ベイトフィネスリールとは フィネスフィッシングってなに?
「ベイトフィネスリール」とはその名の通り、ベイトフィネスで使うリールのことです。
ベイトフィネスとは、スピニングタックルと細いラインを使って軽量なリグを使うフィネスフィッシングを、太いラインを巻いたベイトタックルで扱うことを可能にした釣りです。
これが実現できた背景にはベイトリールの革新的な進化があります。もとはバス釣り用に開発されたものですが、最近ではトラウト釣りやソルトのライトゲームにも利用されています。
ベイトフィネスリールの特徴 手返しのよさとブレーキ性能に優れる
ベイトフィネスリールの特徴は、軽いルアーを手返しよくキャストできることです。その理由は次の2つが大きく影響しています。
超軽量リグでも扱いやすいブレーキ機構
ベイトフィネスはベイトタックルで3gといった軽量リグを扱えるようにしているため、ブレーキのメカニズムが非常に重要となります。
軽量になるほどリールのブレーキ機構への影響が少なくなるので、普通のベイトリールでは非常にシビアな調整が必要で、バックラッシュの原因となったり、そもそもキャストの飛距離が出ないといった問題が発生するでしょう。
しかし、ベイトフィネスに専用設計されたリールであれば、最初から超軽量リグでもブレーキ調整が容易になるようになっているので安心です。
軽量浅溝スプール
繊細なラインコントロールが必要な釣りになるため、ベイトフィネス専用リールのほとんどが軽量浅溝スプールを採用しています。
ベイトフィネスで利用するラインの太さは8~10lbのものが多く、ラインを多く巻いたときにスプールが重くならないように、スプールじたいが軽量で溝が浅くなっています。そうすることで手返しの良さをサポートしてくれているのです。
ベイトフィネス専用製品がおすすめなのはこういった理由からなのです。
ベイトフィネスリールの選び方 釣りライターがおすすめする
釣りライターの中山一弘さんに、ベイトフィネスリールを選ぶときのポイントを4つ教えてもらいました。軽量のルアーを投げるため、スプールが軽量化されたベイトフィネスリールは、どのような点に着目して選べばよいのでしょうか。
【1】重さ
【2】糸巻き量
【3】ギア比
【4】ハンドルの左右
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】扱いやすい重さで選ぶ
サミング(ラインの放出量を指で調節)やパーミング(手でリールを覆いこむようにも持ち操作する)などを行うベイトフィネスでは、リールじたいの重量も重要になります。
その際、クラッチのオンオフがやりやすいかも重要なチェックポイントになります。キャストの手返しをよくするという意味もありますが、魚の急な突っ込みにクラッチで対応するケースも出てきます。
まずは、扱いやすさ重視で自分にあった重さのリールを選ぶとよいでしょう。
【2】糸巻き量で選ぶ
ベイトフィネスのポイントは、使用するラインの太さと巻く量にあります。繊細なコントロールを維持しつつもできるだけ太いラインで強いバイトにも対応するためには、スプールに巻けるラインの太さと糸巻量をあらかじめ把握しておく必要があります。
バスでもソルトでも自分がどのようなスタイルで釣りをしたいのかで、選ぶモデルも変わってくるでしょう。
【3】ギア比で選ぶ
ギア比は、ハンドル1回転あたりの糸巻き量をあらわしており、少ないものをローギア、高いものをハイギアと呼んでいます。
ベイトフィネスリールは、そもそもの糸巻き量が少ないため、スプールの径が小さくなり巻くスピードも遅くなりがちです。こうしたデメリットを改善するべく、比較的ハイギアの製品が多くラインナップされています。
もちろん、超軽量リグをスローストリーブしたいならローギアのものがおすすめです。
【4】ハンドルの左右で選ぶ
これはすべてのベイトリールに共通しますが、ハンドルの左右は購入時にしか選べません。
個人的にはベイトリールは右利きなら右ハンドルがおすすめですが、ベイトフィネス専用リールに限って、リーリングしながら細かなシェイクをするためにあえて左ハンドルにしたセットも用意されています。
自分のイメージする使い方ができるよう、あらかじめハンドルの左右は考えておきましょう。
ベイトフィネスリールのおすすめ4選【ダイワ】 人気王道メーカーの最先端
上で紹介したベイトフィネスリールの選び方のポイントをふまえて、釣りライターの中山一弘さんと編集部がおすすめするベイトフィネスリールをメーカー別に紹介します。

ベイトフィネスのテクニカルな釣りを強力にサポート
ジュラルミンの軽量ボディにコンパクトさを活かしたデザインは、あまり手の大きくない日本人にしっくり馴染んでくれます。これはリールシートごと握りこんだときの、感度や操作性といった部分に直接影響する特長といえます。
あらゆるキャストがやりやすいだけでなく、ベイトフィネスのテクニカルな釣りを強力にサポートしてくれるリールです。
フィネスを極めた超小口径AIRスプール搭載
フィネスを極める超小口径φ28mmG1ジュラルミン製AIRスプールを搭載。異次元の超小口径スプールは、今までのベイトフィネス機よりも軽いルアーへの対応力を増し、フィネスの概念を覆します。超高速に回転するスプール性能を最大限に生かすTWSシステム、コンパクトボディによる自重のメリットはまさに新次元のベイトフィネス機としての歴史を変えるダイワのベイトフィネスリールです。
コスパがよく飛距離も伸ばせる
軽量ルアーを含め、バーサタイルに使えるモデルです。SVコンセプトリールはバックラッシュが少ないのが特徴なので、逆風の際もバックラッシュを気にせずにキャストできます。キャストが楽に決まるために疲れにくく、釣果アップが望めます。思い切ってキャストして飛距離も伸ばせるため、幅広い釣り方に対応します。
ベイトフィネス専用のモデルではありませんが、さまざまなシチュエーションやルアーに対応でき、価格も手頃な商品です。
幅広い対応力が魅力
「小径φ32mmG1SVLIGHTスプール」を搭載したモデルです。どんな状況の中でも対応力の高さを発揮し、フィネス専用機と同様の快適さが実現しました。G1ジュラルミン製の高精密なMAエアブレーキシステムを搭載しており、太い糸を使ったベイトフィネスも対応できます。
メインハウジングにはエアメタルを採用し、歪みやブレの抑制によって回転性能と巻上性能も向上しました。また、薄さを極め指に吸いつくグリップ感がある、自重4gの軽量ノブが採用されています。
ベイトフィネスリールのおすすめ4選【シマノ】 フィネス専用のアルデバランなど

ベイトフィネスのために生まれた画期的リール
ベイトフィネスが流行した背景にリールの高性能化がありますが、これはその中核となったリールです。フィネス専用のブレーキシステムで軽量ルアーを安心して投げられるので、軽さに憶病になることなく、どんどんキャストしていけます。
その際、このリールの130gという自重は、ピンスポットへのコントロールキャストを続けていても疲労度が少ないという好影響を与えています。ベイトフィネスをストレスなく楽しめるリールです。

性能とコストのバランスがよいお買い得アイテム
人気のスコーピオンにベイトフィネス専用の機能を搭載させたモデル。アルデバラン譲りの専用性と高いコストバリューが両立した、釣り人にやさしいリールです。
ベイトフィネスには興味があっても投資効果が……と悩んでいる方は多いと思いますが、これなら納得してもらえると思います。ベイトフィネスのあらゆるテクニックが再現できるのはもちろん、ソルト対応なので海のライトゲームにも使えるのは魅力ですね。
滑らかなで力強い巻き心地
巻きごこちの滑らかさで人気があるカルカッタコンクエストの、ベイトフィネスモデルです。安定したキャスト性能と飛距離をもたらす「フィネスチューンブレーキシステム」や、回転数で可変する「マグネット移動機構」が搭載されています。
耐久性と繊細さに優れた円形リールは、オーバーヘッドキャストからピッチングまで意のままにキャストできます。動力を無駄なく伝える「X-SHIP」、塩ガミが大幅に減らすソルトウォーター対応のベアリングも採用されています。
遠投性能がスケールアップ
軽量ルアー専用のアルデバランから2018年発売したモデルです。側面に穴を配した新設計「NEWマグナムライトスプール」を搭載しており、重量を大幅に抑えてブレーキ力を軽減しました。それによってもっと軽いルアーの扱いが可能となり、更に遠投性能も向上しています。
軽量ルアーの少しの重みでもMAXスピードへすぐ加速し、キャスト時の抜け感が格段にアップ。また、「HAGANEボディ」の採用によって、不意の衝撃でもたわみが最小限に抑えられ、安定した巻き心地です。
ベイトフィネスリールのおすすめ6選【アブガルシア】 コスパ最強や超軽量、ソルト対応など

コスパ最高のベイトフィネスリール
上位機種譲りの機能を持ちながら1万円台で買えるベイトフィネス専用リールです。この値段で専用リールが買えるのはもはや驚きですね。カッティングエッジやカーボンハンドルなど、仕様もゴージャスなので所有感もばっちりです。
自重は185gと、価格帯からは信じられない軽量化を実現。ベイトフィネスリールとして、とても素晴らしい仕上がりです。とりあえずお試し、という感覚で買っても損のない一台です。
ソルトウオーター対応ハイギヤベイトフィネスモデル
マイクロショアジギング、SWベイトフィネス、FWベイトフィネスまでこなせる納得の一台です。ギア比は8.0:1でハンドル1回転あたりの糸巻き量は80cm。自重は175gで、EVAフラットノブと長めの90mmアルミクランクハンドルアームを採用しているのも魅力です。また、クラッチの機構を一から見直し、作動性能の良いソフトクラッチを実現。一日の繰り返し操作による疲労度を軽減してくれます。
アブガルシア(Abu Garcia)『REVO LTX-BF8』
最軽量を誇るベイトフィネスリール
重さわずか129gと最軽量のベイトフィネスリールです。フレームにアルミニウム素材を使用することにより、強度は変えずに軽量化を実現しました。スプールには超々ジュラルミンが使われ、余分な機構を省いたことで、取り回しも軽快になっています。
低い位置にあるスプールはロッドからの距離が短くて握りやすいため、一日中使っても疲れません。最大で10個のマグネットの増減が手動で行えるため、多様なセッティングができます。耐久性が高く、アブガルシアらしいデザインも魅力の商品です。
ソルトに対応した軽量モデル
自重141gと軽量のベイトフィネスリールです。アルミニウム素材をフレームに採用し、高強度と軽量化が実現しました。余分な機能を排除した超々ジュラルミンのスプールも、軽くて使い勝手がよい設計になっています。キャスティングの特性と竿の感度などに合わせて微調整できるブレーキシステムが採用されており、多彩なライトルアーへの空気抵抗に対処可能です。
スプールはロッドから距離が短く握りやすい仕様のため、長時間使用時の疲労が軽減されます。ベイトフィネスやシャッドのリトリーブ、ボートアジングまで対応できる商品です。
アブガルシア(Abu Garcia)『REVO LT7』
コンパクトで疲れにくい
上位機種の性能にコンパクトさが加わった2017年1月発売のベイトリールです。バス釣りからトラウト、ソルトでのベイトフィネスといった幅広いシーンで使えます。アルミニウムを用い軽量設計されたフレームや、余分な機構を外しスリム化したスプールなど、強度を保ちながら全体の重量を徹底して下げた商品です。
ソフトクラッチの採用によって疲労度が軽減されています。また、小さく場所を移動する際に便利なルアーキーパーも装備されています。
高剛性&軽量化を実現
今江克隆プロが監修した2020年発売のモデルです。高剛性なアルミフレーム仕様によって、極限までスプール精度が上がりました。サイドプレートはC6カーボンによって強度や耐久性を保ちつつ、大幅な軽量化を実現しています。
また、高耐久で高回転な「セラミックスーパーフリーHPCR-BB」搭載で、遠投性能やピッチング性能が増進されました。シャロースプールとディープスプールとのコンビネーションによって、さまざまなシチュエーションに対応可能な商品です。
「ベイトフィネスリール」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ベイトフィネスリールの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのベイトフィネスリールの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ベイトフィネスリールを購入する前のアドバイス 持ち替えるときのフィールの違いにも注目
持ち替えたときに違和感がないように
バスフィッシングにすっかり欠かせなくなったとはいえ、ベイトフィネスだけで一日通すということはそうそうありません。要所で打っていくことはあってもほかのタックルとのバランスは大事になります。
ベイトフィネスタックルへ持ち替えたとき、あるいはほかのタックルに持ち替えるときに違和感がないよう、うまく流れの中に組み込めるフィーリングも大事です。
バランスがとりやすい製品を選んで、ベイトフィネスの威力をさらに活かせるように釣りを組み立ててください。
ベイトリールのそのほかのおすすめはこちら 【関連記事】
釣りライフを充実させましょう
ベイトフィネスリールの特徴や選び方はおわかりいただけたでしょうか。
おさらいですが、まずはブレーキ機構の特徴を把握し、ベイトフィネスに専用設計されたリールを選びましょう。最初から超軽量リグでもブレーキ調整が容易になるようになっているので安心です。また、繊細なラインコントロールが必要な釣りになるため、サミングやパーミングの具合、重さ、ギア比などを確認し、左右好みのハンドルの位置を決めましょう。
あなたにぴったりのベイトフィネスリールを見つけ、釣りライフを充実させてみてはいかがでしょうか。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。 ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。 今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。 キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。