格安テントは選び方次第でハイコスパになる
通販サイトを見ると、数多くのテントが販売されていますが、価格はさまざま。安い商品は品質が悪いのでは? と思ってしまいがちです。しかし実は、必ずしも「安い=粗悪品」とはいえません。
高額なテントは、メーカーのこだわりの機能やハイスペックな素材を使っているものが多く、冬の登山や雪中でのキャンプなど、過酷な環境でも耐えられるような仕様になっています。
一方で、安いテントの場合は、機能や材質を必要最低限におさえ、価格と強度のバランスを取っているといえます。年に1~2回しか使用しない場合や厳しい環境では使用しないなど、使用する目的と状況を考慮すれば、安いテントは高コスパな道具となりえます。
とくに、まだ使用頻度がわからないキャンプ初心者の方であれば、安いテントからはじめることで、自分にはどんなテントが合っているのかを見極めることができるのでおすすめです。
本記事では、価格が安いテントについての選び方や、使用人数別のおすすめ商品を紹介。本記事を読めば、どの基準で安いテントを選べばいいか、全体的にわかるはずです。ぜひ参考にしてくださいね。
格安テントの選び方
それでは、格安テントの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】サイズ
【2】フレーム素材
【3】快適性
【4】耐水圧
【5】張り綱とペグの本数
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】サイズをチェック
テントのサイズは、ひとり用のものから複数人用のものまでさまざま。複数人用のサイズを選ぶ際は、「ひとり当たりの幅70cm以上」を基準に考えるといいでしょう。より快適に過ごしたいのであれば、「実際の人数+ひとり分」のスペースが理想です。
また、テント単独でも室内に雨が入りにくいよう、少し広めの前室・後室があると安心です。できれば、前室も寝室部分と同じ高さ〜少し背が高いくらいが出入りしやすく快適に過ごせるのでおすすめです。
タープ(屋根部分にある日差し・雨を防ぐための広い布)やスクリーンタープ(ナイロンやメッシュの壁がついたタープ)と併用すれば前室がないテントでも問題ありませんが、狭い区画サイトや混雑したフリーサイトではうまく接続して設営できないこともありますので注意しましょう。
【2】フレーム素材をチェック
同じブランド・同じ大きさであってもテントの価格が異なるのは、素材と機能の違いによります。注目はフレームの素材です。
テントの骨組みとなるフレームの素材は、テントを設営した際の耐久・耐風に影響します。おもなフレーム素材には、グラスファイバー製とアルミ製がありますが、どちらがすぐれているということはなく、それぞれのメリットとデメリットを把握して選択することが大事。
グラスファイバー製はやわらかく折れにくい反面、強風時にテントの形を維持しづらいという面があります。対して、アルミ製は風などに対する耐性は強いものの、折れたり曲がったりしてしまうことがあります。
グラスファイバーなら吊り下げ式や短いスリーブを選ぼう
安価なテントではFRP(グラスファイバー)が使われており、しなやかではあるのですが、接続部分に太い節があります。この太い節を、袋状のスリーブ(筒)に通す際、引っかかって設営・撤収時の大きなストレスとなるので、FRPポールの場合は吊り下げ式や短いスリーブのほうが扱いやすいでしょう。
【3】快適性をチェック
テントで過ごしていて困るのが、暑さ、寒さ、そして結露(けつろ)の3つ。そのため、夏メインならなるべく大きなメッシュ窓のあるテントを選択するのがおすすめ。秋冬キャンプならメッシュ窓が少なく、フライ(通気・通風のための防水処理された布地)が地面まで届く長さで、できれば裾にスカートを装備しているものが望ましいです。
それに加えて、夏でも雨が降ると窓やドアを開放しづらいし、秋冬でも呼気で結露が生じてしまうので、夏用・秋冬用に限らず、天候の影響を受けずに使えるベンチレーター(換気窓)が、テント上下に2カ所ずつあると室内の温度・湿度を調整しやすいのでおすすめです。
【4】耐水圧をチェック
機能のひとつとして、耐水圧も確認しておきましょう。突然の雨に降られてテント内がずぶ濡れになっては大変です。ある程度の雨をしのぐのには、耐水圧1,500mm以上は欲しいところ。雨の多い場所や季節に使うのであれば、2,000mmほどのものを選ぶとよいでしょう。
また、季節を問わず使うのであれば、室内の温度や湿度の調整を考えて、ベンチレーション機能にも注目してみてください。
【5】張り綱とペグの本数をチェック
インナーとフライをどれだけペグ(テントやタープを張る際、ロープを地面に固定する杭のこと)や張り綱で固定できるかも耐候性のポイント。
最低でも、フロアの各コーナーをペグで固定でき、4本以上の張り綱(テント用ロープ)があるのかを確認しておきたいところです。また、フライの裏にベルクロ(マジックテープ)があり、しっかりフライと固定できることも重要です。そして、ベルクロや張り綱、ペグをすべて使用することでテント本来の機能を発揮できると覚えておきましょう。
なお、最近は遮熱加工を施したテントが注目されています。生地は厚いほど太陽熱の影響を受けにくいのですが、遮熱加工を施したテントは薄く、軽くても熱の影響を受けにくいのが特徴です。年々、夏の気温が上昇しているので、遮熱加工や生地の厚みにも注目しておきましょう。
格安テントおすすめ3選|1名用
それでは早速、格安テントのおすすめ商品をご紹介いたします。まずは、ソロキャンプなどで使える1名用のテントです。ぜひ参考にしてください。
タフに使いこみたくなるソロ用ティピーテント!
ジェラルミン製のポール一本で設営できる、男前のソロ用ワンポールテントです。付属しているサブポールを使ってこのテントの特徴の一つであるフラップを高くはり、タープがなくても日陰を作れます。また、燃え広がりにくい素材が使われているので、近くで安心して焚火できます。
軍幕といわれる渋くて、タフなデザインですが、インナーテントはメッシュで通気性があり、またスカート付きであるため隙間風を防いでくれるという快適さを追求した特徴もあります。インナーテントなしでも設営できるので、シェルターとしての使い方もできます。
耐水性にUVカット機能も持つ万能ソロ用テント!
重量は2.4kg、収納サイズは幅52×奥行12×高さ12cmとコンパクトで軽く、ツーリングにはぴったりのテントです。フライシートが完全に覆ってしまうデザインではなく、風通しがよく熱や湿気がこもりません。
インナーテントの2箇所にメッシュ窓があるので、風向きを考えて設営することでさらに涼しさを体感できるでしょう。メッシュ部分は全てクローズできるので、プライベートも保てます。内側にはポケットがあり、小物を収納できて便利です。
軽くてコンパクトだから一緒に旅するテント!
ソロ用テントをとにかく一度試してみたいという方におすすめのテントです。テント本体にポールが2本、そしてペグが4本という基本のテントでありながら、テント上部にメッシュ素材が使われていたり、入り口もメッシュが使われたりと通気性・居住性についても考えられたものです。
テント上部にあるトップカバーを取り外すことで、テント内に横になった状態で空を見上げられます。迷彩柄ということもあり、サバゲーなどで山に持ち込んでもサマになりそうですね。
格安テントおすすめ10選|2名〜3名用
続いては、2名〜3名用の格安テントです。こちらもぜひチェックしてください。
初心者でもあっという間の、設営を実現
面倒な設営、片付けのストレスを無くしたワンタッチシステム。初心者でも簡単に素早く設営が出来ます。
また従来のものとは違い、両方向に広く大きくなったドアを設置、更に風通しが良くなりました。3人が横になっても圧迫感がなく広々とお使いいただけます。
高さのある快適な環境をあっという間に設営!
テントを袋から取り出しポールを広げて、トップについている紐を引くだけで、アウターテントとインナーテントが立ち上がり、設営完了となるワンタッチテントです。アウターテントとインナーテントの間がしっかりあいており、結露しにくい構造になっています。
また、前室があり脱いだ靴を置いておけますし、インナーテントに荷物を入れても大人1人ゆったりとくつろげる広さがあります。インナーテントを外したときもグランドシートはそのままなので、簡易的な休憩所としても使えます。
防水&UVカット機能付きのワンタッチテント!
屋根にあたる部分のポールを広げ、壁側のポールを伸ばすことで設営完了となります。折り畳み傘の骨を伸ばしたり、折ったりする感覚で簡単に設営できます。全体の重量が3.4kgと軽いので、女性でも設営に困ることはなさそうです。
フライシートが上半分のみにあるモデルなので雨が心配になりますが、耐水圧3000mmの生地を使っているので、急な雨にも対応できそうです。UVカット機能があるので、運動会や夏のデイキャンプで使ってもしっかり紫外線を防いでくれます。
ツーリングで疲れた体を快適なテントで癒そう!
ツーリング用テントに、居住性も求めたいという方にオススメのテントです。高さや広さが一人で使う分には十分なスペースがあります。2人で使用する場合にも、広い前室や後ろの荷物室に物を置けるので足を伸ばして眠れます。
またフライシートは耐水性PU2000mm、インナーの下部にも耐水性2000mmのものを使っているので、急な雨でも慌てることはありません。ペグとハンマーが付属しており、テントに関わる最低限のものは全てキャリーバックに入っているといえるでしょう。
2人でゆったり!デュオキャンプにおすすめ
シンメトリーの特徴的なデザインが目を引くクロスポールテントです。インナーテントのサイズは、幅が220cmに対して奥行きが240cmもあるので、中に入ったときに広さに驚く人が多そうです。大人が2人並んで横になっても、奥に荷物を置くスペースがたっぷりとれるのはうれしいですね。
入り口前には広い荷物室があり、靴の置き場にも困ることはありません。インナーテントの入り口はメッシュにもフルクローズにもできるので、夏場も涼しく眠れます。
業界初、特許取得済みのワンタッチテント
ケシュアの2SECONDSシリーズで最もポピュラーな、放り投げタイプとは別の特許を取得。ポップアップテント特有の、畳み方から解放され撤収時もスムーズに片付け可能です。
設営時は上部両側の赤い紐を引っ張るだけ。撤収時は青いパーツ中心部のボタンをプッシュ。あとはくるくる巻いてベルトで留めるのみ。
耐水圧はフライが2,000mm、フロアが5,000mm。ベンチレーションも完備し、独自の「FRESH&BLACK」テクノロジーが遮熱、遮光(99%)を実現。UPF50+で紫外線もカットしてくれます。
簡単に撤収でき、かつよりハイスペックさを求める人にイチオシとなっております。
コスパがよく設営が楽!
フランス生まれのブランド、ケシュアの白を基調としたポップアップテントです。一瞬で開きキャンプ場での設営に時間がかからないので、キャンプ初心者さんにおすすめです。UVカット加工が施された生地でつくられたテント内は、SPF50+の日焼け止め効果があるといわれており、暑い日差しを遮り快適な空間を作り出します。
また、防風・防水性能においても信頼がおけるテストをパスしているので、雨降りのキャンプでも安心です。さらに横・上・後ろのベンチレーションから風通りもばっちりです。
ツーリングに最適な2人用テント
紫外線95%カット。UV-PROTECTIONコーティング生地を使用。収納サイズ長さ40cm。ツーリングでのコンパクト収納が魅了です。
テントの構造に適し、弾力性に優れた丈夫なφ7mmグラスファイバー製ポールを使用。ベンチレーションを装備し、フライとインナーの間に80mmの間隔を確保することで結露しにくく、テント内で快適に過ごせます。
前室も備えた過不足ない設計でおよそ7,000円台〜。口コミでも定評あるテントです。

格安テントおすすめ10選|4名用以上
最後は、大人数でも使用できる4名用以上の格安テントです。ぜひ参考にしてください。



FIELDOOR(フィールドア)『フィールドキャンプドーム300』
シルバーコーティングがキツい日差しにも対応
メインフレームをクロスさせ、前室用のキャノピー(ひさし)ポールをプラスするだけというシンプルかつスタンダードな構造。フレームはグラスファイバー製ですが、寝室上部のみスリーブを採用しており、スリーブ内でのフレームの引っかかりを低減させています。
インナーテント前後は大きなD型ドア(開口部が大きい入口の形状)を装備しており、開いたドアを収納できるポケットつきで、くるくる巻いて留めるよりも断然かんたん。また、生地はシルバーコーティングなので遮熱効果が期待でき、ベンチレーター(換気窓)も両側に搭載されているので、暑さを軽減できるテントをお探しの方におすすめです。

CAPTAIN STAG (キャプテンスタッグ)『CSツールームドーム(M-3133)』
「格安テント」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする テントの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのテントの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
格安テントに関するQ&A よくある質問
使用しない間の保管方法は?

保管するときは、よく乾かして乾燥させ、通気性のよい場所に保管してください。可能なら収納袋から出した状態で保管するのが理想的です。
フロアシートは必要ですか?

テントの室内、とくに床がゴツゴツしているときは、フロアシートがあると快適です。また、寝袋やコット(簡易ベッド)があれば、季節問わず安眠することができるので、おすすめです。
【関連記事】その他のテント関連の記事はこちら
サイズ、フレーム素材、快適性、耐水圧、設置をチェック 編集部より
本記事では、格安テントについて、選び方と、人数別のおすすめ商品をご紹介しましたがいかがでしたか?
価格が安いテントの場合、最低限、サイズとフレーム素材、快適性、耐水圧、そして、設置のことを考えた張り綱とペグの本数の5つのポイントを抑えることで、コスパのいいテントを選ぶことができます。
価格が安いと、長持ちしないのではないかと考えがちですが、チェックポイントを抑えて商品を選べば、長持ちもしますし、快適にテントで過ごすこともできます。ぜひ本記事を参考に、アウトドアでも満足できる商品を見つけてくださいね。
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オートキャンプ雑誌、アウトドア雑誌の編集部を経て、フリーランスに。 現在はアウトドア(おもにキャンプとウインターアクティビティ、野外料理)、旅をテーマに雑誌やWEBマガジンで活動。 趣味は30年ほど前からはじめた国内外でのオフロード・ツーリング&キャンプ。最近、ハンモック泊の心地よさに感激。