液晶モニターとは?
ここでは、液晶モニターの特徴について、液晶テレビと比較して解説します。
液晶モニターのメリット
液晶テレビと比べたとき、液晶モニターには以下で挙げるようなメリットがあります。
液晶テレビよりも安いことが多い
液晶テレビは、テレビ放送を視聴するためのチューナーが搭載されており、機種によっては録画機能をそなえています。それと比べて液晶モニターは、おもにPCと接続して使うことが想定されており、要求される機能が限られているぶん、さまざまな機能を盛り込んでいる液晶テレビと比べると比較的安価で購入できます。
HDMIケーブルでBlu-rayレコーダーと接続すれば、液晶モニターでもテレビ放送を映すことはできますし、ゲーム機と接続すればゲームも遊べます。高額な液晶テレビの代わりに液晶モニターを使ってみるというのも選択肢のひとつでしょう。
拡張性が高い
PCの周辺機器である液晶モニターは、さまざまな環境で使われることを想定して設計されています。入力端子としてはHDMIやDisplayPortのほか、PC用のD-sub15ピン端子やDVI端子などを備えているものも多くあり、接続できる機器が多いことが特徴です。
また、2台以上の液晶モニターを数珠つなぎにして映すデイジーチェーン接続に対応した液晶モニターなどもあり、多様な環境への適応性が高いことも液晶モニターの特徴です。
液晶モニターのデメリット
液晶テレビの代わりとして液晶モニターを使うことにはデメリットもあります。
単体でテレビや動画を見ることができないものが多い
液晶モニターは、外部の出力機器からの映像信号を入力して画面を映す機械です。
多くの機種はテレビチューナーを搭載していないため、液晶モニターをテレビとして使うなら、Blu-rayレコーダーやデジタルチューナーなどとの接続が必要です。アンテナケーブルを挿せば映るテレビと比べれば、電気機器に苦手意識のある方にはややハードルが高いといえるでしょう。
液晶モニターの選び方
自宅のPC環境を整えるために、より高性能な液晶モニターがほしくなる人も多いでしょう。ただ、さまざまな製品が販売されていて、どのような点に注目して選べばよいのか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、液晶モニターを購入するときに気をつけたいポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ポイントは下記。
【1】液晶パネルの種類で選ぶ
【2】画面サイズで選ぶ
【3】解像度で選ぶ
【4】画面表面の光沢で選ぶ
【5】用途で選ぶ
【6】スピーカー付きかどうかで選ぶ
【7】接続方法で選ぶ
【8】価格で選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】液晶パネルの種類で選ぶ
液晶パネルには、IPS(ADS)、VN、TNの3タイプがあります。
IPSは発色がよく、視野角が広いので、どの角度からでもきれいに見えます。写真や動画編集をするならIPSパネルがおすすめです。
VAは視野角は狭いもののコントラスト比が高く、メリハリのあるくっきりした映像を映し出せます。
低価格なモニターに多いTNは、見る角度によって色が変化してしまう弱点はありますが、消費電力が低く、応答速度が速いのが強みです。動きのあるゲームをプレイするならTNパネルを選ぶのもよいでしょう。
【2】画面サイズで選ぶ
液晶モニターのサイズはテレビと同じく、画面の対角線の長さをインチ単位で表します。
現在は、適度に大きさのある20インチから24インチが標準的なサイズになっています。24インチ程度の大きさがあれば見やすいし、作業領域も広くとれます。
置き場所の関係でコンパクトなほうがよい場合には、20インチを選んでもよいでしょう。さらに小さい19インチ以下になると、省スペース性は向上しますが、作業領域があまり広くとれないので、一般的にはサブ向きになります。ただしテキスト中心の作業なら問題なくこなせます。
一方、27インチや30インチといった大きいサイズのモニターもあります。複数のウィンドウを開いておくなど、さまざまな情報を表示して作業する人は、大きいサイズのほうが効率がよいでしょう。30インチ程度あれば、映画などもじゅうぶんにこのモニターで楽しめます。
用途や設置場所の広さを考慮して、モニターの最適サイズを選びましょう。
【3】解像度で選ぶ
液晶モニターの解像度には、フルHD(1920×1080)やWQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)などがあります。
解像度が高いほど高価になりますが、映像はなめらかで美しく、テキストのにじみなどもなく見やすいため、作業効率も上げられます。通常のPC作業やゲームにはフルHDでじゅうぶんといえますが、より美しい映像で映画やゲームを楽しみたいなら、WQHDのモニターを選ぶとよいでしょう。
また4K対応のブルーレイレコーダーなどを使うなら、4K対応モニターを選べば4Kならではの高画質を楽しめます。ただし、高解像度で映像を楽しむには、PCのスペックもそれなりに高いものが要求されることを頭に入れておいてください。
【4】画面表面の光沢で選ぶ
液晶モニターには、光沢のある「グレアパネル」と非光沢の「ノングレアパネル」があります。
グレアパネルは画面に光るようなツヤがあり、コントラストが高く鮮やかな色で表示できます。映画や写真の鑑賞に向いているといえます。ノングレアパネルはツヤのない画面なので室内の光の映り込みが少なく、近くに照明などがあっても見やすいのが特徴です。目が疲れにくいのもノングレアのメリットですから、長時間作業する人にはノングレアがおすすめです。
【5】用途で選ぶ
使う用途に合わせてモニターを選ぶのも1つの選択肢です。ここでは、ゲームで使う場合と仕事や作業として使う場合に便利なデュアルディスプレイの選び方のポイントを解説します。
●ゲームで使うなら
動きの速いゲームで使うなら、映像をなめらかに表示できるかどうかが重要になります。そのためにチェックしておきたいのが応答速度とリフレッシュレートです。
応答速度とは、画面上の色が黒から白へ、中間色から別の中間色へと変化するスピードを示す速度のことです。これが速い(値が小さい)ほど残像が少なくなめらかな動きになります。一般的なモニターでは応答速度が5msや10msのものが多いですが、ゲームで使うならできるだけ応答速度の速いものがおすすめです。
また、リフレッシュレートとは、1秒間に画面を書き換える回数のことです。値が大きくなるほど書き換え回数が増え、動きのなめらかな映像になります。リフレッシュレートが高ければ、ゲームでは対象をはっきりと目で追える、ゲーム中に目が疲れないといった点が有利になります。一般的なモニターのリフレッシュレートは60Hz程度ですが、とくにレースゲームやFPSなど、動きの激しいゲームをするならリフレッシュレートが高いモニター、できれば120Hz以上のモニターがおすすめです。
●デュアルディスプレイで使うなら
モニターを2つ使うデュアルディスプレイは、作業領域を広くとることができるのがメリット。仕事や細かい作業に最適です。
それぞれに別のウィンドウを最大表示するなどすれば、作業効率を上げることができます。できるだけフレームが細いものを選ぶと、モニターを並べたときに継ぎ目を気にせず使えるでしょう。
ただし、大きいモニターを1つ使う場合に比べて、置き場所を広くとってしまうことに注意が必要です。机の上にモニターを2つ並べられない場合でも、モニターアームを使えば見やすい位置に設置できることもあるので、あわせて検討しましょう。
モニターアームにはVESAというネジ位置の国際規格があるので、これに対応したモニターなら、あとからモニターアームでの設置に変更することができます。
【6】スピーカー付きかどうかで選ぶ
スピーカー内蔵タイプのモニターなら、別途スピーカーを用意する必要がないので便利です。HDMIやDisplayPortで接続すれば、映像と音声をケーブル1本で送れるので、スピーカー用の配線は不要になり、PCまわりをすっきり収められます。
ただし、モニターに内蔵されるスピーカーはサイズが小さく、音質にはあまり期待できません。音楽を楽しみたい人や音質にこだわる人は、スピーカーのないモデルを選び、高音質スピーカーを別途用意しましょう。
【7】接続方法で選ぶ
PCとモニターの接続方法には、VGA(D-sub)、DVI、HDMI、DisplayPortなどがあります。PCの出力端子がどれになっているかをあらかじめ確認し、対応するモニターを選びましょう。
主流の繋ぎ方はHDMIやDisplayPortで、これらは以前の主流だったVGAやDVIに比べて映像の劣化が少ないとされています。また、USB PD接続なら電源も供給されるので、モニター周辺のケーブルを減らしてすっきりさせることができます。
【8】価格で選ぶ
PCモニターは、1万円以下から購入できるリーズナブルな製品から、10万円以上する製品までさまざまあります。
基本的にPCモニターは価格とサイズ・性能が比例するので、サイズが大きくてきれいな画質の液晶モニターほど価格が高くなる傾向にあります。ゲーミングなどの専門性に特化している製品は高価なものが多いので、ご自分の予算と必要な機能があるかを考えて選びましょう。
エキスパートからのアドバイス
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
疲労しないモニタを選びましょう
液晶モニターもずいぶんと価格が安くなり、サイズも大型化している傾向があるようです。また、マルチモニターなどの利用も増えてきて、それに伴いブルーライトの問題や眼精疲労の問題なども話題になっています。
少しでも疲労を和らげるためには、やはり疲れないモニターを選択することが必要です。展示場などに並んでいるモニターのように明るくて色鮮やかなモニターのほうが良い画質だと感じてしまう傾向にありますが、見た目だけで選ぶのではなく、実際に使っている人の意見なども参考にして選ぶと良いでしょう。
液晶モニターおすすめ13選
上記で紹介した注意点やポイントをふまえて、おすすめの液晶モニターをご紹介します。それぞれに特徴や機能がありますので、自身の用途をイメージして選んでみてください。MacBookユーザー必見のモニターもあるのでチェックしてくださいね。
【スタンダート】液晶モニター6選
仕事用でもプライベートでも、どんな用途にも使いやすいスタンダードな液晶モニターをご紹介します。

【テレビを見るのにおすすめ】液晶モニター2選
液晶モニターにテレビ放送を映すためには、テレビ放送のチューナーを搭載したパソコンと接続するほか、Blu-rayレコーダーなどとHDMIで接続する方法もあります。いずれにしても、画面と近いところから音が出たほうが違和感なく映像に集中できるため、スピーカーの搭載の有無もあわせてチェックしておくといいでしょう。
【ゲームにおすすめ】液晶モニター5選
ゲーム用途に開発されたモニターは、とくにゲーミングモニターと呼ばれています。動きの速い映像を表示させても遅延が発生しにくい応答速度の速いものや、暗い部分にある黒いものも潰れずに表示させられる階調性の高いものなどがあります。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 液晶モニターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの液晶モニターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
液晶モニターに関連する記事のご紹介
最適な液晶モニターを選ぼう!
本記事では、液晶モニターの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたか?
液晶モニターは、ほかの家電と比べても成長の著しい分野で、各メーカーがしのぎを削って開発に取り組んでいます。家電に疎い人からすれば「どれも同じに見える」と言いたくなるかもしれませんが、一度使ってみるとその違いははっきりと実感できます。
「画面サイズ」「表示方式」「光沢か非光沢か」といった特徴は、実際に見比べてみないことにはわかりません。紹介したポイントを念頭に、パソコンやテレビ視聴用、あるいはゲーム用途など、自分にとってベストの製品を選びましょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
令和3年度 中小企業庁 「中小企業119」登録専門家。 ITサポートエンジニアとして2002年に創業しこれまでに数多くのサポート実績があります。 オーダーPCの製作をはじめ、コンピューター端末・周辺機器などのハードウェア、IT環境保守が専門です。 個人、事業所問わず提案型技術アドバイザーとしてIT環境のリプレース、リペアを数多く成功させています。 メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っています。