SSHDとは 大容量のデータ保存と起動速度を快適に
SSHDとは、ソリッドステートハイブリッドドライブ(Solid State Hybrid Drive)の略称です。大容量のデータを保存できるHDDと起動速度が快適になるSSDの両方の性能をいいとこ取りしたハイブリッドな機器になります。
一方でデメリットとしてはやや高めの価格設定で衝撃にあまり強くないことが挙げられます。SSDまでは手が出せないけど高い機能力を求める方におすすめできます。
SSHDの選び方 インチ・容量・スペック
SSHDはさまざまなメーカーから販売されています。また、あらゆる電子機器にすべてのSSHDが対応しているわけではないので、事前にサイズや容量などを明確にしておく必要があります。
ここでは、初心者でもわかるようにSSHDの選び方を解説していきます。
取りつけられるインチを確認
SSHDには、2.5インチと3.5インチの2種類のサイズがあります。それぞれ、機器によって使用できるSSHDが異なるため、事前にどの機器に使うのか、どのサイズがいいのかを把握しておきましょう。
ノートパソコン、ゲーム機への換装には「2.5インチ」
ゲームの読み込み時間を減らしたい、ノートパソコンで快適に仕事したいという人には、2.5インチのSSHDが適しています。
たとえばノートパソコンで動画の編集をするような場合、どうしてもファイルサイズが大きくなってしまうため、ファイル保存のための容量が必要。大容量SSDは高価なため、コストを抑えたいという方は、手ごろな価格で購入しやすいSSHDがよいでしょう。
デスクトップPCには「3.5インチ」
デスクトップパソコンに設置する場合には、3.5インチのSSHDが適しています。
デスクトップパソコンでは、ノートパソコンよりもできる操作や処理が広がるぶん、容量もたくさん必要になります。2.5インチよりも大容量の3.5インチSSHDを選択すれば安心です。ただし、ノートパソコンやゲーム機には内蔵できないサイズとなるので注意しましょう。
容量は用途に合わせて選ぶ
SSHDのサイズを確認し、自分の使用しているパソコンやゲーム機に内蔵できるか確認できたら、容量をチェックしましょう。500GB~2TB、それ以上など、容量の幅は広くなっています。容量に余裕があるほど安心して使用できますが、そのぶん高価に。
自分に合った容量のSSHDを選択する際には、使用用途を明確にし、どのような場合にどのぐらいの容量が必要かを把握することが大切です。
ネットサーフィン、文章作成には「500GB~1TB」
パソコンで効率よく作業するためにSSHDの購入を検討している場合、作業内容や保存するファイルの種類によって選び方が異なります。
仕事で利用する人は、Officeファイルを保存することが多いでしょう。Officeファイルは大きくても500GBの容量があれば充分。しかしSSHDの場合、容量ギリギリまでファイルを保存すると動きが遅くなってしまうこともあるので、1TBを選ぶと安心でしょう。
写真の保存には「1TB」
仕事でOffice機能を利用する場合やネットサーフィンをするだけでなく、写真も保存したいという場合には、1TBのSSHDがよいでしょう。
あくまで目安ですが、1TBでおおよそ25万枚以上の写真を保存することができるといわれています。
動画やゲーム、高画質写真なら「2TB以上」
仕事で動画編集をしている人や、たくさんの写真を保存する人、ゲーム機に換装してデータ保存する場合には、2TB以上の容量が必要になることも。とくに高画質の動画は、ファイルサイズがギガ単位と大きくなります。
また、PS4などのゲーム機に換装して利用する場合、たくさんのゲームをプレイする方は、2TB以上あればデータの保存領域に余裕が生まれます。
こまかいスペックも確認
サイズや容量は、SSHDを選ぶうえで第一のチェックポイントですが、そのほかにも確認すべきポイントがあります。こまかいスペックを知っておくことで、SSHDを選びやすくなり、より快適にゲーム機やパソコンを使えるようになるでしょう。
ディスク回転数
データをどのぐらい保存できるかはSSHDの容量で決まりますが、転送の速度は別です。より速くデータを転送したい場合には、ディスク回転数を比較しましょう。
ディスクの回転数は「rmp」の表記で確認でき、数字が大きくなるほど回転数が高いということになります。小さいSSHDでは制限がありますが、デスクトップパソコンに搭載できるものでは5400rpm~7200rpmと幅広く、選択肢も広がります。
Serial ATAの転送速度
コンピューターとSSHDの接続に関する規格のひとつである「Serial ATA(SATA)」。IDEなどのほかの規格のものに比べてSATAは転送速度が高速です。メーカーによって記載方法は異なりますが、SATAのなかでも3.0Gbps以上のものがよいでしょう。
ただし、そのような高性能SSHDに対応しているマザーボードが必要になる可能性もありますので注意しましょう。
キャッシュ容量
データを転送するとき、一時的に保存するためのメモリのことを「キャッシュ」といいます。「バッファ」とも呼ばれ、この容量が多いほど転送速度が速くなり、一度にやり取りできるデータの数も多くなります。
2MB~128MBと幅が広いですが、できるだけ数値の高いものを選ぶと、パソコンやゲーム機を快適に利用できるといわれています。
保証期間
SSHDは販売しているメーカーによって保証期間が異なります。精密な製品ですので、絶対に故障しないということはありません。そのため、できる限り長い保証期間のものを選び、いざというときでも対応してくれるメーカーのSSHDを選ぶのが得策。
また、保証期間が長いものほど耐久性を売りにしているメーカーが多く、安心できるのも魅力のひとつです。
使う機器と用途に合わせて選択しよう! プロの家電販売員からのアドバイス
どんな機器にどんな目的で使用するかが重要になります。ノートPCや一体型のデスクトップ、ゲーム機などは2.5インチベイのもの、タワー型のデスクトップPCには3.5インチベイのものが一般的です。
写真や音楽などをちょこっと入れておく程度の使い方であれば500GB~1TB程度のものでもいいのですが、PCのメインストレージとして使用するなら2TB以上あると便利でしょう。
【2.5インチ】SSHDおすすめ5選 ノートパソコンやゲーム機への換装に!
ここでは、ノートパソコンやゲーム機への換装にぴったりの2.5インチのSSHDを5つ紹介します。
※各ECサイトによって、販売しているSSDの記録容量に違いがあります。購入する際はよくご確認ください。
安心の5年保証つき! ゲームのロード時間短縮
メーカーサポートと5年保証つきという高耐久性が安心。厚さが7mmと2.5インチのSSHDのなかでもコンパクトなサイズです。
インターフェイスはSATA 6GB/s対応。NANDフラッシュ技術で通常のHDDに比べて最高で5倍程度高速になっているので、ゲームの読み込み時間を短縮してくれてストレスフリー。
高速起動、大容量、高耐久性により長くつきあえる製品です。
MARSHAL(マーシャル)『SSHD ハイブリットHDD 1TB(MAL21000HSA-T54)』
大容量、高速度、コスパよし!
高性能なSATAのインターフェイスに対応したモデル。NANDフラッシュ搭載により高速データ転送が可能になっているので、データ読み書きでの待ち時間のストレスがありません。
厚みは9.5mmという薄さながら、容量は1TBと大容量。ネットサーフィンやOfficeなどで文章を作成、保存する人は安心して使用できるでしょう。また、容量に加えてフラッシュメモリが8GBつくのも特徴的です。
文書などの保存に充分な500GB
SATA 6GB/s対応のインターフェースで、容量は500GBのハイブリット。文章の作成やネットサーフィンをする人にピッタリのアイテムです。
容量は少なめですが、キャッシュは128MBと大きめ。同じ作業を繰り返す場合には、作業速度アップを図れます。メーカーの技術により、使用頻度の高いデータを効果的に特定し、NAND型フラッシュに保存することが可能。アプリの読み込みや起動時間などが大幅に短縮されます。
2TBの大容量! ゲームがストレスなく楽しめる
ゲームを頻繁にプレイする人にはうれしい2TBの大容量モデル。SATA接続に対応しているため、高速なデータ転送も可能です。
大容量かつ高性能なインターフェースながら、薄さはなんと7mm! データを一時的に保存してくれるキャッシュ容量は128MB。データ量が多いゲームでも、ロード時間を大幅に短縮してくれます。動画編集を仕事にしてる人にとっても、作業効率を上げてくれる便利なアイテムでしょう。
Western Digital(ウェスタンデジタル)『Blue SSHD 1TB(WD10J31X)』
容量1TBまで保存可能
キャッシュは64MB、フラッシュメモリは8GBと申し分ないスペック。さらに容量は1TBなので、Officeファイルはもちろんデータ量が大きい写真なども安心して保存しておくことができます。
仕事とプライベート両方で使用する場合でも、このスペックがあれば充分でしょう。SATA3.0に対応しているので、データ転送の時間などにストレスを感じることも少なくなります。
【3.5インチ】SSHDおすすめ5選 デスクトップパソコンをメインで!
ここからは3.5インチのSSHDを紹介していきます。デスクトップパソコンをメインで利用する人はこちらを参考にしてください。
※各ECサイトによって、販売しているSSDの記録容量に違いがあります。購入する際はよくご確認ください。
安心の5年保証つき、ゲームにも仕事にも
2TBと大容量なので、ゲームや仕事、さまざまなシーンで利用可能。SATA 6GB/sの高スペックインターフェースを実現しています。
メーカー技術により、高速起動、大容量、耐久性を兼ね備えたモデル。キャッシュは64MBと大きいので、データ処理速度向上が期待できます。消費電力を抑え、ドライブの寿命を延ばしてくれます。高スペックながら、安心の5年保証つきです。
Windows8の起動時間は10秒未満!
7200rpmデスクトップHDDに比べて、約5倍の速度を実現。デスクトップパソコンで、たくさんの容量が必要な人や作業効率をアップさせたい人は、利用してみる価値があります。
Windows8の起動時間は、10秒未満とかなりの高スペック! データの読み込みが高速なので、使用する機器のパフォーマンスをできる限り引き出すことができるでしょう。容量は2TBと大容量なので、動画やデスクトップ上のゲームも安心して保存できます。
Western Digital(ウェスタンデジタル)『WD Blue SSHD 4TB(WD40E31X)』
独自の機能を搭載! 処理能力が高い
4TBとかなりの大容量! ゲーム用途に対応する性能を持っているのが特徴。8GBのNAND型フラッシュを採用し、従来の5400rpmHDDと比較して約4~5倍の高速処理を実現しています。
また、独自のアルゴリズムにより頻繁に使用されるデータをフラッシュ部分に配置するなどしてレスポンスの高速化を図っています。これにより、ロード時間の短縮、自動保存、遅延を減少させてくれるので、ゲームを快適にプレイすることが可能です。
SEAGATE(シーゲイト)『Desktop SSHD 4TB(ST4000DX001)』
静かなのに、大容量! 高速データ転送も
ただ容量が大きいだけじゃ満足できない人に注目してほしいモデル。4TBの大容量はもちろん、静音性や高速データ転送が可能な機能も備わっています。
回転数を5900rpmと抑えめに設計しているため、静音性にすぐれているのが特徴。インターフェースはSATA 6GB/s対応と高性能なので、安心して使用することが可能です。価格は高めになりますが、2TBでは足りない人は一度使ってみると問題が一気に解決できるかもしれません。
SEAGATE(シーゲイト)『FireCuda 1TB(ST1000DX002)』
写真の保存もサクサク! シリアルATAも
とにかくデータ転送の速度を速くしたい人にうってつけのモデル。ディスク回転数は7200rpm、SATA対応と高速性に特化しています。
容量は1TBなので、ネットサーフィンや写真の保存などでもじゅうぶんに利用できるでしょう。キャッシュも64MBあるので、長時間使用する場合でも安心です。
「SSHD」のおすすめ商品の比較一覧表
【壊れやすい?】SSHDの弱点はある?
SSDとHDDのいいとこどり!とご紹介してきましたが、購入前にSSHDが苦手とする弱点を解説します。使用用途に適しているかも確認しておきましょう。
【1】製品のラインナップが少ない
【2】データ量の大きい読込は発熱量が高くなる
【3】衝撃に弱い
SSDやHDDは新商品の発表が活発にされている一方で、SSHDを製造・販売しているメーカーやブランドはあまり多くありません。また、SSHDは物理的な衝撃を受けるとデータ損傷してしまうことがあります。ノートPCと一緒に持ち運ぶ際は注意する必要があります。
【関連記事】SSHD関連のそのほかの記事はこちらで紹介
大きな容量にはHDDがおすすめ
SSHDの容量は4TBがもっとも大きく、それ以上の容量を求める場合には「HDD」を選ぶのがいいでしょう。HDDは大容量かつ価格帯がリーズナブルなのがメリット。自分の使用目的などに合わせてどちらがいいのか選んでください。
サイズが合っているか必ず確認を
仕事でデータを多量に保存する必要がある人や、ゲームをたくさんプレイする人など、SSHDの用途はさまざま。選ぶときには、必ず自分の使用する機器にサイズが合っているか確認するようにしましょう。
SSDの速度とHDDの容量を兼ね備えたコストを抑えられるSSHD。有効活用することで、データを利用する生活がより快適になるでしょう。
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家電量販店、家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営するプロの現役家電販売員。 学生時代から家電に対する並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。 個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテスト等で表彰された経験を持っています。 家電アドバイザーの資格を有し、家電と名の付く物全てに精通しています。家電で分からないことはありません。 現在は家電ライターの業務も通して「全ての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力しています。