、自分の好みに合ったサムピックを見つけてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:yuuya、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/03/30 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 矢部栞)
武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。 音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。 現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。