犬用ドライヤーは必要? 人間用との違いは? 温度設定と構造に着目!
自宅でシャンプーしたときなど、愛犬の毛並みを乾かすためのドライヤー。「人用のドライヤーじゃダメなの?」と疑問に思う方も多いと思いますが、安全性と快適性を重視するなら犬用ドライヤーを用意するのが望ましいです。
犬用に開発されたドライヤーと人間用のドライヤー、その大きな違いは「温度設定」と「構造」にあります。人間用のドライヤーは犬にとっては熱すぎる温度設定の場合があります。80℃程度の人間用ドライヤーを使っていると、やけどや皮膚トラブルを起こしてしまうことも……。犬用のドライヤーは60℃くらいの低温の風がいいといわれています。
また、人間用のドライヤーの場合、乾かした際の抜け毛が内部に入り込んでしまいますが、犬用のドライヤーは毛が入らないよう工夫が施されているものが多いです。
人用ドライヤーで代用したいなら、静音ドライヤーで低めの温度調整ができるものを選ぶといいでしょう。以下の記事を参考にしてみてください。
犬用ドライヤーの選び方 ドライヤーが苦手な子にも使いやすい!
ペット・ケア・アドバイザーの土井晴人さんに、犬用ドライヤーを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
風量の強さで選ぶ
犬の毛は、乾かすのになかなか時間がかかりますよね。そこで、まずは乾きやすさに直結する風量をチェックしていきましょう。
ブロアー|強風で大型犬もすばやく乾かせる
ブロアーとは、強力な風で水分を飛ばして乾かすタイプのドライヤーです。掃除機のような見た目をしており、一般的に業務用として使われていますが、家庭用として販売されている製品もあります。
温風が出ないので熱くなることがなく、すばやく乾かせるのがメリット。とくに長毛種の大型犬など、乾かすのに時間がかかるワンちゃんにおすすめです。
一方で、デメリットとしては、風が強く大きな音もするので犬が嫌がる可能性があります。
ドライヤー|やさしい風で静音性が高い
低温でやさしく乾かすドライヤーです。人間用と同じく手で持って使うハンディタイプ、置いて使うスタンドタイプがあります。
ブロアーと比べると風量が少ないですが、その分静音性にすぐれているので小型犬や臆病な性格のワンちゃんにぴったりです。
低温度に設定できるものを選ぶ
犬の皮膚はとてもデリケート。毛に覆われていて丈夫そうに見えますが、実は犬の皮膚のいちばん外側にある角質層は人の1/3程度の厚さしかないため、乾燥や刺激に弱いのです。
シャンプーやコンディショナーを選ぶときに、低刺激のものを選ぶのと同じように、ドライヤーも刺激の少ない低温温風の出るタイプを選びましょう。
乾かし方に合った形状を選ぶ
ドライヤーの種類は、大きく分けると「スタンドタイプ」と「ハンディタイプ」があります。乾かし方、ドライヤーの使い方が異なるので、チェックしておきましょう。
スタンドタイプ|両手が使えるのでブラッシングしやすい
ドライヤーをあてている間、犬はじっとしてくれません。ハンディタイプのものより、トリマーさんも使っている置き型のスタンドタイプのほうが両手が自由に使えるので便利です。
とくに台を使ってドライヤーをする場合は、愛犬が台から飛び降りないように、片手で体を固定しながらドライヤーをかけることができるので安心です。
また、ドライヤーをかけながらブラッシングする場合にも、スタンドタイプであれば両手が使えるので便利です。両手が使えると、ブラシやコーム(くし)をかけながら安定したドライイングができるのでおすすめですよ。
ハンディタイプ|細部まで風を当てやすい
ハンディドライヤーやブロアーは、片手を使って乾かす必要があります。その分自由がきき、お腹など乾かしにくい部分に風を当てやすいのがメリット。
ブラッシングが不要なワンちゃんや、ドライヤー慣れしていて大人しく乾かさせてくれるワンちゃんであれば使い勝手がいいでしょう。
嫌がる子には静音設計を選ぶ
犬がドライヤーを嫌がる原因のひとつに「音」があります。そのため、できるだけ動作音が少ないものがおすすめ。とくに怖がりなワンちゃんの場合は、静音設計かどうかは必ず確認しましょう。
購入者の口コミもヒントになるので、チェックしてみるといいでしょう。
抜け毛が入りにくい構造かチェック
乾かす際に抜けた毛が、吸い込み口からドライヤー内部に入り込みにくい構造になっているかどうかも要チェックです。
とくに、ポメラニアンやゴールデンレトリーバーなど、ダブルコート犬種は注意。ドライヤー中も抜け毛が多く毛が舞うため、吸い込み口にガードがないと毛が入って焦げてしまうことがあり危険です。
巻き毛犬種にはノズルが取り付けられると便利
毛がストレートな犬種は、手櫛で乾かすのがメインになりますが、濡れたときに巻き毛になるトイプードルなどの犬種は、手櫛での乾燥だけでは毛が縮れた状態で仕上がってしまうので避けたいところ。
巻き毛の場合はピンポイントで風を当てて、スリッカーブラシでブラッシングすると毛並みが美しく整います。そのため、ドライヤーの先端にノズルを取りつけることができるものや、もともと先端が平らになっているものを選ぶといいでしょう。
犬用ドライヤーのおすすめ9選 静音設計も! 苦手・嫌がる犬にも使いやすい!
ここからは、おすすめの犬用ドライヤーを紹介! トリマーが愛用するプロ向け商品から、安い値段で買えるものも。愛犬の犬種や性格にあわせてピッタリな商品を見つけてくださいね。

小型犬用の便利なスタンドドライヤー
小型犬用の、ピンクでかわいいデザインのドライヤー。収納に困らないコンパクトなタイプを探している方におすすめです。スタンド式で、ドライヤーをかけるときに両手が使えるので便利。
風の切り替えスイッチがスタンドの土台にあり、切り替えやすいので扱いもかんたん。はじめて犬を飼う人にもおすすめできます。吹き出し口はノズルがついていないので、風量もたっぷり。ポメラニアン、ダックスフントなど、毛質がストレートな犬種に適しています。
ただし、温度を変えても風量が変わらないので、低温度から高温度に変えるときは注意が必要です。

壁掛けもできるホースタイプのドライヤー
自由に方向や長さを調節できる、フレキシブルホースがかなり便利なドライヤー。トリミングサロンで使われているのを見たことがある方もいるのでは? ホースを動かしてピンポイントに風を当てられるので、水に濡れると巻き毛になるトイプードルやマルチーズなどにおすすめです。
また、壁掛けができるので中型犬、大型犬の使用にも適しています。音も静かなので、小さいお子さんがいるご家庭でも安心して使えそうです。

乾かしにくい中・大型犬も短時間で乾くパワー!
一般的なドライヤーの風力は2段階の使い分けしかできないものが多いですが、このドライヤーは風のスピードを無段階で調整できるすぐれもの。強い風が出るので、毛量が多く乾きにくい中型犬・大型犬を飼われている方や、忙しくドライヤーの時間を短縮したい方におすすめです。
風力を弱くすれば、気の弱い小型犬でも適正な風力でドライングが可能。また、ホースの先端につけるノズルは3タイプあるので便利です。ストレートな毛質でも、濡れたときに巻き毛になる子でも使い分けができるので、あらゆる犬種におすすめです。
調整可能なノズルが便利! 人気のペットドライヤー
両手が使えて便利なペット用の置き型ドライヤーです。風向き調整ノズルで、風邪を当てる角度や高さを好きなように固定できるので、より快適なドライヤーが叶います。静音設計なので、静かなドライヤーをお探しの方にもおすすめ。
また温度設定は、温風と送風の2種類。それぞれ風量を強弱に切り替えることができます。
風を操り素早く乾かせるプロ仕様
温度ではなく、ハイパワーの風圧で乾かすタイプのペット用ドライヤーです。熱い風を出すことが無いため、ワンちゃんの毛や肌に負担をかけることがありません。
「4馬力のエアフォース」は、人間用ドライヤーの約5倍の風圧で、毛の多いワンチャンも素早く乾かすことが可能。3つのノズルが付属しているので、思うままに風を操ることができます。
やさしい低温・静穏設計のドライヤー
一般的なドライヤーよりも低温の風が出るように設計されているので、デリケートなペットにも安心してお使いいただけます。
温度設定は、高温(80℃)と低温(30℃)の2段階切り替えでき、4段階(5度、20度、35度、50度)の角度調節が可能なスタンドも付属。また、温度過昇防止装置やイオン発生機能が付いているので、ペットを優しく乾かしてあげたい方におすすめです。
コンパクトなのにパワフル速乾!
スタンドタイプとしてもお使いいただけますが、コンパクトで軽量(1.6kg)なので手に持って使うことも可能です。付属のショルダーベルトを使えば、肩にかけて使うこともできるので、なにかと取り回しやすいのが特徴。
温風ではなくパワフルな風量で乾かすタイプで、ワンちゃんの長い毛でも根本から素早く、しっかり乾かすことができます。消費電力は664wと控えめなので経済的なのも嬉しいポイントです。
PSEマーク取得の業務用ドライヤー
電気用品安全法(PSE)適合製品の認定を受けているので、大切なワンちゃんにも安心して使えます。ハイパワーな風量で一気に乾かすので、短い時間で仕上げができ、ワンちゃんへの負担も少ないのが嬉しいポイント。
温度は35℃~70℃の間で3段階調節が可能。さらに風量は無段階で調整でき、3種類の送風アタッチメント付きなので、全体を乾かしたいときや細かく乾かしたいときにも便利です。

ハイパワー! プロ仕様の犬用ドライヤースタンド
プロユースのスタンドタイプのドライヤー。トリミングサロンで見かけたことがある方も、多いのではないでしょうか? 小型犬はもちろん、中型犬、大型犬にもおすすめ。
また、風量があるタイプなので、スピード乾燥ができます。シェットランド・シープドッグやゴールデン・レトリーバーなどの毛が長い犬種のドライイングに便利で、おすすめです。
商品サイズが大きいので、購入の際は収納場所やドライヤーをかける場所を考える必要がありますね。
「犬用ドライヤー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 犬用ドライヤーの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでの犬用ドライヤーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
犬用ドライヤーのやり方は? 乾かし方や注意点
シャンプー後の、ドライヤーのかけ方、愛犬の毛並みの乾かし方についても紹介します。
使用するのはバスタオルとドライヤー。まず最初にバスタオルでしっかりと水分を拭きとります。耳のなかに水が入ってしまったら、やさしくふき取ってあげましょう。
水分がなくなったら、ドライヤーを使って乾かしていきます。ドライヤーは低い温度で、嫌がる子には強さを弱に設定を。また、直接愛犬に風が当たらないように遠くから当てるなどの工夫をしてあげるといいでしょう。初めての子の場合、まずは音に慣れさせることも大切です。
全体をゆっくりとドライヤーで乾かしていきますが、とくに脇の下や内または、乾かし忘れやすいので注意しましょう。生乾きの状態だと、乾いたときに毛がチリチリになってしまいます。
また、顔周りは正面からではなく、目に当てないよう後ろから乾かすのがポイントです。
ペット・ケア・アドバイザーからのアドバイス
ペット・ケア・アドバイザー、ドッグライフカウンセラー
風をあてるときは必ず手で風の温度を感じながら
犬の肌は人より繊細でデリケート。我が家の愛犬がお世話になっている動物病院の先生によると、皮膚のトラブルでの来院がとても多いそうです。
犬のドライイングは毛の隙間に入り込んだ水分を飛ばすことが重要なので、そのためには風量が必要。しかし、風の温度は低温が望ましいのです。
そして愛犬が嫌がって動いても叱ることなく、やさしく声をかけ、じっと我慢していたら褒めてあげることが大切。ドライイングは愛犬とのコミュニケーションのひとつとして楽しみながらやるといいですね。
犬用ケアグッズのおすすめはこちら 関連記事
犬用ドライヤーと一緒に用意したい、ブラシやコーム(くし)、シャンプー、グルーミングスプレーなど、犬用ケア用品のおすすめはこちらの記事で紹介しています。
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愛犬も飼い主も快適なドライヤーを選ぼう
この記事では、犬用ドライヤーの選び方と市販のおすすめ人気商品を紹介しました。
プールやシャンプーのあと、しっかり乾かさないと毛がくるくるになってしまうのでドライヤーは大切ですよね。できるだけ使い勝手がよく、すぐ乾くドライヤーを選びたいもの。
しかし、ドライヤーが嫌いで震えるほか、吠える・噛むなどパニックになり問題行動を起こす場合は、無理強いせず、少しずつ慣らして恐怖を克服させてあげることが大切です。
ぜひこの記事を参考に、愛犬も飼い主も快適に使えるドライヤーを選んで、ドライヤー好きに育ててあげてくださいね。
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1962年金沢市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。 愛犬ブラッキー(ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)が5才のときに尿路結石症を患ったことがきっかけでペット・ケア・アドバイザー(愛玩動物飼養管理士)1級資格を取得(2000年)。 コラムやラジオでのペット・ケア・アドバイスのほか、駒澤大学総合教育研究部日本文化部門で「非言語コミュニケーション」の非常勤講師(授業終了)を務め、小型犬向けの犬のしつけ教室では11年間で約1,000匹の犬のしつけに携わる。 先代犬ブラッキーが12才のとき変形性脊椎症にかかり下半身不随状態に。 その後、2年半の完全介護生活を送り犬の介護の厳しさを経験(2007年 永眠)。 2010年よりトイ・プードルの小夏と暮らす。 2014年、ドッグライフカウンセラーの資格を取得。 犬のしつけは犬を自分に服従させたり制御して調教するのではなく、犬の意識を育てて考えるチカラを身につけさせることが大切と痛感。 座右の銘は「意識が変われば 景色が変わる」