バスドラムフットペダルの選び方 チェーンドライブ、踏み心地、カムのタイプ、フットボードの長さ、ビーターほか
音楽ライターの田澤仁さんに、バスドラムフットペダルを選び方を教えてもらいました。ポイントは以下です。
【1】迷ったらチェーンドライブ
【2】種類による踏み心地
【3】カムのタイプ
【4】アンダープレートやフットボード
【5】ビーターの材質と形状
それぞれ詳しくみていきましょう。
【1】迷ったらチェーンドライブを選ぼう! 軽快なシングル、パワーのダブル
ペダルを踏んだときにその動きをカムに伝える部分がドライブです。
現在の主流はチェーンドライブです。わずかに遊びがあるけれどダイレクトな感覚の踏み心地や、自然に足に追従するフットボードの動きなど、トータルでもっとも標準的な動きをするので、迷ったらチェーンドライブを選ぶとよいでしょう。
2本のチェーンで引っ張るダブルは、チェーンが1本のシングルに比べて安定感がありパワーが出せるので、パワーヒッターにおすすめです。ただしシングルより踏み心地が重くなることを頭に入れておいてください。
【2】ベルトやダイレクトなど、自分好みの踏み心地を! ナイロンなどのしなやかな素材か、金属プレートか
ナイロンなどのしなやかな素材を使っているのがベルトドライブです。パワーはチェーンには劣りますが、ほんのわずかに伸び縮みするので、踏み心地は若干ソフトで軽快にプレイできます。金属部分がふれあうノイズが出にくいのもベルトドライブのメリットです。
金属のプレートでドライブするダイレクトドライブは、遊びがまったくなく、足の動きをダイレクトにビーターの動きに変えられるのがメリット。細かいニュアンスも表現しやすいです。ペダルの戻りも速いので、スピード重視の人にもおすすめです。
ただし踏み心地は独特で、慣れないとうまくコントロールできないこともあります。ダイレクトドライブのペダルについては、必ず試奏してから選んでください。
【3】カムのタイプから選ぶ 真円カムか偏芯カムか
ドライブが引っ張る力を回転する力に変えるパーツであるカムには、2タイプがあります。
カムの外側が真円の軌道で回転するのが真円カムです。フットボードとビーターの動きが一致するので、クセがなく誰にでも扱いやすいカムです。
一方、カムの回転軸が中心からずれていたり、カムが真円ではなかったりして、回転の軌道がいびつなのが偏芯カムです。
多くの場合は、途中からビーターのスピードが速くなるようになっていて、パワーを出しやすいのがメリットです。動きにはクセがあるため、とくに初心者はビーターの戻りをコントロールするのが難しいかもしれません。パワーにこだわるドラマーなら、試してみる価値はあるでしょう。
【4】アンダープレートやフットボードにも注目! プレートの有無、フットボードの長さをチェック
床に接するところにアンダープレートがついたモデルは、ペダルが安定し、足の力を逃がさずドラムに伝えることができます。ただし折りたためないことが多く、重量も重くなるため、持ち運びを重視するならプレートのないモデルがよいでしょう。
フットボード上の滑り止めも大事な要素です。足をスライドさせてダブルやトリプルを踏む人は、適度に滑りやすいものが適しています。一発一発のパワーにこだわるなら、がっちりと滑り止めが刻まれていて滑りにくいものを選びましょう。
フットボードが長いものは、パワーを出しやすいとされていますが、扱いにくいと感じる人もいます。フットボードの長いペダルを選ぶ場合は、できれば事前に試奏するなどして標準的なモデルと比較し、どちらが自分の足に合うかを確認するとよいでしょう。
【5】ビーターは材質、形状で音質が変わる! 材質はフェルト、木製、樹脂製、形状は円柱形、平型
ドラムヘッドを叩く部分であるビーターは、材質や形状によって音質が変わってきます。
材質としてもっとも一般的なのはフェルトで、オールラウンドに使えます。木製や樹脂製のビーターはアタックがかたくパワフルな音を出せますが、ヘッドが傷みやすいので、練習スタジオなどでの使用は避けたほうがよいでしょう。
形状については円柱形がもっともオーソドックスで、接触面積の大きい平型はよりパワーを出すことができます。
ただしビーターは後から簡単に交換できるパーツなので、ペダルを選ぶときにはあまり気にする必要はありません。
バスドラムフットペダルのおすすめ7選 人気のDW、パール、ヤマハほか
ここまで紹介した、選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤仁さんに、おすすめのバスドラムフットペダルを紹介してもらいましょう。

確実性抜群の世界的スタンダード
80年代以降世界を席巻し、誰もがあこがれたペダルがDWの5000シリーズ。
真円カムとチェーンドライブのシンプルな構造で、踏んだ力やスピードがそのままバスドラムに伝わります。踏み心地はやや重く感じるかもしれませんが、見た目にも印象的な赤いアンダープレートつきなので安定感がありますし、ダブルチェーンで左右のブレもほとんどありません。一発一発の確実性はピカいち、誰にでもおすすめできるペダルです。
スピード重視派には、同タイプで偏芯カムを採用した『DW-5000AD4』もおすすめです。

伝説的名機を、当時のままに復刻
ヤマハの『FP-720』といえば、80~90年代に爆発的な人気を獲得した国産の名機。その復刻版は、当時のスペックをほぼ丸ごと再現していて、再び人気が高まっています。
ベルトドライブならではの優しい感触、軽く踏んだだけでスムースに動くビーターなど、踏み心地も当時のまま。アンダープレートもなく安定感やパワーは現代のモデルにはかないませんが、扱いやすいです。比較的低価格なので初心者にもおすすめです。

カムのタイプを切り替えられるペダル
見た目はシンプルなダブルチェーンのペダルですが、カムのタイプを切り替えられるというとてもユニークな製品。
“Duo Glide(デュオ・グライド)”と呼ばれる独自の機構により、チューニングキーだけでカムを真円にしたり偏芯にしたりと、簡単に切り替えることができます。曲調によって使い分けるのも面白いでしょう。
踏み心地は適度に軽く、パワーも出しやすいし、ビーターもスムーズに動くので、初心者を含めて誰でも扱いやすいペダルです。

調整機構満載で、自分好みに仕上げられるペダル
とにかく色々な部分を調整できるペダルです。
カムは真円と偏芯が2つずつ、パワーやスピード、踏み込みによる加速度などが異なる4タイプが付属していて、好みのものを選んで取り付けることができます。
フットボードでは、滑り止めのドットを取り外したり位置を変えたりできるほか、プレートを上下逆にして滑り具合を調整することもできます。さらに、フットボードのかかと部分の位置も変えることで、角度も変えられるという徹底ぶり。パワー重視からスピード重視、コントロール重視まで、どんな希望にも応えてくれます。
とくに今までのペダルでどれもしっくりこなかった人は、試してみるとよいでしょう。ただし、調整できるところがあまりに多いため、かえって迷ってしまわないよう、目的をはっきりさせてから調整しましょう。

初心者が調整なしで使えるペダル
軽量なシングルチェーンドライブのペダルです。
真円カムなので動きにクセがないし、複雑な調整機構のないシンプルな作りで、誰にでも扱いやすいモデルです。
ビーターの角度を無段階に調整できる機構がありますが、ビーターの角度は通常の45度より垂直に近い状態に設定し、調整なしでそのまま使えるよう配慮されているので、とくに初心者の最初の1台としておすすめできるモデルです。
コストパフォーマンスに優れているので、ライブが多いドラマーの予備にも良いですよ。

シングル2台に組み換えも可能なツインペダル
スピーディなプレイができるダイレクトドライブを採用したツインペダルですが、2台のシングルペダルに組み替えられるのがとてもユニーク。
バスドラムが1つの場合はツインペダルとして使い、2バスのセットではそれぞれにシングルペダルとして使えるので、ライブハウスやスタジオなど、さまざまなドラムセットでプレイするドラマーにおすすめです。
フットボードの長さやすべり具合を変えられるなど、Eliminator DEMONシリーズならではの多彩な調整機構も備えています。専用のセミハードケースも付属するので、パーツ点数が多いツインペダルでも楽に持ち運びができます。

とにかく軽く、スムースに動くツインペダル
踏み心地の軽さで人気なのがDWの9000シリーズ。ツインペダルの『DW-9002』でもその圧倒的な軽さを味わうことができます。
軽い足の力でフットボードがスッと沈み込み、軽やかにビーターが動きます。軽くなめらかに動くだけでなく、バスドラムにしっかりと力が伝わり、重くパンチのある音で鳴らせるのも特徴です。慣れない左足はどうしても動作が重く、パワーも出ないと悩んでいる人も多いと思いますが、そんな人に一度試してみてもらいたいペダルです。
「バスドラムフットペダル」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フットペダルの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのフットペダルの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
椅子の高さや靴との関係も重要! ドラムペダルの踏み方や練習において
ペダルの踏み心地は、椅子の高さでも違います。
一般的には、椅子が低いとパワーを出しやすく、高くするとコントロールしやすくスピーディに踏めると言われています。ただこれには個人差もあるので、色々な高さを試して、ちょうどよい椅子の高さを見つけましょう。
また、どんな靴を履いているかで、滑りやすさも変わります。ペダルを試奏しに行くときは、普段演奏に使う靴を履いていくことをおすすめします。
そのほかのドラム関連アイテムの記事はこちら 【関連記事】ドラムスティック、シンバル、スティックケースほか
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90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。