紙の英和辞典の魅力

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電子辞典と違い、紙の英和辞典は全ての意味をスクロールせず、俯瞰で見られるのが魅力。また、辞書を引く・マーカーを引く、といった行動を伴うことで記憶に定着しやすくなるとも言われています。さらに、調べたい単語だけを表示する電子辞典とは違い、前後の単語も関連づけて調べることもできます。
もちろん、重い・調べるのに時間がかかるといったデメリットもありますが、移動中は電子辞典を、自宅学習の時は紙の英和辞典を、といったように使い分けることで、より効率的に学習ができるはずです。
1冊の辞典を使い込もう
使える英語力を身につけるには、英語辞典の使用が欠かせません。多義的な意味、豊富な用例、語法の注意点など、辞典にはインターネットで検索できないさまざまな情報が詰まっています。
英語辞典にはじめて挑戦する方は、1冊の辞典を使い込むようにしましょう。目的やレベルといった観点で選ぶと効果的です。すぐれた辞書に出会えたとき、あなたの学習は変わります。
英和辞典の学年・年齢に合わせた特徴
背表紙だけ見ているとわかりにくいですが、実は英和辞典は学習者のレベルに合わせて作られており、具体的には、小学生向け・中学生向け・高校生向け・一般社会人向けに大きく分けられています。
1冊の辞典をずっと使い続ける方もいらっしゃいますが、それはおすすめできません。学習段階に応じて買い替えることをおすすめします。では、各ジャンルの辞典の特徴はどういったものなのかをご紹介しますね。
小学生向け:イラストが多めの辞典を
小学校で英語の授業が導入されているとはいうものの、小学生はまず英語に親しみ楽しむことが大切です。そのため、モノクロや二色刷りといった一般的辞典よりも多色使いのカラフルな辞典がおすすめ。
なかにイラストや写真が多いものだと楽しく学習できます。また、文字も大き目のほうが抵抗感なく辞典を引いたり読んだりしやすいです。小学生には見るだけで楽しく勉強できる辞典がいいですよ。
中学生向け:基礎がしっかり学べる辞典を
中学生になると英語の授業が本格的になり、単語や文法や英文構造といった正確な知識を得ていく必要があります。中学生で必要となる英単語は約1,200語で小学生の楽しく学ぶ英語とはレベルが異なってきますね。
本格的に英語の基礎を固める時期が中学の3年間なので、3~6万語程度収録されている辞典がおすすめです。読みやすくていねいな解説や例文が載っているかといった点もポイントになってきます。
高校生向け:大学受験を意識した辞典を
高校生が在学中に学ぶ英単語数は約3,000語ですが、難関大学受験ともなると5,000語以上必要となってきます。また、学校での試験や大学受験以外にも英語の資格試験や検定試験を受けることも多いです。
そのためにも、収録英単語数が6~10万語収録されている辞典が必要。また、複雑な表現なども学習するため用例のバリエーションや解説がどの程度記載されているかもポイントです。
社会人向け:実践に活かせる辞典を
社会人で英和辞典を買う場合は、収録英単語数が多いもののほうが便利です。英文のニュースや本を読んだり、また資格試験を受けるにしても、単語数の多い辞書があれば助かります。ただ、仕事で英語を使う、もしくは業界の海外事情にくわしくなければいけないという方は、専門性の高い辞典ももっておくといいでしょう。
金融やビジネス、IT、製造、化学など各方面の英和辞典もありますので、通常の英和辞典とは別にもう1冊手もとにあるとさらに仕事がはかどります。
英和辞典おすすめ5選|小学生向け
まずは、小学生におすすめの英和辞典を具体的にご紹介いたします。
英和辞典だけでは終わらない、付録が充実した1冊
この英和辞典は小学校高学年向けに作られており、この辞典で学習しておくと中学校の英語へもスムーズに上がれます。特徴はなんといっても付録が充実していることです。「カナ発音の読みかた」・「まちがえやすい文法」・「単語のなりたち」などの情報も充実しています。
発音の読み方・文法用語解説・基本動詞変化表といったかための内容から文化や会話についてのコラムが多数収録されており、この辞典の発音表記にはカナ表記も使われているので小学生にとってわかりやすいです。
お子さまの英語に関する疑問を解決
この辞典は収録項目数が充実しており中学初級まで使えるレベルです。その一方、漢字にはすべてフリガナを振っているので小学校の低学年から使えます。この1冊で長く勉強できるのがうれしいですね。
また、フルカラーでかわいいイラストや写真が満載なので楽しく勉強できます。そして、この辞書に収録されたすべての英語の音声を、スマホ・PC・タブレットで聞くことができるのも便利ですね。知りたい音にすぐアクセスできる仕組みなので勉強がはかどりますよ。
勉強な苦手な方も楽しく英語を学べる
この辞典も、中学初級まで使える辞典ですがとにかく楽しく英語を学べるという点が特徴です。フルカラーのかわいいイラストや写真がたくさん載っていて飽きることがありません。また、英会話や英語の文化についてもくわしく解説してくれています。
そして付録として英語の歌と英会話を収録したCDがついてきますので、歌で楽しく英語を身につけられますよ。さらに巻末付録としてワークなどもつけられていますので英語力向上に役立ちます。
英語学習の第一歩におすすめ
小さなお子さまが最初に手にする英和辞典としておすすめなのがこの辞典。収録項目数は基本的なものに絞ってありますがその分字が大きく見やすいです。当然、すべての漢字にフリガナが振ってあります。
また、身近な会話の例文もたくさん載っているため、学校での英語学習にも即、役立ちますね。かわいいイラストがたくさんで、楽しく英語の勉強がはじめられますよ。
日常生活で使う会話をスヌーピーと一緒に覚えよう
これは、スヌーピーが好きな方ならお子さまだけではなく大人であっても、隅から隅まで楽しく英語を勉強できる辞典です。スヌーピーやそのほか仲間のキャラクターが辞典のあちこちにかわいいイラストで載っています。
そして、そのキャラクターがところどころ英語の解説をしてくれています。2200単語を収録しており、例文もしっかり作られていますが、例文中にもスヌーピーのキャラクターが出てきたりしますので見ているだけで楽しいです。小学生も楽しく英語学習が進みますが大人で挫折した方にもおすすめですよ。
英和辞典おすすめ5選|中学生向け
中学生向けの英和辞典も、バラエティーに富んだラインナップでそろえました。SF大作映画とコラボレーションした辞典やきっちり学習したい中学生向け、かわいい女子向けまでコンセプトやレベルもいろいろです。
楽しく英語力を伸ばしたい中学生から試験対策をしたい中学生までぴったりの1冊が見つかりますよ。
英語辞典の「はじめの1冊」におすすめなのが「マイスタディ英和辞典」です。基礎的な英語に必要な語彙が網羅的に紹介されています。読んでいるだけで単語の勉強になりますよ。
英和辞典おすすめ6選|高校生・大学受験向け
高校生になると授業での英語のレベルも格段に上がります。また、大学受験の準備や英語の資格試験や検定試験などの用意も必要になりますね。英語を楽しく学びたい方から受験対策をしっかりしたい方、上級クラスの英語を身につけたい方など、学習の目標が多様化する分これまで以上に自分の目的に合ったものを選ぶことが重要です。
ここでは楽しく勉強したい方から深く勉強したい方まで幅広い需要を満たせるよう、多種多様な品ぞろえを展開しています。ご自身のレベル・目標に合った1冊が必ず見つかりますよ。
三省堂の『ウィズダム英和辞典 第4版 特装版』は、語法の解説が充実している学習英語辞典です。例えば「may(...かもしれない)」を調べれば、可能性を表すほかの助動詞がひと目でわかります。意味を調べながら語彙の幅を広げられます。
英和辞典おすすめ5選|社会人向け
社会人になると、「海外支社に転勤になった」「海外企業との取引をしている」など、仕事で英語が必要になる場合もありますよね。「自分の会社は海外となんの関係もないよ」という方でも、国際化が進む現在ご自身の企業がいつ海外とコンタクトを取っても不思議はない状況です。
また、仕事の関係で海外報道などに目を通す必要がある、という場合もあるでしょう。そんなビジネス英語を学ぼうとしている社会人の方であれば、収録語彙数が多い英和辞典、専門性が強い英和辞典をおすすめします。
大修館書店の『ジーニアス英和辞典第5版』は私も長年愛用している辞書です。another(もう1つの)を調べると「anotherの前には冠詞・所有格、またthis, thatなどは用いられない」など、説明が豊富です。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 英和辞典の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの英和辞典の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
英和辞典の選び方
まずは、英和辞典の基本的な選び方を見ていきましょう。
・コーパスの充実度
・目的に合わせて発音表記
・「サイズ」や「重量」
・付録の内容
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】コーパスの充実度をチェック
コーパスというのは、言語の使用例を集積したデータベースのことです。新聞・雑誌・本といった活字メディアから、スピーチ・映画・日常会話といった音声メディアまで、幅広く、実際に使用された用例が集められています。
最近は、コーパスにもとづいて編纂(へんさん)された英和辞典も多いですが、その特徴は、実際の使用頻度にもとづいて意味が定義されているという点にあります。このような、コーパスに準拠した辞典を使うと生き生きとした現在の英語を学ぶことができますよ。
コーパスのメリット1:授業や入試問題で出てくる語や表現が充実
コーパスが充実している英和辞典を使って学習していると学校の授業や試験に役立ちます。試験問題での読解は言葉・表現の言い換えなども多く、自分の語彙数が多いとそういった部分で止まらずにスピードを上げて読み進められるようになるでしょう。
また、英文を書かなければいけない場合も同じ主張をどのようにバリエーション豊かに表現するかがポイントとなりますのでコーパス準拠の辞典はおすすめです。
コーパスのメリット2:日常生活に出てくる語や表現が充実
自分の楽しみも兼ねて洋画や洋書を見たり読んだりする場合もコーパスにもとづいた辞典をもっておくと便利です。古い辞典だと載っていないような表現や言いまわしが、コーパス準拠の英和辞典だと記載されていますのでより生きた英語を学ぶことができます。
英会話を上達させたい方にもおすすめです。古い辞典に載っている表現を使うと相手の外国人がぎょっとする場合もあります。最新英語でいい意味で相手を驚かせたいですね。
【2】目的に合わせて発音表記をチェック
英語といえば、発音が苦手という方も多いようです。英和辞典の英単語には発音記号が書かれているのはご存じかと思いますが、実は発音記号にもいろいろな表記があります。
今までの辞典で英語の発音がわかりにくかった方も表記の異なる辞典を使えばカンタンに解決してしまうかもしれませんよ。
●よりこまかく発音について学ぶならギムソン式
ギムソン式は旧式のジョーンズ式を改良し、英語をとくに発音に着目特化して学ぶ方に向けて作られたもので、非ネイティブの英語学習者にとって学習しやすいよう工夫された方式です。ジョーンズ式では音質の違う母音にもあえて同じ記号を使い簡略化していましたが、ギムソン式では音質の異なった母音は異なった記号で表記されています。
そのため、発音記号をおさえておく必要があるので、初学者向けとはいえません。英語の基本はおさえていて、次のステップとして英語の発音にフォーカスして学びたい方におすすめです。
●とにかく話すことを目指すならフォニックス方式
フォニックス方式は最近注目の発音学習方式です。これは英語圏の子供たちの英語学習法なのですが、それが発音が苦手な日本人にもぴったりなのだとか。
発音記号を使わずにアルファベットの発音とつづりの規則性を学ぶことでどんな単語や文でもすらすら正しい発音で読めます(※ただし4分の1ほどは例外のパターンがあり、すべてをカバーすることはできないといわれています)。自然な発音を手に入れるならフォニックス方式を一度試してみてください。
【3】「サイズ」や「重量」をチェック
英和辞典には重いイメージもありますが、コンパクトなものも販売されています。もちろん、コンパクトな分、収録語数も少なかったり、文字が小さかったりと、デメリットもありますが、あくまで、移動先で手軽に調べる際は、コンパクトサイズなものの方が便利です。
【4】付録の内容をチェック
英和辞典には付録がついているものもあります。巻末付録であったり、別冊付録であったり、綴じ込み付録であったり、形式はいろいろですが付録があるとなんとなくうれしくなりますね。
うれしいだけでなく実際の英語学習に役立つものが多いので、付録も辞典選びのポイントのひとつとしてチェックしてみてください。
(a)リスニングの助けになる「CD」
英単語や例文の実際の音声が収録されたCDが付録についていると、総合的な英語学習が可能になります。リーディングはもちろん、リスニングやスピーキングにも役立つのがうれしいです。
また、一定の英単語と英語のルールを覚えた後ならば、辞典を見なくても通学・通勤時間に聴いているだけでどんどん英単語を記憶していけます。CDつきは少なくとも損は絶対にないですので本当におすすめです。
(b)暗記に使える「英単語カード」
英単語カードが別冊もしくは綴じ込みで付録としてついている英和辞典もあります。これも英語学習者にはうれしいアイテムです。英単語カードはあれば使うし、使うと記憶しやすいのですが自分で作るのは面倒くさいのが難点ですね。
辞典のほうで英単語カードを用意してくれていたら即持ち歩き学習が可能になりますのでより早く必須英単語を記憶できますよ。
(c)使い方が広がる「別冊 和英小辞典」
英和辞典は、小学生・中学生・高校生・社会人のどの段階においても必須アイテムですが、和英辞典はどうでしょうか。英語で書く必要がない場合は、あまりいらないような気がするので買う気がしないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし英和辞典には、別冊付録として和英小辞典をつけてくれている場合があります。これはうれしいですね。ちょっと英作文や英語のメールを書かなければいけないという程度ならこの付録だけで助かってしまいます。基本的な言葉は網羅しているので結構使えますよ。
【関連記事】勉強に使えるアイテムもチェック
新しい言葉が追加されるたび辞書も買い替えが必要
英語や日本語に限らず、言葉は日々、少しずつ変わっていきます。そのため、辞典も定期的に新版が発売されます。言葉が消えることはほとんどありませんが、新しい言葉がどんどん追加されていくため、学習できる範囲を網羅するためにも、定期的な買い替えは念頭においておきましょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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