ブッシュクラフトナイフとは? 火起こしや薪割り、料理にも使える北欧発の逸品
ブッシュクラフトとは北欧で生まれた言葉で、「自然のなかで、素材を生かしてアウトドアを楽しむこと」を意味します。
火起こしや薪割り、ウッドクラフトなど用途も目的もさまざま。北欧の豊かな自然に囲まれた国々の知恵が詰まった魅力的なナイフになります。
ブッシュクラフトナイフの選び方 幅広い用途に使用可能
それではさっそく、ブッシュクラフトナイフの選び方を解説していきます。選び方を参考に、自分に合ったブッシュクラフトナイフを選びましょう。
グリップの持ちやすさで選ぶ
グリップには樹脂と木製があります。樹脂は濡れた手でも使いやすく滑りにくいので安心です。
木製は、樺(かば)や樫(かし)といった丈夫な木材をはじめ、さまざまな素材が使われています。樺は木目が美しく、樫は丈夫で水分を含んでも弾力があります。
見た目だけで決めず、実際に握ってから自分の用途や好みに合わせて選びましょう。
刃の素材で選ぶ
刃の素材は、おもにステンレスとカーボン(炭素鋼)があります。それぞれの特徴を深くして、自分に合う素材を選びましょう。
水辺付近や料理に使うならステンレス製
水辺付近のキャンプや釣り、料理で使う場面を想定しているならステンレス製のブッシュクラフトナイフがおすすめです。理由としては、水に強くサビに強い、お手入れすると切れ味が戻りやすい(お手入れがしやすい)点が挙げられます。
そのため、水辺付近では大活躍間違いナシです。
幅広く使うならカーボン製
カーボン製のブッシュクラフトナイフは、丈夫・切れ味がいい・お手入れしやすい(研ぎやすい)という特徴があるので、アウトドアで幅広く対応することが可能です。
難点としてはサビやすく、そのまま使用していると、ナイフが手から抜けて思わぬケガをする可能性がある点です。なので、ブレードに椿油やオリーブなどを塗布する定期的なお手入れが欠かせません。
とはいえ、火起こし、薪割り、料理、食事の際の食器や箸を作るなど、さまざまな場面で活躍してくれるので、アウトドア愛好者からは人気の高い素材になります。
刃の形状で選ぶ
ブッシュクラフトナイフは薪割りから料理、落ちている木材でのウッドクラフト製作に至るまで、いろいろなことに利用できます。
刃の形状によっても切れ味や研ぎやすさが変わってきます。ここでは、用途別に刃の形状と、その特徴をご紹介しましょう。
薪割りに適したスカンジグラインド
キャンプで必要となる薪。木を割いて薪を作る作業をバトニングといいます。
バトニングには、北欧ナイフに多いスカンジグラインドという、先端に向かってまっすぐに刃付けがされたものが向いています。研ぎやすく、細かいクラフト作りにも向いているオールマイティーな形状です。
料理やハンディングに適したホローグラインド
ブッシュクラフトナイフの定番として知られる形状です。刃の断面が内側に細いカーブを描いた形になっていて、刃先が接触しているので切り込みやすくなっています。
初心者の方や力に自信のない方にもおすすめですが、先端が細いので研ぐときに少し神経を使います。
上級者向けコンベックスグラインド
コンベックスグラインドとは、刃の断面の外側に丸い厚みがあって、日本刀と同じ形状になっているものです。
とても刃持ちがよく、刃こぼれがしにくいのがメリットです。ただ、扱いに少し技術が必要なので、上級者や愛好家に向いています。薪割りのときなど、下と横に切り割く力が強く、ハードな使用シーンにおすすめです。
ナイフの全長や刃渡りもチェックしよう
使用するシーンや目的によって適している刃の長さや、グリップとあわせた大きさなどが違います。
木の皮を削ったり、魚をさばいたりするような細かい作業が多い場合は、短いもののほうが扱いやすいでしょう。割りといった力のかかる作業では、長めのもののほうが使いやすく、効率的に作業を進められます。
丈夫で安心なフルタング構造を選ぼう プロダクトコンセプターからのアドバイス
ブレード(刀身)がハンドル部全体に一枚の鋼材でつながっているものを「フルタング構造」と呼びます。
軽量化を意図してハンドル部の鋼材を細くしたものもありますが、基本的にブッシュクラフトナイフは作業に負荷がかかりやすいので、多少重くなりますが構造体としてフルタングのほうがより丈夫で安全。
シース(鞘〈さや〉)もロック機構の有無や、グローブをしたままでの着脱が容易なものを選ぶと間違いがないと思います。
ブッシュクラフトナイフのおすすめメーカー・ブランド ボーカーとモーラナイフを厳選
さまざまなブランドがあるブッシュクラフトナイフですが、ボーカーとモーラナイフをご紹介します。
Morakniv(モーラナイフ)
北欧スウェーデンのモーラ地方で1891年に創業した老舗メーカー。品質の高さはスウェーデン王室から御用達認定を受けているので、折り紙付きです。特徴はカラーバリエーションやインナップの豊富な点。
人気が高いのは「ガーバーグマルチマウント」で、マルチマウントと呼ばれるケースに収納すると、ベルトやリュックにも装着が可能になります。
BOKER(ボーカー)
200年以上の歴史があるドイツの老舗ブランドで、多くのユーザーから切れ味、耐食性の高さで支持を集めています。アウトドアやハンティングに使えるナイフ、包丁やカミソリなどさまざまな刃物に精通しているのが特徴です。
なお、コスパで選ぶなら「マグナムシリーズ」で、1,000~2,000円台から購入できるモデルもあります。ブッシュクラフトナイフがどんなものか、試してみたい方におすすめです。
ブッシュクラフトナイフおすすめ9選
ここからは、ブッシュクラフトナイフのおすすめ商品をご紹介します。

北欧の刃物といえばスウェーデン鋼。Morakniv(モーラナイフ)『ブッシュクラフト サバイバル ブラック』もそのひとつです。森林面積の多い国独特の耐久性や機能性、デザインといった点が特徴的な製品が多いのもスウェーデン製ならでは。
メンテナンスを考えたら経験が豊富な方には炭素鋼、はじめての方にはステンレス鋼がおすすめです。
これ1本で火起こしもできる万能ナイフ
職人の手で伝統的に受け継がれてきた切れ味がよい刃と、握りやすいグリップを兼ね備えた良質なナイフです。
ナイフカバーにはダイヤモンドシャープナーがついており、切れ味が落ちてきたらすぐに研磨することが可能。
さらに、ファイヤースターターが付属していて、これ1本を持っていれば、木を削ってすぐに火をつけることができる、まさに万能なサバイバルナイフです。
スウェーデンを代表するナイフブランド
130年の歴史を誇るスウェーデンのモーラナイフ。スウェーデン国王からも高い評価を得ています。こちらのナイフはオールラウンドに使える、アウトドアで頼りになるアイテムです。ブッシュクラフトやハンティング向いています。
刃こぼれもしにくく、メンテナンスに手間もかかりにくいのも魅力的です。
握りやすいグリップや、リーズナブルな価格なので、はじめてのナイフにもおすすめです。

BOKER(ボーカー)『マグナム トレイル シースナイフ』はグローブをしたままでも取り扱いがラクな商品。
フルタング構造で耐久性も抜群で、「近代ナイフの父」と呼ばれたR.W.ラブレスの影響を感じさせるデザインバランスです。薪割りよりは細かな作業に心強いはず。
ドイツの老舗メーカーのステンレスナイフ
200年以上の歴史を誇る、ドイツの老舗ナイフメーカーが作るブッシュクラフトナイフ。シンプルで扱いやすいところがポイントです。
グリップ部分はストレートに近く、バトニングしやすい形状。刃の素材は440Aステンレスでとても丈夫で、サビに強いのが特徴です。グリップに紐を通して持ちやすくなっています。
キャンプでの焚火やフェザー作りに使える
1985年創業のユニフレーム。日本のアウトドアメーカーとして、風土や文化を背景にしたスタイルで商品を生産しております。こちらのUFブッシュクラフトナイフは、シンプルで使いやすく、便利なシース付き。
頑丈な刃厚は3.5mmもあるので、メタルマッチも使用可能です。実用的なナイフを探している方の入門編としてもおすすめです。
小回りが利いて細かい作業やウッドクラフト向き
切れ味のよさが特徴です。カーボン(炭素鋼)素材で丈夫というだけでなく、刃の長さが約8cmと比較的短めで、小回りが利きます。細かい作業やウッドクラフト、フェザー作りにもおすすめです。
木材には染色された樺の木を使用。やわらかい波打つような木目は温かみがあって、美しい仕上がりとなっています。とっておきの1本になるでしょう。
フィンランド発! 手になじむカーブの木製グリップ
フィンランドのナイフメーカーで職人が1本ずつ手作りしているAhti(アハチ)のナイフ。ここまで紹介したナイフと異なるポイントはグリップ部分の独特なカーブです。木製でカーブを描くことによって、使うたびに手になじみやすく、独特な風合いを感じることができます。
刃はカーボンスチールのため丈夫で、研ぐことによって切れ味が鋭くなるとされているナイフです。
しっかりとした重量で安定感あるバトニングが可能
刃の部分にブラックパウダーコーティングが施してあり、少々荒い作業でも気にせず使える1本です。持ったときにずっしりと重みを感じることができ、安定感があるためバトニングにもおすすめです。
素材はカーボン(炭素鋼)なので、丈夫で長持ちしやすく、研ぎやすいナイフです。同じメーカーの刃物で用途別にコレクションするのも楽しいかもしれませんね。

日本版のブッシュクラフトナイフ「剣鉈」。土佐鍛『ダマスカス豆山遊鉈』は国内のアウトドアフィールドを考えたら、とくに用途に適した製品です。
ブレードとハンドルの境目(ヒルト)にツバが配されており、使用時に誤ってケガをしないような工夫も。
伝統技法を駆使! 日本の鍛冶職人が作る本格派
土佐にある老舗メーカーが伝統技法で作る、こだわりの詰まったナイフ。もともとは狩猟のために作られているので切れ味は抜群です。
グリップ部分は樫の木が使われており、弾力性があって使うたびに手になじんでくれるのも魅力のひとつです。外側に向かって太くなっているので、握りやすく、力を入れやすいのが特徴。太いからこそ、バトニングでも安定して打つことができるナイフです。
シャープナー付きでいつでも切れ味を保てるナイフ
グリップ部分は樹脂素材で滑りにくく、ストレートライン形状なのでバトニングの際もしっかり打ちつけやすいのが特徴です。シャープナーが付属しているのは魅力的なポイントのひとつ。切れ味をいつでも保つことができるうれしいナイフです。
ブラックコーティングされた高炭素鋼製。グリップも刃もすべて黒で統一されています。使うときにテンションの上がるクールなデザインですね。
「ブッシュクラフトナイフ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アウトドアナイフの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのアウトドアナイフの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ブッシュクラフトナイフとあわせて使いたいアイテム 焚き火台、 ファイヤースターター、まな板!
用途別にそろえるのもあり 編集部からひと言
ブッシュクラフトナイフのおすすめ商品をご紹介しました。
メーカーごとの魅力をぜひ参考にしてください。料理やウッドクラフト、バトニングなど用途別でそろえてみるのもおすすめです。
研ぎやすさなどお手入れのしやすさもチェックしながら、あなたがほしいブッシュクラフトナイフを選んでみてくださいね。
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1982年より㈱ワールドフォトプレス社の雑誌monoマガジン編集部へ。 1984年より同誌編集長。 2004年より同社編集局長。 2017年より同誌編集ディレクター。 その間、数々の雑誌を創刊。 FM cocoloへの情報提供、執筆・講演活動、大学講師、各自治体のアドバイザー、IDSデザインコンペティション審査委員長などを現在兼任中。