ダイエットにも注目されている米酢とは?
米酢とは米を原料に作られた穀物酢です。「こめず」や「よねず」と呼ばれます。農林水産省が定めた「食酢品質表示基準」によると、「米酢」は「穀物酢」の一種です。米酢以外には、果実酢、米黒酢も穀物酢になります。
アミノ酸や酢酸、クエン酸なども豊富に含まれているためダイエット中の人や健康意識の高い人にもおすすめの食品になります。
米酢と穀物酢の違い
米酢は穀物酢の一種ですが穀物酢とは明確な違いがあります。米酢は「お酢1リットルに対して40g以上のお米を使用しているもの」を指します。穀物酢と呼ばれる一般的なお酢は、米・小麦・トウモロコシなどから生成された後「醸造用アルコールを混ぜて」つくられているため、米酢よりも酸味が強くとがった味わいになります。
まろやかな酸味を味わいたいなら米だけで作られている「純米酢」がおすすめです。
米酢の選び方
料理研究家の松本葉子さんへの取材をもとに、酢を選ぶときのポイントをまとめました。ぜひ参考にしてください。
製造方法で選ぶ
米酢は基本的に、2種類の製法で作られていて、製法によって作り方はもちろんのこと味の違いが生まれます。好みの味を探すために、製法に着目してみてください。
じっくり時間をかける「静置発酵法」
「静置発酵法」というのは昔ながらの製法で、時間をかけてじっくりと酢を作る方法です。80~120日かけて自然にアルコール分をお酢に変えていく発酵法で、時間と手間、職人の技術が必要になってきます。
時間をかけることで、まろやかで旨みの深いお酢を作ることができるので、本格的な味わいを楽しむことができるでしょう。
短時間で発酵させる「連続発酵法」
「連続発酵法」は近年になって取り入れられた技術で、短期間で酢を作ることができる方法です。酢を生み出す酢酸菌は、好気性菌という空気が好きな菌なので、強制的に空気を送り込むことで、発酵スピードが上がり数日で酢を作ることができます。
味に個性が出ないので、万能性に高いのが特徴です。また、大きなタンクで大量に作られるため、安価で経済的な負担を減らすこともできるでしょう。
原料にも注目!
販売されている米酢には、お米だけ、もしくは1lにつき120kg以上のお米を使って作られた「純米酢」と呼ばれる商品が販売されています。また、同じ米酢でもアルコールを使ったものだと、酸味の強い味わいが特徴です。価格は高くなりますが、健康面や栄養素の豊富さを考えると、お米をより多く使った「純米酢」がおすすめのお酢です。
「酸度」をチェック
米酢などの食酢の商品ラベルには必ず「酸度」が記載されることになっています。例えば、「4.2%」などで、含まれる酸度を小数点第1位までが記載されています。
酢の成分(酢酸、グルコン酸、クエン酸などの有機酸)を酢酸に換算してお酢の商品に含まれる酸の割合が酸度です。
割合が高いほうが酸っぱさが強くなりますが、原料の甘みやうまみ、香りなどで味わいが変わってくるので、必ずしも酸味が強いとも限りません。一つの目安としてチェックしてみましょう。
料理に合わせて使いわける
米酢は、加熱すると香りが飛んでしまうことや、米由来のクセがでることがあるため、熱を加えない料理につかうのが基本です。
にぎり寿司用の酢飯としてなら、すっきりした味わいの米酢のほうが合わせやすいですが、家庭でつくるちらし寿司には好みの香りの米酢を選ぶのもよいでしょう。
また三杯酢のように酢に甘さを加えるときには、やわらかな味わいの米酢がよく合い、油と合わせるドレッシングやピクルスの漬け酢に使うなら香り高く味のよい芳醇なタイプがおすすめです。
米酢のおすすめ23選 純米酢や玄米酢も紹介!
ここまで紹介してきた米酢の選び方のポイントをふまえて、料理研究家の松本葉子さんおすすめの米酢とAmazonなどの通販サイトの人気ランキングをもとに編集部が厳選したおすすめ商品を紹介します。
料理のプロも認める本格的な味わい
厳選された米を原料としており、長年培ってきた技術を使って作られたお酢です。まろやかな口当たりと素材本来の味わいを楽しむことができるので、料理のプロも愛用している本格的なアイテムなのです。自宅でもプロ級の料理を楽しみたい方におすすめですよ。
料理に使うことはもちろんのこと、健康飲料として梅酢や果実酢づくりにも使うことができます。
華やかな香りを楽しめる有機純米酢
有機栽培された国内産の有機米を使ったお酢で、米酢の持つ旨みとまろやかな味わいに加えて華やかな味わいを楽しめるのが特徴です。仕込み水に使われているのは、名水100選に選ばれた水で、すべてにおいてこだわりを詰め込んだ商品といえるでしょう。
料理に使うとコクと華やかさを演出してくれるので、和洋中すべて本格的な味わいに仕上げることができますよ。

京料理に欠かせないまろやかな味わいの米酢
江戸享保年間に創業した京都の老舗がつくる千鳥酢は、カドのないまろやかな酸味と香りが特徴の米酢。京都の軟水を使用して素材のうま味をひきだす京料理には、欠かすことができない調味料といわれ、実際に京都の多くの料理店でつかわれています。
少し甘めに調味する合わせ酢やすし酢、あるいは麹量が多い京都の白みそと合わせる酢味噌などをつくるときに本領を発揮します。
価格も手ごろで、京料亭と同じ酢を家庭でつかうことができるのはうれしいですね。
旨みが深く濃厚な味わいの看板商品
「飯尾醸造」の看板商品である純米富士酢は、明治26年から変わらない製法で作られた伝統的な1品です。農薬不使用の米を使って、自社の蔵でもろみを作っているため旨みが強く濃厚な味わいが特徴的で、料理に深みとコクを与えてくれることでしょう。
まろやかな風味を持つお酢なので、どんな料理にもぴったりで、特にお酢が決め手になる料理に使うとワンランク上の食事を楽しめますよ。

原料となる酒から手づくりする骨太な玄米酢
小さな蔵でていねいにつくられる純米酢。原料となる酒も、地元産の化学農薬・化学肥料をつかわずに栽培された玄米と比良山系のわき水をつかい、自社蔵で仕込みをしたものです。
昔ながらのスタイルで静置発酵させ、1年以上じっくり寝かせた酢は、どこか懐かしい味わいを感じられるのが魅力です。
玄米由来のタンパク質やビタミン・ミネラルがつくる、ふくよかなうま味と凜とした酸味のバランスがとてもよく、「酢はこうでなくちゃ!」というファンが多いのもうなずけます。

小さな蔵の熱い思いから生まれる豊かなおいしさ
醸造元は、山梨県都留市にある夫婦ふたりで営む戸塚醸造店。山形県庄内地方の有機栽培コシヒカリと、バナジウムを豊富に含む富士山の伏流水でつくる純米酢はかめ仕込みです。
この酢の一番の特徴は無ろ過であること。通常の純米酢はろ過工程を経ることで透明度などが増しますが、戸塚醸造店では、あえて「上澄み」を瓶詰めします。
だからこそ、通常ならろ過で逃してしまいがちなおいしさも残る豊かな味わいの純米酢になっているのです。

米酢のイメージを変える華やかな香りと味
水に恵まれた福井県の大野盆地で、国産米のみを用いて純米酢は2種類限定で製造している小規模な醸造元の製品です。酢の原材料として最適な酒づくりからはじめ、静置発酵、熟成とひとつひとつの工程をていねいに進んで生まれた純米酢です。
その一番の特徴は香り。後口に、もわっと残るにおいが苦手という方も、この純米酢のきれいな香りでイメージが変わるかも。「つくった人の顔がみえる」ことが安心につながるとして、自社HPでそれぞれの責任者を公開していることからもこの会社のお酢づくりのポリシーがうかがえます。

原料と製法にこだわりぬいてつくられた米酢
味わい深い純米酢といえば必ず名前のあがるほど知られている「富士酢」は、日本料理だけではなくフレンチやイタリアンのシェフにも愛用者が多い酢です。
そのなかでもこの「プレミアム」は別格です。
京都の棚田で農薬をつかわずに栽培した米をふんだんに使用して静置発酵、長期熟成を経て生まれた酢は、酸っぱさより、うま味の濃厚さが印象的。熱を加えずそのままつかうことで、よりその個性が開花します。家庭用としては高価ですが、さまざまな冷製料理につかえるので、料理好きなら持っていたい1本です。
「米酢」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 米酢の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの米酢の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
米酢を使ったレシピ
ここからは米酢を使ったレシピを紹介していきます。手軽に自宅で作れるものばかりなので、ぜひ作ってみて下さい。
米酢を使った梅酢ドリンク
青梅のヘタを取り除き、袋やタッパーに入れて一晩凍らせます。そのあと、青梅、氷砂糖、米酢の順番に瓶に入れ、約1ヶ月ほど浸け置きします。完成したら、水や炭酸水で割って梅酢ドリンクとして楽しみましょう。
米酢を使ったピクルス
鍋にマリネ液の材料を入れてひと煮立ちさせます。液体がぬるい状態になったら、ニンジンやパプリカなどの野菜を入れて、ジップロックなどで揉んでください。冷蔵庫にいれて、1時間ほど浸け置きすれば完成です。
賞味期限は約5日間なので、それまでは繰り返し野菜を入れることで、ピクルスを作り続けることができますよ。
米酢の保存方法 おいしさキープ
酢について「開封したらどこで保存するのがいいのか」「賞味期限はあるけれど、実際どれくらいの期間つかえるのか」など疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
最後に、純米酢の保存方法や賞味期限について少しだけアドバイスさせていただきます。
酢の保存は常温と冷蔵、どちらがいいの?

酢の保存方法は、基本的に開栓前は直射日光を避けた涼しい場所で常温保存します。冷蔵庫に入れてなくてもOKです。
ただ、未開栓・賞味期限内であっても、時間が経つにつれて酢の色が濃くなる場合「褐変(かっぺん)」という現象があります。この現象は、酢に含まれる成分の反応によって生じるもので、味噌や醤油などの醸造食品によく見られることです。
賞味期限の目安はどれくらい?

米酢の賞味期限の目安としては、開封後に冷蔵庫で保管していた場合は約1年間、冷暗所で保管していた場合は6か月間ほどです。賞味期限が少し過ぎてしまったからといってつかえないわけではありませんが、賞味期限が過ぎれば風味は徐々に落ちていきますので注意が必要です。
料理研究家からアドバイス
米酢は和洋中、いろいろな料理につかえる調味料ですが、やはりとくに和食とよく合います。酢の物や酢飯など、米酢の味がストレートに出る料理も多いため、自分好みの米酢に出会うことができれば、料理の腕、とくに和食の味が劇的に変わること請け合いです。
だからこそ、さまざまなタイプの米酢を知ることが大切です。
気になる米酢がみつかったら早速ためしてみましょう。
そのほかのお酢関連の記事はこちら 【関連記事】
まとめ
米酢は和洋中、いろいろな料理につかえる調味料ですが、やはりとくに和食とよく合います。酢の物や酢飯など、米酢の味がストレートに出る料理も多いため、自分好みの米酢に出会うことができれば、料理の腕、とくに和食の味が劇的に変わること請け合いです。
だからこそ、さまざまなタイプの米酢を知ることが大切です。気になる米酢がみつかったら早速ためしてみましょう。
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紙媒体およびwebで食関連記事を執筆するほか、食物学専攻の学生時代から継続している料理研究および多くの料理人や飲食店、生産現場を取材してきた経験を生かして食品メーカーや飲食店などにレシピ提供・メニューアドバイスを行っている。 また、毎日のように取り寄せる食品・調理関連品の中から厳選した「価値あるお取り寄せ情報」を限定読者に発信していたが、近くブログとして公開予定。