犬向け薬用シャンプーの選び方
まずは犬向け薬用シャンプーの選び方をチェックしていきましょう。ペット専門エディター&ライターの井手綾子さんからのアドバイスもご紹介しています。自分の愛犬にぴったりな犬向け薬用シャンプーを選ぶためのご参考にしてみてください。
犬向けに作られた薬用シャンプーを選ぶ
犬と人間では地肌の構造が異なります。犬の地肌は被毛に守られているので薄く、人間の地肌は表層が厚いのが大きな違いです。
また、犬の被毛は人間よりもキューティクルの層が薄いも特徴のひとつ。そのため、人間用のシャンプーで愛犬を洗うと、保湿成分が不足して油分が過剰になってしまいます。大前提として、犬をシャンプーする際には、専用の薬用シャンプーを選びましょう。
愛犬に合った成分入りの薬用シャンプーを選ぶ
犬向けの薬用シャンプーにはさまざまな成分が使われています。目的によって異なるので、愛犬の状態に適した成分が配合されたものを選びましょう。
細菌が増えている場合は「抗菌性シャンプー」
地肌がデリケートな愛犬にとって、夏は状態が悪くなるシーズンのため注意が必要です。高温多湿の環境によって、地肌表面の細菌が増えすぎてしまい、不快な感覚や赤みを引き起こす原因となります。
「過酸化ベンゾイル」や「クロルヘキシジン」、「ポピドンヨード」などが配合された抗菌性シャンプーを選ぶようにしましょう。定期的なシャンプーで、細菌の栄養になる地肌表面の汚れを落とすことが大切です。
真菌が増えている場合は「抗真菌性シャンプー」
愛犬の地肌には、カビの一種であるマラセチアが常在しています。耳の外側や口のまわり、脇、足のつけ根、しわや指の間などに見られる真菌です。
免疫力が下がるとマラセチアが増殖して、ベタつきや赤み、ニオイ、不快な感覚などの症状を引き起こす原因となります。マラセチアを減らして増殖をガードするために、「クロルヘキシジン」が配合された抗真菌性のシャンプーでケアしましょう。
脂漏性皮膚炎から守る「抗脂漏性シャンプー」
犬の地肌は新陳代謝であるターンオーバーによって、保湿成分や適量の皮脂が作られています。ターンオーバーがうまくいかないとバリア機能が低下。地肌がベタベタしたり、カサカサしてフケが出たりするといった脂漏(しろう)の症状を引き起こします。
また、脂っぽい状態になるとマラセチアが増殖する可能性も否めません。「二硫化セレン」や「乳酸エチル」が配合された抗脂漏性のシャンプーでケアしましょう。
フケやベタつきに「角質溶解性シャンプー」
角質溶解性シャンプーは、脂漏症やアトピー性皮膚炎が原因となり蓄積した異常角質を取り除くのに適しています。「イオウ」や「サリチル酸」、「過酸化ベンゾイル」などの成分を配合。地肌のターンオーバーが短縮している状態もケアできます。
刺激性があり乾燥しやすいため、シャンプーのあとには保湿剤が欠かせません。「ホホバオイル」や「ラウロイルアルパラギン酸Na」などを配合した低刺激タイプもあります。
地肌にうるおいを与える「保湿性シャンプー」
地肌のカサつきやフケ、脱毛に適しているのが、刺激が少ない保湿性のシャンプーです。乾性の脂漏症やアレルギーによる疾患、脱毛症のケアにも、角質層の保湿と保護を目的に作られたシャンプーが使われています。
「プロピレングリコール」や「オーツ」、「ハーブ」、「グリセリン」などが配合されている保湿性のシャンプーを選ぶのがポイント。地肌を守る油分を取り除きすぎないように洗浄できるシャンプーも発売されています。
刺激を抑える「止痒(しよう)性シャンプー」
かゆみなど地肌の不快感が生じて、爪や歯で引っかいてしまうとキズができる可能性があります。不快感をやわらげて、地肌や被毛をケアする犬用の薬用シャンプーを使うようにしましょう。
「プロポリス」などの天然成分が含まれたものや、抗真菌薬が配合されているものなど、さまざまなシャンプーがあるので、愛犬の状態に合わせて選んでください。
洗浄成分の種類をチェック
犬向けの薬用シャンプーに配合されている洗浄成分も確認しておきたいポイントです。成分によって使用感が異なります。
地肌や被毛にやさしい「アミノ酸系」
愛犬の地肌や被毛にやさしいシャンプーを探している場合は、アミノ酸系の洗浄成分が使われているものを選ぶのがポイントです。低刺激性なので、地肌や被毛を守りながら、汚れをスピーディーに落とせます。
成分表示をチェックして、主成分にアミノ酸系の洗浄成分が使われているか確認しましょう。ほかにも、植物などの天然成分が使われていると洗い上がりがマイルドです。
原料にこだわって作られた「石鹸系」
愛犬のニオイが気になる場合は、しっかり洗ってあげたいものの刺激が強いシャンプーは避けたいところ。石けん系の薬用シャンプーには、地肌や被毛を守りながら、皮脂や分泌物はしっかり落とせるように開発された商品があるので、それを踏まえて選ぶとよいでしょう。ほかにも、厳選された天然成分が配合されたシャンプーは刺激が少なく、地肌をやさしく洗い上げます。
洗浄力が高い「高級アルコール系(石油系)」
高級アルコールとは、ヒドロキシ基 (-OH)を一つ持つ一価アルコールのうち、炭素が6個以上のものをいいます。代表的な成分には、「ラウリル硫酸ナトリウム」や「ラウレス硫酸ナトリウム」などがあり、洗浄力がとても高いのが特徴です。
すっきりとした洗い上がりで、地肌や被毛がベタついている場合や、汚れがひどい場合に適しています。その反面、地肌への刺激が強いので、乾燥肌や敏感肌の愛犬には不向きです。
成分表示がきちんとされている薬用シャンプーを選ぶ
犬用シャンプーには、薬用(動物用医薬部外品)とそれ以外のシャンプーがあります。薬用タイプは、地肌や被毛の悩みに対応する成分が配合されているシャンプーです。
デリケートな愛犬の体に使うシャンプーは、どんな洗浄成分や保存料が配合されているのか確認できるものを選ぶのがポイント。商品パッケージに表示されている成分をチェックしましょう。
半年以内で使いきれる容量を
犬は人間のように毎日シャンプーするわけではないので、大容量のシャンプーでは使いきれないことも。薬用タイプはとくに、開封後半年以内に使いきるのがよいといわれているので、シャンプーの頻度などによって適切な容量を選ぶようにしましょう。
コンディションに合わせてシャンプーを選びましょう ペット専門エディター&ライターがアドバイス
ペット専門エディター&ライター
犬の地肌は人間よりも薄くて繊細です。ですので、刺激の少ないシャンプーは犬におすすめといえます。とはいえ、繊細だからこそトラブルが多いのも犬の地肌の特徴。
極端に脂っぽい、乾燥している、細菌や真菌が増えるなど、地肌の状態が悪化したときは洗浄成分や薬剤が強いものを使うことも必要です。愛犬の状態を把握し、さまざまなシャンプーを使いわけましょう。
犬向け薬用シャンプーおすすめ9選 愛犬のお悩みに合わせて
ここからは、犬向け薬用シャンプーのおすすめ商品をご紹介します。愛犬にぴったりなものを見つけてくださいね。
PET PARADISE(ペットパラダイス)『ペティソワン フケかゆみを防ぐペット用シャンプー』






出典:Amazon
肌タイプ | 乾燥肌・敏感肌 |
---|---|
内容量 | 300mL |
成分 | 水溶性イオウ(有効成分)、ローズマリーエキス、カモミラエキス、アロエエキス、トウキエキス、バラエキス、ユリエキス ほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | ○ |
キリカン洋行『ノルバサン シャンプー0.5』

出典:Amazon
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 236mL |
成分 | クロルヘキシジン酢酸塩(有効成分)、ヤシ油脂肪酸アミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム ほか |
原産国 | アメリカ |
動物用医薬部外品 | 〇 |
アースペット JOYPET(ジョイペット)『薬用スキンケア リンスインシャンプー 犬用』










出典:Amazon
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 600mL |
成分 | 塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液(有効成分)ほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | 〇 |
フジタ製薬『薬用ヨードシャンプー』








出典:Amazon
肌タイプ | 乾燥肌、敏感肌 |
---|---|
内容量 | 200mL |
成分 | ポビドン・ヨード(有効ヨウ素)ほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | 〇 |
フジタ製薬『薬用酢酸クロルヘキシジンシャンプー』








出典:Amazon
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 200g |
成分 | 酢酸クロルヘキシジン ほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | 〇 |
LION(ライオン)『ペットキレイ のみ・マダニとり リンスインシャンプー 犬猫用』










出典:Amazon
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 330mL |
成分 | フェノトリン(有効成分)、水、洗浄剤(ヤシ・パーム由来界面活性剤)、エタノール、防腐剤(食品添加物)ほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | ◯ |
アースペット『ハッピープロ 薬用スキンクリン 犬用』

出典:楽天市場
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 350mL |
成分 | ラウリルジメチルアミンオキシド液(有効成分)、ラウリン酸アミドプロピルベタイオン、塩化POPメチルジメチルアンモニウムほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | ◯ |
昭和化学 コ・ペット『薬用 S&Zシャンプー』






出典:Amazon
肌タイプ | - |
---|---|
内容量 | 300mL |
成分 | ミクロジンクピリチオン・水溶性イオウ(有効成分)、ラウレス硫酸Na、PEG-50ラノリン、パラベン、香料 ほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | ◯ |
昭和化学 コ・ペット『ハーブ&ピュア 皮フ病予防シャンプー』

出典:Amazon
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 200mL |
成分 | ミクロジンクピリチオン・水溶性イオウ(有効成分)、ラウレス硫酸Na、PEG-50ラノリン、パラベン、香料 ほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | ◯ |
【番外編】肌にやさしい犬用シャンプーおすすめ4選
ここからは、薬用シャンプーではないものの、医薬品メーカーやペット用品メーカーが販売している肌にやさしい犬用シャンプーのおすすめ商品をご紹介します。
ペット専門エディター&ライター
千寿製薬『ベストフレンズ リンスインシャンプー』は、肌にやさしい自然派成分が特徴のシャンプー。子犬から老犬まで使え、滑らかな手触りになります。

千寿製薬『ベストフレンズ リンスインシャンプー』

出典:Amazon
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 250mL |
成分 | 水、ラウレス硫酸Na、グリセリン、コカミドDEA、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドプロピルベタイン、加水分解シルクほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | - |
ペット専門エディター&ライター
地肌が乾燥しているときにはゼノアック『オーツシャンプーエクストラ』がおすすめ。肌にやさしい成分で、地肌の乾燥によるトラブルを防ぎます。

全日本全薬工業 ZENOAQ(ゼノアック)『オーツシャンプーエクストラ』

出典:Amazon
肌タイプ | 乾燥肌 |
---|---|
内容量 | 250mL |
成分 | 加水分解オーツプロテイン、オーツβグルカン、オーツアベナンスラマイド |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | - |
ハートランド ZOIC(ゾイック)『N パピドール シャンプー』






出典:Amazon
肌タイプ | 敏感肌 |
---|---|
内容量 | 300mL |
成分 | ナツメエキス、天然アミノ酸系活性剤、ヤシ油由来成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、シアバター、緑茶エキスほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | - |
ハートランド ZOIC(ゾイック)『N ショート シャンプー』






出典:Amazon
肌タイプ | - |
---|---|
内容量 | 300mL |
成分 | ハイビスカスエキス、天然アミノ酸系活性剤、ヤシ油由来成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、シアバター、緑茶エキスほか |
原産国 | 日本 |
動物用医薬部外品 | - |
「犬向け薬用シャンプー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 犬向け薬用シャンプーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの犬向け薬用シャンプーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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犬向けの薬用シャンプーにはさまざまなタイプがあります。ベタつきやニオイが気になる、刺激に弱くてデリケートなど、愛犬の地肌や被毛の状態に合うものを選ぶのがポイント。症状に合った薬用シャンプーを購入するためにも、かかりつけの獣医さんに相談することが大切です。
愛犬にぴったりな薬用シャンプーを選んで、地肌や被毛をケアしてあげましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:tara.tara、掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/14 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 矢部栞)
編集歴は20年以上。 雑誌の編集長を経てフリーランスのライターとなる。インタビューや取材した人・お店の数は1000以上。クスっと笑えるものから、読んでタメになる読み込む記事までさまざまな記事を執筆している。 中でも、医療ものや動物関係が得意。今までに買ったことのある動物は、犬、猫、鳩、インコ、ジュウシマツ、キジ、リス、ウサギ、カメ、鶏、ウシガエル、金魚、カタツムリ、てんとう虫、カブトエビなど。