鍬(くわ)とは
「鍬」は家庭菜園やガーデニングにかせない道具です。別名、「ホー」とも呼ばれています。ただ、一口に「鍬」と言ってもその形や材質は多種多様です。その用途・使いやすさ・作業スタイル・安全性など、求められる条件によってさまざまなものがあります。
たとえば立って作業するのと座って作業するのとでは、おのずと使いやすい柄の長さも異なります。また、土の状態によっても適した鍬の形は違ってきます。家庭菜園の初心者の場合、ベストな鍬選びに苦労するため、選び方をしっかり確認して、商品を購入することが大切になります。
鍬(くわ)の種類
鍬の選び方にもいろいろな方法がありますが、作業内容にあわせた形の鍬を選ぶことは大切です。ここでは用途別に5種類の形の鍬を紹介します。
今回紹介する鍬には土を耕す以外に、畝(うね)づくりや雑草取りができる鍬なども揃えました。使い道に応じた鍬を選ぶことによって、農作業の効率UPにつながります。
▼平鍬:雑草とりや野菜の収穫向け
「平鍬」とは長方形の一枚刃でできた鍬のことです。オーソドックスな鍬のひとつですね。これはやわらかい土を扱うのに適した鍬です。
また、畑を耕す以外にも畝立て(畝を作る作業)や土寄せ(植物の根元に土を寄せる作業)排水溝を掘る作業にも適しています。このように、多種多様な作業に適した万能な鍬、それが「平鍬」です。
▼唐鍬:堅めの土を起こす作業向け
「唐鍬(とうぐわ)」は「平鍬」よりも刃に厚みがあり重量がある鍬です。厚みと重量を活かして荒地を耕したり、硬めの土を掘り起こすのに適しています。粘土質の固まった土や、山林を掘り起こす際の根切りをすることも可能です。
▼備中鍬:粘土質の土を起こす作業向け
「備中鍬」は刃が3~4本に分かれており、まるでフォークのような形をしているのが特徴です。長所は「平鍬」よりも土離れがいいところ。刃につきやすい土を耕すのに向いています。かたい土を砕いたり、ほぐしたりするのにも適した鍬です。
また、石の多い土壌では土を掘り起こして混ざっている石をかき集めることができます。粘土質の土壌で固まった土を砕くのにも適しています。このように幅広い用途に適しているので別名「万能鍬」と呼ばれています。
▼草刈鍬:雑草の刈り取り向け
「草刈鍬」、別名「三角ホー」と呼ばれる鍬は雑草などを刈り取るのに適した鍬です。三角形に尖った刃先は土に食い込みやすく、雑草を根元から刈り取ってくれます。また、この鍬は柄が長いので草を刈り取る際立ったまま作業が可能。
中腰にならなくても済むので、腰への負担がかかりにくいのが長所です。この「草刈鍬」が1本あるだけで、草刈り作業の効率が大幅にUPすることでしょう。
▼片手鍬:家庭菜園などの作業向け
あまり広くない場所でのガーデニングや家庭菜園に適した鍬が「片手鍬」です。「片手鍬」は文字どおり片手で使えるコンパクトな鍬のことです。
サイズは小さいながらも、普通サイズの平鍬同様、いろいろな作業がこなせます。しかも、ラクに持ち運べるし、収納の際も場所を取りません。
この「片手鍬」には平型と爪型、2種類の刃がついたものもあり「イカ型片手鍬」と呼ばれています。
鍬の選び方
それでは、鍬の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】刃や柄の材質
【2】柄の長さ
【3】刃と柄の部分に留め具がついているか
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】刃や柄の材質をチェック
鍬の刃や柄の材質は木製や金属製など、さまざまなものがあります。そのため、どの材質を選んだらいいかわからず迷ってしまう方もいるかもしれません。
素材にもそれぞれ長所や短所があります。ここでは、鍬を選ぶ際にどのようなものを選んだらベターなのかを状況別にご説明します。
▼土ぎれがよくサビにくい「ステンレス刃」
ステンレス刃の長所は土切れのいいところ。刃に土がくっつきにくく、お手入れがラクにできます。
また比較的軽量なので扱いやすいです。ただ、重量が軽いということは鍬の重みで土を耕すことができないので、余分な力が必要になります。そのためステンレス刃の鍬はかたい土を耕すのにはあまり向いていません。
▼軽くて使いやすい「アルミ製」の柄
鍬の柄に使われている素材は木製やアルミ製が主流です。木製の柄は重量があるので、その重さを利用してかたい土を比較的ラクに耕すことができます。
しかし、家庭菜園などのやわらかい土を耕すだけなら、たいした力を必要としません。その場合は、アルミ製で充分です。アルミはとくに女性やお子さま、高齢者の方などにおすすめしたい素材です。
【2】柄の長さをチェック
鍬の柄の長さは作業スタイルに合わせて変えましょう。そうすることで、体にかかる負担を減らすことができます。また、適切な長さの鍬を使うことで作業効率もよくなります。柄の長さは鍬を選ぶ際の大切な要素のひとつです。
▼座って作業をする方は「短い柄」を
座って作業をする場合は柄の短いものがおすすめです。なぜなら、座って長い鍬を扱おうとすると柄の根元側を持たざるを得なくなります。
たとえば「片手鍬」。この鍬は柄が短く扱いやすいので座っておこなう作業に向いています。
▼立って作業をする方は「長い柄」を
しゃがむ作業は腰に負担がかかりがちです。立って土を耕すなどの作業をする際、短かすぎる柄の鍬を使うと当然しゃがむことになり、腰がつらくなります。その場合は長い柄の鍬を使うと腰に負担がかかりません。
鍬のなかには柄を切って使うことができるものもあります。また、土の傾斜角度や身長に応じて柄の長さを調節できるものもあり、おすすめです。
【3】刃と柄の部分に留め具がついているかチェック
鍬の刃は意外に鋭いものです。作業中、万が一にも柄から外れてしまったら当たって怪我をする可能性もあります。
そのため、鍬は刃と柄の部分に留め具がついたものを選ぶと安心です。留め具はL字型になっていて、刃の部分が外れないように引っ掛けて柄に固定してあります。もし手持ちの鍬が留め具のないタイプのものだとしても、留め具は市販されているため買って後から取りつけることも可能です。
鍬のおすすめ10選
それでは、鍬のおすすめ商品をご紹介いたします。
▼【平鍬】はこちら
▼【唐鍬】はこちら
▼【備中鍬】はこちら
▼【草刈鍬】はこちら
▼【片手鍬】はこちら
▼【番外編:左官鍬】はこちら
▼【おすすめ商品の比較一覧表】はこちら
すぐに各商品が見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼【平鍬】はこちら(雑草とりや野菜の収穫向け)
腰を痛めにくい絶妙な角度は軽作業向き!
日本製の安心で良質な小型の平鍬です。お手軽で便利な鍬なので、農園や家庭菜園で使用するのに適しています。頭の部分は鉄製ですが刃先には鋼付き複合材を使用しています。サビやすいので注意が必要です。
柄と頭の角度が63度に設計されています。この角度が絶妙で、腰に負担がかかりません。柄の長さや角度に配慮されていて、無理な姿勢にならずに作業ができます。軽作業に鍬を使うなら、断然コレをおすすめします。
軽くて丈夫! 柄も長くて使いやすい
全長約1200mm。ここまで長い柄の鍬はあまり出回っておらず、柄が長い分かがむ回数も減るので、腰に負担がかかりません。頭の部分がステンレスで柄の部分がアルミです。柄のグリップ部分に滑り止めのゴムがついており非常に軽く扱いやすい鍬です。
木製の柄と違い丈夫で壊れにくいのもうれしい長所。また、頭の部分に土の深さが測れる目盛りがついているなど、至るところにこまやかな配慮が見られます。
鋼製の丈夫で便利な家庭用鍬
土を耕したり、土寄せ、土ならしをするのに便利な家庭用鍬です。頭の部分は鋼製で丈夫に作られています。柄は約1050mmあり、立って使うのに適しています。
頭の材質と黒っぽい色合いで、少々ごつい感じがしますが、その分、土に食い込んでよく耕してくれます。本格的な家庭菜園やガーデニングをはじめようという方に。
ガーデニングや家庭菜園にベスト!
特殊刃物鋼を使用した鍬です。その名のとおり刃物に使う鋼で、すぐれた切れ味・じん性・耐久性があります。高品質な割に値段は安めでコスパのいい鍬です。
また取り扱いしやすく、長時間使っていても疲れにくい鍬です。使っているうちに手になじむようになったという人も……。この鍬は収納する際、意外に場所を取らないのも利点のひとつです。ガーデニングや家庭菜園にとくに適した鍬です。
▼【唐鍬】はこちら(堅めの土向け)
たけのこ探しに! 頭部と柄部は取り外し可
たけのこ掘りにベストな鍬です。その特長は頭の部分は柄から取り外しできるところ。また、頭の部分は溶接をしておらず一枚物なので丈夫です。
柄は樫材で作られており、かたい土を掘っても安心です。また、先端になるにしたがって太くなっており使用中に頭の部分が外れるのを防いでくれています。分解するとコンパクトにまとまるので、携帯用として便利に使えます。
▼【備中鍬】はこちら(粘土質の土向け)
プロユースの高級用具! 粘土質の土でもバッチリ
刃物の産地として知られている播州三木で作られた備中鍬で、元々はプロが使うための製品として鍛造された高級な用具です。柄の素材には樫を使っているため丈夫。頑丈な二本爪は粘土質などのかたい土への差し込みもスムーズにできます。
先端の幅が小さいので、狭い場所でも耕しやすいのも大きな特徴で、これほど高品質なのにお求め安い価格で販売されているのもうれしいですね。
▼【草刈鍬】はこちら(雑草の刈り取り向け)
雑草取りにはコレ! 軽量ボディで根こそぎ撃退
雑草取りに便利な三角ホー。柄がアルミ、頭も部分はステンレス特殊刃物用鋼で作られています。そのため、とても軽量で女性でも軽々と扱えます。
先端が尖った部分で雑草の根を掘り出すことができます。また、先端と反対側部分のギザギザした歯も便利さを際立てる要素のひとつです。雑草の生えた土の上をこの鍬でこするだけで、雑草が根こそぎ除去できます。この鍬を使うと雑草取りの作業能率が大幅にUPするでしょう。
先端ステンレス、ボディはアルミで超軽量!
超軽量の鍬です。というのもこの鍬は先端がステンレス、柄がアルミからできるいます。軽くて使いやすいので高齢の方や女性におすすめです。
窓ホーは刃先部分に穴が開いています。これは草削りのとき、余分な土が穴を通して落ちるためのものです。また、伸縮式なので、好みの長さに調節して使うことが。デザイン性が高く見た目がおしゃれなので庭の片隅におくだけで絵になります。
▼【片手鍬】はこちら(家庭菜園など向け)
1台2役の便利なヤツ
サビにくいステンレスを採用した、コンパクトな片手用の鍬です。ちょっとした草木の手入れなど軽作業のときに役に立ちます。頭は土寄せに便利な平型と、土に食い込みやすい3本爪型の2種類、用途によって使い分けることができます。
小さいながら1本で2役こなせる有能な鍬です。家庭菜園やガーデニングに使用するなら、この鍬で充分でしょう。
▼【番外編:左官鍬】はこちら(土などの慣らし作業向け)
セメント練りやマテ貝狩りを楽しむには左官鍬!
左官作業に使うための鍬で、トロ船で壁材を混ぜるときに使います。頭の部分はステンレス製で、短めの使いやすい鍬です。
この「左官鍬」は本来の目的以外にも便利な用途があります。それは潮干狩りのマテ貝狩りです。750mmという絶妙な長さの柄は、潮が引いた後の砂地でかがまずにマテ貝を探すためにちょうどいいサイズなのです。
「鍬」のおすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトのランキングを見る 鍬の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での鍬の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
鍬のお手入れ方法
土を起こした後や耕した後は、鍬に土や汚れが付着しています。吹きかけるタイプの刃物専用のクリーナーを使うことで、頑固な汚れをキレイに落とします。鍬の刃に土がついたまま放置すると、サビの原因や切れ味が悪くなることがあるので、気を付けましょう。
刃のサビには、別でサビ止めスプレーをすることで、さらに鍬の刃のモチがよくなりますよ。
【関連記事】そのほかのガーデニング関連の記事はこちら
最後に|エキスパートのアドバイス
鍬を使うには、ある程度の慣れが必要
スコップと異なり鍬なら小さな力で深く耕すことができます。また、硬くなった地表面だけを耕す中耕(ちゅうこう)がらくにできます。中耕すると土の中に雨水と空気が入りやすくなり、草花や野菜の成長が促されます。はじめて鍬を使う方には慣れが必要ですが、数回使えばどなたでも使えるようになります。
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