「虫除けスプレー」のおすすめ商品の比較一覧表
虫除けスプレーの選び方 「ディート」は要注意? 不使用がいい?
害虫防除専門家の白井良和さんに、虫除けスプレーを選ぶときのポイントを教えてもらいました。虫除け剤の効果確認試験を行なっている白井さんだからこそ、挙げることができるポイントをご紹介します。ポイントは下記の5つ。
【1】有効成分
【2】持続時間
【3】噴射形状やタイプ
【4】香り
【5】服の素材
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】有効成分で選ぶ ディート・イカリジン・ハーブ系
虫除けスプレーの成分には、「ディート」「イカリジン」「ハーブ系」に分けられます。成分表示はラベル裏側の下の方にあることが多いので、確認してみましょう。
それぞれの特徴を紹介します。
高い虫除け効果を期待できる「ディート」
ディートは、虫除け剤のなかでもっとも定番の有効成分。1回の使用で効果が長続きするのがメリットです。蚊やマダニだけでなく、アブやブヨ、ヤマビルなどさまざまな害虫に高い効果を発揮します。
ただし、生後6カ月未満の赤ちゃんには使用しないでください。6カ月以上の乳児は、ディート10%以下の商品であれば使用が可能です。12歳未満の子どもには、使用回数が制限されているので、確認するようにしましょう。
長時間効果が持続するので、アウトドアで使いたい方や何度も塗りなおすのが面倒な方におすすめです。
幅広い年齢で使える「イカリジン」
イカリジンは、1986年にドイツで開発された有効成分です。日本では2015年に承認されました。
効果はディートと同等レベルでありながら、肌への負担が少ないため使用年齢の制限がないのがメリット。小さな子どもから年配の方まで安心して使うことができます。また、虫除けスプレーの独特なニオイもありません。
ただし、蚊・マダニ・アブ・ブヨの4種類の害虫にのみ効果を発揮します。ちょっとしたお出かけや公園へのお散歩など、日常生活での使用におすすめです。
天然由来成分のハーブ系なら「レモンユーカリ」配合を
ハーブなどオーガニックの天然由来成分など、虫が嫌がるにおいを配合したスプレーもあります。虫が嫌がるハッカやユーカリ、レモングラスなどが配合されています。
特にレモンユーカリが配合されているものは、「シトロネラール」という虫が苦手な成分が最も多く含有されているので、チェックしてみてください。
イカリジンよりも、さらに肌への負担が少ないのがメリット。一方で虫除けの有効成分が配合された「虫除け」ではないので、アウトドアなどがっつり野外で作業するときには不向きです。
赤ちゃんや肌が弱い方におすすめですよ。
【2】濃度や効果の持続時間で選ぶ
有効成分の濃度が高いほど効果が高く、持続時間も長いです。状況に応じて、適した商品を選ぶことが大切です。
普段使いなら「ディート10%程度」「イカリジン5%程度」
普段使いの場合ならディート含有量が10%前後もしくは、イカリジン含有量が5%のもので充分。
有効成分の濃度が高いほど、持続時間も長いですが、その分副作用が出る確率も上がってしまうためデイリーユーズなら濃度が低いものを定期的に使っていくようにしましょう。
アウトドア用なら「ディート30%」「イカリジン15%」
長時間外にいる場合はディートは30%・イカリジンは15%配合された虫除けスプレーを選びましょう。濃度の高さに比例して持続時間も伸びるので、濃度が高めのものを選ぶことで長時間の外出時にも役立ちます。
ここで気を付けなくていけないのは、濃度が高くなると副作用が起こる確率も高くなるということ。体の様子を見ながら使用するようにしてくださいね。
子どもに使用するときのおすすめは?
保育園や幼稚園、小学校に通っているお子さんの場合、何度も塗り直すのは難しいでしょう。その場合は、ディート10%程度、またはイカリジン15%の商品を選んでください。ディート30%の商品は、12歳以上の方が使用できます。
効果時間が切れても塗り直せるなら、ディート6~7%、イカリジン5%など低濃度の商品が適切です。1~2時間おきに塗り直すことで、虫除け効果を持続させることができます。
【3】噴射形状・タイプで選ぶ
虫除けスプレーには、「エアゾールタイプ」「ミストスプレータイプ」「ウェットティッシュタイプ」の3つに分けられます。
広範囲に一気に塗れる「エアゾールタイプ」
広範囲にかんたんにスプレーできるのがメリットです。反面、スプレーを吸いこんでしまう可能性があるため、顔や首、耳などへの使用にはあまり向いていません。腕や足などにスプレーするのがいいでしょう。
子どもに使用する際におすすめな「ミストスプレータイプ」
液体の霧なので、拡散させずに噴射できます。手のひらにつけてから顔や首、耳に塗りましょう。
エアゾールタイプ、ミストスプレータイプともに、屋内で使用すると香りが拡散しますので、屋外で使用するのがおすすめです。
持ち運びに便利な「ウェットティッシュタイプ」
全く拡散させずに使用できるので、ニオイが気になる方向き。持ち運びにも便利です。
ウェットティッシュタイプは屋外・屋内を問わず使用できます。
【4】香りのタイプで選ぶ
使用したとき、周囲に香りが拡散されるのが気になる方や、自分に長時間香りがつくのが気になる方には、無香料がおすすめです。
一方、気分をリフレッシュさせたい場合、好みの香りのする商品がある場合、香水代わりに使用する場合、汗の臭いを隠したい場合などは、香料ありの商品を選ぶのがいいでしょう。
香料ありの虫除けスプレーとしては、ミント、バラ、海、柑橘(かんきつ)、ピーチアプリコットなどの香りがする商品が発売されています。
【5】服にスプレーするときは素材に注意!
虫除けスプレーのなかには、服に使用できるものがあります。1カ所に集中するとシミになるので、衣服にスプレーする際は全体にまんべんなくスプレーしましょう。
素材によっては、スプレーの成分で変色を起こすものもあるので注意が必要。しかし、レーヨンや絹などの水に弱い繊維、水洗い不可の表示のある服などは、使う前にいったん目立たない部分にスプレーしてみましょう。シミや変色などの変化があった場合は、使用しないほうが無難です。
また、色の濃い服はメントールの影響で白くなることがあるので、使用は控えたほうがいいでしょう。
虫除けスプレーおすすめ9選【ディート】 アウトドア・キャンプや屋外作業、塗りなおしできないときに!
ここからは、害虫防除専門家の白井良和さんと編集部で選んだおすすめ商品をピックアップ。「ディート」「イカリジン」「ハーブ系」の成分別にご紹介します。
使用タイプ、効果の持続時間など、各商品の特徴をおさえて商品を選んでみてくださいね。







虫除けスプレーおすすめ2選【イカリジン】 赤ちゃん、子どもから大人まで使える!


通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 虫除けスプレーの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでの虫除けスプレーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
市販の虫除けスプレーを効果的に使う方法は?
どの商品を選ぶべきかについては、使用する方が行く場所の蚊の多さ、滞在時間によって異なります。木陰など多数のヤブ蚊がいる環境で、塗り直す余裕がないときはディート30%、12%、イカリジン15%の商品を使うのがいいでしょう。
逆に、ヤブ蚊が少数しかいない明るい場所、開けた場所、樹木が少ない場所に行くなら、ディートやイカリジン濃度が低く、価格が安い少量の商品を使うのでもじゅうぶん効果的です。
行く場所によって使い分けられるよう、高濃度の商品、低濃度の商品の両方を買っておくのもいいでしょう。
虫除けスプレーの疑問解決Q&A
日焼け止めと併用はできる? 効果的に使う順番は?

虫除けスプレーと日焼け止めは併用ができます。両方を効果的に使うには日焼け止めを先に塗り、乾いたあとに虫除けスプレーを使うようにしましょう(肌に塗布する虫除けスプレーの場合)。
また、肌が敏感な方で肌に何種類も塗るのが不安な方は、服の上から使える虫除けスプレーを併用するのも選択肢の一つです。検討してみましょう。
エアゾールの虫除けスプレーの処分方法は?

容器の中に噴射剤(LPGや窒素など)が入っているエアゾールタイプの虫除けスプレーは、使い残したら中の内容物とガスを抜いてから処分する必要があります。
ガス抜きはご近所に迷惑がかからない広場などの屋外で、風上から風下に向けて中身をすべて噴射します。噴射音が消えるまで行うのがポイントです。必ず火気のない場所で行いましょう。容器はお住いの自治体のゴミ廃棄のルールを確認しましょう。
広い場所がない場合は、新聞紙やぼろ布を入れたゴミ袋の中に噴射する方法もあります。ガスが充満した状態や古新聞などが濡れたまま状態では、爆発や燃焼の危険性があります。噴射しきったらごみ袋はすぐに閉じずに袋の中のガスが抜けてから廃棄してください。
商品パッケージに書かれた廃棄の方法も必ず確認してくださいね。
蚊に特化した商品、ほかの虫対策商品も紹介しています! 【関連記事】
使用するシチュエーションをよく考えて購入しよう 長時間使う? 屋外?
便利な虫除けスプレーですが、無制限に使えるわけではありません。含まれる有効成分によっては、使用できる年齢や回数が制限されます。
どういったシーンで誰に使用するのかを、あらかじめ考えておくことが大切です。選び方のポイントを参考にして、用途にあった、あなたにとっての最強の虫除けスプレーを選んでください。
また虫除けスプレーを手作りしたいと考える方もいます。確実に虫対策をするならば、市販の虫除けスプレーを持っておくと安心ですよ。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
京都大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修了。 京都大学農学部昆虫学研究室で農業害虫コナガを研究、殺虫剤メーカーでゴキブリベイト剤の開発に携わった後、富山医科薬科大学大学院医学系研究科に在籍し、蚊の誘引に関する研究で医学博士号を取得。 害虫防除技術研究所を2001年に設立。害虫駆除会社にて、ゴキブリ、ネズミ、ハチ、蚊などの害虫・害獣駆除に従事し、有限会社モストップを2003年に設立。 蚊をはじめとする害虫忌避剤、蚊捕獲器の評価試験や、出版、各メディアへの情報提供を行っている。著書に「蚊の対策がわかる 蚊の教科書」「蚊のチェックポイント71」、共著に「蚊のはなし」などがある。