ベッド型チャイルドシートの選び方|公認チャイルドシート指導員に聞いた
自動車生活ジャーナリストで日本交通安全教育普及協会公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに、 ベッド型チャイルドシートを選ぶときのポイントを4つ教えてもらいました。

Photo by Sharon McCutcheon on Unsplash
ベッド型チャイルドシートは比較的スペースをとる機種が多いので、サイズの確認は必須です。
大きな車なら横向き、コンパクトカーなら後ろ向きがおすすめ
自動車生活ジャーナリスト
現在、日本国内でベッド型のチャイルドシートを販売しているのは「アップリカ」と「コンビ」の2社です。この2社のベッド型には大きな違いがあります。
アップリカは進行方向に対して横向きにベビーシートをセットするいわゆるベッド型ですが、コンビは一般的なベビーシートと同様、後ろ向きの取り付け方法で、シートの角度を寝かせた状態にするベッド型です。コンビではこれを「一歩進んだベッド型」として展開しています。
つまり、同じベッド型でも、横向きか、後ろ向きかの大きな違いがあるのです。横向きは、横幅が80cm前後になるので大きな車に。後ろ向きは横向きに比べるとコンパクトなので、軽自動車など後ろが狭い車に適しています。
Aprica(アップリカ)『フラディア グロウISOFIX360° セーフティ プレミアム』
最新安全基準「R129」に対応した安全性の高さが魅力。横向き、後ろ向き、前向きに対応。
>> Amazonで詳細を見るベッド型チャイルドシートを選ぶときの注意
自動車生活ジャーナリスト
横向きで使うベッド型チャイルドシートの場合、車のシートベルトの長さが足らずに装着できない場合があります。つまり、横向きにすることで、シートベルトを回す範囲が広くなり、たくさんシートベルトを使うことになるので、軽自動車やコンパクトカーのなかにはシートベルトの長さが足りなくなる車も出てきてしまうのです。
また、サポートレッグがついているタイプのシートは、サポートレッグが当たる床部分にシートレール(車のシートをスライドさせるためのレール)があると取り付けが不可能となります。購入前には必ず、車とチャイルドシートの適合を調べておきましょう。
ベッド型+回転式シートは場所を取るので大きい車に
自動車生活ジャーナリスト
「お店で見たときにはそんなに大きいと思わなかったけれど、いざ、車に取り付けてみると思っていたより場所を取る!」と感じることが多いのが、ベッド型+回転式のチャイルドシートです。
アップリカのベッド型シートの場合、横幅は約80cm。アルファードなどの大型ミニバンの室内幅がだいたい160cm、コンパクトカーが140cm前後です。Lサイズミニバンでさえベッド型チャイルドシートは室内幅の約半分を占めることになります。
また、コンパクトカーの後部座席に複数台のチャイルドシートを取り付ける場合も注意が必要です。横向きのベッドで使う場合のサイズ感や回転したときにはどうなるか? など、サイズを測って感覚を認識しておくとよいでしょう。
ベッド型は高い傾向があるので費用対効果も視野にいれる
自動車生活ジャーナリスト
生まれたばかりの赤ちゃんには気持ちよさそうに見えるかもしれませんが、ベッド型を使う期間はだいたい生後6カ月くらいまで、早いと3カ月くらいで嫌がる赤ちゃんも出てきます。
もちろんその後、後ろ向きシートで1歳半・体重10kgくらいまで、前向きシートで4歳・体重18kgくらいまでは使うわけですが、ベッド型は総じて価格が高い傾向にあります。できるだけコストを抑えたいならばベッド型は見送るという選択もアリです。
ベッド型チャイルドシート4選|公認チャイルドシート指導員が厳選
ここまでに紹介したベッド型チャイルドシートの選び方のポイントをふまえて、自動車生活ジャーナリストで日本交通安全教育普及協会公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

Aprica(アップリカ)『フラディア グロウISOFIX360° セーフティ プレミアム』


































出典:Amazon
使用期間 | 新生児から4歳ごろまで |
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ベッドタイプ | 横向き、後ろ向き、前向き |
本体サイズ | 横向き:750×635×530mm 後ろ向き:440×705~760×550~610mm 前向き:440×635×66mm |
重量 | 約15.2kg |
レッグサポート | 有 |
取り付け方法 | ISOFIX、3点式シートベルト |
最新安全基準R129に対応した安全性の高さが魅力
欧州ではすでに適用がスタートしているチャイルドシートの最新安全基準R129にいち早く対応したチャイルドシートです。側面衝突事故から赤ちゃんを守るための設計となっており、固定方式はISOFIX&シートベルトの両方で可能。
ベッド型として使えるのは身長40~70cm、後ろ向きは身長60cmかつ首すわり~身長87cm 、前向きは身長76cmかつ月齢15カ月以上~100cmまで。
使い勝手のよさも光っており、360度回転するシートは4方向(90度)ごとにロックが可能。ISOFIXのコネクターは視認性が高まる黄色にして薄暗い車内でもわかりやすく配慮したほか、ロック解除ボタンには2重(段階)ロックを採用し、軽い力で操作できます。

Combi(コンビ)『ホワイトレーベル クルムーヴ スマート ISOFIX エッグショック JJ-600』


























出典:Amazon
使用期間 | 新生児~4歳ごろまで |
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ベッドタイプ | 後ろ向き、前向き |
本体サイズ | 後ろ向き時:幅460×奥行655~735×高さ620~770mm 前向き時:幅460×奥行526×高さ675~845mm |
重量 | 約12.8kg |
レッグサポート | 有 |
取り付け方法 | ISOFIX |
コンビ独自の後ろ向きで使えるベッド型シート
コンビのベッド型はアップリカの横向きと違って、チャイルドシートは後ろ向きの装着状態となりますが、シート内で平らに近い状態にリクライニングが可能です。完全なフラットになるわけではありませんが、その分、場所を取らないため、コンパクトカーに装着しても無理がない設計になっています。
こちらのモデルは背面エッグショック面積が広く取られており、安全性はさらにアップ。シートは洗濯機で丸洗いOKで、"1秒タオル"を使用したタオルシーツと頭部クッションを搭載しています。"1秒タオル"とは、1秒で汗を吸い取る吸水性にすぐれたタオルのこと。洗濯してもすぐ乾くので、つねに清潔でさらっとした状態に保つことができます。

Aprica (アップリカ)『ディアターン プラス』
















出典:Amazon
使用期間 | 新生児~4歳ごろまで |
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ベッドタイプ | 横向き、後ろ向き、前向き |
本体サイズ | 横向き時:幅790×奥行593×高さ566mm 後ろ向き時:470×690×566mm 前向き時:470×593×670mm |
重量 | 約13.8kg |
レッグサポート | 有 |
取り付け方法 | 3点式シートベルト |

Aprica (アップリカ)『フラディア ラクート プレミアム』


































出典:Amazon
使用期間 | 新生児~4歳ごろまで |
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ベッドタイプ | 横向き、後ろ向き、前向き |
本体サイズ | 横向き時:幅790×奥行593×高さ566mm 後ろ向き時:470×690×566mm 前向き時:470×593×670mm |
重量 | 約14.7kg |
レッグサポート | 有 |
取り付け方法 | 3点式シートベルト |
豪華装備満載のベルト固定最上級モデル
可能な限りの豪華装備を盛り込んだシートベルト固定のベッド型として、最上級モデルになります。高い通気性を誇る座部は3Dメッシュシート構造で、良好な通気を確保。日本アトピー協会が推薦する抗菌・防臭コート「TioTio(R)」を「快適フィットマット」に採用。
さらに、眠ったときに頭をプロテクターで守ってくれる「らくすやマクラ」、頭を衝撃から守ってくれる「マモールパッド」も装備しています。
また、眩まぶしい日差しから赤ちゃんを守る「フレックスシェード」は大きめサイズなので、赤ちゃんをすっぽり覆うことができ、紫外線カット率は80%以上。走行中の衝撃を吸収し、頭部への負担を軽減するプロテクトゲルは通気性も確保しています。
「ベッド型チャイルドシート」のおすすめ商品の比較一覧表
横向きが必要かどうか、また車のサイズも含めて検討する!
自動車生活ジャーナリスト
ベッド型で使う期間は赤ちゃんそれぞれですが、ここに紹介したベッド型はどれも9kgまではベッド型として使う事ができます。赤ちゃんの好みに合わせてベッド型か後ろ向きシートかを選ぶと良いでしょう。
また、Amazonで扱われるチャイルドシートは(ベッド型に限らず)カラーによって価格が数千円以上違ってくるケースがあります。上級モデルもチャイルドシートのカラーによってはとてもお得に買えることがありますので、カラーバリエーションがあるモデルに関しては、各色の価格をチェックしてみることをおすすめします。
ベッド型以外のチャイルドシートも検討している方はこちらもご覧ください
ベッド型以外にもおすすめのチャイルドシートをご覧になりたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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さまざまなタイプのチャイルドシートのおすすめをご覧になりたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2019/12/07 コンテンツ追加・修正と価格を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
下関市出身 大学在学中に車に目覚め、大学時代は神奈川県内のトヨタディーラーで納車引き取りのアルバイトを経験。大学卒業後、日刊自動車新聞社に編集記者として入社。 1989年FIA 公認のクロスカントリーラリー「オーストラリアン・サファリ」に出場。 1995年会社を辞めてフリーランスの道へ。 1999-2000日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。 2000年に第一子出産後、妊婦のシートベルト着用を推進する会を立ち上げ、チャイルドシートと共に胎児と赤ちゃんの命を守る啓発活動を展開している。 月刊誌『MONOQLO』(晋遊舎)、All About、citrus、オートックワン、乗りものニュース、くるまのニュース、JAFMATEなどに自動車生活関連(運転マナー、車の税金、維持費、メンテナンス、カスタム、海外車事情など)の記事を年間300本以上寄稿している。 また、(一財)日本交通安全教育普及協会公認チャイルドシート指導員としてチャイルドシートの正しい装着や子連れドライブの楽しみ方と危険回避に関する講演、啓発活動なども積極的に行っている。