鍵盤ハーモニカの選び方 種類が豊富で子供向けから大人向けまである
音楽ライターの田澤 仁さんに、鍵盤ハーモニカを選ぶときのポイントを教えてもらいました。鍵盤ハーモニカは、学校の授業で使ったり、大人の趣味として使ったりと幅広い年代に親しまれています。ここでは、種類が豊富な鍵盤ハーモニカを選ぶポイントを解説していきます。
年齢と目的に応じた鍵盤数を選ぶ 幼児用、子ども用、大人用など
まずチェックしておきたいのは鍵盤数(鍵数)です。鍵数とは鍵盤の総数、つまり白鍵(はっけん)と黒鍵(こっけん)の合計数のことです。
25鍵:保育園や幼稚園の小さなお子さんにおすすめ
25鍵になると本体のサイズも小さくなります。小学校に上がる前の幼稚園や保育園に通う小さなお子さんに音楽にふれてもらうという目的なら、小さい25鍵のものが向いているでしょう。
32鍵:鍵盤ハーモニカのスタンダードで小学生におすすめ
よく使われるのは25鍵や32鍵、37鍵といったあたりですが、そのなかでも中心になるのが32鍵のものです。
32鍵なら音楽の教科書に掲載される曲の音域をじゅうぶんカバーできます。小学校などで指定されることが多いのもこのタイプ。小学生向けなら32鍵が最適です。
37鍵:本格的な曲を演奏したい大人用としておすすめ
広い音域を使って本格的な演奏をしたいなら、37鍵や45鍵といった大きいサイズのものを選ぶとよいでしょう。音階が増え音域の幅が広がることで演奏できる曲のバリエーションも増えることでしょう。
音域は小学校の定番アルトを選ぶ
鍵盤ハーモニカには、カバーする音域によって低音のバス、中音のアルト、高音のソプラノといった種類があります。
もっともよく使われるのはアルトで、誰もがイメージするような鍵盤ハーモニカらしい音色が特徴ですから、特別な理由がない限りアルトを選んでおけば間違いありません。
一般的に小学校などで使われるのもアルトなので、お子さんへのプレゼントの場合もアルトが最適です。
ただし、学校によっては音域が指定されていることもあります。学校で使うものを選ぶ場合は、事前によく確認してください。
演奏しやすさを左右する付属品の吹き口の形状で選ぶ
息を吹き込む部分である吹き口(歌口/唄口〈うたぐち〉と呼ばれることもあります)は、ストレート形状とカーブ形状の2種類があります。どちらも演奏のしやすさにかかわるパーツなので、どんなタイプが付属しているかを確認しておきましょう。
ストレート:スムーズに演奏したいなら
ストレートはダイレクトに息が通るためスムーズに吹くことができます。肺活量の弱い子供でも楽に吹くことができるでしょう。
その反面、鍵盤が見えづらいという点には注意が必要です。
カーブ:鍵盤の見やすさ重視するなら
カーブは鍵盤が見えるので自分の運指(うんし:楽器を演奏する際の指の運び)が見やすいという特徴があります。カーブの形状や角度はメーカーによって違うので確認するようにしましょう。
ホース:卓上で演奏するなら
ホースは卓上に置いて演奏する際に使います。鍵盤がはっきり見えるので弾きやすさでいうとホースが一番でしょう。
なお、これらのパーツは意外に破損しやすいのですが、メーカーによってサイズや形状が異なる場合がありますので、交換品を購入する際などには注意してください。
ケースの有無や種類で選ぶ
そもそもケースが付属しているかどうかもチェックしておく必要があります。また、ソフトケースかハードケースかも選ぶ際のポイントになります。
ソフトケース:デザイン重視で選ぶなら
ソフトケースは軽くて持ち運びに便利なのが特徴です。また、布製やビニール製であれば、キュートなデザインのものが多数ありますので、デザイン重視の方はぜひ探してみてください。
ハードケース:しっかり固定できるため安心
もっともおすすめなのはハードケースです。多少乱暴に扱っても、吹口やホースが傷つくのを防ぐことができます。鍵盤ハーモニカは壊れやすいパーツもあるので、しっかり固定でき外部からの衝撃を防いでくれるハードケースが無難といえるでしょう。
メーカーやブランドで選ぶ 保証やサポート体制も充実!
鍵盤ハーモニカは、たくさんのメーカーから発売されていますが、アフターサービスまでを考えた場合には、有名メーカーや人気ブランドの商品を選ぶのもひとつです。代表的なメーカーをご紹介しましょう。
YAMAHA(ヤマハ)
楽器・音響機器といえばヤマハというように誰もが知る有名メーカーです。同社の看板ブランドが「ピアニカ」。鍵盤ハーモニカのことをピアニカと思っている人もいるぐらい認知度は抜群。澄んだ音色で音量も豊かです。
スズキ(鈴木楽器製作所)
日本で初めて鍵盤ハーモニカを製造、販売したメーカー。同社の看板ブランドは「メロディオン」。生産からアフターサービスまでを一貫して行うことで知られます。メロディオンは、その安心感から教育現場で使われることも多いです。
HOHNER(ホーナー)
ドイツの楽器・音響機器メーカー。同社の看板ブランドは「メロディカ」。教育用からプロ用まで祖添えるラインナップがあり、プロ用での知名度が高いメーカーです。
鍵盤ハーモニカのおすすめ12選 ヤマハ、スズキ、ホーナー、ゼンオンなど
ここまで紹介してきた鍵盤ハーモニカの選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤 仁さんに選んでもらったおすすめ商品と編集が厳選した商品を紹介します。

学校でも使いやすい定番モデル
日本で初めて鍵盤ハーモニカを製造、販売したスズキの「メロディオン」。教育現場で使われる定番モデルのひとつです。
リードには劣化しにくく、強くしなやかなリン青銅素材を採用していて、明るくシャープな音をいつまでも楽しめます。付属のハードケースは、卓奏用のホースをはめ込んだりせず置くだけで収納できるよう工夫されているので、準備も片付けも簡単です。
歴史ある国内メーカーの製品だけあって、学校などでもとても使いやすいモデルです。ピンクとグリーンの2色のカラーバリエーションが用意されています。
※リンク先の商品のカラーはピンクです。

作りのよさも光る大定番のYAMAHA「ピアニカ」
鍵盤ハーモニカの代名詞的存在の「ピアニカ」。中でもアルトの『P-32E』が定番中の定番です。澄んだ音色で音量も豊か、大勢で合奏したときの音も美しいのが、学校などで多く採用されている理由でしょう。
タッチをスムーズにするため白鍵と黒鍵にそれぞれ専用のバネを使用、息もれを防ぐ二重構造のパッキンのほか、特殊防錆塗装(とくしゅぼうせいとそう)が施されて劣化しにくいリードなど、作りのよさはさすがYAMAHA製。ホースは差し込み口にあるクリップでとめておけるので、立奏時や待機中にたれ下がらないなど、子どもでも使いやすいよう工夫されています。
本体と同系色の二重構造の堅牢(けんろう)なハードケースも付属しています。
※リンク先の商品のカラーはブルーです。

カラーバリエーション豊富な低価格モデル
カラーバリエーションの豊富さならこの製品。ブラック、オレンジ、グリーン、サクラ、ピンク、パープルなど、どれもポップで鮮やかなカラー19色が用意されています。黒鍵だけをレッドやブルーにしたモデルや、黒鍵を色とりどりのレインボーカラーにしたモデルもあり、見ているだけで楽しくなります。
低価格な製品ですが、ハードケースのほか卓奏用のホースや白鍵に貼るドレミの音名シール、お手入れ用クロスなど付属品も充実していて、コストパフォーマンスも抜群です。
※リンク先の商品のカラーはラベンダーです。

シックな大人向けの「ピアニカ」
YAMAHAが初めて大人向けに開発した鍵盤ハーモニカ。プロ奏者もよく使う37鍵モデルです。カラーバリエーションはブラックとブラウンの2色で、ボディの上部が光沢仕上げ、下部がつや消し塗装という、まさに大人向けのシックなルックス。
不要な倍音を抑えるため、鍵盤ハーモニカ内にあるバルブパッキンという部品の開口部を音域ごとにサイズを変えるなど、倍音を整える工夫がしてあるため、サウンドも大人っぽく、マイルドで甘いトーンを出すことができます。
全音域でバランスがよい音ですが、とくに高音部のなめらかな響きが心地よく、気持ちよく演奏できる製品です。

ジャズやクラシックにも合う木製高級モデル
ほかの楽器と調和する音色を目指して、アーティストの意見を参考にしながら開発したという製品。見た目も音もゴージャスな木製の高級モデルで、ジャズやクラシックなど、繊細な表現を求める人におすすめです。
「鳴り」に影響するカバーの材質は、適度に倍音を吸収する特性があるマホガニー材質なので、あたたかみがあってやわらかく、それでいてよく通る音を鳴らせます。鍵盤も木製で、ローズウッドとブナを使用。さらりとした質感で弾き心地も抜群です。
本体が1kg以上ありますが、ショルダーストラップを取り付けられるので、重さを気にせず演奏することができます。

レゲエ好きにオススメの個性派ラスタカラーモデル
ハーモニカやアコーディオンで知られるドイツの楽器メーカーHOHNERは、「メロディカ」という名称で鍵盤ハーモニカを展開しています。教育用からプロ向けまで多彩なラインナップをそろえていますが、なかでも最も個性的なのがこのラスタカラー(エチオピアの国旗色)のモデルです。
白鍵は黒、黒鍵はラスタカラー、ブラックのボディにもトラのような模様が入れられたルックスは超個性的。レゲエやスカ、ロックステディなどの音楽ジャンルにぴったりです。
吹口は自由に折り曲げられ、吹きやすい位置で固定できるようになっているところも、おもに立奏でパフォーマンスするプロに多く使われる理由でしょう。同じデザインの32鍵モデルもあります。
屋外での演奏にも対応
リードが柔らかく、鍵盤ハーモニカの中では大きな音が出やすいモデルです。普通に息を吹き込むだけで大きめの音を出すことができます。息漏れを徹底的に防止しており、卓奏・立奏どちらにも対応します。子供が持って丁度いい大きさなため、家族や友人へのプレゼントにも最適です。
授業で使えるベーシックな鍵盤ハーモニカ
幼稚園や小学校で使われる音域をすべてカバーした32鍵盤ハーモニカです。
もちろん授業でも使うことができます。
鍵盤には予め音階が記載されているので、書き込んだりシールを貼ったりする必要はありません。
吹き口は2種類あり、座って演奏する場合や立って演奏する場合での使い分けも可能です。
収納もパーツごとにくぼみがあるので小さなお子様でも簡単にお片付けができます。
子供たちが習う音域がカバーされた鍵盤ハーモニカ
幼稚園から小学生まで使える32鍵盤ハーモニカで、音楽の授業で使われる音域はカバーしています。
譜面台になるキャリングケースやつば抜きボタンが付属しており、この商品ひとつで演奏から本体のクリーニングまで全て賄うことができます。
他社と比較してサイズ感もほぼ相違がなく、値段もお手頃です。
また本商品は目立つ色合いをしているため、お子様が幼稚園や小学校で使っていてもクラスメイトの持ち物と間違えたり、かぶったりする心配が少ないのも特徴のひとつです。
すべての子どもたちに、楽しい音楽の時間を
ゼンオンピアニーは、リードの純粋な音が響きわたる音が特徴です。明るく美しい音が鳴り、優しい音色で合奏でも自然と溶け込めます。
またピアニーは合奏のユニゾンがきれいで、他の楽器と良く溶け込む非常にバランスのとれた楽器です。少ない息でも簡単に音が出せるので、小さなお子様でも、簡単にきれいで澄んだ音が奏でられます。
幼稚園の指定もある園児向けのピアニカ
小さいお子さんや幼児向けの25鍵の鍵盤ハーモニカです。音楽に触れさせる目的や、誕生日プレゼントとしても人気です。なお、ヤマハのピアニカは学校指定のものも多く、幼稚園で指定されているところもあるようです。小学生用は35鍵が一般的なので、購入する際にはしっかり鍵数を確認してください。
Eastar『鍵盤ハーモニカ』
軽量だから持ち運びしやすい
アウトドアや宅録での使用など、大人の方にも人気がある鍵盤ハーモニカです。音楽の授業で使われる音域は全てカバーしたり、卓奏・立奏どちらにも対応したりします。
オックスフォードケースに付きなため、耐久性、使い勝手に優れ、手提げ・肩掛けの2-Wayでご使用いただけます。荷物の多い時の持ち運びに便利です。
「鍵盤ハーモニカ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 鍵盤ハーモニカの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での鍵盤ハーモニカの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
鍵盤ハーモニカはお手入れが大切 音楽ライターからアドバイス
日々のお手入れも忘れずに
鍵盤ハーモニカを長くきれいに使いたいなら、忘れてはならないのが日々のお手入れ。とくに吹口やホースはカビが生えやすいので、使用後は水で丸洗いし、水分をよく乾燥させておくことをおすすめします。
抗菌クロスなど、お手入れグッズを用意してケースに入れておくと便利です。鍵盤ハーモニカ用のお手入れセットも出ているので、本体と一緒に購入しておくのもいいでしょう。
なお、本体は内部の金属製リードがさびるおそれがあるので、水洗いは厳禁です。
鍵盤ハーモニカに関するQ&A
吹き口やホースにカビがはえてしまったらどうすればよいい?

中性洗剤(食器用洗剤など)を薄めた水でつけ置きしたあとに、水で洗い流してください。洗ったあとは風通しの良い場所でしっかり乾かしてください。どうしても落ちない場合はそのパーツのみ買い替えを検討するのもひとつです。
音程がおかしくなってきたと感じたら?

リードの調整や交換、買い替えをおすすめします。長く利用するとリード板に摩耗が生じるため音程のズレなどが発生してしまいます。各メーカーや楽器販売店などに問い合わせてみて、修理や買い替えを検討してみてください。
小学校入学前にチェックしておきたいアイテム 【関連記事】
メーカーやブランドで演奏のしやすさが異なる まとめ
これまで鍵盤ハーモニカの選び方とおすすめの商品を紹介してきました。
鍵盤数や音階、吹き口の違いなど、メーカーやブランドによっても演奏のしやすさや音色が変わってきます。また、学校指定がある場合もあるので、いろんな要素を考慮しながらお気に入りを選ぶとよいでしょう。
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