クリエイティブ向けデスクトップPCの選び方 CPU、ストレージ、メモリ
ITライターの海老原 昭さんに、クリエイティブ向けデスクトップPCを選ぶときのポイントを4つ教えてもらいました。
【1】CPU性能
【2】GPU性能
【3】ストレージ性能ストレージ性能
【4】メモリの容量
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】CPU性能で選ぶ
CPUのコア数が多いほど処理能力が向上する
クリエイティブ系の作業をするのであれば、CPUはとにかくパワフルなものに限ります。インテル系CPUの場合、Core iシリーズの上位モデルでもいいですが、とくにハイエンドなプロ向けの場合、超マルチコア構成が可能なXeonシリーズも選択肢に入ります。また、同じシリーズでも型番の数字が多い、上位モデルを選びましょう。
CPUの処理能力には、クロック周波数も重要ですが、最近はソフト側がマルチコア環境に最適化されているため、CPUのコア数が多いほうが、分散された作業を同時にこなすことで、素早く処理を終わらせられるため、多コア・低クロック構成のほうが、少コアで高クロックなCPUよりも速い場合があります。いずれにしても処理の根幹となる部分なので、できるだけいいものを選ぶといいでしょう。
【2】GPU性能で選ぶ
ビデオ編集などグラフィック処理にGPUは不可欠
クリエイティブ用途の多くでは、グラフィック性能も重要になります。高解像度なビデオ編集や3D CGなどを快適に扱うには、GPUも高性能なものを選びましょう。表示が速いだけでなく、GPUの処理能力をグラフィックではなく演算に使う「GPUコンピューティング」の観点からも、高グレードなGPUを搭載していることが望ましいです。
NVIDIAであればGeForce GTX16x0シリーズ以上、プロユースならQuadroシリーズを、AMDであればRadeon Vegaシリーズを選び、その中でも予算の範囲で、できるだけ上位グレードを選びましょう。
【3】ストレージ性能で選ぶ
クリエイティブ系では扱うデータが大きくなるため、ストレージも大容量である必要があります。さらに大きなデータを快適に処理するために、ストレージの速度自体も高速であるほうが望ましく、結果として大容量の高速SSDを搭載しているのがベストです。
こうした構成は当然値段に跳ね返ってくるため、予算次第では、メインのストレージだけ高速にして、データの保存は大容量だが安価なHDDに頼るなどの回避策を講じておくといいでしょう。
SSDを選ぶ場合、SATA接続よりもPCIe接続、なかでもNVMe対応のものが高速なので、こうした構成を選びましょう。
【4】メモリの容量で選ぶ
画像編集で16GB以上、ムービーなら64GB以上
大容量データを扱う場合、作業スペースとなるメモリもできるだけ大量に搭載していることが望ましいです。最近はソフトが確保するメモリの容量が格段に増えているため、写真やイラストなど2Dの作業であっても16GB以上、できれば32GBほどあったほうが望ましいですし、4Kムービーや3D CGであればも視野に入れたいところです。
メモリは後から増設することもできますが、安定した動作にはメーカーや速度などを合わせる必要があるため、できるだけ最初から大容量のものを選んでおいた方が無難です。
デスクトップPCおすすめ6選
ここまで紹介してきたクリエイティブ向けデスクトップPCの選び方のポイントをふまえて、海老原 昭さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。
マウスコンピューター「DAIV DD-I7N60」
クリエイティブワークを加速する新シャーシ
最高のパフォーマンスを実現するために生まれ変わった、高い拡張性とより効率的な排熱設計を施した新シャーシを採用。
ロングサイズのグラフィックスカードを計2枚、CPU用とグラフィックスカード用に240mm水冷を2基同時搭載できるほか、拡張したEATXマザーボードにも対応可能な広い内部空間が特徴です。
さらにインテル Core i7-13700KF プロセッサー、64GBメモリ、2TBのSSD、さらにグラフィックスはNVIDIA RTX A6000と、圧倒的なパフォーマンスでクリエイティブ作業を後押ししてくれます。
HP『ENVY Desktop TE02-0098jp』
8Kの高解像度映像を超高速でリアルタイム編集
インテル Core i9-12900K プロセッサー、128GBメモリ、1TBのSSD、NVIDIA GeForce RTX 3080 Tiなどを搭載し、レイトレーシングやVR、8Kビデオの編集などクリエイターのあらゆる作業を高速化してくれるハイパフォーマンスモデル。
ビデオ編集では、プロキシを事前キャッシュや生成することなく、8Kの高解像度映像を超高速でリアルタイム編集できます。3本の銅製ヒートパイプとヒートシンクによる空冷クーラー(サイドフロー)などにより、ファンノイズを抑えつつ安定稼働を実現しました。
パソコン工房『iiyama SENSE-F0X7-LCR79X-RBX」』
ミドルタワー型のクリエイター向けアドバンスドモデ
CG作成や動画編集などの作業に最適化された、クリエイター向けのアドバンスドモデル。
ミドルタワー型の筐体には、高速処理を実現するAMD Ryzen 9 7900X、アプリの多重起動時も安心の32GBメモリ、動画などの大容量データをたっぷりと保存できる1TBのSSD、そしてグラフィックスにはGeForce RTX 3060を採用。
CPUクーラーは360mmの水冷クーラーとなっており、高負荷な作業でも安定稼働を実現してくれます。
マウスコンピューター『DAIV Z7(#2205Z7-Z690W11)』
幅広い拡張性をもつオープンベイを採用
マットな質感がプロユースとしての品格を漂わせる重厚なボディーに、幅広い拡張性をもつオープンベイとマグネット式の脱着型フロントパネルを採用した、RAW現像や動画編集におすすめのクリエイター向けPCです。
標準構成ではインテル Core i7-12700F プロセッサー、32GBメモリ、512GB SSD+2TB HDD、NVIDIA GeForce RTX 3060となっていますが、必要に応じてカスタマイズが可能。フロント上部に配置されたUSB3.0やオーディオなどのインターフェース類にはあえてカバーを設けず、オープンレイアウトを採用しています。
HP『ENVY All-in-One 34-c1980jp』
34.0インチの超大画面オールインワン
一般的な16:9のフルHDディスプレイと比べて、約5.3倍の圧倒的な解像度を実現した5120×2160ドット表示の34.0インチワイド一体型モデル。
複数のWebブラウザやアプリを同時に立ち上げてもウィンドウの移動や最小化の手間が減り、効率的で快適な作業環境を提供してくれます。
一体型モデルながら、インテル Core i9-12900 プロセッサー、64GBメモリ、2TB SSD+2TB SSDのデュアルストレージ、NVIDIA GeForce RTX 3080 with Max-Q design グラフィックスと、パフォーマンスも抜群です。

Dell『Precision 7920 タワー デスクトップ ワークステーション』
最大のパフォーマンスを引き出すフルタワーワークス
クリエイティブの現場でも多く採用されているDELLのハイエンドワークステーションモデルです。XeonプロセッサーとNVIDIA Quadroシリーズの組み合わせを、拡張性の高いフルタワーケースに収めており、負荷の高い業務にも堪えるパワーを発揮します。
拡張性としては、2倍幅のGPUカードを最大3枚搭載可能、ストレージは最大10台までのSATA/SASドライブ、または4台までのM.2およびU.2 SSDを搭載可能で、こうした拡張に備えて巨大な容量の電源も搭載しています。あらゆる用途に使用可能なモンスターマシンとして、今選択できる最上の構成を詰め込んだ1台に仕上がっており、最上を求めるならこれで決まりでしょう。
「デスクトップPC」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする デスクトップ クリエイティブの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのデスクトップ クリエイティブの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの関連商品をご紹介 【関連記事】
最後に|エキスパートのアドバイス
ゲーミングPCもクリエイティブに使える
クリエイティブ向けのPCの構成は、どのパーツも高性能なものを要求してくるため、結果的にゲーミングPCに似てきます。
ゲーミングPCとクリエイティブPCの違いとしては、ゲーミングPCはケースやパーツのデザインが派手だったり、光ったりするといったギミックに力が入っているなど、主に外見面が中心で、ゲーミングPCはクリエイティブ用途としても優秀な選択肢になることは覚えておくといいでしょう。
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大学在学中よりパソコン総合誌、Windowsプログラミング誌、Mac専門誌の記者/編集者として活動し、その後輸入自動車やカーナビ等のマニュアル翻訳/制作などを経て、フリーランスとして現在に至る。 キャリアは25年目に突入。専門はアップル製品だが、WindowsもAndroidも周辺機器もソフトも等しく愛する何でも屋。