電動キックボードとは
電動キックボードは、電動タイプのキックボードのこと。「電動スクーター」や「電動キックスケーター」とも呼ばれており、アメリカやヨーロッパではポピュラーです。脚で地面を蹴って進む通常のキックボードと違い、モーターによって電動で走行をアシストするのが特徴。
自転車と同じようなエアタイヤは、衝撃や段差があっても快適に乗れるのがメリットですが、力が吸収されて走行性が落ちるのがデメリット。しかし電動キックボードは、モーターの動力を利用することによって、走行性と乗り心地のよさを両立しているのが魅力です。
また、似た電動乗りものにバランススクーターがあります。バランススクーターはバッテリーが切れると乗れなくなる一方、電動キックボードなら万が一バッテリーが切れても、足で蹴れば進める点が異なります。
電動キックボードの使用可能な場所とは 免許は必要なの?
電動キックボードは、「原動機付自転車」に分類されます。そのため、歩道を走行することは法律で禁止されています。また車道を走行する場合も、車体が原付の安全基準を満たしている必要があり、走行時は原付運転免許とヘルメット着用が義務付けられています。
公道以外で使用可能な場所は、許可が下りている公園や私有地のみに限られます。
公道を走れる電動キックボードの条件とは 歩道はダメ?法律はどうなってる?
法律で「原動機付自転車」の扱いになっている電動キックボードは、公道で走る場合、道路交通法などの適用を受けます。
通常の原付バイクと同じようにナンバープレートを付けていること、定格出力が600w以下であること、前照灯や方向指示器など、保安基準に沿った構造・装備になっていることが必須です。
ほかにも、免許を取得してヘルメットをかぶる必要があるほか、軽自動車税を納めたり、自動車損害賠償責任保険に加入したりすることが公道を走れる条件。これらを守らないと違法になり、罰則の対象となるので注意しましょう。
電動キックボードで違反となった事例

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前提として、公道走行が認められていない車両で公道を走行した場合は、整備不良として違反とみなされます。一部量販店で販売された「公道走行OK」な車両のなかには実は道路運送車両法の保安基準を満たしていないモデルもあるので、購入前に事前に確認しておくようにしましょう。
原付一種扱いの電動キックボードは30km/h以上、原付二種扱いの電動キックボード、標識で最高速度が指定されていない場所では60km/h以上の速度で走ると速度違反となります。3車線以上ある道路では右折時に二段階右折をしなければ法律違反となります。また、歩道を走った場合は道路交通法違反となるので要注意。さらに、酒気帯び運転、危険運転などでも書類送検、さらに逮捕となります。法律を守って安全運転を心がけましょう。
電動キックボードは子供も乗れる?
公道を走るときは、原付一種免許か普通自動車免許を取得しなければならないため、子どもが電動キックボードで公道を走行するのは実質不可能です。
子どもの場合は、私有地や許可の下りている公園であれば、電動キックボードで走行できます。ただしスピードが出る乗り物のため、交通や人の少ない場所で保護者の同伴のもと使用するようにしてください。
電動キックボードの選び方

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それでは、電動キックボードの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の7つ。
【1】安全性は必ずチェックしよう
【2】体重や荷物に合わせた耐荷重も確認
【3】持ち運びにはコンパクトな折りたたみタイプ
【4】充電時間と走行可能距離を比較しよう
【5】速度重視なら500w以上のものがおすすめ
【6】ハンドルの高さが調節できると便利
【7】タイヤの大きさや種類にも注目
上記の7つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】安全性は必ずチェックしよう
電動キックボードは、ないよりもまず安全性をチェックしましょう。とくに公道を走る場合は、原動機付自転車としてみなされるため、安全に走行できるかどうかは重要なポイントです。
▼ハンドブレーキがついているものが安心
電動キックボードのブレーキには、自転車のように操作するハンドブレーキと、後輪のカバーを踏んで車輪を押さえるフットブレーキの2種類があります。
フットブレーキだけを備えている電動キックボードだと、転倒するリスクがあるため、危険を避けるためには前後どちらにもブレーキが備わっている製品を選ぶほうがベターです。ハンドブレーキであれば自転車と同じような間隔で使うことができるので初めて電動キックボードを使用する方であれば扱いやすいでしょう。
▼夜に走るならライトつきのものを
夜に走ることを想定している場合は、ライトがあるかどうかも大切。周りが見えにくい状態でスピードが出る電動キックボードはとても危険です。
自分がけがをしないことはもちろん、誰かと衝突してけがをさせないためにも、前方確認ができるようライトつきのものを選びましょう。お気に入りの商品にライトがついていない場合は、自転車用のライトをつけるのもひとつの手です。
【2】体重や荷物に合わせた耐荷重も確認
電動キックボードに乗せられる重さには限界があります。自分の体重はもちろん、荷物も一緒に運ぶ場合は合計した重さに耐えられるものを選びましょう。
耐荷重はほとんどの商品が100Kg程度ですが、軽いものでは65Kgというものも。体重が心配な方は事前に確認してくださいね。
【3】持ち運びにはコンパクトな折りたたみタイプ
電動キックボードには、コンパクトに折りたためるタイプの製品もあります。持ち運びやすいため、公園やレジャー先などに持って行って使うことが多い場合に便利でしょう。
また、折りたためないものでも、本体が軽量であれば持ち運びながら利用しやすいです。軽量タイプを選びたいときは、3kg前後を目安に選ぶといいでしょう。
【4】充電時間と走行可能距離を比較しよう
多くの商品には、充電時間と走行可能距離が記載されています。バッテリーの性能は商品ごとに違うため、必ず確認しておきましょう。
長距離に使うなら走行可能距離が長いもの、短距離にしか使わないなら充電時間が短くてすむものなど、自分の用途に合ったものを選びましょう。
【5】速度重視なら500w以上のものがおすすめ
通勤用に使う場合など、速度が速いモデルを探しているなら、500w~600wのモーターを搭載した電動キックボードを選ぶといいでしょう。
一般的に、電動キックボードの最高速度は25km/h前後ですが、公道を走れる原付二種タイプのなかには、速度が60km/hまで出るものもあります。よりスピーディに走行できますが、スピードの出し過ぎには十分注意して安全な走行を心がけましょう。
【6】ハンドルの高さが調節できると便利
自分の身長とハンドルの高さが合っていると、より乗りやすくなります。また、道の状況によってはハンドルを上下に調整することで、スムーズに走れることもあるでしょう。
そのため、ハンドルの高さが調整できる電動キックボードを選んでおくと使い勝手がいいです。製品によって、数段階の高さ調節可能なものもあるので、チェックしてください。
【7】タイヤの大きさや種類にも注目
電動キックボードは、タイヤの大きいもののほうが走行が安定して、走りやすいのが特徴です。5インチ~6インチのタイヤを採用した製品が主流ですが、近年では8インチと大きめのサイズのタイヤを備えたモデルも登場しています。
またタイヤには、自転車と同じエアタイヤ、空気が入っていない硬いタイヤ、サスペンション付きタイヤの3種類があるのであわせてチェックしましょう。
衝撃を吸収するエアタイヤは、オフロード走行時や振動を抑えたいときにぴったり。硬いタイヤは、舗装道路をスムーズに走れます。またサスペンションタイヤは、振動や音を抑えて安定した走行が可能です。用途に適したタイヤを選んでください。
エキスパートのアドバイス
タイヤが大きめのものを選ぼう
電動キックボードは公道走行可能なモデルを選ぶ場合でも、ギャップの走破性に注目するといいでしょう。歩いていると気がつかない歩道や路面の凹凸で、予期せぬ転倒をしてしまうこともあります。またU字溝のふたにハマることも考慮してタイヤが大きめの物を選ぶとよいでしょう。そうしたうえで走行可能時間やバッテリー容量などに注目して、運搬しやすい重量のものを選ぶのがポイントですね。
電動キックボードの人気ブランド
ここでは、電動キックボードの人気ブランド・メーカーについてご紹介します。
KINTONE(キントーン)
キントーンは、ミニセグウェイや電動キックボードなどの電動モビリティ製品を、製造販売している国内メーカーです。モーター音が気にならず、スムーズに走行できる電動キックボードをラインナップ。
長時間走行できる大容量バッテリーやかんたんなボタン操作など、使い勝手や性能にこだわっています。また、無駄を取り除いた、洗練されたデザインも魅力です。
ZERO(ゼロ)
ゼロは、アメリカで2018年に設立された、電動キックボードブランドです。品質や性能、デザインにこだわりつつも、できるだけリーズナブルな価格を追求しています。
保安部品が標準装備された公道走行可能なモデルのほか、時速50km出るフラグシップモデルを用意。また、キャスター&キャリーハンドルやリモートキーなどのオプションパーツも取りそろえています。
JD Razor(ジェイディーレーザー)
ジェイディーレーザーは、ヨーロッパで高い人気を誇る電動キックスクーターのメーカーです。独自のテクノロジーと技術を駆使し、スマートかつ危険性を軽減した商品を開発しています。
控えめながらもスタイリッシュなデザイン性や、コンパクトに折りたためて持ち運びやすい使い勝手のよさが魅力です。ハンドルを押したり引いたりすることで直感的に操作できるため、操作性のよいモデルをお求めの人にも適しています。
Segway-Ninebot(セグウェイ ナインボット)
セグウェイ ナインボットは、よりスマートかつスタイリッシュな移動手段を実現する、次世代モビリティのメーカーです。小柄な人が乗りやすいミニサイズのモデルや、子ども向けの機能やサイズに設計された製品をラインナップ。
複数のライディングモードが選べたり、滑りにくいシリコンフッドパッドを採用したりすることで、機能性やリスク軽減にも配慮されています。
電動キックボードおすすめ10選
ここからは、電動キックボードのおすすめ商品をご紹介していきます。それぞれの商品の特徴はもちろん、先ほど紹介した電動キックボードを選ぶポイントについての情報も解説。商品のスペックを比較しながら自分のお気に入りの商品を見つけてくださいね。
静かでスムーズな乗り心地が魅力
日本のメーカーが、長年築き上げてきた技術をギュッと詰め込んで作ったモデルです。モーター音が気にならず、身体が勝手に進んでいくような感覚でスムーズに走れるような、快適性を追求しています。
電源のオン・オフやモード切替などが、手元のボタンひとつですべて操作できるため、初心者でもかんたん。乗り心地のよさを重視する人にぴったりです。
子どもと大人が一緒に使えるモデル
ワンタッチ折りたたみ式の電動キックボードです。子どもも大人も使えるサイズなので、家族で一緒に使いたい場合にぴったりでしょう。ハンドルの逆さは3段階で調節できるため、身長に合わせられて運転しやすいです。
また防水性があり、濡れた場所でも利用できます。前後のブレーキが備わっており、とっさのときもスムーズに停止することが可能です。
未来研究所『折りたたみ式電動キックボード』
アプリと連動し細かい調節ができて便利
アプリと連動した次世代型の電動キックボード。スマートフォンと連動すると速度やモード変更などを細かく設定することができます。
キックボード自体にもデジタルパネルを搭載しており、アプリがない状態でも速度や電池残量がチェックできるのはうれしいところ。ヘッドライトもついているため、夜間の走行も安全ですよ。
安全性もあるパワフルなキックボード
強力な前輪モーターを採用し、20°程度までの坂をのぼることができるパワフルさが魅力。フロントサスペンションが衝撃を吸収してくれるので、乗り心地も快適です。
ハンドブレーキを採用していることに加えて、フットブレーキも補助として使えるなど安全性にも配慮。後輪のホイール幅が広いため、横倒れもしにくい点は子どもが使用する際にも安心です。
ハイスペックなのに短時間充電で長距離が走れる
ギアを3段階に変化できるハイテクなキックボード。自分の出したい速度に合わせてギアを変えられるので、スピード調整が容易です。ディスプレイを搭載し、ボタンを切り替えれば現在のギアや走行距離、消費電力などもチェックできます。
またバッテリーが高性能なのも魅力的。一回の充電で38kmも移動ができるので、長距離の通勤など毎日長時間使用したいという方におすすめです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 電動キックボードの売れ筋をチェック
楽天市場での電動キックボードの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
電動キックボードに関するQ&A
電動キックボードにヘルメットは必要?

認可事業者が提供する電動キックボードのシェアリングサービスでのみ特例でヘルメットは任意という形で利用することができますが、認定されていない事業者や個人所有の電動キックボードの走行に関して、特例は適用されませんので、ヘルメットの着用義務があります。
電動キックボードにナンバープレートは必要?

警視庁によると、電動キックボードの所有者には、「地方税法に規定する軽自動車税(区市町村税)を納付する義務」があり、また、区市町村条例で、「軽自動車税の納付の際に交付される標識(ナンバープレート)を取り付けなければならない」とされています。
電動キックボードはレンタルできる?

電動キックボード自体は、非常に人気が高まっており、Amazon・楽天などでも手軽に購入できますが、政府から認可を受けているLUUP、mobby、ema、SUMRIDEなどのレンタルサービスを利用することが可能です。レンタルの料金相場が10分当たり100円~150円で利用でき手軽に利用することができます。次世代のモビリティとして世界中で注目を集めている電動キックボードなのでレンタル市場もこれから拡大していくことが予想されます。
電動キックボードに関する法律を確認しておこう 購入前に必ずチェック

Photo by Marat Mazitov on Unsplash
電動キックボードは非常に人気が高まっているため、Amazonや楽天などのECサイトでも手軽に購入できます。しかし、乗車する場合には自転車のような要領で手軽に乗れるというわけではありません。記事冒頭でも触れたとおり、日本における「電動キックボード」の扱いは「原動機付自転車」と同様の扱いになるため原則的に、
1.運転免許証(原付の運転ができる証明書)
2.ヘルメットの着用
3.車道走行
4.自賠責保険への契約
5.制御装置・前照灯・後写鏡の取り付け
6.ナンバープレート取り付け
などは義務となっています。乗車する場合には、原付き自転車と同様に、諸手続きを踏む必要があることは忘れてはいけません。
次世代モビリティとして市場拡大に注目しよう
電動キックボードは、モーターの動力を利用しながらよりスマートな移動をかなえてくれるアイテムです。私有地や許可された公園で走行できるモデルは、子どもも大人も利用できます。
また、公道走行に対応した製品は、通勤シーンなどで活躍。タイヤのサイズや種類、ハンドルの高さ調整など、選び方のポイントを参考にしてください。今回ご紹介したおすすめ商品もぜひチェックして、あなたの用途に適した電動キックボードを見つけましょう。
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ブッシュクラフト、狩猟、ULスタイル、沢登りなど様々なアウトドアに取り組む。海外生活の経験もあり銃器やトイガンにも造詣が深い。 アウトドア料理やビンテージアウトドアアイテムのレストア、道具作りにも造詣が深く自作アイテムのみでの山行も行う。 フェールラーベンのアンバサダーとしても活動している。