黒酢の選び方 黒酢のタイプや原料に注目!
米酢や穀物酢は買ったことがあっても、黒酢を買うのははじめてという人もいるかもしれませんね。料理家の江口恵子さんに、黒酢を選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記。
【1】黒酢のタイプで選ぶ
【2】黒酢の旨みを楽しむなら「玄米黒酢」を
【3】長期熟成タイプを選べば酸味もマイルド
【4】中国黒酢は料理にぴったり
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】黒酢のタイプで選ぶ
黒酢には、大きく分けて希釈されていない「原液タイプ」とそのまま飲める「ドリンクタイプ」の2種類があります。それぞれの特徴を紹介していきます。
「原液タイプ」は料理にも活用できる!
希釈されていない原液タイプの黒酢は、料理の調味料として使ったり、お酒や炭酸水などと割って飲んだりと、幅広く活用できるのが特徴です。ドリンクタイプの黒酢に比べるとコスパが高いので、頻繁に黒酢を飲むという方は原液タイプがおすすめ。
調理用に使う場合は、商品のパッケージなどに「料理に推奨」などと記載があるかを確認しましょう。商品によっては、フルーツやはちみつなどで風味付けされているものもあり、そのまま料理に使うと思った味にならない場合があるので注意しましょう。
「ドリンクタイプ」は+αの成分が配合!
ドリンクタイプの黒酢は、すでに希釈されているので手軽に飲むことができます。飲みやすいよう黒糖やはちみつなどがブレンドされているので、子どもでも楽しめるのが魅力。
また、カルシウムやオリゴ糖など、ほかの栄養素がプラスされた黒酢もあるので、健康維持に取り入れたい方にもおすすめ。続けやすいので、ダイエット中の方にもぴったりです。
【2】黒酢の旨みを楽しむなら「玄米黒酢」を
黒酢の原料には、玄米や精米度の低い米などが使われます。どちらもアミノ酸が含まれますが、玄米のほうが豊富なのが特徴。黒酢の旨みはアミノ酸が関係しているので、黒酢の旨みを楽しみたい方は原料が玄米の黒酢を選ぶのがおすすめです。
【3】長期熟成タイプを選べば酸味もマイルド
熟成期間1年以上のものを選んで
黒酢と普通の米酢の違いは、原材料です。普通の米酢は精米が主な原料なのに対して、黒酢は、玄米や精米度の低い米、また大麦が原料となります。さらに、壺(つぼ)に入れ、壺畑と言われる壺がずらりと並んだ畑で長期熟成させるのが本来の作り方です。
壺に入れて自然の風を受けながら長期熟成させることで、酸味の角(かど)が取れてマイルドで香りのよい黒酢になります。1年以上熟成したものを選ぶと、酸味が強過ぎて食べられない、ということはないと思います。
【4】中国黒酢は料理にぴったり
酸味がマイルドで使いやすい
九州の鹿児島県をはじめ、国産ブランドもおいしい黒酢をたくさん作っていますが、香酢(こうず)といわれる中国産の黒酢も、ものすごくおいしいですよ。
マイルドな酸味で色が深く濃く黒いのが中国黒酢の特徴です。原材料は玄米に限らず、もち米やコーリャン(イネ科の一年草でモロコシの一種)などを用いる場合があります。
どちらかといえば、中国黒酢は飲むよりも調味料として料理に使うほうが向いているように思います。国産の黒酢を使うよりも、味にコクと奥行きが出ます。
用途や好みに合わせて黒酢を選んでみて 料理家からのアドバイス
黒酢は飲むためだけのものと思っている方が多いかもしれませんが、料理に使うと味もよくなりますし、油を使った料理はさっぱりとします。そのままで味わうと、酸味が強すぎたり味を強く感じたりするかもしれませんが、加熱することでまろやかになります。
黒酢を選ぶときのポイントとして、比較的、色が濃いもののほうが味わい深く、甘みやコクも強めです。色が薄いものは、さっぱりとして主張も強くないのですが、黒酢ならではのうま味も薄いように思います。
黒酢らしいコクや深みを選ぶか、さっぱりと食べやすいほうを選ぶかは、作る料理によって変わるかもしれませんね。値段の幅も大きいのですが、値段と味は比例関係ではないアイテムだと思います。
黒酢のおすすめ6選【料理家が厳選】 国産黒酢も!
うえでご紹介した黒酢の選び方のポイントをふまえて、料理家の江口恵子さんに選んでいただいたおすすめ商品をご紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

コクのあるマイルドな国産黒酢
私自身にとって、うま味があって酸味が強すぎないこの黒酢は、欠かせない調味料となっています。また、料理教室の生徒さんのあいだでも、黒酢は苦手だったけどこれならおいしいから大丈夫、飲みやすいとの声がたくさん上がっています。
岐阜県のお酢メーカーである「内堀醸造」は、飲むお酢やフルーツビネガーなど、おいしくて飲みやすい、食べやすいこだわりのお酢をたくさん商品化しているメーカーです。そのなかでもこの黒酢は人気のようで、最近ではスーパーなどでも並んでいるのをよく目にします。
料理だけではなく、おいしく飲んで健康にも役立てたい調味料です。

手ごろな値段がうれしい、さっぱりしたあと味の黒酢
普通の米酢に比べると、黒酢は少しお値段が高めなのですが、この黒酢は手ごろな値段です。コクやまろやかさというよりも、さっぱりスッキリした、クセの少ないあと味が特徴で、軽めの黒酢です。
油との相性もよくさっぱりと仕上がるので、酢豚、甘酢あんかけなどの中華料理に使うと、お店のような味と香りに仕上がります。千切りにした生姜をしばらく漬けておき、餃子や春巻きに生姜をたっぷり乗せて黒酢もたっぷりつけて食べるのがおすすめです。

3年熟成のまろやかな中国黒酢
3年間熟成させた、とてもまろやかで香りのよい黒酢です。中国では、黒酢は身体を温めるとされているそうで、味付けの調味料としてはもちろん、料理の仕上げにひとかけ、水餃子や蒸し料理に生姜と一緒に添えてと、いろいろな食べ方をしています。
お酢の酸味が苦手な人や黒酢特有の香りが苦手な人でも、この黒酢なら、ツンとした強い酸味がなくマイルドで、香りもとてもよいのでおいしく食べられると思います。
黒酢酢豚や小籠包(ショウロンポウ)といった中国料理との相性が抜群で、油っこさを緩和しさっぱりとした味わいになります。

1年以上壺で熟成したまろやかさ
国産黒酢の本場である鹿児島県のブランド「坂元醸造」のベーシックな黒酢です。黒酢と言っても、色は薄めです。
マイルドでやわらかな酸味が特徴で、料理にもとても使いやすいと思います。陶器製の壺に入れ、壺畑で熟成させて作られています。料理にはもちろん、蜂蜜やメープルシロップなどで甘みをつけて飲んでもおいしくいただけます。

手ごろで続けやすい国産黒酢
液の色は濃い茶褐色(ちゃかっしょく)で、しっかりした酸味とコクが特徴の黒酢です。色の印象からパンチのある酸味と香りを想像しますが、意外に味はマイルドです。
水や炭酸で割ってビネガードリンクとして飲むと口のなかがさっぱりするので、肉料理や脂っこい中華料理のお供にもおすすめします。しっかりした酸味がありつつもマイルドなので、加熱せずに調理するドレッシングや酢の物などにもとてもよく合います。
メーカーおすすめの食べ方は、いり大豆をこの『純玄米黒酢』に漬けた酢大豆です。高価格帯のものが多い国産黒酢のなかでは、手ごろな値段でコストパフォーマンスも高い商品なので、健康維持や美容が気になるという方や継続して飲みたいという人にもおすすめできます。

約200年続く老舗の黒酢メーカーのまろやか黒酢
黒酢の本場、鹿児島県霧島市で約200年続く黒酢メーカー「福山酢醸造」の黒酢です。熟練の職人により手間暇をかけた製法は、まろやかでうま味をしっかり感じる黒酢を作り出します。
おいしさに加えて香りのよいお酢になる秘訣は、黒酢専用の壺で2年以上熟成させることです。黒酢は出来上がるまでの熟成期間中に「アルコール発酵」「酢酸発酵」「糖化」が同時に行なわれるため、うま味が増し、まろやかな味と奥行きのある香りになるのです。
黒酢おすすめ5選【原液タイプ】 黒酢酢豚や甘酢あんかけなどの料理にも!
ここからは、編集部が厳選した黒酢のおすすめ商品を紹介していきます!
まずは、料理の調味料やほかのドリンクと混ぜて楽しめる、原液タイプの黒酢のおすすめ商品をみていきましょう。
安心してぶだん使いできる黒酢
原料は、京都府・丹後地域で栽培された無農薬の玄米と、良質な水だけととってもシンプル。「静置発酵(せいちはっこう)」という古式の手法を使って発酵、長期熟成させることで、100mlあたり1,000mgものアミノ酸が含まれる黒酢が出来上がります。
料理に使うなら、中華やエスニック料理などにとても合いますよ。飲料として飲むには、水や牛乳で薄めて、またジュースなどで割るなどといった飲み方もいいでしょう。
※静置発酵とは、古来から伝わる伝統的なお酢の醸造方法。酢酸菌の発酵のみにより長期熟成して醸造する方法のこと。
使いやすい! 大手メーカーの安心感
黒酢に塩や砂糖を加えた調味料です。初心者の人はここから黒酢風味にチャレンジしていくのもひとつでしょう。酢の物や寿司、肉料理、ピクルスなど黒酢風味の料理が手軽に作れます。
糖分が添加されてはいますが、これ1本で味付けが可能という手軽さが魅力的。大手メーカーの商品のため、スーパーなどでも比較的入手が容易なところもうれしいですね。
独自ブレンドの料理に使いやすい黒酢
こちらの黒酢は、玄米ではなく米を使って作られた黒酢です。豊かなコクとまろやかさが感じられるよう独自の比率でブレンドされており、お料理に使いやすい味わいに仕上げられています。内容量500mlと使い切りやすい量なのもポイントです。
メーカー公式サイトでは、こちらの黒酢を使ったさまざまな料理のレシピも公開されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
まろやかな酸味の玄米黒酢
国産の玄米だけをたっぷり使って作られた玄米黒酢です。まろやかな酸味が特徴で、アミノ酸などのうまみ成分を豊富に含んでいます。黒酢独特のクセがマイルドなので、お料理に使うだけでなく、炭酸水などで割って黒酢ドリンクとしても飲みやすいです。
お料理に使う際は、炒め物や煮物だけでなく漬物にも使ってみてください。
梅果汁入りでさわやかな味わい
100%国産玄米を原料とした黒酢に、りんご酢と梅果汁、はちみつを加えて作った希釈タイプの黒酢飲料です。はちみつの甘さが、黒酢・りんご酢の酸味をマイルドにしてくれているので、子どもから大人まで飲みやすい味。希釈タイプなので、水以外に炭酸水や牛乳、豆乳で割ってもおいしく飲めます。
1杯あたり30mlが目安ですが、好みに合わせて濃さを調節できるのは希釈タイプならでは。コスパの高さも光る商品です。
黒酢おすすめ3選【ドリンクタイプ】 おいしく飲める! ダイエットにも
ここからは、手軽に飲めるドリンクタイプの黒酢のおすすめ商品を紹介します。
黒酢を毎日の生活に取り入れたいのなら、飲みやすい黒酢ドリンクを上手に活用しましょう。
まろやかな味わいの黒酢飲料
黒酢ならではの酸味が苦手な人にぴったりなのが、こちらの黒酢飲料。国産玄米のみを原料とした上質の黒酢にりんご果汁がブレンドされており、クセがなくとてもまろやかで飲みやすいです。
1パック125mlあたり14kcalと低カロリーなのも魅力。「黒酢飲料を飲みたいけれど、カロリーが気になる」という方はぜひ試してみてください。
素材本来のやさしい味わい
こちらの黒酢飲料は、保存料・着色料・人工甘味料・香料を添加せずに作られています。そのため、素材本来のやさしい味わいが楽しめるのがポイントです。
原料は国産の米黒酢と大麦黒酢。そこにりんご果汁とマンゴーピューレをブレンドして、フルーティーな味に仕上げられています。栄養機能食品でもあるので、ビタミンB1・B6を補いたい方にもぴったりです。
お土産にも最適な国産黒酢
国産黒酢の本場である鹿児島県のメーカーが作る、ゆず果汁入りの黒酢です。ゆず風味がおいしく、黒酢へのハードルを格段に下げてくれます。
牛乳や炭酸水と合わせるなど、自分好みの味わい方を見つけながら飲むのも楽しいでしょう。ボトルもおしゃれなので、お土産にもぴったりです。
「黒酢」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 黒酢の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの黒酢の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
黒酢の伝統的な作り方を紹介! 知っておきたい豆知識!
ここからは、伝統的な製法のなかで、壺を使った黒酢の作り方を紹介します。
(1)黒酢作りに必要な微生物が内壁についた壺に、麹や蒸し米、水などを仕込みます。
(2)しばらくすると麹が米と反応し、ブドウ糖が生成されます(糖化)。
(3)ブドウ糖がアルコールに変化するとアルコール発酵も並行して進み、それから、アルコールが酢酸へと変化します。酢酸は、酢の主成分です。
これらの過程を経たあとに行なわれるのが、発酵熟成です。熟成させることで、黒酢の風味と香りが生まれます。熟成期間が長いほど酸味の角がとれ、まろやかな黒酢へと変わっていくのです。
酢っぱさが苦手という人や初心者の人は、熟成期間が長い黒酢を選ぶといいですね。
黒酢をおいしく料理に使うコツも伝授! チョイ足しでもっとおいしく!
料理に黒酢を使ってみたいけれど、どうすれば良いのかわからない……という方のために、かんたんなテクニックを紹介しましょう。
炒め物にプラスして素材のうまみを引き出す!
黒酢には、うまみ成分がたっぷりと含まれています。また香りも良いので、炒め物にプラスするとごはんが進む味わいに。黒酢の酸味が気になる人も、炒め物にすることで酸味がマイルドになるので食べやすくなります。
酢豚はもちろん、なすと豚肉の炒め物やれんこんのきんぴらなど、スーパーで買える手ごろな食材で黒酢炒めを作ってみてくださいね。
黒酢で煮込んでお肉をさっぱりやわらかく!
手羽元や豚バラ肉なども、黒酢を加えて煮込むことでさっぱりと食べられます。黒酢のコクと酸味が煮物をワンランク上の味わいにしてくれるので、ぜひチャレンジしてみてください。
黒酢には、お肉をやわらかくする効果があるのもポイント。黒酢にはタンパク質を分解する酵素が含まれているので、骨付き肉やブロック肉もやわらかく仕上がります。
豆乳に混ぜてヘルシードリンクに!
黒酢を市販の豆乳と混ぜるだけで、まろやかな飲むヨーグルト風のドリンクができあがります。
糖分や果汁が入っている黒酢を使えば、甘酸っぱく飲みやすいドリンクになるので、ぜひ試してみてくださいね。豆乳が苦手な方は、牛乳と混ぜても構いません。
米酢、醸造酢、もろみ酢などの記事もチェック! 【関連記事】
黒酢を上手につかって食生活を豊かに!
黒酢をどのように生活へ取り入れるかによって、選ぶべき黒酢が変わってくるため、まずは目的を考えることからスタートしましょう。飲用をメインにするならば飲みやすさが、料理に使うならコクや香り、また酸味の強さなどが選ぶポイントとなってきます。
黒酢を選ぶときは、ぜひ本記事でご紹介した選び方や商品を参考にしてみてくださいね。
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