そもそもWi-Fi中継器とは?
自宅にネット環境を整えたいと思っている人は、Wi-Fi中継器という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、Wi-Fi中継器とはそもそもどういったものでしょうか?
Wi-Fi中継器とは名前のとおり、Wi-Fiルーターからの電波を中継して電波の届く範囲を広げるための装置であり、Wi-Fiルーターでは届かない場所があるときなどに使用します。
別名『リピーター』とも呼ばれています。
▼Wi-Fi中継器の活用シーン
Wi-Fi中継器は、Wi-Fiルーターから発信される電波を受信できない場所や、電波が不安定になってしまう場所に電波を送るために使用します。
たとえばWi-Fiルーターがリビングにあり、自室に電波が届かなかったり受信が不安定だったりしたときに、中継器をリビングと自室の中間地点に設置することで、Wi-Fiルーターの電波を自室に届けることができるようになります。そうすることで、自室でもストレスなくインターネットを楽しむことができます。
▼多層階での使用
Wi-Fiの電波は障害物がなく、見通しのよい場所なら約100メートルほどの範囲まで届くと言われています。ですが、実際には、Wi-Fiルーター周辺の家財道具などに影響され、届く範囲は大きく変わります。
また、1階から2階などの多層階に電波を送るためには、電波の届く範囲をしっかりと見極める必要があり、電波が届く範囲に中継器を設置することが大切です。
▼地下室や電波障害のある場所での使用
Wi-Fiルーターから発信される電波は、電波の性質により、地下や電波障害が発生しやすい場所には届きにくくなります。中継器を設置すれば届く場合もありますが、通常の場所よりは電波が弱くなってしまう可能性があります。
そのため、地下や電波障害が起きやすい場所では周波数帯を確認する必要があり、その周波数に見合った中継器を購入する必要があります。それでも届かない場合には、電波強度の高いWi-Fiルーターを購入することも検討しましょう。
Wi-Fi中継器の選び方
正しく効果を発揮できる中継器を選ぶための一番のポイントは、使用しているWi-Fiルーターの規格を確認することです。また、周波数帯も確認をする必要があります。Wi-Fiルーターの周波数は2.4GHz帯と5GHz帯の電波が使われており、周波数帯が合わない中継器を購入すると役に立たないことになりかねません。
価格も気になりますが、まずは、しっかりとこの2点を理解して購入することにより、快適なインターネット環境を作ることができます。それではさっそくWi-Fi中継器の選び方をみていきましょう。
ポイントは下記。
【1】親機の通信規格に合わせたものを
【2】親機の周波数帯に合わせたものを
【3】設定アシスト機能付きのものを
【4】設置タイプで選ぶ
【5】Wi-Fiルーターから選ぶ
【6】デュアルバンド同時接続で快適に!
【7】使い方によって有線LANポートがあると便利
【8】メーカーで選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】親機の通信規格に合わせたものを
IEEE 802.11acやIEEE 802.11nなどのWi-Fiの規格は、新しいものがどんどん整備されています。現在主流になっているのはIEEE 802.11acであり、この規格に対応する多くの商品が販売されています。
IEEE802.11ac 6.9Gbps 5GHz帯
IEEE802.11n 300Mbps 2.4G帯/5GHz帯
IEEE802.11a 54Mbps 5GHz帯
IEEE802.11g 54Mbps 2.4GHz帯
IEEE802.11b 11Mbps 2.4GHz帯
中継器の規格と親機の規格が対応していないと「速度が遅い」「通信が不安定」など、「効果ない」「期待した効果を得られない」場合もあり、お金を無駄にしてしまうケースも少なからず存在します。どの中継器を購入すればいいのかわからない人は、必ず専門的な知識がある人に1度組み合わせを相談をしたほうが確実と言えるでしょう。
【2】親機の周波数帯に合わせたものを
中継器を購入するときには、親機の周波数帯もしっかりと調べてから購入したほうが確実です。現在では、2.4GHz帯と5GHz帯があり、対応している周波数帯を確認したうえで買いましょう。
・5GHz 障害物に弱い。同じ周波数帯を使用する機器がなく、電波干渉が少ない。
・2.4GHz 障害物に強い。電子レンジや無線キーボード、マウス、Bluetoothと干渉しやすい。
古いタイプの中継器には、どちらかしか対応していない商品もあるので注意が必要です。周波数について自信のない人は専門的な知識を持つ人に相談しましょう。2種類の周波数帯に対応している中継器も増えてきています。
また、親機が5GHz・2.4GHz両方に対応したデュアルバンドモデルならば、5GHz・2.4GHzの周波数帯に同時に接続することが可能です。
【3】使い方が不安なら設定アシスト機能付きのものを
中継器は、自分のネット環境に応じて設定をおこなう必要があります。ネットにくわしくない人には接続方法が難しいだけでやる気が失せてしまうことも。しかし、最近では、WPSやAOSSと呼ばれる、ワンボタンでかんたんに設定をおこなうことができる、ほとんど設定不要の中継器も増えています。
ネットにくわしくない人はこのように設定アシスト機能が付いた機器が向いています。誰でも使い方がわかるようにかんたんな手順で中継器を機能させることができるので、すぐに使いはじめられます。また、メーカーをWi-Fiルーターにそろえることにより設定の手順を減らすことが可能な中継器もあります。
また、あると便利な機能も要チェック!スマホやパソコンなどの特定の方向に、集中的に電波を受送信することができる「ビームフォーミング機能」や、接続台数が多くても同時通信の速度低下を防げる「MU-MIMO機能」などもあると便利です。
【4】設置タイプで選ぶ
中継器は、コンセントに差し込むタイプのものとACアダプターを介して常時電力を供給する据え置き型のものの2種類が一般的です。
自宅の設置予定場所なら、どちらのタイプが生活の邪魔にならないのかはある程度わかると思います。どちらのタイプの中継器を選んでも性能が大きく変わることはありません。
【5】Wi-Fiルーターから選ぶ
最近のWi-Fiルーターには中継器モードを備えている製品もあります。
無線機能を使ってWi-Fi端末に接続させる中継器としてのAP(アクセスポイント)モードといわゆるルーターとして端末をインターネットに接続するRT(ルーター)モードがあり、これらが自動的に切り替わるタイプのものも販売されています。
【6】デュアルバンド同時接続で快適に!
Wi-Fiの通信は、基本的に2.4GHzと5GHzの2タイプになります。それぞれの特性があり状況に応じて速度も変わります。
しかし、デュアルバンド同時接続が搭載されている製品は、それぞれの周波数帯で同時に通信を行うことができるので通信速度を落とすことなくお使いいただけます。快適に作業したい人は、デュアルバンド機能も確認しましょう。
【7】使い方によって有線LANポートがあると便利
Wi-Fi中継器では、無線接続が基本のベーシックなものになります。それに加えて、Wi-Fi中継器に有線LANのポートがあるとテレビやゲームなどに有線で接続することができます。
有線しか対応しないデバイスやWi-Fi機能を使うことができないデバイスでも、有線ポートがあるだけで問題を解決することができます。
【8】メーカーで選ぶ
さまざまなポイントを見ても、どれを選べば良いのかまだ迷ってしまう方は、メーカーで選ぶのもひとつの方法です。おもなメーカーの特徴をチェックしてみましょう。
●バッファロー:PC回りの機器をメインに開発しているメーカー。機能性に優れたWi-Fi中継器が揃っています。
●アイ・オー・データ:「360コネクト」やメッシュ機能など、独自機能を搭載しているのが特徴です。
●ティーピーリンク:高機能で使いやすいモデルが多く、一般家庭向け、企業向けの商品を取り扱っています。価格は比較的安価です。
●エレコム:機能性豊かなWi-Fi中継器が多数。比較的リーズナブルなのでとくに初心者におすすめです。
エキスパートのアドバイス
設定でつまずかないように、設定がかんたんなものを
無線ルーターの規格から選ぶのはもちろん大事ですが、現行の無線ルーターであれば11ac、11nなどのメジャーな規格はほぼ統一されていると言っても過言ではありません。どの中継器を選んでも接続できますが、設定のしやすさは機器によってまちまちです。
とかく接続でつまずくことの多い中継器ですので、可能であればワンボタン設定などが付いているかんたんそうなものを選ぶというのもひとつの選び方ですよ。
【かんたん設定機能付き】Wi-Fi中継器13選
Wi-Fi中継器を購入しようと考え、販売店の中継器コーナーに行くとさまざまな種類があるので、知識があまりないと悩んでしまうでしょう。どんな中継器を購入すれば、快適なインターネット環境を作ることができるだろうと考えている、初心者にぴったりな設定アシスト機能が付いていて、ワンタッチで設定できる使いやすい中継器を紹介していきます。
部屋の隅々まで高速安定通信
IEEE 802.11ac 2×2対応で高速通信を実現。上のコンセント口をふさがない形になっているので、コンセントを占領することもありません。持ち歩くスマホやタブレットを自動追尾して、強力な通信を安定しておこなえるビームフォーミング対応なので室内でも快適にネットワークを利用できます。
設置も専用のアプリを利用すれば、親機・中継器・子機の電波状態がひと目でわかるようになっているので、誰でもかんたんに適した設置場所を探せます。
ほかのコンセント穴をふさがない親切設計
隣のコンセントをふさがないコンパクト設計のモデルでコンセントの数に悩んでいるご家庭でも安心。IEEE 802.11acにも対応しており、周波数帯が異なっても問題なく利用できるデュアルバンドを搭載。子機が混雑していても問題なく利用できます。
中継器用のSSIDにも対応しており、使う場所に合わせて接続先を手動で選ぶことができます。万が一ネットワークにつながらなかった場合には、電話窓口も開設しているので安心して利用できます。
4GHzと5GHzの周波数を同時に使えて高速!
4GHzと5GHzの周波数を同時に使えるデュアルバンド対応。ほぼすべての家庭用ルーターと互換性があり、WPSにも対応しています。そのため、ワンタッチでかんたんに設定ができる高速Wi-Fi中継機です。
また、LANポートも付いているので、有線でも接続が可能。便利さと性能を兼ね備えています。
NEC製親機を使っているなら設定がかんたん!
2ストリーム(2×2)対応をしており、安定した通信をおこなうことができます。他社製品の親機でも中継接続が可能ですが、親機がNEC製であれば設定をかんたんにおこなえて便利です。
人感センサーも搭載しており、設定した時間帯に人を検知すると照明ランプが一定時間点灯してくれます。そのため、暗い場所でも商品の位置をしっかりと把握することができ、接触などによる故障を未然に防ぐことも可能です。
中継機だけでなくWi-Fiのアクセスポイントにも
ブリッジ機能を搭載しているため、LANケーブルを接続すればアクセスポイントとして切り替えることもできます。その速度、5GHzで最大867Mbps、2.4GHzでも最大300Mbpsの無線速度と高速。
また、WPSでかんたんに設定可能ではありますが、TP-Linkの無料アプリ「Tether」を使えば、スマートフォンやAndroid端末やiOS端末からもかんたんに設定ができます。
有線LANポートもあって便利
電波の届きにくいエリアまで、信号を強化して電波を届けてくれます。Wi-FiルーターのWPSボタンと本製品のREボタンを同時に押すだけで接続できるかんたん設定も魅力で初心者にうってつけ。
IEEE 802.11acにも対応していますし、ランプの信号により、WI-Fiカバレッジの拡大に適した設置位置も教えてくれるので、設置場所も悩まなくてすみます。有線LANポートも完備しているので便利です。
無線LAN製品国内シェアNo,1!
Wi-Fi 6、4ストリーム対応のハイパワー外付アンテナを搭載しているので、テレビなどの有線機器が無線で視聴可能になり、高速無線のエリアが一気に広がります。また、WPSボタンをワンタッチするだけで、Wi-Fiルーターとの引継ぎが完了できます。
コンセント直挿しタイプはプラグの位置に配慮した設計で、上のコンセント口を塞がずスッキリ設置することができます。 また、スタンド&AC延長ケーブル付属で据え置きも可能なので、ご家庭の環境に合わせて設置方法を変えられます。
4つの多彩な中継モード
IEEE 802.11acにも対応しており、高速の通信が可能になります。親機とはWPSボタンを押すことにより接続できるので、初心者にも安心。平面トリプルタップを併用すれば、コンセントを無駄にせず使えます。
4つの中継モードを環境に合わせて自動的に切り替えて、利用場所に適した速度での通信をおこなえます。商品の点灯状態で電波の接続状況もわかるので、設置するときも安心です。
【据え置き】Wi-Fi中継器3選
中継器にはさまざまな種類がありますが、知識があまりない人は高機能ですぐに設定を終えることができる製品か、多い据え置き型のものが向いています。こういった据え置きタイプの製品は、広いお部屋や障害物の多い場所でも、強力に中継機能を発揮してくれるものが多いのが特徴です。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする Wi-Fi中継器の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのWi-Fi中継器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
本記事は、Wi-Fi中継器の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたか?
自宅にあるWi-Fiルーターの性能や、Wi-Fi中継器の仕組みをしっかりと理解したうえで中継器を購入すれば、インターネットの通信環境を整えることができ、ストレスフリーで生活にも楽しさが出てきます。
気軽に購入できるものから、ある程度の知識が必要なものまで、各家庭によって必要な種類もさまざまです。あなたがほしいWi-Fi中継器を選んでみてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
家電量販店、家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営するプロの現役家電販売員。 学生時代から家電に対する並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。 個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテスト等で表彰された経験を持っています。 家電アドバイザーの資格を有し、家電と名の付く物全てに精通しています。家電で分からないことはありません。 現在は家電ライターの業務も通して「全ての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力しています。