スイッチングハブとは
スイッチングハブとは、有線LANケーブルでネットワーク受信をする際、2つ以上の有線LANケーブルに振り分けることができる中継装置のこと。通常のLANポートの場合、大抵が4つまでLANケーブルをつけることができますが、スイッチングハブを経由することで5つ以上、有線でネットワーク接続することが可能になります。
少し詳しく説明すると、以前までは「リピーターハブ」と呼ばれる、スイッチングハブに似た機能の装置が一般的でしたが、接続するとネットワークデータを転送しっぱなしという事象が起こっていました。その欠点を改善したのがスイッチングハブになり、より使い勝手のいい装置となったのです。
スイッチングハブの選び方
それでは、スイッチングハブの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の6つ。
・ポート数
・ネット回線のスピード
・放熱性の高い素材
・静音性
・給電方式
・その他の便利機能
上記の6つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ポート数をチェック
パソコンやテレビなど、接続する機器の種類や数は人によってさまざまです。2、3台程度であればあまり気になりませんが、5、10台と多くの機器を接続する場合は、ポート数をチェックする必要があります。
商品によってポート数に違いがあるので、接続する機器の数に合ったモデルを選びましょう。その際は、ピッタリの数を搭載した商品よりは、2つ3つポート数に余裕がある商品を選ぶのがおすすめ。新しいネットワークに繋げたい機器を購入した場合も、すぐに対応できますよ。
ただ、著しく接続数が多いモデルはほぼプロ用。数が多くなればなるほど価格も上がるため、ポート数が多すぎる商品は、コスパ面を考えるとあまりおすすめできません。
必要なポート数+αくらいの商品をチョイスしましょう。
【2】ネット回線のスピードをチェック
スイッチングハブに接続した機器がインターネットに接続して送受信をおこなう場合、ネット回線のスピードがどの程度出ているかチェックすることをおすすめします。
ネット回線が高速な場合、スイッチングハブも高速通信に対応していなければ、スピードダウンしてしまうことも。商品によって出せる上限のスピードが決まっていますので、回線速度に合わせて商品選びをおこないましょう。
回線のスピードテストをおこない、100Mbps以上の速さがある場合は1000Mbps(1Gbps)対応モデルがベター。2~30Mbps程度であれば100Mbps対応モデルでもじゅうぶんです。
【3】放熱性の高い素材をチェック
常時電源がオンの状態で使用することの多いスイッチングハブでポイントになるのが廃熱です。最近ではファンを搭載しないことで静音性を高めているモデルが多くあるものの、このタイプは熱がこもりやすくなるデメリットもあります。
ケースに金属を使用している商品であれば、放熱性にすぐれているため、熱がこもる心配が少なく済みます。
複数の機器を同時に使う、物持ちのよい商品を選びたいという方であれば、本体が金属製の商品を選ぶとよいでしょう。
【4】静音性をチェック
ファレンス設計とは動作音を押さえて起動してくれる設計のこと。ファレンス設計のスイッチングハブであるなら、寝室の近くにパソコンを置いた場合でも動作音が気になる場所でも静かにネット回線を利用することができます。しかし、熱を溜めやすいというデメリットもあるため、動作時間や接続ポート数といった部分もしっかり注目しておきましょう。
【5】給電方式をチェック
スイッチングハブは、電源が内部に搭載されている「内蔵型」か、ACアダプタを付けることで給電を行う「プラグ型」に分かれます。
内蔵型はコンセントも必要なく、すっきりとした見た目になりますが、熱を溜めやすい傾向にあります。逆にプラグ型は熱を溜めにくいですが、コードが見えてしまうのとコンセントの近くでないと使用できません。
PoE機能があると、接続と給電が一緒になる
PoE(Power over Ethernet)とは、LAN端子から給電もできる機能のこと。LANケーブルを接続することで、ネットワーク回線だけでなく、給電もできるため、他にACアダプターなどが必要なくなります。
よく利用されるものとしては、玄関や駐車場などの監視カメラが主になります。もちろん、通常のスイッチングハブに比べ高額になりますが、防犯や機能性を求める方に人気の機能となっています。
【6】その他の便利機能をチェック
下記で説明するスイッチングハブの機能は、ほとんどの製品に搭載されているものですが、機種によっては搭載されていないものもあります。必要な機能・欲しい機能があれば、下記を参考に抜け漏れのないように商品を選びましょう。
●オートMDI/MDI-X
実はLANポートにはMDIとMDI-Xの2種類の規格があり、接続先に合わせて変えなければなりません。その手間をなくし、オートで接続構造を変えてくれる機能がオートMDI/MDI-X機能です。これがあることで、接続の手間をなくし、簡単にしてくれます。
●全二重送信
ネットワークの通信方式は、「単向通信」「半二重送信」「全二重送信」の3種類があります。「単向通信」はデータ送信が一方向通行のタイプ、「半二重送信」は一方通行のデータ送信を交互に順番で送受信するタイプ、そして「全二重送信」は同時にデータ送信を行えるタイプ。
「単向通信」<「半二重送信」<「全二重送信」と機能性が上がっていきますが、スイッチングハブのほとんどは、機能性が一番高い「全二重送信」に対応しています。こちらもしっかり確認しておきましょう。
●オートネゴシエーション
LANには、1000BASE-T・100BASE-TX・10BASE-Tの各速度に対応した規格があります。オートネゴシエーション機能は、これらの速度規格を自動で判別し、最適な速度でデータ送信してくれる機能です。これにより、パソコンの古い・新しいに限らず快適なデータ送信ができるので、一般家庭でも通信環境の整備に手間がなくなります。
●ブリッジ接続
「ネットワーク」→「ルーター1」→「ルーター2」→「PC」といったように、ルーターを2つ連結させて使用したときに活躍する機能です。一般家庭ではまれに、オフィスなどではよくある事象ですが、上記のように接続すると、ルーターの1と2は別々のネット回線と認識され、ネットワークがうまく作動しないことがあります。それを、1つのネットワークとして認識させ、快適にネット接続させる機能がブリッジ接続です。こちらも、ほとんどのスイッチングハブに搭載されていますが、念のためチェックしておきましょう。
エキスパートのアドバイス
規格が古いとスピードが出ない原因に
スイッチングハブが1000Mbps(1Gbps)のギガビットに対応していても、LANケーブルや接続先の機器が100Mbpsまでしか対応していない場合、スピードの上限は100Mbpsになってしまいます。
とくにLANケーブルでありものを使用している場合、規格が古くてスピードが出ないというケースが見られます。
ネットワーク全体を高速化させたい方は、スイッチングハブ以外の機器がどの規格に対応しているのかを忘れずにチェックしましょう。
おすすめメーカー・ブランド
本項では、スイッチングハブを商品展開するメーカーやブランドの特徴について解説いたします。こちらもぜひ参考にしてください。
▼エレコム(ELECOM)
エレコム(ELECOM)は、パソコンやスマートフォンの周辺機器を製造・販売している有名メーカー。スイッチングハブに関しては、家庭向けの3〜5ポートの低価格モデルやオフィスで使用する10以上のポート数のモデルまで幅広く展開しています。
また、サポート体制もしっかりしており、問合せサービスやマニュアル動画までしっかりユーザーをサポートしてくれます。
▼バッファロー(BUFFALO)
バッファロー(BUFFALO)は、外付けHDDや無線LANなどのパソコン周辺機器から、テレビの外付けHDDといった製品まで製造・販売している有名メーカー。
スイッチングハブに関しては、こちらも家庭向けの3〜5ポートのモデルから、オフィス向けの製品まで展開しています。また、製品によっては、音楽情報のハイレゾデータの移行をストレスなく行えるものや、消費電力を抑えた節電モデルまで幅広いニーズに応えた商品があります。
▼ネットギア(NETGEAR)
ネットギア(NETGEAR)は、ネットワーク機器を取り扱うメーカー。基本的には、企業向けの製品が多いですが、こちらも家庭向け・オフィス向けのスイッチングハブも展開しています。
基本はオフィス向けということもあり、機能性が高い製品が多く、セキュリティ性能の高いモデルや1000BASE-T以上の高速通信に対応したモデルまで展開しています。値段も、機能によって幅があり、安価なものから高額なものまでラインナップされています。
▼TP-Link(ティーピーリンク)
ティーピーリンク(TP-Link)は、中国に拠点を置く、無線LANルーターといったパソコンやスマートフォン関連のネットワーク機器を製造・販売しているメーカー。
スイッチングハブも同様に展開しており、安価な製品が数多くラインナップされているのが特徴。また、値段だけでなく、機能性も決して低くはなく、コストパフォーマンスの高い製品が数多く存在しています。
スイッチングハブおすすめ11選
上記で解説した選び方を踏まえ、おすすめ商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
堅牢でコンパクトなスイッチングハブ
オフィスやご家庭のネットワーク回線を簡単に集約してインターネットに接続が可能な、堅牢でコンパクトなスイッチングハブです。ギガビットネットワークを簡単に実現させられるPlug&Playの自動機能や、クロスオーバーケーブルも不要な自動MDI/MDIX機能も内蔵されています。
また、最大で82%の消費電力削減をエネルギー効率の最適化技術により実現し、省エネで環境にも優しいモデルです。
開発から生産まで自社管理しているTP-Linkがリリースしているので、高水準かつコストパフォーマンスに優れた性能を発揮してくれること間違いなしです。
放熱性にすぐれた金属製の本体を採用
高画質の映画やホームビデオも楽しめるギガビット対応モデル。8ポートと余裕がありますので、一般家庭であれば足りなくなることはほとんどないでしょう。
プリンターやパソコン、ゲーム機にテレビと、さまざまな機器をネットワークに有線接続したい方にぴったりといえます。少しポート数に余裕があるほうが、新しく機器を接続する際には便利です。7つ8つと接続予定であれば、よりポート数が多いモデルをおすすめします。
また、多くの機器を繋いで使用する際、気になるのは廃熱です。本製品には本体を冷やすファンは搭載されていないものの、素材に金属を採用することで、本体の熱を効率よく放出してくれます。
電子機器の苦手とする熱はこもりづらく、夜間でも気にならない静音性も兼ね備えたすぐれものです。
省エネに配慮した省電力設計
スイッチングハブに複数の機器を接続したとしても、常時すべての機器を使用するわけではありませんよね。こちらの商品は使用していないポートを自動で判別し、その部分には電力供給を抑える機能が搭載されています。
5ポートすべてを使用している場合とそうでない場合とで、最大77%節電してくれる優れもの。待機電力にも気を付けて節電を心がけている方におすすめです。
また、静かな部屋で使っても音が気にならない静音ファンレス設計、ホコリによるトラッキング対策など、安心・安全対策も万全です。
正面からも上からもランプが見やすい
有線で接続したい機器があまりないという方であれば、よりコンパクトなこちらがおすすめ。幅9cmほどしかありませんので、パソコンやテレビの裏側などに置いて目立たなくさせることもできます。
コンパクトサイズですが、LANケーブルを5本接続でき、ギガビットにも対応。スイッチングハブとしての性能面はしっかりと備えていますよ。(もちろん、本棚の上部やテレビ台の裏などでの設置もOK。)
電源や接続先の通信状況が確認できるLEDランプが、前からも上からも見やすいのもポイント。テーブルの上に置いているときはもちろん、金属製のデスクに設置したときなど、本体を立てた状態で設置した場合も視認性はバッチリです。
購入後はコンセントに繋げるだけですぐに使える
Plug&Play機能搭載モデルのため、LANケーブルを挿し込むだけですぐに使えます。使い始めるために面倒な設定をする必要は一切なし! ネットワークは専門ではないという方でも、心配はいりません。
100Mbpsまでのポートに対応と、通信スピードはやや控えめ。ですがYoutubeの動画を見る程度であれば、とくに遅さを感じることはないでしょう。
契約しているネット回線やケーブルなどがギガビット対応でない場合は、本製品でじゅうぶん活躍しますよ。
使いやすさにこだわったPlug & Play設計
ギガビットネットワークを簡単に実現するPlug & Play設計が特徴の本製品は、特段の設定が不要な使いやすさにこだわったモデルとなっております。トラフィックの最適化が都度行われ、消費電力節約につながります。
ハブに接続することで起こってしまいがちな回線速度の低下もほとんど起こらず、あったとしても誤差の範囲内と呼んでも差し支えない程の、安定した通信を実現させています。
薄くて軽いフォルムは広いスペースを必要とせず、さらに格安の価格設定で高速の通信が可能なスペックを誇るので、使い勝手とコストパフォーマンスが非常に高い製品です。
動作音が静かなファンレス仕様
外観は放熱性と耐久性に定評のある頑丈な金属筐体(メタルケース)を採用し、非常に薄いフォルムなので場所を取らずにお好みの位置にセッティングできます。
AUTO-MDIX機能を搭載し、ストレートケーブルやクロスケーブルを特に気にせずに使用することができるほか、10M・100M・1Gbpsの自動切り替えができるAUTO-Negotiation機能も搭載されています。
電源も内蔵されている仕様なので、コンセント周りがスッキリした状態を保てるだけでなく、他の差込口を塞いでしまう様なことが無くなります。
省電力で環境にやさしいスイッチングハブ
IPoE対応のコンパクトな仕様とデザインで、省エネかつリーズナブルなスイッチングハブです。小さいので設置するための場所を取らず、複雑な設定も不要でメンテナンスフリーな造りになっていることから、初めてハブを買うという方にもおすすめできる製品です。
金属筐体で放熱性に定評があり、非常にすっきりとしたフォルムが特徴です。抜群の安定感と信頼性、そしてコストパフォーマンスの良さを誇ります。
また、Wi-Fiから優先に切り替えてPC間のデータをやりとりやテレワークをするのにぴったりです。ネットワークのボトルネックを解消へと導くハブとなっております。
空間に溶け込むようなデザインが特徴
どこに置いてもインテリアを邪魔しないスタイリッシュなデザインを目指した本製品は、空間に溶け込むような丸みを帯びた外観が特徴です。PC周辺以外のリビングや寝室等の様々な空間になじむフォルムとなっております。
ねじ穴を使った壁掛けができる壁面取り付け穴が標準で搭載されており、ねじを別途準備することで壁に取り付けることが楽に行えます。
使用中のポートのみに電力を自動で供給する調節機能の「おまかせ節電」を使用することで、消費電力削減も可能で、長期的に使用することによって電気代節約にもつながります。
LANポートを前面に設置した1台
目立たない場所に設置すると、トラブルがあった際にどのケーブルがどの機器と接続しているかわかりづらいことも。
スイッチングハブは前面と背面に差し込み口があるタイプがあり、本機種は前側にLANケーブルの差込口があるため、どの差込口を使用しているのかがわかりやすい作りになっています。
ランプとケーブルの距離が近く、光り方を見て確認もしやすい特徴があります。配線を隠したいタイプの人には向いていませんが、抜き差しが多かったり、スペースの拡張を予定している方には最適な1台といえます。
ネットワークケーブルを頻繁に差し替えたり、ネットワークテストの頻度が多い方や、素早くチェックしたいセミプロ以上におすすめなモデルです。
とにかく接続機器が多い方はこちら
パソコンが自宅に複数あるような、デジタル機器をよく利用する家庭では、ポート数が16とたくさんある本製品がおすすめ。
すべてギガビットに対応しているので、ポート数が多いからといって通信スピードが落ちてしまうことはありません。
電源コンセントにアダプターがないため、隣の差込口を埋めることがないのもポイント。コンセントまわりはすっきりさせながら、ポート数をしっかり増やせますよ。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スイッチングハブの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのスイッチングハブの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
本記事では、スイッチングハブの選び方やおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、必要なポート数をしっかり確認した上で、ネット回線のスピードに対応しているのか、速いものかなどを確認すると、普段の生活でもストレスなく使用することができるでしょう。その上で、処理能力を上げるために、放熱性の高い素材を使用したもの、また、静音性の高さなどもチェックすると、より使い勝手のいい商品を選べるはずです。
インターネットを使用するデバイスが多いと、どうしても速度が遅くなったり、また、そもそもデバイスに設置できないといったことになりかねません。そんなとき、スイッチングハブでLAN回線を増設することができます。本記事を参考に、ぜひ自分にピッタリの商品を見つけ、快適な環境を作ってくださいね。
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