デキャンタとは?
デキャンタは、ワインなどのお酒を移し替え美味しくするためのガラス容器です。デキャンタに移し替えることで、なぜワインが美味しくなるのか? いくつかの効果があります。
・ワインの澱(おり)を取り除くため
・空気に触れさせることで、香りを開かせるため
・タンニンをまろやかにするため
・ワインの温度を調節するため
デキャンタにワインを移し替えることでこのような効果が働き、より一層ワインを美味しく楽しめます。最近では、酸化防止剤や亜鉛酸を除去するフィルター兼エアレーションが付いているデキャンタもあります。
それでは、どのようなデキャンタを選べばいいのか早速見ていきましょう。
デキャンタの選び方
料理家・スヌ子さんにデキャンタを使うメリットと選ぶときのポイントを教えてもらいました。デキャンタの使用シーンを思い浮かべながら、目的に合う製品探しのポイントを押さえていきましょう。ポイントは以下の6つです。
【1】形状
【2】注ぎ口の広さ
【3】素材
【4】デザイン
【5】容量
【6】洗いやすさ
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】形状から選ぶ
デキャンタを選ぶときは、まずその形に注目してみましょう。
雑味を取り除いてくれる「縦型」
縦長のデキャンタは、ワインの澱を取り除くのに適しています。縦長のデキャンタの底に澱を沈殿させてからグラスに注ぐと、雑味のないクリアな味わいになるでしょう。
ワインボトルからデキャンタに移し替えるときも、あらかじめボトルの底に澱を沈ませておいてから、ゆっくり静かに移し替えるのがポイントです。デキャンタに移し替えたら、澱が沈むまでしばらく置いておきましょう。
まろやかな味にしてくれる「ウルトラ型」
ワインを空気に触れさせることで香りを開かせ、より一層味わい深くしたいのであればウルトラ型(涙滴型)のデキャンタを利用しましょう。ウルトラ型のデキャンタにワインを注ぐと、底の膨らんだ部分に広がる際にしっかり空気に触れるため、効率的にエアレーションが行なえます。
口が広くなっているものは空気をたっぷり取り込めるので、しっかり空気に触れさせたいときはぜひ口の広さにも注目してみてください。
ゆっくり空気に触れさせる「ダック型」
ゆっくりと空気に触れさせるなら、ダック型(横長型)のデキャンタを使用しましょう。ワインを飲んでみて、もう少しだけ熟成を進めたい・空気に触れさせて香りを開かせたいときに適しています。
ウルトラ型や縦長型ほど勢いよく空気に触れることがないので、少しずつ味を確かめながらエアレーションしたいときに使ってみてください。
白ワインやシャンパンには「スリムな細長型」
スリムな細長型のデキャンタは、少しだけエアレーションしたいときに便利です。小ぶりのものであれば、ワインクーラーにもセットできます。ワインに空気を含ませるときだけでなく、飲みごろの温度に調整したいときにも使えるので、ひとつあると重宝するでしょう。
飲みきれる分だけかんたんにエアレーションできるのが魅力です。
【2】注ぎ口の広さから選ぶ
ワインの熟成期間によって若いワイン、熟したワインなどがあります。デキャンタを使ってよりおいしくする場合はワインの熟成度合いに合わせて、デキャンタの口の広さを選ぶようにしましょう。
若いワインは「広い口」のデキャンタを
若いワインは熟成がまだ進んでいる途中なので、広い口のデキャンタにうつして、たくさん空気に触れさせてあげることでワインの味わいが開いてきます。
熟したワインは「細い口」のデキャンタを
熟したワインはこれ以上開かせないためにも、細い口のデキャンタにうつしましょう。ワインをより美味しく飲むためには適切なデキャンタを選ぶことが大切です。
【3】素材から選ぶ
デカンタを選ぶときは、素材ごとの機能などにも気を配ってみましょう。
インテリアにも映える「ガラス素材」
ガラス素材のデキャンタは、インテリアとして飾っておくのにもふさわしい美しさを備えています。エレガントな光沢は、ワインの色味も引き立ててくれるでしょう。
価格が低いアイテムでは、耐久性があるソーダガラスが使われていることが多いです。一方、贈りものなどにも使われることが多いブランドのデキャンタには、クリスタルガラスなど透明度が高く美しいガラスでつくられているものもあります。
電子レンジも使える「耐熱ガラス」
汎用性の高さを求めるのであれば、耐熱ガラスのデキャンタがよいでしょう。耐熱ガラスは熱湯を注いでも割れにくく、電子レンジで加熱もできます。その特性から、お湯やコーヒーといった熱い飲みものも入れられるので、さまざまな使い方ができるのが魅力です。
ワインだけでなく、さまざまな飲みものも入れたいのであれば、耐熱ガラス製のデキャンタを選んでください。
丈夫で割れにくい「ステンレス」
ステンレス製のデキャンタは、耐久性が高く割れにくいのが特徴です。デキャンタの内側に特殊な加工がほどこされているものもあり、ワインを注ぐことでその風味がより引き立ちます。
ステンレス製のデキャンタは、素早くワインを冷やせるのも魅力。ワインを注いでワインクーラーにセットしておけば、あっという間に飲みごろの温度まで冷やせます。
【4】デザインにも注目!
フルサイズのボトルでは飲みきれないので、半分だけデキャンタに入れて食卓に出したいというときもありますよね。
そんな場合のデキャンタは、機能というよりデザインを重視したいもの。食卓の雰囲気を邪魔しない、お客様を呼んだときでも人目を引いて、ワインを飲む雰囲気を盛り上げるようなものを選んでみるのもいいでしょう。
【5】容量も確認する
デキャンタを選ぶときは、その容量にも注目しましょう。自分が飲むワインの量に合ったものを購入してください。ワインはフルボトルが1本750ml、ハーフボトルが375mlです。効率的に空気に触れさせるためには、デキャンタの口いっぱいまで注ぐのではなく、少なめに注ぐとよいでしょう。
自分が飲むワインの量に+αの余裕を持たせた容量のものを選んでください。
【6】洗いやすさも重要なポイント!
デカンタはグラスなどと同様に、いつもきれいに清潔な状態で使いたいものです。前に飲んだワインの成分などが残っていたら、今飲むワインを純粋に楽しめませんから。そういう意味でも、掃除のしやすさは重要です。
デカンタ専用のブラシも販売されていますが、哺乳瓶用のブラシなどでも代用可能です。マメに掃除ができる人なら、そのようなものを利用するのも手。
でも、洗浄に自信がないという場合や、形が凝っていて洗いにくそうなデカンタは選ばないほうがいいでしょう。
デキャンタ【ワイン用】おすすめ12選
ワイン用のデキャンタを紹介します。
注ぐだけでかんたんにデカンタージュできる!
注いだワインに一気に空気を含ませる「シャワーエアレーション」で、かんたんに飲みたい分だけエアレーションできる商品です。大きなデカンタやデカンタージュのスキルが要らないのがポイント。スタンドから取り外せば、タンブラーなど背の低いグラスにも使えます。
ワインだけでなく日本酒やウイスキー、焼酎、お茶、ジュースなどエアレーションできるのが魅力です。使い終わったあとは分解して丸洗いできるので清潔にたもてます。

おしゃれなデザインと充分な機能に満足
ガラス製のしずく型の蓋(フタ)には、6本の溝がついていて、この蓋の横からワインを注ぐとその溝をつたってなかに入るときにデカンタージュされるという仕組みになっています。底は斜めになっていて、コロンコロンと揺れるのがかわいいですね。さすがプジョーの製品だけあってデザインが凝っています。
デカンタージュするワインを頻繁(ひんぱん)に飲むならおすすめです。

ボトルをとりつけて逆さまにするだけで香りが開く
「たった2分で2年の歳月を重ねたワインに」がキャッチフレーズの、デカンタージュに適したデカンタ。ボトルにデカンタの口を取り付けて、逆さにしてワインを入れ、また逆さにするとボトルにワインが少しずつ戻っていき、空気に触れて香りが開くという仕組み。
グラスには、ワインが戻ったボトルから注ぎます。テーブルに置いても安定感があって、邪魔にもなりません。しっかりしたつくりであることにも好感が持てます。ひとつ持っておきたいならコレ。
軽く、持ち運びやすいデカンタ
軽い素材でできたウルトラ型のデカンタです。底の部分が広くなっているので、効率的にワインに空気を含ませられます。容量がたっぷりあるので、ワインを多めに飲みたい人にぴったり。
シンプルなデザインとコンパクトな大きさは食卓に置きっぱなしにしていても邪魔になりません。
デカンタとしてだけでなく、花器やルームフレグランスの容器として使うのもよいでしょう。

デカンタージュ機能に特化したスタイリッシュな製品
なんだか理科室にありそうな形状の製品。ワインのボトルに取り付けて、このなかにワインを移し、デカンタージュして、ここからグラスに注ぎます。純粋なデカンタというより、ポアラー兼デカンタと言ったほうがいいかもしれません。
酔っ払って割ってしまいそうなのが心配ではありますが、パーティなどではこれを話題に盛り上がりそう。

グラスの名門リーデルのクリスタル製ながらお手頃
ワイングラスの名門リーデルは、白ならシャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、赤ならカベルネ、シラーなど、ぶどうの種類によって適したグラス設計をしています。この製品は、グラス同様ぶどう別に作られているデカンタです。
クリスタルですがマシンメイドなのでお手ごろ価格。中でもシラーは形がかわいいのでおすすめ。日本酒を入れてもよさそう。いくつか集めて並べるのも楽しいですよ。

亜硫酸塩除去フィルターでワインがまろやかに!?
ほとんどのワインには、酸化防止剤として亜硝酸塩という化学薬品が入っています。それが一部にはワインを飲んだ後の頭痛の原因ともいわれているので、酸化防止剤無添加のワインを好む人もいるようです。そんな亜硝酸塩や沈殿物を除くフィルターがついているデカンタがこの製品。
蓋(フタ)がフィルター兼エアレーションの機能をもっているので、蓋を通ったワインはデカンタージュされて、おいしい味に仕上がります。ただ、このフィルターが亜硝酸塩を除去できるのはワインフルボトル1本分。なので、頻繁に使う場合はフィルターをいくつか用意しておきましょう。
テーブルシーンを彩るアイテムとしてもおススメ
斜めのデザインの見た目が美しいデカンタです。見た目から良い雰囲気が出せるので、よりワインを美味しく飲むことが出来ます。テーブルシーンを彩れるアイテムとしておいて置くだけでも味がでます。
1000cc入れる事が可能なのでワイン1本分が余裕をもって入ります。
ワインに適度な酸素が溶け込み、おだやかな味わいに
内側表面に0.1ミクロンレベルの凹凸が施されており、ワインはもちろん、シェリーや日本酒などの味わいを素早くまろやかに変化させる優れものです。珍しいステンレス製のデキャンタは割れる心配がありません。
片手でも簡単も持てるサイズなので、少量を飲む際に手軽にデキャンタージュができるので一人でゆっくり飲む時におすすめです。
グラスと一緒に使いたいリーデルのデキャンタ
デザインはワインの魅力を引き出すことを目的に設計されたシンプルで使用しやすい設計です。また、シンプルながらデザイン性が高いので、置いておくだけでおしゃれに飾れるのも魅力的です。
デカンタの中でもリーズナブルな価格なので、初心者の方にもおすすめの商品です。リーデルのワイングラスと合わせることで、より雰囲気を味わうことが出来ます。

質の高い素材が採用されたプロ仕様のアイテム
透明度の高いクリスタルガラスに、格子模様のカットが施されたデカンタ です。繊細で美しいカットは、ガラス職人によってひとつひとつ丁寧に作り出されています。
蓋付きの細口タイプで、年代物のワインをデキャンタージュするのにおすすめです。質の高い素材が採用されたプロにも人気のアイテムですが、家庭用としても高級感を演出してくれます。
インパクトのある先鋭的なデザイン
ドイツのクリスタルガラスブランド、ツヴィーゼルのハンドメイドコレクションです。インパクトのあるデザインの球体は高いデカンタージュ機能を持ち合わせています。
職人の手によって生み出されたハンドメイド製品で、素材にはメーカー独自に開発した強度の高い無鉛クリスタルガラスが採用されています。食洗機のご利用はお控えください。
デキャンタ【コーヒー用】おすすめ2選
ここからは、コーヒー用のデキャンタを紹介します。
コーヒー用のデカンタにおすすめ
耐熱ガラスで電子レンジでも使用可能!コーヒー用としてや、果実酒などおしゃれな使い方もできます。また、出汁パックと水を入れてレンジでチンすれば簡単に出汁ができますよ。
コーヒーをおしゃれに楽しめる
おしゃれなカフェにあるようなフォルムがおしゃれ。デカンタではないですが、ワインやハーブティーなど、さまざまな飲みものを入れて楽しめるでしょう。
デキャンタ【ウイスキー用】おすすめ2選
ウイスキー用のデキャンタを紹介します。
栓ができる小さなボトル
栓ができるタイプの小さなクリスタルボトルです。各面には美しい模様が刻まれています。ウイスキーはもちろん、カラフルなリキュールを入れてもきれいです。
おしゃれなデザインなので、テーブルにあえて出しておいたり、インテリアとして飾ったりしてもよいでしょう。
じゅうぶんな容量があるおしゃれなデカンタを探している人は、ぜひチェックしてみてください。
おしゃれでユニークなデザイン
デカンタにワインを注ぐことで、空気を大量に引き込み細かい泡を発生し、エアレーションを促してくれます。地球儀の見た目がおしゃれなのでお部屋のインテリアにもおすすめです。
「デキャンタ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする デキャンタの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのデキャンタの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
デキャンタの洗い方
デカンタージュ機能を持つ場合のデキャンタは、特殊な形をしていることも多いアイテム。そのため洗浄にはコツがいるのですが、私があるワイン通に聞いたところでは、使ったあとは漂白剤を薄めに溶かした水に入れておくといいそうです。それを翌日熱いお湯で洗浄すると乾きも早くてよいのだとか。
そのほか、デキャンタにも使えそうな瓶を洗うブラシもいろいろ出ているので、デキャンタを購入するときは一緒に探してみるのもおすすめです。
デキャンタに関するQ&A
デキャンタのQ&Aをまとめましたので、参考にしてください。
デキャンタとカラフェの違いは?

デキャンタとカラフェの違いは、その用途です。どちらもワインを提供する際に使われるものですが、カラフェはおもにフルボトルではない容量のワインを提供する際に使われます。ハーフボトルのワインや、飲み放題のハウスワインなどはカラフェで提供されることがあります。
カラフェがデカンタージュに使われることもありますが、あくまでも空気に触れさせるためだけに使われ、澱を取り除くために使われることがない点がデカンタとの違いです。
デキャンタは白ワインにも使えますか?

デキャンタによってデカンタージュされるのは、一般的に赤ワインです。白ワインがデカンタージュされることはあまりありません。というのも白ワインは、よく冷えた状態で酸味とフレッシュな果実味を楽しむものだからです。
よく冷えた白ワインをデカンタージュすると、そのフレッシュな味わいが損なわれ、味のバランスが崩れてしまったり口当たりが悪くなったりすることがあります。
そのほかの食器に関連する記事はこちら 【関連記事】
デカンタージュでお酒をもっと美味しく楽しもう!
少し飲みにくさを感じるワインの場合、デカンタージュすることで香りが開き、タンニンの角がとれて飲みやすくなることがあります。ワインをより楽しみたいのであれば、ぜひこの機会にデカンタを購入してみましょう。
デカンタを使ったデカンタージュはかんたんです。デカンタにワインを注いだら、30分程度放置して空気に触れさせるだけなので、一度チャレンジしてみましょう。
デカンタ選びに迷ったときは、記事中で紹介した選び方のポイントや商品を参考にしてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
雑誌編集者から料理家へ。東京日本橋「ギャラリーキッチンKIWI」で料理教室を主宰。 テレビ、雑誌、web、企業誌など多数のメディアで独創的レシピを公開するほか、企業への出張レッスン、講演、ケータリングも手がける。 著書は『酔いどれスヌ子の麗しごはん』(小学館)など。CSファミリー劇場のTV番組『スヌ子のぶらり酔いどれ飯』『スヌ子のへべれけレシピ』はアマゾンプライムでも視聴可。 愛称は、スヌーピーが大好きで顔も似ていると言われることから。