シードルとは? リンゴから造られたスパークリングワイン
最近ではスーパーやコンビニなどでも販売され、より私たちの生活の身近になったシードル。既にご存知の方も多いと思いますが、シードルとはリンゴから造られたスパークリングワインのことをいいます。
ワイン同様、果汁を発酵させて造るので、基本的に糖分などの添加はされません。
シードルとアップルワインの違い
見た目や味わいではそこまで違いがわからない、シードルとアップルワイン。シードルとアップルワインの一番の違いは、発泡酒か無発泡酒かです。
シードルは発泡酒でさわやかなすっきりした味わいです。一方で、アップルワインは無発泡酒でしっかりとした香りが特徴です。
それなら、シャンパンとシードルは同じ種類だと勘違いされやすいですが、シャンパンの原料はそもそもがぶどうであるので、根本的な違いがあります。
シードルの歴史
もともとはフランス北西部のブルターニュ地方やノルマンディー地方が発祥とされています。これらの地域では気温が低くてワインの原料となるブドウ栽培ができない代わりに、リンゴが栽培されてシードルが生産されるようになりました。
現在ではシードルは世界各地で生産されており、英語では「サイダー」という呼び名で親しまれています。
シードル選びのポイント 味わい・産地・メーカーなど
シードルを選ぶときのポイントをご紹介します。ポイントは下記のとおり。
【1】産地
【2】甘口か辛口か
【3】生産者(メーカー)
【4】味わい
【5】度数や炭酸の強さ
上記のポイントをおさえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】産地で選ぶ
シードルもブドウから造られるワイン同様、産地によって使われるリンゴの品種が異なるため、その味わいもがらりと変わってきます。
フランスをはじめ、海外で造られているシードルには、酸味や渋みなどが強くて食用には向かないリンゴを使い、複数の品種のリンゴをブレンドすることが多いため、味わいも多様で、コクがあるのが特徴です。
一方、国産のシードルは、食べても美味しい食用リンゴから造られています。また、単一のリンゴ品種から造られることが多いため、リンゴの品種によって変化する味わいを楽しめるという魅力があります。
【2】甘口か辛口かをチェックする
シードルには、大きく分けて甘口と辛口のものがあります。この味わいの違いは、アルコール発酵の期間の長さから生じます。
発酵期間が短いと、リンゴの果汁に含まれる糖分が発酵されずに残り、甘口になります。逆に、発酵期間が長いと、糖分がすべてアルコールに変わり、辛口になるのです。
一般的に、甘口のものには「DOUX(ドゥー)」もしくは「SWEET(スイート)」、辛口のものには「BRUT(ブリュット)」もしくは「DRY(ドライ)」と表記されています。なお、甘口と辛口の中間に、中辛口「DEMI SEC(ドゥミ・セック)」というものもありますので、どちらか迷った場合は中辛口を選ぶという手もあります。
【3】生産者(メーカー)で選ぶ
メーカーの歴史の長さや革新性、ヒストリーなどからシードルを選ぶというのも一つの手。そのシードルが生まれた背景を知ると、一層ありがたみや親近感を覚えるはずです。
また、もしお気に入りのワインのメーカーがシードルも手がけているようであれば、そのメーカーのシードルを試してみるというのも良いでしょう。特に、日本のワインメーカーには、シードルの生産も行なっているところが多数あります。
【4】味わいで選ぶ
甘口から辛口まで、さまざまな種類が揃うシードルですが、甘さ以外にもフルーティーな味わいや、濃厚な果実味が特徴の商品も目立ちます。
原料のリンゴや醸造方法によっては、同じ甘口でも味わいが異なるため、自分好みの風味が特徴となっているシードルを選ぶのも一つの方法です。
【5】度数や炭酸の強さもチェック
ハードシードルは、炭酸量が他のシードルに比べて多いので刺激的な味わいがほしい時は強炭酸タイプを選ぶとよいでしょう。一度飲むと炭酸の強さが癖になって虜になります。
また、はじめてシードルを飲む人やお酒が苦手な人は度数が低いタイプをおすすめします。度数が低いものは甘口なので飲みやすいことは間違いなし。辛口は魚や野菜などと相性が良いので料理に合わせて選ぶのもあり。
いろんなシードルに触れてみてください!
>> ワインエキスパートからのメッセージ
世界のシードルの市場は右肩上がりに成長し、その生産量は、2005年と2016年で比較すると、およそ1.8倍に成長しています。そのため、日本でも今後ますますシードルの注目度が高まるのではないでしょうか。
今現在シードルに興味を持っていただいている読者の皆さんは、ここで紹介した選び方のポイントやおすすめ商品などを参考にしていただきながら、ぜひいろいろなシードルを試してみてくださいね。そうすれば、きっとご自身のお気に入りが見つけられるでしょう。
シードルおすすめ13選 飲みやすく、すっきりした味わい
うえで紹介したシードルの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。
青森県の弘前で厳選したリンゴの果実味
国産のリンゴを100%使用した、微発泡性のシードルです。使われているのは、青森県の弘前工場で厳選された新鮮なリンゴ。糖類や着色料などを使わず、時間をかけて丁寧に造られているため、リンゴを丸ごと搾った果汁の美味しさを満喫できます。
雑味のないみずみずしさは食前酒としてはもちろん、食後にゆっくり味わいたいときにも向いています。果実味溢れるドライな喉ごしを、存分に楽しんでください!
フルーティーな大人の味わい
リンゴの自然な香りが感じられるシードルです。甘さのない、爽快な味わいが特徴。あっさりゴクゴクとシードルを楽しみたい方におすすめ。
果実由来の芳醇な香りを持ちながらも、甘さ抑えめのビールのような爽快感、キレ、のどごしが楽しめます。
ブルターニュの定番ブランドのオーガニック
フランスのブルターニュ地方の代表的なシードル・ブランドの一つであるヴァル・ド・ランス。その中でも、このシードルは、最低3年以上の有機農法を続けている畑から収穫されたリンゴのみを使用して造られています。
フランス政府による審査もクリアし、政府公認のオーガニック商品のみに使用できる「ABマーク」も取得済み。オーガニック商品にこだわりのある方や、健康志向の強い方にもおすすめです。40種類以上のリンゴをブレンドし、豊かなコクと深みのある味わいが特徴。シードルの本場の味わいが楽しめる1本です。
山形県朝日町で生産された濃厚な酸味のシードル
日本初のリンゴ無袋栽培技術を確立した、山形県朝日町で造られたシードルです。リンゴは、厳選された「シナノスイート」と「秋陽」を使用。品の良い甘さと、濃厚な酸味と風味が楽しめます。
アルコール度数7%を感じさせない、軽く飲みやすいシードルです。ZORK栓なので手で簡単に開栓できるだけではなく、再栓できるのも特徴。
ノルマンディーの自然派シードル
イギリス海峡に臨むフランスの北西部、ノルマンディー地方のサン・デジール村で1919年に創業したシードルメーカー、ル・ペール・ジュール。除草剤や化学肥料を使用せず、天体の動向に合わせてリンゴの栽培を行うビオディナミという農法を実践しています。
原料となるリンゴの種類は、甘いものから酸味や苦味が強いものまで、なんと60種類以上! 多様なリンゴのブレンドにより、バランスの良い味わいに仕上がっています。
辛口に分類されますが、ほのかなリンゴの甘さも感じられるため、凝縮されたリンゴの旨味も感じられるでしょう。酸味や苦味のバランスも良く、シードル中級者におすすめの1本です。
フレッシュで芳香豊かな味わい
フランスノルマンディー地方のペイ・ドージュ地区は、リンゴの優良生産地として知られていますが、クール・ド・リヨンは、ペイ・ドージュ北部にあるフィエフ・サンタンヌに自社のリンゴ園を保有しています。
蒸留からブレンディングまでを一貫して行うというこだわりで生産されたシードルは、リンゴの豊かな香りとスッキリとした味わいが特徴です。あらゆるシーンで楽しめる1杯に仕上がっています。
長野県南信州のリンゴを100%使った飲みやすさ
リンゴは南信州産のものを100%使用。シナノゴールドのほか、紅玉やシナノスイート、秋映など、地元の生産者と直接契約をして仕入れたリンゴの味わいが楽しめます。
発酵した後で炭酸ガスを加えることで、爽やかで甘みのある味わいに仕上がっています。よく冷やしてから飲むと、リンゴの美味しさがさらに際立ちます!
リンゴの新鮮さを生かしたシードル
発酵させるときに出る自然な泡を生かして、リンゴの新鮮さを感じられるように仕上げたシードルです。数種類のリンゴをふんだんに使っているので、いろんなリンゴの風味を感じられる贅沢な1品です。製造後は厳正な品質チェックを行っており、合格したものだけを販売しています。特別な日のためのシードルを探している方や、リンゴの風味をしっかりと感じたい方におすすめです。
アサヒビール『ニッカ シードル・ロゼデザインラベル』
アサヒビールが作った国産シードル
大手・アサヒビールが販売している国産リンゴを使ったシードルです。糖類や香料を使っていないので、リンゴの風味をしっかりと感じられるでしょう。淡いピンク色が印象的で、飲みきりにもちょうどいいサイズ感です。甘口ながらキレのある飲みやすいシードルなので、女性はもちろん男性の方でもおいしく飲めます。手軽に飲めるシードルを探している方におすすめです。
青りんごしか使っていない希少なシードル
ギルヴィック種という希少な青りんごしか使っていない珍しいシードルです。青りんごの甘みと酸味がちょうどいいバランスで融合され、新鮮さも欠いていない1本です。さっぱりした飲み口なので、食前酒にもぴったりのシードルです。乾杯など華やかな席でも大活躍間違いなしで、おしゃれさ抜群です。パーティーでシードルを用意したい方や、珍しいシードルを飲みたい方におすすめです。
酸化防止剤が無添加のおいしいワイン
この商品は、りんご果汁100%で酸化防止剤が無添加のシードルです。メルシャンの独自製法「フレッシュ製法」により、ワインと酸素の接触を最小限にして酸化が抑えられています。りんごの甘さと酸味、微発泡の爽快感が楽しめます。
カルヴァドスを使った特別なシードル
この商品は香料・砂糖・甘味料が入っておらず、カルヴァドス(りんごのブランデー)を使用した特別なシードルです。シードルのさわやかさとカルヴァドスの奥深さが合わさり、パワフルで飲みごたえのある味わいとなっています。肉や魚などのメイン料理と合わせるのがおすすめです。
お酒が飲めない人も楽しめるノンアルコールシードル
この商品はノンアルコールのシードルで、お酒が苦手な人やお子様でも楽しめます。また、砂糖や香料不使用、有機栽培のりんご100%なので、オーガニック食品がお好みの人にもおすすめです。りんごのフレッシュな香りとさわやかな甘みを楽しむことができ、後味にくどさがないため、どんな食事にも合います。
「シードル」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする シードルの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのシードルの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
シードルの美味しい飲み方
シードルはそのまま飲むだけではなく、アレンジ次第でさまざまな楽しみ方ができます。
たとえば、ウィスキーやジンジャーエールと合わせれば、「ハイボール風シードル」ができあがります。リンゴの美味しさとウィスキーの味わいが、個性的で絶妙な酸味を作り出しますよ。また、シードルにカシスを加えて、甘酸っぱさを満喫するのもいいですね
span class="text_mark text_strong">シードルに合うおつまみとしては、カマンベールがおすすめです。カマンベール単体で食べることももちろんですが、クラッカーなどに生ハムを付け加えたり、ハチミツをかけたりなどアレンジ方法は多種多様です。
シードルについてのQ&A
ここでは、シードルについてのQ&Aをご紹介します!
シードルの選び方は?

シードルの選び方のポイントは下記5つ。
(1)産地で選ぶ
(2)甘口か辛口かをチェックする
(3)生産者(メーカー)で選ぶ
(4)味わいで選ぶ
(5)度数や炭酸の強さもチェック
詳しく知りたい人はこちらをクリックしてみてください!
シードルに関連する記事のご紹介
自分好みの1本を見つけよう!
多彩な楽しみ方ができるシードル。国内外を問わず、豊富な種類が発売されているので、料理やその時の気分に合わせて楽しんでみてはどうでしょう? シーンによってアルコール度数を変えるのも楽しいですね。
エキスパートの選び方や、おすすめのシードルを参考にしながらお気に入りの1本を見つけて、気軽にシードルを楽しんでみましょう。
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埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。