レース糸の選び方
アクセサリーやコースターなどの小物雑貨から、バッグやショールなどの大型作品まで、レース糸でつくれる作品はさまざま。せっかくなら、作品に合わせたレース糸を選定したいですよね。
ここでは、暮らしのリネン研究家の上島佳代子さんのアドバイスをもとに、レース糸の選び方を紹介します。ポイントは下記の3つ。
【1】素材&加工
【2】糸の太さ
【3】糸の撚り方
【4】タティングレース用の糸もチェック
上記の3つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うレース糸を選ぶことができます
レース糸は加工や撚り方によって作品の見た目が変わるので、選び方は非常に重要! また、素材や太さによって扱いやすさにも変化が生じます。初心者の方はとくにしっかり比較して選びましょう。
素材や加工で選ぶ
まずは、糸の素材や加工に着目してみましょう。レース糸の主な素材は、シルク・綿・レーヨン・麻など。まずは素材の特性について理解を深めましょう。
素材によって見た目だけでなく、強度なども変わるので、つくりたい作品に合わせて選ぶのがベター。合わせてラメなどの加工がされた糸を選べば、作品の雰囲気も大きく変わります。
ワンランク上の上質さを求めるならシルク素材
一般的な綿素材に比べ値は張りますが、高級感を出せるのはシルク素材の糸です。特徴は、なめらかな手触りと艶のある光沢。天然素材ならではの贅沢な質感を活かして、ウェディング用の作品づくりにも適しています。特別な日のプレゼントにも。
丈夫さや編みやすさを重視するなら綿素材
前述しましたが、レース糸の素材で主流となっているのは綿素材です。伸縮性にすぐれているため、編みやすいのが特徴。さらに丈夫なので、作品にも安定感が出ます。使い勝手の良さから初心者にも向いている素材。商品によっては表面加工で、シルクのような質感を表現したものもあります。糸の加工方法にも着目してみてください。
強度や手触りを変えるレーヨンや麻素材
化学繊維のレーヨンは、シルクに似た光沢と、上品な手触りが特徴的。独特の艶感で美しい編みあがりです。麻素材はナチュラルな質感が魅力。繊維が丈夫なため、強度もあります。レース糸によっては、綿素材にレーヨンや麻素材を撚り合わせ、質感を変えているものもあるので、チェックしてみましょう。
かすり染めやラメ加工でイメージを変えて
作品の雰囲気に合わせて、加工された糸を探すのもひとつの手。注目したいのは、ラメ加工やかすり染め加工です。
ラメ加工はきらびやかな印象を強調します。アクセサリーや小物雑貨のアクセントとしても使うことも。単色使いでも存在感のある作品をつくることが可能です。かすり染めのレース糸なら、ナチュラルな雰囲気に。子ども用の小物や洋服づくりにも適しています。
レース糸の太さにも注目
レース糸にはさまざまな太さがあります。作品の大きさや、風合いに関わるので購入する際には注意が必要! 糸の太さは「番」または「#」のどちらかで表記されます。数字が大きくなるほど、糸が細くなるので覚えておきましょう。
注意したいのは、メーカーによって太さに若干の差が出る場合があるということ。手芸本などを参考にして作品をつくるときは、同じメーカーの材料を選ぶと失敗も少なくなります。
初心者は20番のレース糸が扱いやすい
標準的なレース糸の太さは、20~40番といわれています。糸が細いと扱いも難しくなるので、初心者は20番から始めるのが無難。太めのレース糸はさまざまなメーカーが出していて、バリエーションも豊富です。
バッグや洋服などの大型の作品や、厚みをもたせたい作品にも適していますよ。
小物づくりには細めのレース糸をセレクト
80番を超えると、糸はかなり細くなります。繊細な表現が可能になるので、レース模様や花などのモチーフづくりにぴったり。
細い糸で大型作品をつくろうとすると、時間がかかってしまいます。つくるならアクセサリーなどの小型作品がいいでしょう。
糸の撚り方で風合いや手触りに違いが出る
糸の撚(よ)り方でも、質感や手触りに違いがでてきます。まずおさえておきたいのは撚りの意味。撚りとは、ねじり合わせる加工方法のことです。レース糸はいくつもの繊維をねじり合わせることで1本の糸に仕上げています。
撚り具合を表す単位は「T/m」。1,000T/m以上は、強く撚り合わせた糸です。模様がはっきりでるので、作品の網目を印象強く際立たせてくれるのが特徴。一方、甘く撚り合わせた糸は500T/m以下で、やわらかい雰囲気の作品づくりに適しています。
タティングレース用の糸も!
針を使わず、シャトルや手で編んでいくタティングレース用の糸もあります。手を使って作業するため、普通のレース糸よりも滑りがいいのが特徴。
メーカーによっては、技術レベルに合わせて糸の太さを選べます。技術が上達したら、より細い糸で繊細な作品づくりに挑んでみましょう。
レース糸のおすすめ14選
それでは、暮らしのリネン研究家である上島佳代子さんと編集部が選んだおすすめのレース糸を14商品ご紹介します。

ケース入りだからとっても使いやすい!
撚りが強めでしっかりとかために編み上がる#40の定番レース糸。型くずれしにくいので、模様の美しいドイリーなどの小物を編むのにピッタリです。
かわいいタマゴ型に巻かれた糸が専用ケースに入っていて、白い糸でも作業中の汚れを気にせず編むことができます。外出中の空き時間にちょっとレース編みを楽しみたい。そんな方にもケース入りなのでカバンに忍ばせることができておすすめです。
美しくつややかな白色が長持ちする特殊加工
光沢感をだす二重シルケット加工が施された、丈夫なレース糸。さらに時間がたっても白さを保てるよう特殊な加工がされているので、色あせを防止したい方には向いている糸です。
綿の糸ですが、艶やかでシルクのような仕上がりのため、ウェディング用のアクセサリー作りにもうってつけ。繊細なイメージの小物をつくりたい方も検討してみてください。
大容量のコットンレース糸で大型の作品作りに挑戦
高品質の綿を100%使用! 4本の繊維を撚り合わせているので、強度が必要な作品づくりにも適しています。お出かけ用のバッグや、水に濡れる可能性があるコースターづくりにも。
200gの大容量なので、大きな作品づくりでも充分に制作が可能。上級者なら、ショールやストールづくりにチャレンジしてみてもいいでしょう。

色選びに迷ったら、セットものにトライ!
上質なエジプト綿を使用し、風合いの良さと、美しい光沢感が特徴のエミーグランデ。「エミーグランデ カラーパレット」はそのエミーグランデの糸が5色入ったセットです。
今回はその中でもネイチャーをおすすめしましたが、他にも「トラディショナル」「ジェリービーンズ」「ナチュラル」「フェアリー」など、テーマに沿って厳選されたカラーレース糸が入っているので、ぜひお気に入りのものを見つけてみてください。
セット内容には糸の他に、鳥と花の形がデザインされたコースターの編み図も2種類ついているので、ちょっとかわいいものを編んでみたいなという方にもおすすめです。
渋いカラーに模様がくっきり出る強めの撚り方
落ち着きのある渋めのカラーが印象的。撚りが強い糸なので網目を際立たせてくれ、バッグなどの立体的な作品づくりにも向いています。
模様をはっきりと出したいマクラメ編みの作品をつくりたい方や、レース作品の型崩れを防ぎたい方にも。アクセサリーのモチーフづくりに活用すれば、小さくても存在感のある仕上がりを実現できます。

リネン糸は夏のファッション小物にピッタリ
日本では「麻」という一つの表現になってしまいますが、この商品は「麻」の中でも「亜麻」という植物から作られたリネンのレース糸です。高級リネンの一つアイリッシュリネンを100%使用。リネン独自のサラッとした感触を感じることができます。
サマーストールなどを編むのもよし、ナチュラルなリネンの洋服のアクセントに花のモチーフなどを編んでつけても好相性です。
「レース糸」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする レース糸の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのレース糸の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
裁縫や刺繍関連アイテムはこちら
雑貨アーティストの上島佳代子さんへの取材をもとに、裁縫箱を選ぶときのポイントとおすすめ商品を紹介します。裁縫道具をまとめて収納できる裁縫箱は、洋服のボタンつけや、ちょっとした縫い物をするときにあると便利なアイテムです。以前買ったのは小学校の家庭科の授業で……なんて人も多いのではないでしょうか?...
裁縫セットは、ちょっとした繕い物やボタン付けをするためにも、ひとつは持っておきたいアイテムですよね。一度購入すると長い間使うことになるため、ハサミなど使いやすい道具がそろっているものを選びましょう。また、裁縫セットを使う頻度によっても必要なものは変わってきます。そこで、雑貨アーティストの上島佳...
雑貨アーティスト・上島佳代子さんに、刺繍(ししゅう)枠の選び方とおすすめ商品をおうかがいしました。本格的な作品制作のほか、目印として名前やキャラクターをワンポイント入れたいときなど、刺繍枠があれば、刺繍しやすいうえに完成度も高くなりますよ。刺繍枠には、刺繍をする大きさや用途によって、四角や楕円...
雑貨アーティストの上島佳代子さんに聞いた、刺繍(ししゅう)キットのおすすめ5選と選びのポイントを紹介します。「刺繍を始めたいけどなにを買えばいいかわからない……」「刺繍キットにもいろんな種類や難易度があって、自分にはなにが合うのかわからない……」そんな刺繍初心者の方から、かわいい刺繍キットを探...
クラフトバンドのネット通販や手芸講座をおこなう、株式会社エムズファクトリー 代表取締役の松田裕美さんに聞いた、刺繍糸の選び方とおすすめ商品を紹介します。フェルトでマスコットを作ったり、ミサンガをつくったりするときに大活躍する刺繍糸は、繊細なフランス刺繍やクロスステッチ、名前の刺繍などにも使える...
まとめ
レース糸のおすすめ14選を紹介しました。
自分に向いているレース糸を見つけるポイントは、糸の素材や太さ、撚り方の違いなどの基本的な情報を理解すること。レース糸の特徴について知ったうえで、つくりたい作品に合わせたカラーや表面加工に着目して選んでいくと、お気に入りの商品を見つけやすくなります。
あなたがほしいレース糸を選んでみてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家・コピーライター。そして時にカメラマンやスタイリスト、ライターとして、広告や雑誌、テレビやWebなど様々なメディアのニーズに応えるクリエイター。世界のリネンを巡る旅をライフワークに、リネンの歴史や現在のリネン産業についても造詣を深める。NHK『美の壷』のテーマ「麻」に出演。雑貨アーティストとして企業との商品開発や保育士・幼稚園教諭のための雑誌にも携わり、小学生の雑貨教室、母親のための雑貨教室、リネンの教室など、雑貨を通して暮らしを楽しむ活動も行っている。またワイヤーワークや木工、ソーイングなど様々な素材の作品をメディアやワークショップを通して発表するなど、多岐に渡って活動中。『アトリエ ペルメル』主宰。