無線LANルーターの選び方 快適なネット環境を整える
インターネットに接続するアイテム「無線LANルーター」。パソコンやスマホ、ゲーム機や家電など、家中あらゆるものがインターネットにつながるIoT時代です。無線LANルーターの環境も日々進化しています。
この記事では、無線LANルーターの選び方をご紹介します。「別の部屋だと電波が届かない」など、今の環境を改善したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポイントは下記。
【1】自宅・マンションの光回線の通信速度や部屋の間取り
【2】周波数帯域で選ぶ
【3】スピードに影響するポイント
【4】置き方や設置・接続方法
【5】セキュリティ機能をチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】自宅・マンションの光回線の通信速度や部屋の間取りは?
自宅で契約している光回線の通信速度を調べておきましょう。無線LANルーターの通信速度がどれだけ早くても、元の光回線以上の速度にはなりません。マンションの場合は、マンション全体で共通の光回線を契約しているケースがほとんどのため、分からない場合は大家さんに確認してみましょう。
また、部屋の間取りと利用人数に合わせた無線LANルーターを選ぶことも重要です。製品が推奨する間取りを確認しましょう。ただし、障害物が多いと電波を遮ってしまうので、実際の間取りよりも少し余裕のある性能の無線LANルーターを選びましょう。
【2】周波数帯域で選ぶ
「2.4GHz」と「5GHz」という数字は、周波数帯域を表しています。無線LANルーターが対応する電波の周波数範囲を表すもので、イメージとしては「電波の通り道」です。
現代は電波を利用した製品が数多くありますが、それぞれ違う周波数帯域を使うことで混雑することを防いでいます。それぞれの帯域に特徴があるので、ご説明します。
多くの機器と接続できる2.4GHz帯
2.4GHz帯は障害物の影響を受けにくく、長距離の通信にも向いているのが特徴です。幅広い機器に対応していますが、2.4GHz帯を使用する機器が多いと混線してしまい、通信速度が落ちてしまうこともあります。
広い範囲をルーター1台でカバーしたい方や、いろいろな機器をネット接続したい方は、2.4GHz帯に対応した無線LANルーターがベターです。
安定した通信を求めるなら5GHz帯
5GHz帯は障害物の影響を受けやすいですが、使用する機器が少ないので混雑が少なく、安定した通信が可能です。動画視聴のような安定した高速通信を求める場合は、5GHz帯対応の無線LANルーターを選びましょう。
ただし、5GHz帯は2.4GHz帯より通信範囲が狭いため、間取りや家の広さには注意が必要です。
速度重視なら「トライバンド」
今までは、2.4GHz帯と5GHz帯が使える「デュアルバンド」がありましたが、最近では、2.4GHz帯に加え2つの5GHz帯が使える「トライバンド」に対応したルーターも登場してきました。
2つの5GHz帯を使うことで、より渋滞を起こしにくくし、通信速度の低下を防ぎます。
【3】スピードに影響するポイントは?
無線LANルーターの通信速度に影響するポイントをご紹介します。速く快適な通信を求める方は要チェックです。
次世代規格「Wi-Fi6」は2023年まで完全普及しない見通し
現在主流のWi-Fi5(11ac)に対し、2019年に登場した最新規格のWi-Fi6(ax)ですが、未だ普及率が低く、2023年までは完全に普及しないと見られています。理論値で最大通信速度がWi-Fi5の約1.4倍とされていますが、せっかくWi-Fi6に対応したルーターを購入してもデバイス側が対応していなければ、その速度を発揮することはできません。
当面、Wi-Fi5対応の製品で十分満足できる通信速度ですが、Wi-Fi6対応を選ぶのであれば、購入前にお使いの機器がWi-Fi6に対応しているかどうかもチェックしておきましょう。
家中の死角をなくす「メッシュWi-Fi」
「メッシュWi-Fi」に対応した複数のルーターを組み合わせることで、Wi-Fiエリアを網の目のように広げることができます。これにより、家のなかの通信が行き届かない死角をなくすことができます。
また、似たような働きをもつもので、「Wi-Fi中継器」がありますが、Wi-Fi中継器は通信エリアをピンポイントで拡大するのに適しており、網の目のようにはいきません。
アンテナは内蔵か外付けか
アンテナは、内蔵と外付けの2種類があります。外付けの方が角度調整などもできるため、安定した通信が期待できます。
置き場で邪魔にならなければ外付け、すっきりとしたデザインを求めるなら内蔵を選びましょう。
「MU-MIMO」「ビームフォーミング」「IPv6」などの通信機能
複数アンテナを使い通信を安定・高速化させる「MIMO」や、複数台での接続を安定させる「MU-MIMO」、特定の方向に電波を絞って飛ばす「ビームフォーミング」、インターネットの混雑を回避できる「IPv6」など、高速通信機能を取り入れたモデルも存在します。
家族みんなでネット接続をするご家庭などは、これらの機能が付いたモデルを選ぶとよいでしょう。
通信規格は新しいほど通信速度(Gbps/Mbps)が速い
まずチェックしておきたいのは通信規格。「IEEE802.11ac」という形で表記され、最後のアルファベットで規格の新しさが分かります。古いほうから順にb・g・a・n・ac・axとなり、基本的に新しいものほど通信速度が速いと覚えておきましょう。
注意点として、規格ごとに対応する周波数帯域が変わります。また、使用端末や子機の規格が揃っていないと、古い方の規格に合わせて接続されてしまいます。周波数帯域とあわせて、自分の使う機器の規格を確認しておきましょう。
また、通信速度はGbps(Gigabit per second)、Mbps(Megabit per second)という単位で表されます(1024Mbps=1Gbps)。それぞれ、1秒間当たりに通信できるギガビット、メガビットの量を表し、数値が大きいほど通信速度が速くなります。
【4】自宅のどこに置くか、置き方や設置・接続方法は?
無線LANルーターには、縦置きのものや横置きのもののほか、壁掛けができるものなどがあります。設置場所に適した方法のものを選びましょう。
また、予定していた場所でうまく接続できない場合、設置場所を移動することもあります。その際はコンパクトで複数の設置方法に対応したものを選ぶと便利です。
【5】セキュリティ機能をチェック
ネット環境を使うとなると、セキュリティはとても大切です。外部からの不正アクセスや無断利用などを防ぐためにも、高度なセキュリティを搭載した無線LANルーターを選びましょう。
最新のWPA3やWPA2といったセキュリティ規格を搭載したモデルなどがおすすめです。また、ホームネットワークセキュリティ機能を搭載したモデルも発売されています。
安心して快適にインターネットを使うためにも、セキュリティはしっかりとしたものを備えましょう。
エキスパートのアドバイス
利用環境に合わせて選ぶというところと対応機器に合わせて選ぶというところが大事になります。利用環境においては1LKのアパートと3階建ての一戸建てでは必要な電波の強度はまったく変わります。
また、元々の光回線の種別と速度によっても快適に利用できるかどうかは変わります。回線種別を確認するようにしましょう。対応機器に関しては使用するものが2.4GHzと5GHzのどちらに対応しているかを確認してから必要な能力のルーターを選ぶようにしましょう。
無線LANルーターおすすめ13選 快適通信をかなえる
快適通信をかなえる無線LANルーターを、プロの家電販売員のたろっささんと編集部でピックアップしました。環境と使い道を考慮して、自分に合った無線LANルーターを選びましょう。
リーズナブル&シンプル機能でIPv6対応
IPv6&複数端末の同時通信を可能にする「MU-MIMO」に対応しているから、複数の端末と接続しても速度が速く、途切れにくい通信を実現。初期設定や接続設定はスマホやタブレットで簡単にできます。
また、インターネット回線の接続方式が変更となった場合には、自動で回線を判別して設定を切り替えてくれるので、Wi-Fi設定の変更も不要。リーズナブル&シンプルな機能のルーターです。

アンテナ4本ながらも非常にコンパクトになっているWSR-2533DHPL。バッファローのルーターはスマホ専用アプリでQRコードを読み取るだけという簡単設定が大きなポイント。難しいイメージのルーター設定が一瞬で終わるのが魅力です。
11acの高速規格で電波を的確に届ける!
コンパクトなボディでタテ置きはもちろん、スタンドを使って壁に取り付けも可能。部屋のデザインを邪魔せず設置できる商品です。
高速規格「11ac(5GHz)」に対応し、短時間で大容量を転送することもできます。また、「ビームフォーミング」機能を搭載しているため、距離の離れたパソコンとも安定した高速通信が可能です。

Wi-Fi6と呼ばれる次世代11ax規格に対応したルーターで、nuro光やau光をはじめとする超高速通信にもしっかりと対応できるのが大きな魅力のArcher AX50。遅延が非常に少なく、来たるべき5Gの世界に備えられるルーターです。
11ax規格対応でゲームや動画もスピーディに
IEEE802.11ax規格に対応。従来機より高速通信が可能となり、ゲームや動画などデータ通信量の多いコンテンツもストレスフリーに楽しめます。
Amazon Alexaにも対応しており、一部ルーターの機能を音声コントロールで使うことも可能。IoTを取り入れた先進的なスマートホームライフをかなえます。
ワイドレンジアンテナで安定接続
360°全方位にまんべんなく電波を放射する「ワイドレンジアンテナ」を搭載。広い範囲で安定した通信を実現しています。また、スマホの角度を変えても電波の強弱が変わらず、寝転がって動画を見たい方にうれしいポイントです。
また、5GHz帯と2.4GHz帯の混雑していない周波数帯へ自動で振り分けされるため、複数台のデバイスを使用するときでも快適な通信環境を確保できます。
モデムに接続後すぐに使える、ラクラク設定
初期設定がカンタンで、モデムに接続すればすぐにインターネットを利用できます。また、ルーター買い替えの場合も、「Wi-Fi設定コピー」機能により、ボタンを押すだけで設定がコピーできます。機器の設定が苦手な方におすすめの1台です。
また、独自の360°電波放出技術「360コネクト」を搭載しており、安定した通信を実現。家じゅうどこでも快適に通信できます。
コロンとかわいらしい見た目ながら高性能
部屋のインテリアを邪魔しない、円形のかわいらしいデザインながら家全体をパワフルにカバーするWi-Fiシステムです。ルーターと拡張ポイント1台ずつで、それぞれ100台の接続デバイスに対応します。
ソフトウェアが定期的に更新されるため、Wi-Fiのパフォーマンスやセキュリティも常に最新の状態となり、ネットワークの安全性を確保できるでしょう。
※Amazonは1台、楽天市場・Yahoo!ショッピングは1台+拡張ポイント1台の価格です。
混雑を解消し、セキュリティに配慮した通信を実現
「バンドステアリング」機能で、Wi-Fi端末ごとに適切な周波数帯に移動させたり、「オートチャネルセレクト」で電波干渉が少なく混雑していないチャネルを使用することで、電波の混雑を自動回避し、快適な通信を実現しました。また、専用アプリ「Aterm スマートリモコン」を利用して、接続している端末を一覧表示することができます。
家族共有の端末から各自で所有する端末の接続の許可や拒否、制限も詳細に設定でき、Wi-Fiの暗号化技術であるWPAのセキュリティレベルを強化した最新規格のWPA3を採用しているため、より安全&安心してネットを使用することができます。
ファーウェイ『Wi-Fi 無線LANルーター(WS5200)』
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 【最新】無線LANルーターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの【最新】無線LANルーターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
本記事は、無線LANルーターの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたか?
一口に無線LANルーターといっても、数千円から数万円のものまで、機能も性能もさまざまなものがそろっています。そこで、無線LANルーターを使ってなにをしたいのか、どんな環境で使いたいのかを明確にして、自分の目的に合ったものを選ぶようにしましょう。そして、快適なインターネットライフを送ってくださいね!
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家電量販店、家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営するプロの現役家電販売員。 学生時代から家電に対する並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。 個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテスト等で表彰された経験を持っています。 家電アドバイザーの資格を有し、家電と名の付く物全てに精通しています。家電で分からないことはありません。 現在は家電ライターの業務も通して「全ての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力しています。