なぜデータ消去ソフトが必要か PCに残った個人情報の安全な消去のために

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パソコン内のデータは、「削除」のボタンを押したり「ゴミ箱」に捨てたりするだけでカンタンに消すことができます。しかし、実は完全にデータが消去されているわけではありません。
ハードディスクが残っていれば、パソコン内でデータを消去したぐらいではすぐに復元されてしまうため、データ復旧を専門にしている業者やソフトがあるほど。パソコンを捨てる場合や売る場合には、個人データの流出を防ぐためにもデータ消去ソフトを使用して、しっかりと処理をする必要があるといえます。
データ消去ソフトの選び方 対応OS、CDブート機能などをチェック
データ消去ソフトにはそれぞれのパソコンに合わせて、選ぶべき種類が異なります。対応OSを選ぶのは大前提ですが、ソフト1本で何台ものパソコンのデータを消去できるものなど、商品によって内容はさまざま。
消去方式もいろいろあるので、どれを選べばいいのか迷ってしまうかもしれません。そんな方のために、ここではデータ消去ソフトの選び方を紹介します。
【1】対応しているOS
【2】CDブート機能
【3】消去方式
【4】ソフト1本で消去できるPCの台数
【5】外づけメディアに対応しているか
これらのポイントを参考に、チェックしてみてください。一つずつ解説していきます。
【1】対応しているOSをチェック WindowsかMacか、バージョンはいくつか
データ消去ソフトを選ぶときには、最初に使用するパソコンのOSに対応しているか確認しましょう。古いパソコンを使っている場合には、旧世代のOSに対応していない消去ソフトもあるので、注意が必要です。
【2】CDブート機能があれば安心 OSごとパソコンデータの消去が可能
なんらかの異常でOSが動かないパソコンの場合、「CDブート機能」つきのデータ消去ソフトが便利です。CDから直接パソコンを起動させることができるのでOSが動かなくても、OSごとパソコンデータを消去することができます。
【3】消去方式はさまざま、高レベルなものが安心 官公庁でも採用される「DoD5220.22-M方式」以上が安心できる基準
ソフトウェアによるデータ消去は「上書き」によって行なわれます。消去方式には種類があり、企業や事務所などで使うパソコンの場合、官公庁などでも採用されている「DoD5220.22-M方式」以上が安心できる標準と覚えておくとよいでしょう。
また、より確実な方式を求める方には、最高水準と言われている「グートマン」方式がよいのではないでしょうか。
なお、データ消去のセキュリティレベルを選択することが、多くのソフトで可能です。レベルが高ければ、その分消去にかかる時間が長くなります。しかし、人に知られたくない情報であるなら、時間をかけてでもデータ消去を行った方が、後々安心だと思います。
【4】ソフト1本で消去できるPCの台数を確認 効率的にデータ消去
データ消去ソフトのなかには、1本で複数のパソコンデータを消去できるものもあります。データを消したいパソコンの台数が複数あったり、何回か繰り返し使いたい場合に役立ちます。特に、法人用の場合は、1本で1台しか消去できないと時間とお金の効率が悪いため、何度もまたは複数台にまとめて使えたほうが便利です。
ダウンロード版やパッケージ版、同じパソコンであれば何回も消去可能なものなど、こまかく異なる点もあるので注意するようにしましょう。
【5】外づけメディアに対応しているか
データ消去を行なうときやふだんのデータのバックアップとして、外づけのHDDやSSDなどに保存している方も多いでしょう。データ消去ソフトのなかには、外づけメディアに対応しているソフトもあります。
個人情報漏洩を防ぎたいという場合には、外づけメディアのデータも消去できるタイプを選ぶのがよいでしょう。
エキスパートのアドバイス
不要なファイルを削除か完全消去を用途に合わせよう
データ消去ソフトは、パソコンを廃棄・譲渡するためHDDやSSDを消去するのか、ふだんの運用時に不要なファイルやフォルダーを完全消去したいのかで選択肢が異なります。
HDDを消去する際は、CDやUSBからブートする機能、メモリーの少ない古いパソコンでも動作するかどうかを確認しておきましょう。HDD消去機能とファイルやフォルダーの消去機能の両方を搭載する製品もあるので、用途に合わせて選んでみてください。
データ消去ソフトおすすめ5選 複数のパソコンで使いまわせる、価格帯、消去方法
データ消去ソフトは、消去方式から何台も対応しているものまで種類もさまざま。なかでも「消去方式」については、高スペックなものほど価格が高くなります。ここでは、価格帯も消去方式もさまざまなデータ消去ソフトを5つ紹介します。
世界水準の抹消方式でしっかり消去
高スペックな消去方式で、データを確実に消去したい方にもってこいのソフト。Windows7、8、8.1、10、Vista、XPなどさまざまなOSに対応しているため、幅広いパソコンでの使用が可能です。
世界水準の抹消機能搭載で、安全で確実なデータ消去を実現。用途に応じてセキュリティレベルを10段階から選択することができるので、企業でも一般家庭でも利用することができます。
CDブート、USBブートも搭載。Windowsが起動しない古いパソコンデータも消去してくれるので、安心です。
パソコン丸ごと、ファイル抹消のふたつに対応
パソコン丸ごと抹消ソフトとファイル抹消ソフトのふたつがセットになっている製品。ファイル・フォルダ単位で、データを抹消することもできます。Windows10、8、8.1、7などの幅広いOSのデータを消去することが可能です。
セット価格が6,000円以下、とコスパがいいのもメリットのひとつ。CDからブートさせるので、CD-ROMが必要です。
消したいものが選べる! 定期消去自動化も
特定のファイルを消去できる機能が搭載されているタイプ。必要なものは残して、いらないものは完全に消去したいという方におすすめです。
便利なスケジュール消去機能も搭載。定期的にデータを消去する必要がある場合には、消去を自動化することが可能です。Windows10、8、8.1、7、Vista、XPなどさまざまなOSに対応。
デスクトップ上に焼却炉アイコンをおくと、ファイルをドロップするだけで消去できるなど、操作もかんたんです。
さまざまなデバイスのデータを消去したい人に
パソコンのデータを復元不可能な状態まで抹消したい方にうってつけのソフト。パソコンだけでなく、HDDやSSD、USBやドライブなど、さまざまな機器のデータを抹消することもできます。
対応デバイスであれば、複数を同時に抹消することも可能。ふだんからさまざまなデバイスを利用している方にはうれしい機能といえるでしょう。
操作がかんたんなウィザード形式を採用。選択していくだけなので、迷わずすいすいと操作することができます。
官公庁で標準採用されている抹消グレート
外づけドライブや外部メディアにも対応しているソフト。消去までの操作は、CDから起動して抹消方式を選択、クリックして抹消というかんたんなステップ。面倒な操作が苦手な方にうれしい商品といえるでしょう。
抹消速度は、業界最高水準のスピード。1GBあたり約7.8秒で抹消できる驚きのスピードです。抹消方式は、6種類の抹消グレードから選択可能。官公庁や企業で標準採用されている方式も選択できます。
【比較一覧表】価格などを比べる
【ランキング】通販サイトの最新人気! データ消去ソフトの売れ筋をチェック
Amazonでのデータ消去ソフトの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
専門業者に依頼するという方法も うまくデータ消去ができない、不安はプロに解消してもらう
データ消去ソフトは、官公庁で使用されている以上の消去レベルであれば、確実にデータを抹消することができるでしょう。しかし、それでも不安な場合や、一度しかデータを消去しない場合には、専門業者に依頼するのもひとつの方法です。
また、誤ってデータを消去してしまった場合には、復旧できるかどうか専門業者に確認してみるのがいいでしょう。
【Q&A】よくある質問
フリー(無料)ソフトと有料ソフトの違いとは何ですか?

無料と有料の違いは、信頼性が段違いです。有料版であれば消去したい情報の内容がしっかり守られますが、無料版であれば確実性がありません。確実にデータを消去したいのであれば、有料版を使いましょう。
また、有料版であれば消去する手順がわかりやすく、パソコンに不慣れな人にもおすすめできます。消去も短時間で行えるので、よりスムーズに作業を終えられるはずですよ。
【データ消去ソフトのおすすめ商品はこちら】
数あるデータ消去ソフトのなかから、価格や性能を比較して選びたいです。

【データ消去ソフトの比較一覧表】から、商品の価格や機能性、対応OSなどを見比べることができます。自分が使っているパソコンに対応しているものを選んでみてくださいね。
【関連記事】ほかのソフトをチェック
【まとめ】用途に合った消去レベルの製品を
パソコンのデータを確実に消去し、安全に売ったり捨てたりするのに重宝する「データ消去ソフト」について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ソフトを選ぶ際は、対応OSや消去方式、使用回数などをしっかり確認して、用途に合ったソフトを選んでくださいね。
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IT・ビジネス関連のライターです。1998年からライターとして、デジタルガジェット、ウェブサービス、コンシューマー製品からエンタープライズ製品まで様々な記事を手掛けています。 ネット詐欺被害を防ぐNPO法人DLISの代表理事を務め、都内に展開する飲食業「原価BAR」やウイスキー販売会社「トゥールビヨン」も経営しており、デジタル好きと経営者の両方の目線で製品やサービスを紹介するのが得意です。