サムピックとは? アルペジオ奏法に!
サムピックとは、その名の通り親指にはめて使うアイテムです。おもに指弾きでアルペジオ奏法(分散和音)をするときに使用します。アコギやウクレレだけでなく、エレキギターでも使用する人もいますよ。サムピックを使うと、低音がクリアに聴こえる、正しい右手のフォームを身につけやすいなどのメリットがあります。はじめは慣れない、難しいと思うかもしれませんが、初心者にもおすすめのアイテムです。
また、サムピックと混同しやすいのが「フィンガーピック」。どちらも指につけてギターを演奏するものですが、使い方が異なり、フィンガーピックは親指以外にはめて使うものを指します。
サムピックの選び方 正しいフォームできれいな音が出る!
それでは、サムピックの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】材質による特徴を知ろう
【2】形状の違いをチェック
【3】薄めはストローク、厚めは単音弾きにぴったり
【4】サイズが合わなかったら調整しましょう
上記の4つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】材質による特徴を知ろう
一般的にサムピックの材質は、金属・プラスチック・べっ甲が多く使われています。材質により特徴が異なっているため、それをよく知り自分の好みに合った材質のサムピックを選びましょう。
▼指弾きとの違いがわかりやすい「金属製」
金属製のサムピックは、アタック音が強いはっきりとしたサウンドを出ることが特徴です。ピック弾きとの違いが出しやすいため、両者のニュアンスの違いを出したい人は使ってみるとよいでしょう。
しかし、金属製のサムピックはしなりがないためピッキングが難しく、はじめてサムピックを使う人には使いにくいと感じられるでしょう。
▼指弾きに近い感覚で弾ける「プラスチック製」
プラスチック製のサムピックは、指弾きに近い感覚で弾けるのが特徴です。しなりのある材質であるため弾きやすくピッキングをコントロールしやすく、はじめてサムピックを使う人にも使いやすいでしょう。
形状や厚さ、デザインなど豊富なラインナップがあるため、好みのものを見つけやすいのも特徴のひとつです。しかし、金属やべっ甲製のものよりも削れやすい材質のため、消耗が早いというデメリットがあります。
▼やわらかく優しい音が出せる「べっ甲製」
タイマイという亀の甲羅を原材料として作られているべっ甲製。べっ甲製のサムピックでなければ出すことができない特徴的なやわらかく優しい音は、聴けばすぐにわかるでしょう。
タイマイは手に入れにくい素材であるため、金属やプラスチック製のサムピックよりも高価であるのがデメリットです。そのため、気をつけて保管するようにしましょう。
【2】形状の違いをチェック
サムピックにはさまざまな形状があります。形状によって向いている演奏スタイルが異なりますので、自分の演奏スタイルに合ったものを選びましょう。
▼ストロークも単音弾きにも向いている「ノーマルタイプ」
はじめてサムピックを使う人にも弾きやすいノーマルタイプ。ストローク弾きにも単音弾きにも向いているため、どんなジャンルの音楽にも対応できるのが特徴です。
ノーマルタイプでも材質や厚さが異なれば、微妙に弾きやすさや音が違ってきます。さまざまな種類のものがあるため、弾きやすいサムピックを見つけやすいでしょう。
▼ストロークに向いている「POPタイプ」
親指にはめる部分を、トライアングルタイプやティアドロップタイプのピックに取りつけたPOPタイプ。ストローク弾きに向いているサムピックです。
人差し指と挟めば通常のピックのようにも使えるため、ピックをよく落とす人は使ってみてもいいでしょう。しかし、固定されてしまうので、ピックと弦が当たる角度を調整しにくく、微妙なニュアンスを表現しづらいというデメリットがあります。この問題を解消するために、親指をはめる部分をある程度伸縮性がある素材にした商品も発売されています。
▼単音弾きに向いている「スピードピック」
弦を弾く部分が細くなっているスピードピック。ストローク弾きよりも単音弾きに向いているサムピックです。速弾きにもおすすめ。
初心者には使いにくいタイプですが、ふだんから小さめのピックを使っている人ならはじめてサムピックを使う人でも違和感なく使えるでしょう。弦と当たる部分の細さは種類によって異なるため、弾きやすいものを注意して探す必要があります。
【3】薄めはストローク、厚めは単音弾きにぴったり
サムピックは、厚さによって向いている演奏スタイルが異なっているので注意が必要です。1mmなどの薄めのものはやわらかく微妙なタッチを表現できるため、ストロークプレイがしやすいです。厚めのものは硬くピッキングの強弱を表現できるので、単音弾きに向いています。
適度な厚さのものを選べば、ストロークプレイにも単音弾きにも対応できるため、プレイスタイルが定まっていない人には使いやすいなサムピックでしょう。
【4】サイズが合わなかったら調整しましょう
サムピックの親指を入れる部分は、同じ種類でも微妙に異なります。緩すぎると弾いているうちにずれてきてしまうため、弾きにくくなってしまうでしょう。逆にきつすぎるとピックが固定されてしまうため、弦に当てる微妙な角度を調整できなくなってしまいます。
プラスチック製ならサイズが合わないときでも、お湯でやわらかくして自分の指に合うように調整できます。このときピック部分に熱湯をかけてしまうと、変形して弾きにくくなってしまう可能性があるので注意してください。また、ヤスリで削るなど加工をして自分の好みの形にカスタムする人もいます。
エキスパートからのアドバイス
はっきりとした低音の発音やアルペジオの演奏をしやすくする、サムピック。選ぶ際は指へのフィット感やピッキングなどの感覚、音の鳴り具合をよくチェックして、希望に合うものを見つけてください。サムピックは素材も形状もさまざま。先端が細いもの、金属製、サイズ調整がかんたんにできるものなど数種類用意して、演奏スタイルに合わせて使い分けるのもいいでしょう。
サムピックおすすめ11選 初心者にもおすすめ! 人気メーカーも
ここからは、おすすめのサムピックをご紹介します。ご紹介したサムピックの選び方を参考に自分に合った商品を見つけましょう。
特許取得済みのスプリングを使った新技術
特許取得済みのスプリングを使った新技術により、サムピッキングだけではなく、フラットピッキングにも使えるピックとして開発されました。指弾きとピック弾きを瞬間に切り替えることができ、フィンガースタイルとフラットピッキングを組み合わせ、独自の演奏表現ができます。
上級者だけではなく誰でも使いやすい形状に仕上がっているため、初心者の方にもおすすめです。
弦への引っ掛かりが少なくスムーズな演奏ができる
Ibanezから発売されているノーマルタイプのサムピック。材質のウルテムはプラスチックのなかでもかたいうえに滑らかであるため、ピッキングをしたときに引っ掛かりが少なくはじめてサムピックを使う人でもスムーズな演奏ができるでしょう。
くせのないバランスが取れた音は、さまざまな演奏スタイルに対応できます。
3種類の厚さがありさまざまな音が出せるサムピック
Fred Kellyから発売されているノーマルタイプのサムピック。材質はプラスチックで柔軟性にすぐれており、はじめてサムピックを使う人にも使いやすいでしょう。
ピックの厚さはライト、ミディアム、ヘビーの3種類があるので、さまざまななプレイスタイルに対応できます。自分の出したい音に合わせて、厚みを選択しましょう。
さまざまな工夫が施されているサムピック
演奏するときのことを考えて親指を入れる部分に工夫がみられるノーマルタイプのサムピック。ベルト部分はゴムになっているため、汗で指が滑ってずれる心配はありません。指のサイズに合わせてゴムの引っ掛け口の位置を変えられるため、指に合うサムピックが見つからない人にはピッタリの商品です。
ピックの硬さがTHIN、MEDIUM、HARDの3タイプがあるので、好みに合わせて選べます。
単音が弾きやすいスピードピック
先端が細いFred Kellyが発売しているスピードピック。ノーマルタイプよりも弦に当たる部分が細いため速いピッキングがしやすく、ギターソロなどの単音弾きがしやすいサムピックです。先端がしなるため、アップストロークをしても引っかかることなく演奏できるという声も。
材質はプラスチックで厚さがライト、ミディアム、ヘビーの3種類あるので、自分の演奏スタイルやジャンルに合った厚さのものを選択しましょう。
さまざまな演奏スタイルに対応できるサムピック
Jim Dunlopから発売されているプラスチック製のノーマルタイプのサムピック。バランスの取れた素直な音が出せるので、さまざまなジャンルや演奏スタイルに対応できるでしょう。サイズはミディアム、スモール、ラージの3種類がラインナップされています。
プラスチック製でサイズは硬さはミディアム、形状はノーマルタイプと使いやすく、はじめてサムピックを試す人にピッタリの商品です。
落ちにくいPOPタイプのサムピック
調整可能なゴムバンドが取りつけられているPOPタイプのサムピック。激しいストロークをしているときにもピックが落ちないように、ゴム製のバンドが採用されています。指のサイズに合わせてサイズを調整できるためフィット感が高く、アルペジオからストロークプレイの移行もスムーズに行なえるでしょう。
ピックの硬さが、THIN、MEDIUM、HARD、形状はトライアングル、ティアドロップ、タテ型があるため、好みに合ったものを選びましょう。
指弾きとの違いが目立つ金属製のサムピック
Jim Dunlopから発売されている金属製のノーマルタイプサムピック。金属製特有の高音域が目立った音が出せます。プラスチック製のものと違い指のサイズに合わない場合でも、すぐに微調整ができる点も魅力的です。
ピック弾きと指弾きの違いを強調したい人や、プラスチック製のサムピックに飽きてしまった人にぜひ選んでほしいサムピックです。
スムーズなピッキングがしやすいべっ甲製サムピック
本べっ甲を材質に作られたサムピック。弦とピックとの摩擦が少なく、スムーズなピッキングがしやすいです。プラスチック製のピックでは出せない、やわらかく優しい独特のサウンドを出したい人は、こちらのサムピックをメインに使うといいでしょう。
湿度などによりピックが反ってしまうおそれがあるため、保管には注意が必要です。
はじめて使う人にも使いやすいサムピック
YAMAHAから発売されているノーマルタイプのサムピック。適度な厚さでフィット感にすぐれているため、使いやすいです。また、ピックの大きさ形状にクセがなくはじめてサムピックを使う人でも、弾きやすさを感じられるでしょう。
プラスチック製のためサイズが合わなかったときは調整が難しいですが、熱湯などで素材を温めれば調整できます。
滑り止めがついているサムピック
Takamineから発売されているノーマルタイプのプラスチック製サムピック。親指の腹に当たる部分に滑り止めのサンドグリップが取りつけられているため、親指とのフィット感がよく、汗などで演奏中にずれる心配はありません。
1.5mmと厚めであるため、単音弾きで強弱をつける演奏スタイルの人にはピッタリのサムピックでしょう。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする サムピックの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのサムピックの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ギター本体へのキズを防ぐにはピックガード
ピックガードは、演奏中にピックがギター本体に擦れてキズがつくのを防ぐために使うパーツです。さまざまなタイプがあるため、交換すると見た目の印象がガラッと変わります。
ピックガードについて詳しく知りたい人は、あわせてこちらの記事をチェックしてみてください。
自分の好みに合ったサムピックを見つけよう!
サムピックを選ぶ際のポイントやおすすめの商品をご紹介しました。サムピックはおもにアコースティックギターを演奏するときに使用するピックです。厚さや材質、サイズなどによって弾きやすさや音が変わります。
さまざまなタイプの商品が販売されていますが、フィット感を重視して商品を選びましょう。今回ご紹介したおすすめの商品を参考に、自分の好みに合ったサムピックを見つけてください。
【関連記事】そのほかのピックもチェック
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武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。 音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。 現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。