「液タブ」とは?
液タブは、液晶タブレットのことを略した言い方です。液タブは、その液晶画面にデジタルペンでイラストなどを描くことができるのが特徴です。
ほとんどの液タブは、PCに接続して起動させるタイプになりますが、なかには単体やスマホに接続して使用できるものもあります。使用場所に応じて、アイテムを選んでみてくださいね。
液タブのメリット
液タブのメリットは、紙とペンでアナログイラストを描くように、デジタルでも液晶タブレットとペンを用いて同様のことができることです。
描いたイラストがすぐに液晶画面に映し出されますので、デジタルイラスト初心者の方でも、なじみやすいでしょう。最近の液タブでは、よりアナログに近い描画ができるモデルも多くでています。
液タブのデメリット
デジタルでイラストを描くときは、板タブレットを利用することもできます。ただし、板タブレットの場合は接続するPCのディスプレイを見ながら、イラストを描く必要があります。
どちらがよいかは描く人の好みにもよりますが、液晶タブレットの場合は、板タブレットよりも高価な傾向にあります。
高性能で安価な液タブもありますが、それでも数万円はするもの。液タブのデメリットは、その値段の高さがあげられます。
液タブの選び方
それでは、液タブの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の9つ。
【1】画面サイズで選ぶ
【2】PCとの接続方法を確認
【3】接続するPCと同じ解像度のものを選ぶ
【4】筆圧レベルを確認
【5】ショートカット機能をチェック
【6】色域のカバー率が高いものが◎
【7】視差と遅延の少ないものを選ぶ
【8】外出先でも使うならスマホ対応のものを
【9】メーカーで選ぶ
上記の9つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】画面サイズで選ぶ
液晶タブレットの画面の大きさは、その価格に影響するため、大きければ大きいほど値段も高価になります。16型程度までであれば5万円以内の液タブも多いですが、それ以上の大きさを求めるなら、値段はもっと上がるでしょう。
またイラストを描くときに、肘あるいは手首を起点にすることがありますね。このときに液晶画面が小すぎるものだと、その使い分けがしづらくなり、結局縮小・拡大を繰り返すことに。その点をスムーズに使い分けできる基準は、B4より少し大きめな16型以上になります。
液タブの画面サイズは値段だけではなく、描きやすさにも影響する大切なポイント。予算と相談しながら、実際にイラストを描くときのことも確認しながら、決めたいですね。
【2】PCとの接続方法を確認
液晶タブレットは、PCと接続しておこなうものがほとんど。購入前に接続方法もしっかり確認しておきましょう。
たとえば、ほとんどのPCに搭載されているUSBポートを利用するのであれば問題ありませんが、なかにはHDMIやDVI、DisplayPortを採用したモデルも。もし、持っているPCにそれらがない場合は、変換アダプタなどを別途購入する必要が出てきます。
【3】接続するPCと同じ解像度のものを選ぶ
PCと液晶タブレットの解像度があまりに異なっていると、イラストや文字などが引き伸ばされたり、逆に小さくなったりします。そのため、なるべくPCモニターと液タブの解像度は合わせるのがおすすめです。
ただサイズが大きい液タブは、PCの解像度にあわせて低いものを選んでしまうと、やや映像が粗く感じてしまうことも。20型以上の大きいタイプであれば、解像度が高いものを選ぶのもひとつの選択肢です。
【4】筆圧レベルを確認
液晶タブレットの描きやすさをチェックするときは、まず商品の「筆圧レベル」を確認します。筆圧レベルの数値が高い液タブほど、繊細なタッチでも感知してくれるため、アナログに近い感覚でイラストを描けます。
ただし筆圧レベルが高い商品は、値段も高くなります。もちろん、せっかくの液タブですので低すぎるものはおすすめできません。ですので最低でも2048レベル以上を目安に、予算があえば4096レベルや8192レベルの液タブも候補にいれてみてくださいね。
(★)傾き検出レベルもチェック!
よりアナログに近い描き方をしたい場合は、液晶タブレットの傾き検出レベル・機能をチェックしましょう。
紙にイラストを描くときは、ペンの傾きによってタッチを変えることがありますね。デジタルイラストの場合でも、傾き検知機能がついたものであれば、その加減を表現できます。
筆やコピックなどで描くイラストに慣れた、デジタルイラスト初心者の方にもおすすめです。
【5】ショートカット機能をチェック
快適にイラストを描きたいときは、ショートカットキーの登録ができる液晶タブレットを選んでください。たとえば拡大・縮小やペン先の変更など、よくおこなう動作をショートカットキーに登録しておけば、スムーズに作業をこなすことができます。
ショートカットキーの数は商品によって異なりますので、購入前にはチェックしておきましょう。
【6】色域のカバー率が高いものが◎
色域は、「Adobe RGB」や「sRGB」などのカバー率のことです。色域のカバー率が高いものは多くの色を表現できるため、美しい彩りを作り出します。
もちろん色域カバー率が高い液晶タブレットがおすすめですが、70〜80%程度のものでもじゅうぶんな彩りを出すことができます。なかには色域カバー率95%以上のものもありますので、色にこだわる人はぜひチェックしてみてくださいね。
【7】視差と遅延の少ないものを選ぶ
作業をスムーズにおこないたい場合は、描画のズレである「視差」や遅れて描画が表示される「遅延」がないものを選んでください。ペンで描いたはずなのに、それが多少でも遅れて表示されたり、ズレた場所に描画されたりすると、それだけでストレスになります。
液タブの応答速度25ms以下のものを選ぶことで、視差や遅延を減らしましょう。
【8】外出先でも使うならスマホ対応のものを
液晶タブレットは基本的にPCに接続して使用するものですが、なかにはスマホに対応したものもあります。家だけではなく外でも液タブを使いたい人は、スマホでも使えるものが手軽でおすすめです。
ただその場合はiPhoneではなく、Androidの映像出力できるもののみが使用可能。また、接続するための変換アダプターが必要になるケースが多いので、そちらも忘れずに用意しましょう。
【9】メーカーで選ぶ
液晶タブレットを取り扱うメーカーには、ワコムやHUION、XP-Pen、GAOMONなどがあります。上記ではワコム以外、すべて海外メーカーで安価な液タブも多いです。
日本製であるワコムの液タブは、イラスト系の学校でも採用されているケースがあるほどです。
また海外製のものは、品質にばらつきがあったり当たりハズレがあったりすることも。もちろん海外製にもコスパのよいものがありますので、口コミなどもチェックしてメーカーを選びましょう。
エキスパートのアドバイス
IT&家電ライター
iPadとペンを液晶タブレットの代わりに使おう!
iPhoneやスマートフォン、タブレットではスタイラスペンを使えるものがあり、Apple Pencilをはじめ、多くのメーカーから発売されています。たとえば、iPad ProとApple Pencilの組み合わせなら、ペンを押す強さや傾きで線の太さや濃淡のコントロールが可能。「CLIP STUDIO PAINT」などの対応アプリで本格的な作品を仕上げることができます。
タブレットは薄くて軽量。屋外に持ち出してどこでも絵を描くことができ、それ以外のアプリも豊富なのがメリット。ただし、iPad Proの最大サイズは12.9インチなので、大きい画面で作業したい人には向きません。
おすすめ商品の比較一覧表
液晶タブレットのおすすめ10選
ここからは、液晶タブレットのおすすめ商品をご紹介します。初心者向けの使いやすく安価なものから、熟練者向けまで厳選。ぜひ参考にしてください。

ディスプレイが大きい傾き検知ペンを備えた最高級機
プロ向けの液晶ペンタブレットであるワコムCintiq Proの中でも、31.5型(アスペクト比16:9)というワコム最大級の画面を実現。最大表示色は世界トップクラスの10億7,374万色に及びます。外部モニターを接続すれば4K(3840×2160)表示に対応。本格的な3D制作にも最適な1台です。
同梱のWacom Pro Pen 2は筆圧・精度・傾きを高い精度で感知。滑らかなディスプレイ表面加工と相まって、紙とペンそのままのリアルな描き味を再現してくれます。
指先で拡大・縮小、回転がおこなえるマルチタッチ機能も搭載。対応OSはWindows7以降、OS X 10.11以降のMac。

15.6型画面で描ける初心者向けエントリーモデル
15.6型液晶画面を装備したエントリーモデル。解像度はフルHD(1,920×1,080)で、映り込みを軽減するAGフィルムが貼られています。
Wacom Pro Pen 2はエルゴノミクスを追求した持ちやすいデザインで、ショートカットを割り当てられるサイドスイッチを2つ装備。充電不要、筆圧感知レベル8192と優れた性能をもち、実際のペンを使っているような自然なタッチで描画できます。
19度と描きやすい角度に設定できるスタンドを内蔵。専用の三分岐ケーブル(HDMI、USB-A、電源)が同梱され、複雑になりがちな接続も簡単におこなえます。対応OSはWindows7以降、OS X 10.12以降。

傾き検知の対応ペンを装備した高性能モデル
中国のHuionアニメーション・テクノロジーによる高性能ペンディスプレイ。アルミ合金ケース採用の本体は388(W)x219(H)mm。厚さ11mm、重量910gというコンパクトさで持ち運びがらくらく!
液晶画面は13.3インチ、解像度はフルHD(1,920×1,080)で、映り込みが少ないアンチグレアガラスを採用。デジタルペンPW507はバッテリーレスで、筆圧8192レベル。待望の傾き検知機能を搭載し、±60度の傾斜を正確に感知できます。6段階(45度~14.5度)に調整可能な折りたたみスタンド内蔵。対応OSはWindows 7/8/8.1/10及びMac OS最新バージョン。

通販サイトの最新人気ランキングを参考にする イラスト作成用・液晶タブレットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのイラスト作成用・液晶タブレットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの関連アイテムもチェック!
アナログ描きに近いモデルも!
液晶タブレットは、デジタルイラストを描くときにおすすめのアイテムです。最近のモデルでは、アナログ描きにより近いタイプの液タブも出ています!
上記にご紹介してきた液タブの選び方から、自分の好みにあうスペックを確認しながら、使いやすいものを選んでくださいね。またおすすめの液タブは、コスパのよいものからクオリティの高いものまで選定していますので、そちらもぜひ参考に。
液タブを使って、楽しくイラストを描きましょう!
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
編集プロダクション「マイカ」所属のIT&家電専門ライター。 スマホやパソコン、ストレージ、ネットワークなどIT全般のみならず、家電についての執筆実績が多い。書籍、雑誌、新聞、業界誌やWebコンテンツなど、様々な媒体に記事を提供している。 また、広告やカタログ、導入事例といったB2Bの営業支援ツール制作にも携わる。IT系、家電を中心にコンセントにささるいいモノをおすすめしていきます。 略歴 1973年生まれ。 高等学校の教職員勤務経験を経て、マイカに勤務。雑誌や専門誌のライターとして活躍する。 その後、IT流通の専門誌の記事制作を担当し、B2BからB2Cまで幅広い専門知識を獲得。 最近では、Webメディアやオウンドメディアの編集企画制作も担当。 著書歴 ・iCloud&iTunes超使いこなしガイド 2019最新版 (三才ムック) ・今すぐ使えるかんたん はじめる&使える MacBook入門(技術評論社) ・スマホの困ったを解決する本 (三才ムック) ・iPhone超活用ガイド (三才ムックvol.988) ・今すぐ使えるかんたんEx iPhone プロ技BESTセレクション(技術評論社)