バスドラムフットペダルの選び方 チェーンドライブ、踏み心地、カムのタイプ、フットボードの長さ、ビーターほか
音楽ライターの田澤仁さんに、バスドラムフットペダルを選ぶときのポイントを5つ教えてもらいました。
迷ったらチェーンドライブを選ぼう! 軽快なシングル、パワーのダブル
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
ペダルを踏んだときにその動きをカムに伝える部分がドライブです。
現在の主流はチェーンドライブです。わずかに遊びがあるけれどダイレクトな感覚の踏み心地や、自然に足に追従するフットボードの動きなど、トータルでもっとも標準的な動きをするので、迷ったらチェーンドライブを選ぶとよいでしょう。
2本のチェーンで引っ張るダブルは、チェーンが1本のシングルに比べて安定感がありパワーが出せるので、パワーヒッターにおすすめです。ただしシングルより踏み心地が重くなることを頭に入れておいてください。
ベルトやダイレクトなど、自分好みの踏み心地を! ナイロンなどのしなやかな素材か、金属プレートか
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
ナイロンなどのしなやかな素材を使っているのがベルトドライブです。パワーはチェーンには劣りますが、ほんのわずかに伸び縮みするので、踏み心地は若干ソフトで軽快にプレイできます。金属部分がふれあうノイズが出にくいのもベルトドライブのメリットです。
金属のプレートでドライブするダイレクトドライブは、遊びがまったくなく、足の動きをダイレクトにビーターの動きに変えられるのがメリット。細かいニュアンスも表現しやすいです。ペダルの戻りも速いので、スピード重視の人にもおすすめです。
ただし踏み心地は独特で、慣れないとうまくコントロールできないこともあります。ダイレクトドライブのペダルについては、必ず試奏してから選んでください。
カムのタイプから選ぶ 真円カムか偏芯カムか
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
ドライブが引っ張る力を回転する力に変えるパーツであるカムには、2タイプがあります。
カムの外側が真円の軌道で回転するのが真円カムです。フットボードとビーターの動きが一致するので、クセがなく誰にでも扱いやすいカムです。
一方、カムの回転軸が中心からずれていたり、カムが真円ではなかったりして、回転の軌道がいびつなのが偏芯カムです。
多くの場合は、途中からビーターのスピードが速くなるようになっていて、パワーを出しやすいのがメリットです。動きにはクセがあるため、とくに初心者はビーターの戻りをコントロールするのが難しいかもしれません。パワーにこだわるドラマーなら、試してみる価値はあるでしょう。
アンダープレートやフットボードにも注目! プレートの有無、フットボードの長さをチェック
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
床に接するところにアンダープレートがついたモデルは、ペダルが安定し、足の力を逃がさずドラムに伝えることができます。ただし折りたためないことが多く、重量も重くなるため、持ち運びを重視するならプレートのないモデルがよいでしょう。
フットボード上の滑り止めも大事な要素です。足をスライドさせてダブルやトリプルを踏む人は、適度に滑りやすいものが適しています。一発一発のパワーにこだわるなら、がっちりと滑り止めが刻まれていて滑りにくいものを選びましょう。
フットボードが長いものは、パワーを出しやすいとされていますが、扱いにくいと感じる人もいます。フットボードの長いペダルを選ぶ場合は、できれば事前に試奏するなどして標準的なモデルと比較し、どちらが自分の足に合うかを確認するとよいでしょう。
ビーターは材質、形状で音質が変わる! 材質はフェルト、木製、樹脂製、形状は円柱形、平型
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
ドラムヘッドを叩く部分であるビーターは、材質や形状によって音質が変わってきます。
材質としてもっとも一般的なのはフェルトで、オールラウンドに使えます。木製や樹脂製のビーターはアタックがかたくパワフルな音を出せますが、ヘッドが傷みやすいので、練習スタジオなどでの使用は避けたほうがよいでしょう。
形状については円柱形がもっともオーソドックスで、接触面積の大きい平型はよりパワーを出すことができます。
ただしビーターは後から簡単に交換できるパーツなので、ペダルを選ぶときにはあまり気にする必要はありません。
バスドラムフットペダルのおすすめ8選 人気のDW、パール、ヤマハほか
ここまで紹介した、選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤仁さんに、おすすめのバスドラムフットペダルを紹介してもらいましょう。

DW『DW-5000TD4 Delta4 』












出典:Amazon
ドライブ | ダブルチェーン |
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カム | 真円 |
アンダープレート | あり |

ヤマハ『FP720』




出典:Amazon
ドライブ | ベルト |
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カム | - |
アンダープレート | なし |

TAMA『IRON COBRA HP600D』










出典:Amazon
ドライブ | ダブルチェーン |
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カム | Duo Glide(真円・偏芯切り替え) |
アンダープレート | あり |

パール『ELIMINATOR REDLINE P-2050C』










出典:Amazon
ドライブ | ダブルチェーン |
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カム | 可変 |
アンダープレート | あり |
調整機構満載で、自分好みに仕上げられるペダル
とにかく色々な部分を調整できるペダルです。
カムは真円と偏芯が2つずつ、パワーやスピード、踏み込みによる加速度などが異なる4タイプが付属していて、好みのものを選んで取り付けることができます。
フットボードでは、滑り止めのドットを取り外したり位置を変えたりできるほか、プレートを上下逆にして滑り具合を調整することもできます。さらに、フットボードのかかと部分の位置も変えることで、角度も変えられるという徹底ぶり。パワー重視からスピード重視、コントロール重視まで、どんな希望にも応えてくれます。
とくに今までのペダルでどれもしっくりこなかった人は、試してみるとよいでしょう。ただし、調整できるところがあまりに多いため、かえって迷ってしまわないよう、目的をはっきりさせてから調整しましょう。

ラディック『アトラス・クラシック LAC14FP』








出典:Amazon
ドライブ | ダブルチェーン(付属のベルトに交換可能) |
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カム | 偏芯 |
アンダープレート | なし |
名機スピードキング直系のラディックのペダル
ラディックのペダルといえば、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナム、クイーンのロジャー・テイラーなど、70年代の名ドラマーがこぞって使っていました。なかでも「スピードキング」が有名ですが、その血筋を受け継いだ現代のモデルが『LAC14FP』です。
全体的なデザインは、無骨なダイレクトドライブだった先代によく似た雰囲気ですが、安定感あるダブルチェーンドライブに変更され、さらに付属のベルトに交換すれば長さも調整できるなど、現代版としてとても扱いやすくなっています。クラシックロックをやるなら、このペダルで決まりです。

パール『POWERSHIFTER REDLINE STYLE P-920』








出典:Amazon
ドライブ | シングルチェーン |
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カム | 真円 |
アンダープレート | あり |

パール『Demon Drive Double Pedal P-3002D』












出典:Amazon
ドライブ | ダイレクト |
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カム | - |
アンダープレート | あり |
シングル2台に組み換えも可能なツインペダル
スピーディなプレイができるダイレクトドライブを採用したツインペダルですが、2台のシングルペダルに組み替えられるのがとてもユニーク。
バスドラムが1つの場合はツインペダルとして使い、2バスのセットではそれぞれにシングルペダルとして使えるので、ライブハウスやスタジオなど、さまざまなドラムセットでプレイするドラマーにおすすめです。
フットボードの長さやすべり具合を変えられるなど、Eliminator DEMONシリーズならではの多彩な調整機構も備えています。専用のセミハードケースも付属するので、パーツ点数が多いツインペダルでも楽に持ち運びができます。

DW『DW-9002』












出典:Amazon
ドライブ | ダブルチェーン |
---|---|
カム | 可変 |
アンダープレート | あり |
「バスドラムフットペダル」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フットペダルの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのフットペダルの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
椅子の高さや靴との関係も重要! ドラムペダルの踏み方や練習において
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
ペダルの踏み心地は、椅子の高さでも違います。
一般的には、椅子が低いとパワーを出しやすく、高くするとコントロールしやすくスピーディに踏めると言われています。ただこれには個人差もあるので、色々な高さを試して、ちょうどよい椅子の高さを見つけましょう。
また、どんな靴を履いているかで、滑りやすさも変わります。ペダルを試奏しに行くときは、普段演奏に使う靴を履いていくことをおすすめします。
そのほかのドラム関連アイテムの記事はこちら 【関連記事】ドラムスティック、シンバル、スティックケースほか
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2021/01/25 一部コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 横尾忠徳)
90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。