ドラムスティックの選び方 元プロドラマーに聞く
音楽ライターで元プロドラマーの田澤仁さんに、ドラムスティックの選び方のポイントを教えてもらいました。自分の手の延長のように自由に演奏するには、正しい持ち方で演奏することは言うまでもありませんが、スティックの木材の種類、グリップの感触、長さなど、さまざまな要素が演奏に影響します。
自分に合ったサイズのスティックを選ぶ 体格やスタイルに合った長さ、重さのスティックを
ドラムスティックで大事なことは、きちんとコントロールできることです。そのためには、体力や体格に合ったサイズのスティックを選びましょう。
基本的には、パワーヒッターなら長くて太いもの、より繊細なコントロールを重視するなら細いもの、といった選び方になりますが、最初からあまり極端なサイズのものを使うのは避けてください。自分に合っていないスティックを使うと、指にマメができやすくなりますし、肘(ひじ)を傷める原因にもなります。
長さが400mm前後、太さが14mmから15mmのものが標準的なサイズですので、まずはこのサイズのものから試して、徐々にサイズを変えていくことで、自分に合ったサイズを見つけることをおすすめします。
とくに体格が小さくなりがちな女性や子どもの方は意識して選ぶようにしてみてください。
材質の種類で選ぶ 「重さ」「かたさ」「音」も変わってくる
スティックに使われる材質は、おもにヒッコリー、オーク、メイプルの3種類です。
ヒッコリー:プロもアマも愛用!迷ったらこれ
ヒッコリーは適度にかたく軽量で、ある程度のしなりもあるので使いやすい材質です。材質選びに迷ってしまう初心者やそれほど気にしないという方は、ヒッコリーを選ぶとよいでしょう。
オーク:パワフルなサウンドが魅力
オークはヒッコリーと比べるとやや重い材質なので、スティックの重さを利用してパワーを出すのに向いています。また硬さもあるため、迫力のあるサウンドを出したい方におすすめです。
メイプル:繊細なコントロールが求められる
メイプルはとてもかたい素材で、シンバルは「カツーン」とかたい音がします。もっとも軽いので、指を使った繊細なコントロールがやりやすいですが、パワーがないと跳ね返されてしまい、ドラムをしっかり鳴らせないこともあるので注意してください。
チップの形状で選ぶ アタックの音が変わる
ドラムスティックの先端のチップの形は、おおまかに分けて3種類あります。
ボール型:均一なサウンドが出せる
まん丸のボール型は、ドラムやシンバルにどの角度で当たっても当たる面積が同じなので、粒をそろえた均一なサウンドを出すことができます。
俵(たわら)型:オールラウンドに使える
ボール型を少し縦に引き伸ばしたような俵(たわら)型は、通常はドラムヘッドに平たい面が当たるので、よりパワーを出しやすくなりますが、角度によって当たる面積が変わるため、スティックコントロールによって多彩な音色を出すことができます。オールラウンドに使えるのがこのタイプです。
ティアドロップ型:繊細なプレイで上級者向け
先のほっそりとした楕円(だえん)形のティアドロップ型は、さらにいろいろな音が出せますが、きちんとコントロールしないと音がばらついてしまうので、やや上級者向きといえます。
より鋭いアタックを求めるなら「ナイロンチップ」 ドラムヘッドのダメージに注意
トップに向かってあまり細くならない形状。かたく明るい音を出すことができるナイロンチップはボール型で、ムラのない音色で演奏できます。
チップにだけ硬質のナイロンをかぶせた、ナイロンチップのスティックもあります。
ウッドチップの場合、チップだけが欠けてしまうと使えなくなってしまいますが、ナイロンチップはその心配がありません。また、ナイロンチップはとてもかたいので、アタックが鋭く、強くなります。ただし、チップがかたいぶん、ドラムヘッドも傷みやすくなるので注意が必要です。
好きなアーティストの使用モデルで選ぶ かっこいいやかわいいで選んでも良し!
ドラムスティックにも、アーティストの使用モデルが数多くありますので、好きなアーティストの使用モデルを選ぶのもひとつの方法です。
パワフルなプレイが持ち味のドラマーは、たいていパワーが出やすいスティックを使っていますし、繊細なテクニックを駆使するドラマーは、コントロールしやすいスティックを使っています。同じスティックを使えば、似た傾向の音を出しやすくなるのは確かですし、気分も上がること間違いなしです。
ただし、そのアーティストの音に近づくには、奏法の研究をし、練習を積み重ねなければならないことをお忘れなく。
ドラムスティックおすすめ人気ランキングベスト11 元プロドラマーが厳選!
ここまでで紹介した選び方のポイントをふまえ、元プロドラマーの田澤 仁さんにおすすめのドラムスティックランキング・ベスト11を教えてもらいました。楽器選びのプロが選ぶのはどのドラムスティックでしょうか?

11位:VIC FIRTH(ビックファース)『Signature Series VIC-JOR』




出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 13.3×419mm |
チップ形状 | 俵型 |

10位:VIC FIRTH(ビックファース)『VIC-MJC2』

出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 14×406mm |
チップ形状 | ティアドロップ型(弾丸型) |
腕に自信のあるドラマー向けの“弾丸”チップ
ジャズドラマー向けに開発された、VIC FIRTHの「MODERN JAZZ COLLECTION」シリーズの製品。サイズはほぼ標準的ですが、チップはティアドロップを長く伸ばして先端を鋭くしたような、いわゆる“弾丸型”と呼ばれる形状になっているのが特徴です。
チップの当たる場所によって、ドラムやシンバルと接する面積が変わるので、スティックの角度によってさまざまな音を出すことができます。そのぶん音の粒がバラつきがちになりますが、テクニックがあるドラマーがきちんとコントロールすれば大丈夫。このスティックで表現の幅を広げてください。

9位:PROMARK(プロマーク)『5B TX5BW-FG 』






出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 15×406mm |
チップ形状 | ティアドロップ型 |
耐久性の高いヒッコリースティック
少しハードにプレイすると、スティックがすぐ折れたり傷んだりしてしまう、と悩んでいるドラマーにおすすめなのが、プロマークのFIREGRAINシリーズ。強度のある最上級の木材を使い、3000度の炎によって焼き入れ加工を施すことで、表面の強度をさらに引き上げています。
かたさも増しているので、粒立ちがよく輪郭のはっきりした“抜ける”音でプレイすることができます。ペアとなるスティックの重量差が5g以内になるよう、厳密に管理されているので、左右の重さの違いに悩むこともありません。焼き入れによるダークな色合いの、精悍な見た目も魅力です。

8位:PROMARK(プロマーク)『Classic 5B ActiveGrip Clear』

出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 15×406mm |
チップ形状 | 楕円型 |

7位:Pearl(パール)『110MC』






出典:Amazon
材質 | メイプル |
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サイズ | 14.5×398mm |
チップ形状 | 俵型 |

6位:REGAL TIP(リーガル・ティップ)『208R-JP』




出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 14.1×406mm |
チップ形状 | 俵型 |

5位:Pearl(パール)『106NH』

出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 15×405mm |
チップ形状 | ボール型 |

4位:PROMARK(プロマーク)『TX707N』

出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 14×412mm |
チップ形状 | ボール型(ナイロン) |

3位:TAMA(タマ)『H214-B』

出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 14×406mm |
チップ形状 | 俵型 |

2位:Pearl(パール)『Pearl Drum Stick 110HC』

出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 14.5×398mm |
チップ形状 | 俵型 |

1位:VIC FIRTH(ビックファース)『AMERICAN CLASSIC VIC-5A』










出典:Amazon
材質 | ヒッコリー |
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サイズ | 14.4×407mm |
チップ形状 | ティアドロップ型 |
「ドラムスティック」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ドラムスティックの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのドラムスティックの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
木目や重さも確認して選ぼう! 元プロドラマーのアドバイス
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
折れにくく、左右のバランスが取れたスティックを
ドラムスティックを店頭で購入するときは、スティックの木目や重さにも注意して選びましょう。節目があったり木目が曲がったりせず、トップからボトムまでまっすぐに木目が通っているものが折れにくく、長く使えるスティックです。
また、2本一組で販売されていることも多いですが、まれに、重さが違うものが組み合わされていることがあるので、できれば1本ずつ振って重さも確認しましょう。
ネット通販の場合は手に取って確認することができませんので、多めに購入して、その中から木目のよいものを選び、重さが同じものを自分で組み合わせてペアにしておくとよいですよ。
また、滑り止めとしてグリップテープを利用するのも扱いやすさを向上させるためのひとつです。
ドラム用シンバルのおすすめもチェック 初心者向け電子ドラムも!
まとめ
ここまでドラムスティックの選び方とおすすめ商品を紹介しました。
おさらいですが、サイズ、材質、チップの形状で扱いやすさや音色が変わってきますので、これらの違いを理解したうえで自分にあったぴったりのドラムスティックを見つけてみてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/03/23 コンテンツ修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 大熊武士)
90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。