液晶テレビは有機ELテレビとなにが違う?
今、テレビを選ぶなら、液晶テレビか有機ELが主流。しかし、それぞれの違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。液晶テレビを購入すると決めている方も、ここでおさらいしておきましょう。
コスパが高いのは液晶テレビ
さまざまなメーカーから発売されていて、安いモデルは1万円台から、4Kも5万円台から購入できるコスパの高さこそが液晶テレビの魅力。有機ELと比べると画質が圧倒的に劣るという声もありましたが、近年は技術進歩によりその差は縮まっています。
液晶テレビのメリットとデメリットをまとめたので、自分が求める画質や機能のものを選びましょう。
【メリット】
・さまざまな価格から選べるので、コスパが高い
・インターネット接続して動画配信サービス (VOD) が楽しめる
・20インチ未満から大型までサイズのバリエーションが豊富
・消費電力が少なく省エネ
・パネルの寿命が長いなど
【デメリット】
・壁掛け設置には不向き(本体の背面にバックライトを内蔵していて、放熱スペースが必要)
・スポーツ観戦やゲームなどスピード感が求められる場面では処理が追い付かない
・真っ黒を表現できないなど
画質を重視するなら有機ELテレビ
有機ELテレビはバックライトに必要な放電スペースがいらないので、軽量で本体が薄いのがポイント。もちろん、画質も液晶テレビより高水準です。
サイズが大型ものに限られる点や、高価格であることがデメリットといえるでしょう。
【メリット】
・高精細で発色に優れるため、画質が高い
・背面の放熱不要、薄い、軽量なので壁掛け設置可能
・液晶テレビでは難しい、メリハリある真っ黒の表現が可能
・応答速度が速く、遅延が少ない
・視野角が広く、横から見てもキレイなど
【デメリット】
・本体価格が高い
・最小サイズが48インチなので、置く場所が限られる
・消費電力が多いなど
液晶テレビの選び方
有機ELよりも豊富な商品数が魅力の液晶テレビの選び方を紹介します。ポイントは以下です。
【1】画面サイズ
【2】解像度
【3】液晶パネルの方式
【4】録画機能
【5】HDRであるか
【6】機能
それぞれ詳しくみていきましょう。
【1】部屋の環境に合わせた画面サイズを選ぶ
大画面であれば映画館のような迫力満点の映像を楽しめますが、高価格な点と狭い部屋には置きづらい点がデメリット。自分の視聴環境に合わせたサイズを選びましょう。
かつて画面サイズはインチ表記でしたが、今は「〜V型」などと表記されるのが一般的。インチ表記と異なり、V型は枠を含めず画面だけの大きさをあらわすので、実際はインチよりやや大きく感じるはずです。
適切な視聴距離は?
画面サイズ | 視聴距離(液晶テレビ) | 視聴距離 (4Kテレビ) |
19インチ |
約0.7m~ |
-- |
24インチ |
約0.9m~ |
-- |
32インチ |
約1.2m~ |
-- |
40インチ |
約1.5m~ |
約0.7m~ |
43インチ |
約1.6m~ |
約0.8m~ |
50インチ |
約1.8m~ |
約0.9m~ |
55インチ |
約2.1m~ |
約1.0m~ |
液晶テレビを視聴する際の適切な視聴距離は「画面の高さの3倍」が目安、と言われています。例えば、50インチの液晶テレビで高さが約60㎝の場合、その3倍となる約1.8mが必要になるというわけです。
なお、4Kテレビの場合は「画面の高さの1.5倍」とも言われています。ただ、その距離は個人差もあるので、あくまで目安と考え、自分が見やすい距離を探してみるのがいいでしょう。
【2】解像度で選ぶ
フルHDと4Kテレビの違いは、解像度です。ハイビジョンから8Kまでの違いは以下の通り。
ハイビジョン(HD):1280×720の約92万個の画素。
フルHD:1920×1080の約207万個の画素。
4K:3840×2160の約829万個の画素。
8K:7680×4320の約3317万個の画素。
4KはフルHDの2倍にあたるので、全体としての解像度は4倍にもなります。地上デジタル放送の解像度は1440×1080なので、フルHDでも十分ですが、テレビのサイズが大きくなると映像の粗さが目立つので注意!
また、4Kテレビで地デジを見る場合、「4Kアップコンバート」機能があれば、4K画質ではない映像を4K相当の画質に自動で変換してくれます。地デジ以外にも、ブルーレイ、ニンテンドースイッチなどはフルHDの解像度になっているので、チェックしましょう。
【3】VA方式とIPS方式の違いに注目
液晶パネルは大きく分けると、VA方式とIPS方式の2種類。2つの違いを理解するには、コントラスト比と視野角に注目しましょう。
VA方式
メリット:コントラスト比で軍配が上がり、力強い映像を楽しめる。
デメリット:斜めからだと映像が見にくい。
IPS方式
メリット:視野角が広く、寝転がっていてもキレイな映像を堪能できる。
デメリット:コントラスト比は控えめ。
【4】録画機能付きかチエック
仕事や学業が忙しく、お気に入りのテレビのリアルタイム視聴が困難な方は、録画機能に注目。HDDが内蔵されていれば、別途外づけHDDを購入する必要がありません。
また、スマホから録画ができるものや、録画しそびれてしまったものをあとから見ることができる機能など、各社録画機能に工夫を凝らしています。
もし、外付けHDDを購入する際は、同時接続可能なハードディスクの台数、最大容量は事前に確認が必要です。台数と容量が大きければ大きいほど、録画番組が多くなっても消すことなく保存が可能です。
4Kチューナー内蔵かチェック
「4K対応テレビ」と「4Kチューナー内蔵テレビ」は異なります。4K放送を見たい、録画したい方は、4Kチューナーが内蔵されているかを要チェック。内蔵されていなければ、別途チューナーの購入が必要です。
また、見たい番組がありすぎて困るという方は、録画チューナーの数が重要。これが複数あれば、同じ時間帯の番組があってもそれぞれ録画することができます。
【5】HDRなら立体感のある高画質を楽しめる
購入時には、HDRであるかも確認しておくといいでしょう。HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、従来に比べてより広い明るさの幅を表現できます。
従来の「SDR(スタンダードダイナミックレンジ)」に比べて、より豊かな色彩表現で臨場感のある映像が楽しめます。暗い部分の黒つぶれや明るい部分の白とびを防いでくれるため、特に夜景や風景などのシーンに違いが出ます。
【6】機能で選ぶ
そのほかにも、個人の嗜好で、注目したい機能を確認していきましょう。3つ紹介します。
●倍速機能
特に、動きが大きいスポーツを楽しむときに重要。1秒60コマの映像間に新たな映像が作り出され、より滑らかではっきりとした映像を堪能できます。
●スピーカーの機能
上下、左右から音が聞こえるかが高音質のカギです。重低音で迫力があるスピーカー、バーチャルサラウンドで臨場感を楽しめるスピーカー、話している言葉が聞き取りやすいスピーカーなどもあります。
●インターネット接続機能
NetflixやAmazonプライム、YouTube、TVer、AbemaTVなども、テレビ番組のチャンネルを切り替えるように簡単に視聴できます。
テレビメーカー4社の特徴をつかむ
「液晶テレビを買うなら、やっぱり国内メーカー」という方も多いのではないでしょうか。そこで、ここでは日本を代表する評判の良い人気メーカー4社の特徴をご紹介します。
各メーカーごとにブランド名があるので、覚えておくといいでしょう。
SONY(ソニー)『BRAVIA』:画質・音質、ともに世界トップクラス
ソニーは、AV機器やスマートフォン、ゲーム機などを手がける大手電機メーカー。さまざまな商品を展開していますが、液晶テレビは世界トップクラスのシェアを誇っています。
よりきれいな映像を映し出す独自技術、認知特性プロセッサー「XR」を搭載したモデルが人気を集めています。音質にもこだわっており、美しい高音とゴリゴリした重低音を実現する「X-Balanced Speaker」を搭載することでクリアなサウンドを楽しめます。
また、動画配信サービスを視聴可能なので、ネット動画を家族で堪能することもできます。Android TV機能も搭載しているのも嬉しいポイント。
Panasonic(パナソニック)『VIERA』:操作性の良さと、AIを駆使した美しい映像が魅力
快適操作で知られるパナソニックのVIERA。ネット動画とテレビ番組を切り替えなしで一覧表示できるのが便利。好きなアプリを登録する機能もあります。
シーンに合わせて映像を自動で最適化してくれる「オートAI機能」が優秀です。例えば、夜の暗いシーンであればコントラストを上げてくれるので細部まで見やすかったり、音楽ライブであれば人の顔や照明などを色を鮮やかに表現してくれます。
SHARP(シャープ)『AQUOS』:国内市場を牽引。黒の表現力に注目!
早い段階で液晶に目をつけ、国内市場を牽引したシャープが送り出すブランドがAQUOSです。特殊なLEDバックライトで画質を高める「アクティブLED駆動」機能に注目。黒の締まりを高めつつ、明るい箇所は鮮やかに映し出すので、コントラストがとても美しいです。
音響部分では、テレビの上下に設けられた11個のスピーカー「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を採用し、包み込むような臨場感あるサウンドを楽しめます。
8Kチューナー内蔵の商品も展開しているので、映像の美しさをとことん追求したい方にもおすすめ。
TOSHIBA(東芝)『REGZA』:国内初の4Kテレビを開発!
東芝が手掛けているREGZAは、映像エンジンの開発に定評があり、2011年に国内初の4Kテレビ「セルレグザ」を発売して以来、高い色彩技術で人気を集めています。
いくつかのゲームの公式モニターに選ばれており、高精細かつハイレスポンスを実現。大画面でゲームを存分に楽しむことができます。ゲームの種類に応じたモードをテレビが自動で選んでくれる機能も搭載されているので、とても快適にゲームができますよ。
そのほかの国産メーカーも要チェック
国内メーカーの液晶テレビは、ここまで紹介した4社に限りません。使わない機能を排除することで価格を下げる工夫をしている「アイリスオーヤマ」や「山善」、高い品質とリーズナブルな価格を兼ねる「FUNAI」、その他、お手ごろな価格で購入できる国産メーカーもあります。日本製にこだわるけど予算に限りがあるという方は検討してみましょう。
おすすめ商品の比較一覧表
液晶テレビのおすすめ5選【小型〜32インチ】
ワンルームマンションでひとり暮らしの場合や、書斎で自分専用のテレビを置くのであれば、あまり大きいものは選ばないほうがいいでしょう。6畳であれば、コンパクトな24〜32V型の大きさがあればじゅうぶんです。
液晶テレビのおすすめ6選【40〜50インチ】
家族でリビングに集まってテレビを楽しむなら、40〜50V型はほしいところ。40インチ相当のテレビなら、視聴距離は1.5m程度あるほうがいいので、事前にお部屋をチェックしておきましょう。
ここでは、高機能なタイプや映像美にこだわりをもったおすすめの商品をご紹介します。
液晶テレビのおすすめ4選【55インチ~】
せっかく新しく液晶テレビを買うなら、映画やスポーツを臨場感たっぷりに楽しみたい方も多いでしょう。そこでここからは、55V型以上のおすすめ商品をご紹介します。
高価格帯ではありますが、このエキサイティングな雰囲気を味わったら、やみつきになってしまいますよ。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 液晶テレビ おすすめの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの液晶テレビ おすすめの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
液晶テレビのQ&A
液晶テレビの寿命はいつ? 買い替え時期は?
よくある質問

液晶テレビの寿命はテレビの種類のなかで最も長い6万時間とされており、1日8時間の視聴を行なっていると仮定した場合、20年の使用が可能という計算になります。ただし、液晶テレビの故障の多くが、バックライトの不調が原因となっており、場合によっては、8~10年で映らなくなることも。画面が暗くなってきたと感じたときは、修理や交換を検討したほうがいいでしょう。
一方、有機ELテレビの寿命はそれほど長くはなく、3万時間ほどとされています。1日8時間テレビをつけているとすると、約10年の計算になり、液晶テレビの半分ほどの寿命です。
プラズマテレビは、パネルの寿命は10万時間とされ、1日8時間視聴で32年以上使用可能と考えられています。ただし、各メーカー初期のプラズマテレビは2~3万時間とされているので、購入の際には注意しましょう。
テレビの処分方法は?

テレビは「家電リサイクル法」の対象品目になり、通常のゴミのようには処分できません。処分方法は次の6つの方法があります。
・家電量販店に引き取りと処分を依頼する
・自治体に引き取りと処分を依頼する
・自分で指定取引場所まで持ち込む
・不用品回収業者に依頼する
・買取業者に依頼する
・ネットオークションやフリマアプリを活用する
液晶テレビの購入と一緒に検討したい商品
視聴環境に合わせたサイズを
液晶テレビのおすすめ商品を画面サイズ別にご紹介しました。
液晶テレビを選ぶなら、まず自分の視聴環境に合わせたサイズを選んだうえで、VA方式とIPS方式の違いを押さえ、画質や機能に注目していくのがポイントです。
あなたがほしい液晶テレビを選んでみてくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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