瞬間冷却パックとは? 叩くと冷たくなる夏の便利アイテム
気温が上がる夏は、クーラーなどの冷房が効いた自宅やオフィスから出ると、すぐに汗をかきます。また、夏休みやお盆の時期には海やBBQ、キャンプなどのアウトドアで外に出る時間が多くなりますよね。そんな時に使いたいのが、瞬間冷却パック。手で叩くと急激に冷たくなるアイテムで、暑さ対策としても活躍します。
<同じような商品に保冷剤がありますが、出したままだとすぐに溶ける、首などを覆いたい場合にフィットしないなど使い勝手がイマイチ。その点、瞬間冷却パックは冷却持続時間も長く、形状に合わせてフィットしてくれます。
さらに、急な発熱時や体調不良時にも使える便利アイテムです。
瞬間冷却パックの仕組みは?
瞬間冷却パックには水の入った袋、硝酸アンモニウム、尿素が入っています。これを叩くことで、硝酸アンモニウムと尿素が水に溶けだし、この際に吸熱反応という化学反応が起こり、急激に冷たくなるというわけです。
なお、硝酸アンモニウムと尿素の配合がどのくらいかによって、保管期間や冷たくなるまでにかかる時間に影響します。
瞬間冷却パックの選び方 熱中症対策やケガの応急処置に
では、瞬間冷却パックを選ぶポイントをおさえておきましょう! 冷却の持続時間やサイズなど、商品によっても違いがあります。目的に応じて使うことが大切です。
使用シーンに合う「冷却持続時間」を選ぶ
瞬間冷却パックは、商品によって冷却持続時間が異なります。持続時間を比較して、使用シーンに合うものを選びましょう。
「60~90分」は急な発熱やケガ、暑さ対策に
60~90分ほど身体を冷やせる瞬間冷却パックは、応急処置用に備えておくといいでしょう。災害など不測の事態に備えた防災用品の一部として、荷物のなかに数個いれておくと重宝します。
また、アウトドア・レジャーなど、冷凍庫がない場所で氷のう代わりに使えるのでとても便利です。
熱中症が多くなる季節に瞬間冷却パックを使用する場合、屋外で使用するシーンが多いでしょう。室温25度で約30分と記載されているものは、持続時間が30分よりずいぶん短くなることを想定しておくのがよいです。
「30分前後」は身体と気分のリフレッシュ用に
炎天下で運動したり遊んだ場合は、30分前後冷却できるものがおすすめ。手のひら、足のうら、首やほほを冷やすようにしましょう。徐々に体内にこもった熱が放出され、涼しく感じられるようになります。
熱による火照りがやわらぐので、リフレッシュできます。ぜひ試してみてください。
強力に冷やしたいなら「尿素配合」を選ぶ
尿素を配合した瞬間冷却パックは冷却能力が高く、氷点下まで冷やしてくれるものもあります。急な発熱時や捻挫・打撲、熱中症対策など、緊急で冷やす必要がある場合は、尿素配合の商品を選びましょう。
ただ、尿素が配合されていることでどの程度の冷却効果があるかは詳細に表示されているわけではありません。あくまでも冷え方の目安として捉えるのがおすすめです。
また、尿素を配合した瞬間冷却パックは長期保存できないというデメリットも。災害用として備蓄したい場合は注意が必要です。
サイズで選ぶ
瞬間冷却パックを選ぶときには、持ち運びのしやすさも考えて選びましょう。ここではサイズの選び方の目安について紹介します。
手のひらサイズは持ち運びに便利
お祭りやフェスなどの夏のイベントでは、熱中症対策が欠かせません。持ち運びにはA6程度の手のひらサイズの瞬間冷却パックを選びましょう。
手のひらサイズだと薄手のものがほとんどです。あまり邪魔にならならないので熱中症対策をしながら、お出かけを楽しめます。
アウトドア・レジャーには20cm以上の大判サイズを
真夏にツーリングや釣りを楽しんだり、ビーチやキャンプ場で過ごしたりする場合は20cm以上の大判タイプが便利です。大判タイプは冷却持続時間が長めのものが多く、家族や仲間と交代で使うのもいいでしょう。
ほてった首もとに当てれば、リフレッシュできます。応急処置にもじゅうぶん使えるサイズなので、アウトドア・レジャーの必需品です。
災害用に備蓄するなら「使用期限」を確認して選ぶ
それぞれの商品の仕様によって、瞬間冷却パックには使用期限が設けられています。万が一の災害に備えて備蓄用にする場合は、使用期限ができるだけ長いものを選んでおきましょう。
食品の備蓄では、日常生活で消費しながら備蓄するローリングストックがうたわれています。瞬間冷却パックも、以前に購入したぶんを使い切るようにするなどの工夫が大切です。
繰り返し使える? 再利用できるかで選ぶ
瞬間冷却パックは、使い捨てタイプと通常の保冷剤として再利用可能なタイプがあります。瞬時に冷たくなる瞬間冷却剤としては再利用できませんが、冷凍庫で保管しておけば、保冷剤として繰り返し使うことができます。
経済的に使いたい人は、環境にもお財布にもやさしい再利用可能なタイプを選んでみましょう。何回使えるかも確認しておくと便利です。
瞬間冷却パックおすすめ10選 ゴミが削減できてエコ、保冷剤としても使えるものも!
ここからは、冷却持続時間が長めのものを中心に瞬間冷却パックのおすすめ商品を紹介します。コンパクトサイズは携帯用に、大容量パックはグループでの購入にピッタリ。サイズや個数がまちまちなので、スペック情報を参考にしてみてください。

アウトドアにピッタリのサンケイ商事『クイックフリーズ クールレスキュー』は、パワーも持続時間も申し分なし。使い終わったら中身を土に還せてエコにもなります。
ゴミ削減でエコ! 備蓄用にもGOOD
大判タイプで、冷却持続時間が90分と長時間なので、応急処置用や熱中症対策用にピッタリ。保管期間も3年程度と長いので防災の備蓄用品としても使えます。
夏場の屋外でのフェス、サイクリングやツーリング、キャンプなどアウトドアシーンでのおともに便利です。パックの中身は土に還すことができるので環境にやさしい商品。ごみの減量につながります。

オールスタジアム『白くま瞬間冷却パック ミニサイズ』は、使い勝手のよい手のひらサイズ。よりひんやり感のあるアルミパックで、保冷剤としても繰り返し活用できます。
便利なミニサイズ&保冷剤として再利用も
A6サイズ相当で、バッグなどに入れて携帯しやすいミニサイズ。熱が体内にこもってきたなと感じたら、取り出してサッと使えます。より冷たさを感じやすいアルミ素材をパッケージに使用しているのが、白くま瞬間冷却パックの特徴です。
あらかじめ冷やしておく必要がない瞬間冷却パックは使うのを忘れたころに役立つことも。万が一に備えて、バッグにいくつか入れておくと安心ですね。

ロッテ『ヒヤロン』は握るだけのかんたん冷却パック。子どもや女性にも使いやすいです。
2019年にリニューアルされた新タイプ
リニューアルされた新しいヒヤロンは、叩かずに「握って冷やす」仕様になっています。水袋も破れやすい仕様に交換されたことで、より手軽でかんたんに瞬間冷却パックを利用できるようになりました。
スポーツ観戦、屋外フェス・コンサートなどに参加するときは、熱中症対策として持参するようにしましょう。
首に巻いて快適! 屋外での作業に便利
こちらは首用の瞬間冷却パックです。使い方は、まず点線部分を山折りにして、なかの水袋を強く押します。なかの水袋が破けると冷却開始。付属された不織布フォルダーに入れて、首まわりに巻きつければひんやり快適です。
畑仕事やスポーツをするときなど、屋外活動で重宝する一品です。発熱したときなどにも利用できます。
しっかり冷やすならコレ! 再利用も可能
保管期間は3年と長く、非常時の備蓄用にピッタリな瞬間冷却パック。内容量は400gとボリューム感があり、使用開始から10度にあがるまでにかかる時間は、室温30度で約100分としっかり冷やせます。
保冷剤として再利用できるので、繰り返し使えます。通常よりひとまわり大きめなので、アウトドアやレジャーで身体を広範囲に冷やしたいときにもおすすめです。
使い勝手のよいサイズでしっかりと冷却
暑い夏の学校行事や、フェスなどのイベント参加、農作業やガーデニングの際は、暑さ対策としてバッグに入れておきましょう。
熱帯夜の寝苦しさがつらいときは、枕元におくと涼しさを感じられるのでエアコンを好まない人にもピッタリです。
ガツンと叩けば瞬間冷却ですぐに使用可能
暑さで疲れてきたら、平らなところでガツンとたたくだけですぐに冷たくなり使用が可能です。冷たくなった冷却パックで、手のひらやほほを冷やすと、暑さによるストレスからみるみるリフレッシュできます。
水袋を破ったあとに、何度も振ると冷却時間が短くなってしまうことがあるので注意をしてください。
夏らしいかき氷のようなパッケージ
かき氷のような清涼感のあるデザインが魅力的なアイテムです。一般的な瞬間冷却パックとは違い、夏のイベント気分を盛り上げてくれそうですね。パンとたたいたら、ほほや手のひらに直接あててひんやり感を楽しめます。
12個セットで、コンパクトな手のひらサイズ。夏の屋外イベントやお出かけのおともに便利です。
冷却とともに内容物がジェルに変化し保冷剤へ変身
瞬間冷却剤ドン・ピエールから新商品の登場です。2回目以降は冷凍庫に入れて冷やすことで、保冷剤として再利用できる「スーパードン・ピエール』へと進化しました。
1回目に瞬間冷却材として使用したときに内容物がジェル化し、ソフトな感触の保冷剤になります。冷却時間は60分程度と長く、急な発熱やねんざ、屋外で作業などにもおすすめです。
スポーツ時やアウトドアなどで大活躍!
ミニサイズで持ち運びに便利な瞬間冷却パック。BBQやキャンプなどのアウトドアや、ゴルフやテニスなどのスポーツ時やスポーツ観戦、炎天下での外でのお仕事など、さまざまな場面で活躍してくれます。
尿素が配合されているので、急なケガや発熱などの応急手当にも。叩くと急激に冷えるので、使う際はタオル等で包んでくださいね。
「瞬間冷却パック」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 瞬間冷却パックの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの瞬間冷却パックの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
看護師×Webライターからのメッセージ
瞬間冷却パックは冷却パワーとサイズで選ぶ
スポーツ後のクールダウンかアウトドアでの食料保存かなど、なにに使うのかがわかっていれば、必要な温度に冷やせるパワーや持続時間から選べます。パックのサイズや重さもチェックしておき、真夏は多めに購入しましょう。
もしものときの備えであれば、保存期間ができるだけ長く、冷却パワーのあるものを。ミニサイズならふだんにも使いやすくて自然とローリングストックになります。保管場所にも困りませんよ。
瞬間冷却パックの使い方と注意点
ここでは、知っておきたい瞬間冷却パックの使い方や注意点を紹介します。
手のひらや首、ほほを冷やしてみよう

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瞬間冷却パックを夏に外出先で使うポイントは、早めの休憩をこころがけ、手のひらや首元、ワキを冷やすことです。サンダルや靴を脱げる状況であれば、足のうらを冷やすのもいいでしょう。
ゆっくりですが体内にこもった熱をさげてくれるため、熱によるストレスがとれて疲労感を軽くしてくれます。冷たすぎる場合は、ハンカチやタオルでくるんで使いましょう。
ペットには冷却パックは使用しない
ペットにとっても蒸し暑さは、とてもストレスに感じるもの。汗腺がなく汗をかいて自分で体温をさげられないので、真夏では熱中症に陥る可能性があります。
しかし、氷点下で冷やすとペットの血管が収縮してしまうおそれがあります。また、噛んで内容物を誤飲してしまう危険性もあるため、ペットには瞬間冷却パックの使用は避けましょう。エアコンのかかった部屋に連れていくか、水で濡らしたタオルを首元やわきの下においてあげるのがいいでしょう。
飛行機へは持ち込めないので注意!

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硝酸アンモニウムは危険物に該当するため、飛行機に乗るときは、瞬間冷却パックの機内持ち込みができません。渡航先でスポーツ観戦するときに使いたいなどという場合は、現地で購入するようにしましょう。
瞬間冷却パックについての疑問解決Q&A!
瞬間冷却パックの捨て方は?

使い捨ての瞬間冷却パックは、基本的に燃えるゴミ(可燃ゴミ)にて捨てることができる商品が多いようです。お住まいの自治体によっては分別が異なる場合があるため、念のため確認してから捨てるのが安心。その際、中身は出さずに捨てましょう。
瞬間冷却パックが売ってる場所は?

「瞬間冷却パックはどこに売ってるの?」と思う方もいますよね。マツキヨなどのドラッグストア、ダイソーやセリアなどの100均、場合によってはコンビニなどで手軽に購入することが可能です。なお、災害用に購入するなら通販でまとめ買いすれば、自宅で待つだけなのでラクちんです。
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