刺繍枠の上手な選び方
雑貨アーティスト・上島佳代子さんに、刺繍枠を選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。使いやすい刺繍枠選びの参考にしましょう。
手の馴染み、扱いやすさを考え素材で選ぶ
木製|布のホールド力が強く、刺繍しやすい
直径15cmの刺繍枠。手になじみやすい木製ではじめての刺繍枠にもぴったりです。
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
刺繍枠には、おもに木製とプラスチック製のものがあります。
木製のものはヒノキやケヤキ、竹などが使われていて、手になじみやすいです。プラスチックに比べ摩擦(まさつ)力があるので、布のホールド力があります。竹製のものはどちらかというとデコレーション用で、大量に安く使いたいときに向いています。製品によってはささくれがついているものもあるので、使用前にチェックしてヤスリをかけるなど、注意が必要になります。
プラスチック製|カラフルでインテリア性アップ
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
プラスチック製はカラフルな色のものが多く、色移りの心配もありません。そのままインテリアとして飾って楽しむこともできます。木製とプラスチック、どちらの素材の刺繍枠でも締め具合の調整できるタイプがおすすめです。
そのほかの素材としてゴム製のものもありますが、こちらはおもに刺繍枠風の額縁といった感じです。
サイズから選ぶ
刺繍枠でもっとも多く使われるのは、8cm~15cmくらいの範囲のものです。そのなかでも、用途によって使いやすいサイズは変わってきますよ!
8~10cm|初心者はここから! 万能サイズは8cm。
もし、初心者が最初に買うものを迷ったら、8cmの刺繍枠を買うことをおすすめします。これは、刺繍枠のなかではわりと小さめサイズ。小さい枠に大きめの刺繍をすることはできるのですが、大きい枠に小さい刺繍はとてもしにくいです。まず、布をピンとはることが難しいですよね。
8cmの刺繍枠は、そういった意味で一番汎用性が効くサイズ。10cmくらいの刺繍枠も同じく初心者にとって使いやすいサイズです。
12~15cm|大きめの図案に挑戦したいなら
ワンポイント刺繍ではなく、少し大きめの図案に挑戦したいなら、12cm~15cmのサイズがおすすめ。どちらかというと、このサイズは初心者よりも中級者・上級者向けです。
2つめの刺繍枠を買いたいときにはこのくらいのサイズを選んでみてください。
枠へのセット方法もチェック
枠へのセット方法は、刺繍枠の使いやすさを左右する大事なポイント。大きく分けて3つのタイプがあるので、詳しく見ていきましょう!
ネジ式タイプ|布の厚みに対応できて使い勝手◎
下枠のうえに布を置き、上枠のネジをゆるめて布のうえからはめます。最後に、ネジをしめて布をピンと張れば完成です。
少し手間はかかりますが、好みの張り具合に調整できるので、初心者さんにもおすすめです。また、厚みのある布でもネジで調整することでしっかりと張ることができます。そういった意味では、いろいろな種類の布に対応できる万能タイプです。
ワンタッチタイプ|はめこむだけでカンタン!
このタイプは、下枠のうえに布を置いて、上枠をはめるだけで装着が完了します。カチッとはめ込むだけなので、初心者でも使いやすいタイプです。
ただし、このタイプは布に厚みがある場合、しっかりと張ることができないこともあります。
ロールタイプ|慣れてきたら便利な上級者向け
ロール式タイプは、上下の棒に布を巻きつけてピンとはっていき、テープや糸を使って棒に固定する方法。慣れてしまえば使いやすく、どんな厚さの布にも対応できるので便利です。
しかし、布をはるためには少しコツが必要。どちらかというと、初心者よりは上級者向けのタイプです。
長時間の作業ならスタンド型も視野に
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
刺繍枠は、おもに手で持つタイプのものがサイズ違いで多く販売されています。
楽しい刺繍ですが、たくさん刺せば刺すほど、多くの時間を費やしたり、手や首、肩などが疲れてきたりするのも事実。そんなときには、机に取りつけて使う刺繍枠や、椅子や床に座って脚にはさんで使うもの、大きな刺繍枠など、使いやすいものを選んでみるのもよいでしょう。
両手の空くスタンドタイプの刺繍枠なら、刺繍枠を作業中ずっと持っていることもなく、腕や肩への負担も軽減されるはず。空いた片手で刺繍糸の絡みを防ぐこともできて、作業もグンとはかどります。
さまざまな形にも注目して
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
刺繍枠は、刺繍をしやすくする道具としての役割がおもなもの。
しかし、素材も色も形もさまざまなものが作られるようになり、刺繍するためだけの道具にとどまらなくなってきました。刺繍枠の色柄を利用してお部屋の壁に額縁として飾ったり、玄関にリースのように掛けてみたり、小さなサイズのものをアクセサリーにしたりなど、さまざまな用途で楽しむことができます。
三角や四角、なかには猫の耳がついた刺繍枠も! 刺繍と刺繍枠をコーディネートして、さまざまな作品づくりを楽しんでみましょう。
刺繍枠のおすすめ10選 使い勝手のいい8cmやスタンドタイプなど!
うえで紹介した刺繍枠の選び方のポイントをふまえて、雑貨アーティスト・上島佳代子さんと編集部で選んだおすすめしょうひんを紹介します!

Clover(クロバー)『刺しゅう枠・15cm』






出典:Amazon
形 | 丸型 |
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サイズ | 直径15cm(ほかに10cm、12cm、18cm有) |
素材 | 天然木 |
木製枠とネジ式固定でしっかり布を張れる
刺繍をはじめる初心者さんや、今まで刺繍枠なしで刺繍をしていた人には、刺繍枠の定番、Clover(クロバー)の刺繍枠をおすすめします。素材は天然木を使用した丈夫な特殊強化合板。外枠にはネジがついていて、さまざまな布の厚さでもしっかり張って固定することができます。刺繍枠を使うと、刺繍のしやすさも仕上がりも驚くほど違いますよ。
使用サイズは刺繍のデザインの大きさや、布の大きさ、持ちやすさなど、さまざまな条件で異なりますが、サイズ展開も豊富でうれしいですね。まずひとつ購入するなら、10〜15cmのサイズを選んでみてはいかがでしょう。

DMC(ディーエムシー)『ラップ(ひざ)タイプ』




出典:楽天市場
形 | 丸型+スタンド |
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サイズ | 刺繍枠:直径21.5cm、スタンド:幅28×奥行12×高さ38~50cm |
素材 | 木 |
作業性も仕上がりもアップする便利なスタンドタイプ
たくさん刺繍をする人や、肩こりや腕の張りなど、体の負担を軽減したい人におすすめなのがこのスタンドタイプの刺繍枠。フランスの刺繍糸メーカーDMC社製のもので、刺繍をする人の作業性や機能性を考えたつくりになっています。
刺繍スタンドは上下に高さが変えられるので、椅子に座っての作業や床に座っての作業でも便利。刺繍枠を片手で持つ必要がないので、両手を自由に使うことができ、刺繍糸に手を添えながら絡みを防止することができます。
類似品が多く、多少値段も高めですが、商品の仕上がりや機能のよさから、多くの高評価を獲得している刺繍枠です。

Izumi-Japan(イズミジャパン)『四角 刺しゅう枠 スタンドタイプ』














出典:Amazon
形 | 四角スタンド型 |
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サイズ | 幅34×奥行35×高さ31cm |
素材 | - |
見やすく刺しやすい、大きな作品を仕上げる人に
刺繍の腕が上がり、大きな作品や全体的にデザインをみて作りたい人におすすめなのがこの刺繍枠です。横34×縦31cmと大きな四角い面で布を張るので、小さな刺繍枠のように刺繍する場所に合わせてその都度つけ替える必要がありません。また全体的にデザインをみることができるので、スムーズに作業ができます。
大きい作品は時間がかかるので、首や肩の負担も大きく、肩こりなども悩みのたねになりがちですよね。この刺繍枠は自立タイプなので、そんな体への負担も軽減できそうです。制作後はコンパクトにしまえる組み立てタイプなのもうれしいポイントです。

『刺しゅう枠 楕円形』
















出典:Amazon
形 | 丸型 |
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サイズ | S:15×12cm、M:19×15cm、L:25×18cm、XL:29×22cm |
素材 | プラスチック |

クロスステッチ館『カラー刺繍枠15cm』
形 | 丸型 |
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サイズ | 直径15cm(内寸14.5cm、外寸15.5cm) |
素材 | 奈良吉野檜 |
G&G『刺繍枠 スクロール フレーム』






出典:Amazon
形 | 四角型+スタンド |
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サイズ | 枠:幅30.0×奥行き40.0cm、スタンド:高さ50.0cm |
素材 | 木製 |
Clover(クロバー)『カラフル刺しゅう枠』






出典:Amazon
形 | 丸型 |
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サイズ | 直径10.0cm |
素材 | 本体:ABS樹脂、ネジ:真鍮、ナット:鋼 |
フェリモア『刺しゅう枠 スタンド』














出典:Amazon
形 | 丸型+スタンド |
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サイズ | 枠:直径24.0cm、スタンド:奥行29.0×高さ19.0cm |
素材 | ユーカリ |
Clover(クロバー)『フリーステッチングフープ』














出典:Amazon
形 | 丸型 |
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サイズ | 直径約12.0cm |
素材 | 枠:ポリプロピレン、カバー:ABS樹脂、ネジ:真鍮 |
Spare Times『ハート型 刺繍枠』










出典:Amazon
形 | ハート型 |
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サイズ | 幅17.5×奥行き14.0cm |
素材 | - |
「刺繍枠」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 刺繍枠の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの刺繍枠の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
商品写真だけで判断せず、必ずスペックの確認を 最後に雑貨アーティストからのアドバイス
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
サイズ、形、素材は自分に合ったものを選ぼう
刺繍枠は同じようなみた目でも、素材や機能などが少しずつ違います。本来なら現物をみて選ぶのが理想ですが、ネットショップなどで購入するときは、記載されている素材やサイズ、特徴、そのほかのスペックや、購入者のコメントなども参考にするとよいでしょう。
刺繍枠は刺繍をしやすく、きれいに仕上げるための道具なので、これでなければいけないという決まりはありません。サイズも形も素材も、自分に合ったものが一番。ぜひ刺繍が楽しくなるお気に入りの刺繍枠を見つけてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/11/26 一部コンテンツの追加のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 松林麻衣)
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家・コピーライター。そして時にカメラマンやスタイリスト、ライターとして、広告や雑誌、テレビやWebなど様々なメディアのニーズに応えるクリエイター。世界のリネンを巡る旅をライフワークに、リネンの歴史や現在のリネン産業についても造詣を深める。NHK『美の壷』のテーマ「麻」に出演。雑貨アーティストとして企業との商品開発や保育士・幼稚園教諭のための雑誌にも携わり、小学生の雑貨教室、母親のための雑貨教室、リネンの教室など、雑貨を通して暮らしを楽しむ活動も行っている。またワイヤーワークや木工、ソーイングなど様々な素材の作品をメディアやワークショップを通して発表するなど、多岐に渡って活動中。『アトリエ ペルメル』主宰。