ツーバーナーの選び方 燃料タイプ、燃料交換方法、メンテナンス性、鉄板対応など
アウトドアライターの大森弘恵さんに、ツーバーナーを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
燃料のタイプを確認する ホワイトガソリン、ガス燃料(CB缶・OD缶)による違い
アウトドア&旅ライター・編集者
ツーバーナーの多くは、燃料にホワイトガソリンかCB缶(カセットボンベ)、OD缶(アウトドア缶)を用います。ホワイトガソリンは加圧やメンテナンスの手間がかかりますが、気温の影響を受けにくいため、安定した火力を得ることができます。
一方、CB缶とOD缶は気温が低いとパワーが落ちやすいため、10℃以下になる場合は寒冷地用燃料を用意しなくてはいけません。しかし、着火も火力調整も手軽におこなうことができる、というメリットがあります。
調理途中での燃料交換方法で選ぶ かんたんに付け替えができるかどうか
アウトドア&旅ライター・編集者
CB缶やOD缶の取りつけ位置は、バーナーによって異なります。本体裏側にねじ込む場合は、そのつど本体をひっくり返さないといけませんので、料理の途中で燃料交換する場合は少々やっかいです。そのため、燃料がじゅうぶんに残っていることを確認してから調理をはじめるクセをつけておくようにしましょう。
ちなみに、ホワイトガソリンは手前のタンクを取り外せばいいだけですが、簡単な反面うっかり燃料が手に付くことがあるので、やはり調理前に確認しておきたいところです。
メンテナンスや掃除がしやすいものを ネジや溝が少ないほど衛生性キープ可
アウトドア&旅ライター・編集者
ツーバーナーを使用していると、どんなに気をつけていても油がはねますし、吹きこぼれも起きてしまいます。とくに土ぼこりが舞うアウトドアでは、水分や油分が残っている場所に汚れが付着してしまい、衛生的とは言えなくなる状態になりがちです。
ツーバーナーの素材には、スチールやステンレス、アルミなどがあり、いずれも水拭きは可能ですが、素材だけではなく、隅々までしっかり拭き取れる形状であるということも大事なポイントです。
ダッチオーブンや鉄板への対応は? 材質で安全かを確認
アウトドア&旅ライター・編集者
ホワイトガソリン仕様のツーバーナーは、タンクが外側にあるため熱の影響を受けませんが、CB缶やOD缶仕様のツーバーナーは注意が必要です。
一般的なキャンプ用クッカーでは問題なく使用できますが、蓄熱性の高い鉄板やダッチオーブンなどで調理をすると、燃料も熱してしまう場合がありたいへん危険です。
手持ちのダッチオーブンや鉄板を使いたい場合は「ダッチオーブン対応可」であることを必ず確認してから購入しましょう。
使いやすいツーバーナーを選ぶポイント 基本仕様をチェック!
ツーバーナーを選ぶときに、ほかに知っておくといいポイントをご紹介します。
火力で選ぶ 家庭のガスコンロの火力を目安に
屋外での調理にツーバーナーを選ぶ際、欠かすことのできないポイントはやはり「火力」。火力が弱すぎると調理に時間がかかるだけでなく、作ろうとした料理ができなくなってしまうことも。
一般家庭で使用するガスコンロの火力が約2,000〜4,000kcalになりますので、このくらいの火力が目安になります。
「料理にこだわりがあり、安定した火力がほしい」という方には、外気温の影響を受けにくいホワイトガソリンタイプのツーバーナーを選ぶとよいでしょう。
サイズで選ぶ 収納時のサイズも忘れずにチェック
ツーバーナーは当然屋外で使用することになりますので、持ち運びのこともよく考えておく必要があります。
基本的には、本体や脚をたたんだり、フードが取り外し可能といったものが一般的ですが、なかには持ち運びに便利な取っ手のついているものなども。車に載せて運ぶことが多いため、収納時のサイズも忘れずにチェックしておきましょう。
重さで選ぶ 機能性と重量のバランスを考える
ホワイトガソリンタイプよりもガス缶タイプのツーバーナーのほうが重量が軽いものが多いため、持ち運びしやすく、キャンプに慣れていない初心者の方でも手軽に着火できるというメリットがあります。
ただし、極端に軽量のもののなかには、フード(風防)のついていないものもあるので、機能性と重量の両方を考えて選ぶことが大事です。
「バーナー選び」は「ランタン選び」につながる エキスパートのアドバイス
アウトドア&旅ライター・編集者
規格が統一されているCB缶とホワイトガソリンは互換性がありますが、バーナーの機能を最大限に得るならメーカー純正が正解。とくにホワイトガソリンは、詰まりが少ないなどメンテナンス性にかかわってきます。純正=高価なイメージがありますが、長い目で見ると純正のほうがお得です。
一方、OD缶の接続部を見るとどのメーカーも同じようですが、微妙なサイズ違いや内部構造の違いがあるため、純正燃料のみを使用します。これはランタンも同様。そのため、ランタンとバーナーの燃料を統一させておくと燃料管理を楽におこなうことができます。
ツーバーナーのおすすめ11選 人気のコールマン・ソト・ユニフレームほか、便利なホイール付きタイプも
ここまで紹介したツーバーナーの選び方をふまえて、アウトドアライターの大森弘恵さんに選んでもらったおすすめ商品、編集部で選んだ商品を紹介します。

Coleman(コールマン) 『413Hパワーハウス』

出典:楽天市場
燃料のタイプ | ホワイトガソリン |
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火力 | 最高時約3650kcal/h(メインバーナー)、約2750kcal/h(サブバーナー) |
使用時サイズ | 幅67.0×奥行46.0×高さ44.8cm |
収納時サイズ | 幅56.0×奥行35.0×高さ16.0cm |
重量 | 5.8kg |
材質 | スチール |
ダッチオーブン | 対応 |

Coleman(コールマン)『パワーハウス LP ツーバーナーストーブⅡ』

出典:Amazon
燃料のタイプ | LPガス |
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火力 | 最高時約7000kcal/h(約3500kcal/h×2)(レギュラーガス最大出力時) |
使用時サイズ | 幅64×奥行32.5×高さ52cm |
収納時サイズ | 幅54×奥行32.5×高さ7cm |
重量 | 4.2kg |
材質 | スチール、ステンレス、ブラス |
ダッチオーブン | - |
薄型収納で、持ち運びに便利なツーバーナー
厚みわずか7cmという薄型収納を実現したツーバーナー。パッと見はシンプルですが、ハイパワーなのも自慢。コールマンのOD缶を用意するキャンプ場の売店は多いため、OD缶のなかでも手に入れやすさはピカイチであると言えます。
スタンドにはゴムが装着されているため、テーブル天板のキズつきを防止することができるというだけではなく、ロールテーブルの隙間に脚が落ちにくい「滑り予防」の役目をもっている、こまかなところにも配慮がなされている一台。
風防は取り外し可能で、サッと水洗いもできます。ただし残念ながら、ダッチオーブンや鉄板は非対応となっています。

UNIFRAME(ユニフレーム)『US-1900』

出典:Amazon
燃料のタイプ | カセットガス |
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火力 | 最高時約3900kcal/h×2(プレミアムガス)、約3000kcal/h×2(レギュラーガス) |
使用時サイズ | 幅54×奥行32.5×高さ29cm(ゴトク面) |
収納時サイズ | 幅54×奥行32.5×高さ11.5cm |
重量 | 約3.9kg |
材質 | ステンレス |
ダッチオーブン | 対応 |

SOTO(ソト)『GRID ST-526』

出典:Amazon
燃料のタイプ | SOTO製品専用容器(ボンベ)(CB缶タイプ) |
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火力 | 約2500kcal/h |
使用時サイズ | 幅47.3×奥行25.2×高さ14.5cm(風防取りつけ時) |
収納時サイズ | - |
重量 | 2.25kg |
材質 | ステンレス |
ダッチオーブン | - |

SOTO(ソト)『ハイパワー2バーナー ST-525』

出典:Amazon
燃料のタイプ | SOTO製品専用容器(CB缶) |
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火力 | 最高時約8400kcal/h(ST760使用時)、約6400kcal/h(ST700使用時) |
使用時サイズ | 幅61×奥行41×高さ58cm |
収納時サイズ | 幅58×奥行36×高さ9.5cm |
重量 | 5.1kg |
材質 | スチール |
ダッチオーブン | - |

snow peak(スノーピーク)『ギガパワーツーバーナー GS-220』

出典:Amazon
燃料のタイプ | snow peak指定専用容器使用(ギガパワーガス500イソ GP-500) |
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火力 | 最高時約2800kcal/h |
使用時サイズ | 幅56.3×奥行29.3×高さ38.3cm(風防装着時)、幅56.3×奥行51.4×高さ38.3cm(スタンド装着時) |
収納時サイズ | 幅50×奥行11×高さ36cm |
重量 | 7kg |
材質 | ステンレス、アルミニウム合金(アルマイト加工)、ブラス |
ダッチオーブン | - |
tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)『サイレント ツーバーナー』

出典:楽天市場
燃料のタイプ | エチルアルコール、メチルアルコール |
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火力 | - |
使用時サイズ | 幅40×奥行25×高さ8.2cm |
収納時サイズ | 幅40×奥行25×高さ8.2cm(使用時と同じ) |
重量 | 2.0kg |
材質 | ステンレス |
ダッチオーブン | - |
Iwatani(イワタニ)『テーブルトップBBQグリル CB-TBG-1』

出典:Amazon
燃料のタイプ | カセットガス |
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火力 | 最高時約2800kcal/h×2 |
使用時サイズ | 幅62.7×奥行43.9×高さ40.9cm |
収納時サイズ | - |
重量 | 7.7kg |
材質 | 銅板、ABS樹脂 |
ダッチオーブン | - |
snow peak(スノーピーク)『ギガパワーツーバーナー 液出し GS-230』

出典:Amazon
燃料のタイプ | snow peak指定専用容器使用(ギガパワーガス500イソ GP-500) |
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火力 | 最高時約3000kcal/h |
使用時サイズ | 幅56.3×奥行29.3×高さ38.3cm(風防装着時)、幅56.3×奥行51.4×高さ38.3cm(スタンド装着時) |
収納時サイズ | 幅50×奥行11×高さ36cm |
重量 | 7.3kg |
材質 | ステンレス、アルミニウム合金(アルマイト加工)、ブラス |
ダッチオーブン | - |
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)『ステイジャー M-8249』

出典:Amazon
燃料のタイプ | LPガス |
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火力 | 最高時約3000kcal/h×2 |
使用時サイズ | 幅64×奥行33×高さ49cm(フード使用時) |
収納時サイズ | 幅52.5×奥行30×高さ10cm |
重量 | 4.6kg |
材質 | ステンレス、鉄 |
ダッチオーブン | - |
Iwatani(イワタニ)『オンジャ P-COJ』

出典:Amazon
燃料のタイプ | LPガス |
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火力 | 3500kcal/h×2 |
使用時サイズ | 幅41×奥行14×高さ30cm |
収納時サイズ | 幅43×奥行14×高さ30cm |
重量 | 本体:3kg、ウッドボード:490g |
材質 | - |
ダッチオーブン | - |
Iwatani(イワタニ)『スタンドBBQグリル(CB-SBG-1)』


















出典:Amazon
燃料のタイプ | カセットガス |
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火力 | 最高時2,800kcal/h×2 |
使用時サイズ | 幅81.6×奥行51.9×高さ107.2cm(スタンド装着時) |
収納時サイズ | - |
重量 | 約11.3kg(スタンド装着時) |
材質 | 鋼板(静電塗装)、ホーロー用鋼板、ステンレス鋼板、ABS樹脂、アルミダイキャスト(フッ素塗装) |
ダッチオーブン | - |
Coleman(コールマン)『ロードトリップ グリル(LXE-JⅡ)』














出典:Amazon
燃料のタイプ | LPガス |
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火力 | 最高時約2,500kcal/h×2 |
使用時サイズ | 幅118×奥行46×高さ112.5cm |
収納時サイズ | - |
重量 | 約18kg |
材質 | - |
ダッチオーブン | - |
【番外編】ツーバーナー対応スタンドのおすすめ キッチンスペースをしっかり確保!
ツーバーナーを設置するのに便利な、スタンドやテーブルをご紹介します。
Coleman(コールマン)『ツーバーナースタンド』












出典:Amazon
燃料のタイプ | - |
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火力 | - |
使用時サイズ | 幅55×奥行55×高さ33.5~70.0cm(高さ2段階調節) |
収納時サイズ | 幅12×奥行8×高さ66cm |
重量 | 約1.5kg |
材質 | アルミニウム など |
ダッチオーブン | - |
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)『マック システムフリースタンド(M-8640)』










出典:Amazon
燃料のタイプ | - |
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火力 | - |
使用時サイズ | 幅58.0×奥行65.8×高さ65.8cm |
収納時サイズ | 幅8.5×奥行9.5×高さ65.8cm |
重量 | 約1.1kg |
材質 | アルミニウム(アルマイト加工) |
ダッチオーブン | - |
Coleman(コールマン)『オールインワンキッチンテーブル』




































出典:Amazon
燃料のタイプ | - |
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火力 | - |
使用時サイズ | 幅149×奥行55.5×高さ80cm(ランタンポールの高さ190cm) |
収納時サイズ | 幅80×奥行11×高さ28cm |
重量 | 約6.7kg |
材質 | アルミニウム、メラミン加工合板、スチール |
ダッチオーブン | - |
UNIFLAME(ユニフレーム)『キッチンスタンドII』

出典:Amazon
燃料のタイプ | - |
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火力 | - |
使用時サイズ | 幅108×奥行37×高さ77.5cm |
収納時サイズ | 幅58×奥行37×高さ9.5cm |
重量 | 約5.9kg |
材質 | 鉄、クロームメッキ 、ステンレス鋼 |
ダッチオーブン | - |
「ツーバーナー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ツーバーナーコンロの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのツーバーナーコンロの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ツーバーナーについてポイントをおさらい
1)ホワイトガソリンは気温の影響を受けにくく安定した火力を得られる
2)CB缶とOD缶は気温が低いとパワーが落ちやすいが、着火や火力調整がお手軽
3)本体裏側に燃料をねじ込むタイプの場合は、調理中に燃料切れにならないよう事前にチェック
4)ネジや溝が少ない製品のほうがお手入れがしやすい
5)手持ちのダッチオーブンや鉄板を使う場合は、購入前に対応可能な製品かチェック
アウトドアでも本格的な料理を楽しもう!
アウトドアライターの大森弘恵さんへの取材をもとに、ツーバーナーの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。自身の用途にあったツーバーナーは、ガソリンタイプなのかガス缶タイプなのか、どのくらいの火力やサイズなのか、選び方にはいろいろなポイントがありますね。
料理が好きな方であれば、自然のなかでも存分に料理の腕を振るって、友人や家族を楽しませたいもの。お気に入りのツーバーナーを見つけて、ぜひアウトドアでの料理に活用してみてください!
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/19 一部コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 横尾忠徳)
オートキャンプ雑誌、アウトドア雑誌の編集部を経て、フリーランスに。 現在はアウトドア(おもにキャンプとウインターアクティビティ、野外料理)、旅をテーマに雑誌やWEBマガジンで活動。 趣味は30年ほど前からはじめた国内外でのオフロード・ツーリング&キャンプ。最近、ハンモック泊の心地よさに感激。