ドッキングステーションとは?
ドッキングステーションは、USB・映像出力端子といった、いろんなポートが搭載されているパソコン周辺機器です。パソコンとドッキングステーションは、1本のケーブルで接続できます。
入出力ポートが限られているノートパソコンでも、ドッキングステーションを使うことで、ディスプレイやストレージなどの周辺機器が利用できるため、便利です。
ドッキングステーションの選び方
ドッキングステーションはUSBポートのほかにHDMIやLANポート、SDカードスロットなど多種多様なポートを増やせる機器です。ただし、便利なのはわかるけど、さまざまなメーカーから販売されていて、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
そこでここからは、ライターの海老原 昭さんにお話をうかがい、ドッキングステーションの選び方をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ポイントは下記。
【1】種類で選ぶ
【2】パソコンとつなぐ端子規格から選ぶ
【3】ドッキングステーションの使い方から選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】種類で選ぶ
ドッキングステーションには、「モバイルタイプ」と「据え置きタイプ」の2種類があります。モバイルタイプのドッキングステーションは、コンパクトなので持ち運びに適しているのが特徴。外出先で使用することが多い方におすすめです。
据え置きタイプのドッキングステーションは、デスクに設置して使い、複数の映像出力端子を搭載しているモデルが多いです。ノートパソコンの画面を複数のモニターに出力可能で、在宅勤務など一定の場所でパソコンを使用する方におすすめです。
【2】パソコンとつなぐ端子規格から選ぶ
ドッキングステーションの端子規格にはいくつかの種類があるため、購入の際には事前にチェックしましょう。
WindowsはUSB3.0以上が快適
ドッキングステーションとパソコンの接続用インターフェースには、通常USB Type Aと、USB Type-C、Thunderbolt 3があります。Type Aは古くから使われており、使える機種が多いというメリットがあります。
MacはThunderbolt3に対応したUSB-Cがおすすめ
USB Type-Cは、とくに最近の薄型PCで採用されるケースが多く、USB 3.1 Gen.2に対応していれば通信速度が高速なこと、USB PDに対応していれば、ほかのUSB PD対応機器に電源を供給できることなど、機能面でのアドバンテージがあります。
Thunderbolt 3はハイエンドなPCで採用されることが多い高速な規格で、対応機種は少なめですが、複数の機器をつないでも高速に利用することができます。
基本的に自分の使う環境に合わせて選べばいいですが、複数の機器で使いたい場合は互換性を重視して選びましょう。
【3】ドッキングステーションの使い方から選ぶ
SDスロット・有線LAN端子・高速データ転送・急速充電・マルチディスプレイなど、ドッキングステーションの使い方によって、適した商品を探しましょう。
モニターを拡張する場合は映像出力端子を確認
外部モニターを使いたい場合は、映像出力端子の種類を確認してください。映像出力端子のなかでも、HDMI端子がついたモデルは、種類が多くてさまざまなモニターと接続しやすいでしょう。
複数の外部モニターを利用するなら、2画面出力や3画面出力と、映像出力端子が2つ以上あるとベターです。また、古いモデルのモニターやプロジェクターの場合、アナログであるVGA端子を要することもあるため、事前に確認してください。
カメラを使う人はSDカードスロットを確認
デジカメの写真・動画をパソコンで確認したい人は、SDカードスロットがあるモデルを選びましょう。SDカードは、標準タイプのほかにmicroSDもあるため、手持ちのSDカードが利用できるドッキングステーションを選んでください。
2種類のSDカードスロットが備わっているモデルなら、どちらでも使えてより便利です。
ネット回線を安定させたい場合は有線LAN端子を確認
近年では、LANポートが搭載されていないノートパソコンも多くなっています。そのため、速くて安定した通信環境を整えたい場合は、ドッキングステーションにLANポートがついているかも大切なポイントです。
有線で接続することによって、パソコン操作や動画視聴などがスムーズにおこなえるため、より快適でしょう。
ストレージを使う場合は高速データ転送機能を確認
ドッキングステーションを使って外付けストレージを接続したい場合は、データ転送速度を確認してください。USB3.0は5Gbpsまで、Thunderbolt3は40Gbpsまでの速度でデータ転送ができます。
パソコンデータのバックアップなどで、頻繁に外付けストレージを利用する場合は、転送速度が速いほど時間が短縮されて、効率的なのがメリットです。
Mac製品ユーザーは急速充電機能を確認
2015年以降に発売されたMacBookには、転送速度の速いUSB Type-Cポートが搭載されており、周辺機器と接続できます。
また、USB Power Delivery(USB PD)に対応している場合は、充電器とドッキングステーションをつなぐことで、パソコン作業中でも急速充電ができます。
充電しながらディスプレイ出力やデータ通信をおこなうなど、幅広く活用できて便利なので、チェックしましょう。
複数のポートがあってもひとつしか使えない場合も
映像出力端子(VGA、DVI、HDMI、DisplayPortなど)を複数備えたドッキングステーションでは、マルチディスプレイ環境を構築できるものとできないものがあります。
つまり、複数のポートがあっても、そのうちのひとつしか使えないケースがあるため、マルチディスプレイ環境を計画している人は要注意です。
事前にメーカーのウェブサイトで製品の仕様をよく確認しておきましょう。なお、ドッキングステーションが内蔵するビデオコントローラーは性能が低いため、3Dゲームなどで使うことはおすすめしません。
Thunderbolt 3接続の場合は、PC側のビデオ性能に依存するため、3Dゲームなども利用できる場合があります。
同時に使えるインターフェースの数も要確認
変換アダプターとドッキングステーションの違いは、接続をした際、変換アダプターが1つの機能しか提供できないのに対し、ドッキングステーションは一度に複数の機能を提供してくれる、というものがあります。
一般にドッキングステーションはUSBポート、映像出力、ネットワーク、サウンド、SDカードスロットなどのポートを組み合わせて搭載されており、インターフェースの数が多いほど便利な反面、同種のインターフェース(映像出力、USBなど)は一度に1つしか使えないケースも。
単純な種類だけでなく、同時に使える数についても確認をしておきましょう。
ドッキングステーションおすすめ14選
ここまで解説してきた選び方をふまえて、ITライターの海老原 昭さんと編集部で厳選したおすすめ商品をご紹介します。接続方法(規格)・USBポートの種類・そのほかインターフェースも確認し、自分のスタイルに合った製品を見つけてみてください。

コンパクトで持ち運びにピッタリ!
「ハブ」という名前が付いていますが、れっきとしたUSB Type-C接続のドッキングステーションです。
持ち歩きやすいコンパクトなボディにUSB 3.0(Type A)ポート×2、HDMI(4K 30Hz対応)、ギガビットEthernet、SDカードスロット、USB Type-Cポート(充電専用、USB PD対応)を収めています。
あまり多くの機器は接続できないものの、これ1台で多くのユーザーにとって必要十分な環境を整えられます。
価格も安価なので、低価格なモバイルノートやタブレットPCと組み合わせて使いたいところです。
8つのUSBポート!視覚的鮮明さを提供した製品
パワフルなドックであり、多くのポートを備え、高い充電能力をもったTS4。2.5ギガビットイーサネットを備えたThunderbot 4世代をリードする、次世代ドッキングステーションです。
最大98Wの電力供給が可能で、1 台のモニタを接続する場合は、最大8K1の解像度をサポート。
デュアルディスプレイを接続する場合は、TS4はApple M1 Pro、およびM1 Maxベースのコンピュータで、最大6K 60Hzのデュアルディスプレイをサポートします。
VGA対応だからマルチディスプレイの幅が広がる
HDMIとVGAの映像出力に対応したドッキングステーション。HDMI非搭載のモニターやプロジェクターでも使えるので、対応ディスプレイの幅が広がり便利です。
Windows、Mac両方に対応。ドライバーのインストール不要で、難しいセッティングの必要はありません。挿すだけですぐに使えるので、仕事での訪問先などに持っていくのもおすすめです。
マルチなポートがひとつになった
MacBook Pro / Air 対応のドッキングステーション。2つのUSB-Aポートをはじめ、USB-CポートやHDMIまで、全部で7つのポートを備えています。USB-Cポートは最大100Wのパススルー充電に対応しており、MacBookで作業しながらiPhoneを充電することも可能です。
HDMIポートもあるので、マルチディスプレイでより快適な環境での作業ができます。Appleデバイスがおそろいの方におすすめです。

低価格ながら多機能!
USB 3.0×2、USB 2.0×4、DVI、HDMI、ギガビットEthernetを備えた、USB 3.0接続のドッキングステーションです。
WindowsとMacの両方に対応(要専用ドライバーソフト)しており、ディスプレイは最大解像度がWQHD(HDMI)および2048×1152(DVI)で、同時に2台まで表示可能。
さらに、USB機器も6つ接続できるなど、多機能ながら8000円以下で購入可能なコストパフォーマンスが最大の魅力です。
USB Type-Cポートはないので、既存のPCの拡張用という位置付けになりますが、ちょっと古めのノートPCなどと組み合わせるにはもってこいの一台です。
マルチディスプレイでより快適な作業環境に
2つのHDMIが複数のディスプレイに対応、マルチタスクがより快適に。マルチディスプレイや高速でデータ転送しながらも、使用中のノートPCを最大85Wというパワフル充電できる「USB Power Delivery」に対応。仕事中のバッテリーを気にするストレスが減るのはうれしいですね。
イーサネットポートがついているので、インターネット回線を有線接続にして、より高速なネット環境を整えたい方にもおすすめ。
より美しい映像をマルチディスプレイで
MacBook本体になじむデザインで邪魔にならずに使えるドッキングステーション。USBポートやカードリーダー、HDMIポートを備えているので、マルチに使えます。アルミニウムケースが効率的に熱排出し、安定した性能を得ることができます。
HDMIは最大4K、USB-Cポートは8Kのディスプレイに対応しているので、より鮮明な映像を必要とする業務にはおすすめです。

Thunderboltに対応した据え置き型
高速なThunderbolt 3に対応したドッキングステーション。Thunderbolt 3はMacや、WindowsノートPCでは高級機に採用が進んでいる規格で、USB 3.1より4倍高速な点が特徴です。
増設されるポートはUSB 3.0(Type A)が5つとThunderbolt 3が2ポート、ギガビットEthernet、DisplyaPort(付属のアダプターを介してHDMIも接続可能)、そしてアナログサウンド入出力(3.5mm)が用意されています。
Thunderbolt 3ポートはPCへ最大60W、デバイスに15Wまでの電力供給が可能です。縦置きも可能なので、狭い机の上でもスペースを有効活用できます。
ノートPCの場合、ケーブルでドッキングステーションにつなげば周辺機器も電源も外部ディスプレイまで全部これ1台で賄えるので大変楽になります。主にMacのノートを使っている人におすすめです。

デザインも秀逸なドッキングステーション
Mac用周辺機器メーカーとして長い歴史のある、ベルキン社のドッキングステーションです。
同社にはほぼ同型でThunderbolt 3接続の製品もありますが、Mac専用であるのに対し、こちらはUSB Type-C接続で、Windows PCでもMacでも動作します。
USB Type-Aポートを3つ、Type-Cポートが2つ、オーディオ出力が2つ、ギガビットイーサネットが1つ、そしてHDMIポートが1つあり、最大で8台の機器を接続できます(HDMI出力はUSB Alt Modeに対応した製品のみ利用可能)。
またUSB PDにも対応しており、ノートPC本体のほか、ドッキングステーションに接続した機器にも同時に電力を供給可能です(最大60W)。最新のMacBookシリーズはもちろん、USB Type-Cを搭載したモバイルノートとの組み合わせでもベストな1台です。

ディスプレイ出力が3タイプから選べる
USB Type-C接続のドッキングステーションです。USB 3.0(Type-A)ポートが3つ、SDカード、micro SDカード、ギガビットEthernet、オーディオ入出力に加え、Mini DisplayPort、HDMI、VGAと、3種類の映像出力ポートを搭載。
古いプロジェクターから最新の液晶TVまで、様々なディスプレイに接続する際に重宝します。
ただし、HDMIとVGAは同時に使えるのは1種類のみで、マルチディスプレイには対応していないので要注意です。USB Type-Cポートもありますが、これは給電専用で、USB PD対応PCであれば、最大60Wまで供給可能です。
プレゼンなどで不特定多数のディスプレイに接続する機会が多いユーザーであれば重宝するでしょう。
軽くてコンパクトで携帯性抜群ながら大きな拡張性
タブレットなどを持ち出して使うことが多くて、周辺機器の接続頻度が高い方にはうってつけの製品です。とにかく軽くてコンパクト、しかしUSBポートは3つ、HDMIにLANまで受け入れる多機能性があります。外装には放熱性のよいアルミニウムを採用し、連続使用時の発熱を防ぎます。
ケーブルは二重に編みこまれた高耐久性のナイロン仕上げですので、持ち歩きや使用による断線の心配はありません。HDMI出力は4K対応で、大型のモニターへの出力にも余裕で応えます。
コスパに優れながらも基本機能に納得の1台
USBポートとHDMI出力、それにカードの読み書きができれば十分、という方に納得のコスパで応えます。USB-Cによるインターフェースで、多くのデバイスとの互換性を確保しています。
高速なUSB3.0ポートは2つ装備し、キーボードやUSBメモリーなど複数のデバイスと同時接続できます。またSDカードとマイクロSDスロットを装備していますので、データのコピーや移動もこれ1台で対応します。HDMIは4K出力に対応し、大型のモニターやプロジェクターでも美しい画像を投影できます。
2つのディスプレイモードに対応するHDMI出力
HDMI出力では対応するソフトウェアがなくても、マルチディスプレイモードで使用できます。プレゼンの際にはミラーモード、デスクワークでは拡張モードと使い分けが可能です。
USBポートは合計4ポート、そのうちUSB-Cポートは最大87WのPD対応ですので、急な充電にも活躍します。SDカードとマイクロSDカードの両方に対応しますので、データのやり取りも自由自在です。さらに有線LANにも対応し、安定したネットワーク環境の構築にも一役買います。
複数の異なるOSで使い回せる高い互換性が魅力
会社と自宅、仕事とプライベート、多くのデバイスをシーンに応じて使い分ける方には、この製品の互換性の高さは魅力的でしょう。Chrome OSまでをカバーしますので、環境に応じてドッキングステーションを使い分ける必要がありません。USBのポートは3.0と2.0の両方に対応していますので、古い周辺機器でも適切なポートで接続できます。
HDMIは4Kやフルハイビジョンに対応していて、大画面のモニターやプロジェクターの出力にも十分対応できます。
「ドッキングステーション」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ドッキングステーションの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのドッキングステーションの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ドッキングステーションに関するQ&A
ドッキングステーションとUSBハブの違いは何ですか?

USBハブは、USBポートのみを増やす機器なのに対し、ドッキングステーションはUSBポートのほかにHDMIやLANポート、SDカードスロットなど多種多様のポートを増やせるのが特徴です。
パソコンと接続せずにスマホなどを充電することはできますか?

パソコンの電源が入っている状態、またはスリープ状態でないと充電できません。
トリプルディスプレイにすることは可能ですか?

可能です。USB-Type CでPCとドッキングステーションをつなぎます。あとは、ドッキングステーションとディスプレイをHDMI(またはDVI、VGA)で接続するだけです。近年のMacBookは接続ポート数も少なく、USB-Type C対応のみにしか対応していない場合がありますので、ドッキングステーションがあればこの問題を解決することができます。なお、MacBook Proは13インチでディスプレイ2台まで、15・16インチで4台までが上限と台数制限があるのでご注意ください。
ITライターからのアドバイス
特定機種専用製品は互換性に注意
Microsoft Surfaceやレノボ製品、MacBookシリーズなど、人気のある製品には特定の製品(またはシリーズ)専用のドッキングステーションが販売されていることがあります。これらは本体に取り付けたとき、製品のデザインの延長になるように設計されており、見た目の美しさや使い勝手などが汎用品よりも高くなっています。
その一方で、その製品以外で利用しようとすると、正しく接続できなかったり、デザインなどがちぐはぐになってしまう場合も多く、たとえば後継モデルに買い替えたがドッキングステーションは流用できなかった、というケースも起こり得ます。見栄えや使い勝手に投資するか、コストパフォーマンスのために妥協するか、よく考えて選びましょう。
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用途や目的に合ったドッキングステーションを選ぼう
本記事は、ドッキングステーションの選び方とおすすめの商品をご紹介しました。いかがでしたか?
ドッキングステーションは、接続する周辺機器や利便性などもよく考慮し、適したモデルを選んでください。あとで後悔しないよう、「何が目的でドッキングステーションを買うのか」をきちんと考えてから購入しましょう。
この記事で紹介した商品を参考に、自分の使いやすいアイテムをみつけてみてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
大学在学中よりパソコン総合誌、Windowsプログラミング誌、Mac専門誌の記者/編集者として活動し、その後輸入自動車やカーナビ等のマニュアル翻訳/制作などを経て、フリーランスとして現在に至る。 キャリアは25年目に突入。専門はアップル製品だが、WindowsもAndroidも周辺機器もソフトも等しく愛する何でも屋。