サラウンドヘッドホンとは
サラウンドヘッドホンは、通常のイヤホンよりも臨場感があり、より立体的な音が楽しめるヘッドホンのこと。近年ではお家映画を楽しむ際やゲーミングでワンランク上を目指す方が選ぶなど、一般に普及してきているイメージがあります。
一般的なイヤホンとの違いは、内蔵スピーカーの数。基本的にイヤホンのスピーカーは左右一つずつ付いているのに対し、サラウンドヘッドホンは、各イヤーマフの中にスピーカーが複数個付いています。そのため、複数個のスピーカーから様々な音を流すことで、まるで音に包まれるような臨場感のある立体的な音を楽しむことができるんです。
そんなサラウンドヘッドホン。様々な種類の商品が販売されていて、用途によって音の出方が違うんです。選ぶポイントをしっかり押さえて購入することで、より映画やゲームを楽しむことができますので購入前は確認しておきたいところです。
サラウンドヘッドホンの選び方
オーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジさんに、サラウンドヘッドホンを選ぶときのポイントとして、「シアターとゲーム用でメインになるのは?」「無線と有線」「接続端子」の3つを分かりやすく教えてもらいました。あわせて、おすすめ商品も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
【1】シアター向けか、ゲーム向けか、用途をチェック
オーディオ・ビジュアル評論家
サラウンドヘッドホンは、もともとホームシアター系の製品として登場し、映画などのサラウンド音声を楽しむものとして発展してきました。しかしながら、近年はゲーミングヘッドホンのひとつとしてもバリエーションが広がってきています。
HDMIや光などのデジタル入力がメインなど、使い勝手の面ではどちらも同じですが、包まれ感や臨場感など音質・音場ともに問われるシアター向けに対し、ゲーム向けは遅延のなさや定位の確かさなどスペック面での要求度が高く、結果として異なる性格の製品となっていたりします。まずは、シアターとゲーム、どちらをメインに据えるかを定めてから製品選びをはじめましょう。
【2】使用環境に合わせて無線か有線かチェック
オーディオ・ビジュアル評論家
サラウンドヘッドホンは、無線接続タイプと有線接続タイプの2つが存在しています。使い勝手の面では無線接続タイプが断然有利ですが、音質や遅延の問題など、いくつかのデメリットも抱えています。
とはいえ、サラウンドヘッドホンの無線接続には2.4GHzの独自方式を採用している製品が多いため、Bluetoothワイヤレスとは桁違いの接続安定性があります。
音質や遅延がそれほど気にならなければ、無線接続タイプが有力候補となるでしょう。
【3】チャンネル数をチェック
オーディオ・ビジュアル評論家
サラウンドヘッドホンは、チャンネル数が5.1chのものだけでなく、7.1chや9.1chなどに対応しているモデルもあり、ブルーレイなどに収録されている高音質なサウンドを7.1ch以上で再生するには、HDMI端子で接続することとなります。
とはいえ、PS4などをのぞけば、Nintendo SwitchやゲーミングPCなどのゲーム機器やゲームソフトのサラウンド音声は5.1chがメイン。接続も光デジタル端子が主流です。
つまりは映画メインか、ゲームメインかによって選ぶ商品が変わってきます。高音質な最新映画をメインに楽しむ場合はHDMI接続=7.1ch以上に対応しておきたいところですが、ゲームがメインの場合は光デジタル接続=5.1ch対応で充分満足できると思います。
【4】ヘッドホンか、ヘッドセットか、タイプをチェック
ヘッドセットとは、通常のヘッドホンにボイスチャット用マイクが取り付けられたモデルのこと。ボイスチャットをしながらプレイするゲームなどではヘッドセットがおすすめ。逆に、シアターを楽しむだけであればヘッドホンで問題ないでしょう。
ボイスチャットを行うゲーミング、シアター鑑賞の両方をする場合は、どちらも併用できるヘッドセットがおすすめです。ゲーミングか、シアターか、両方に使用するのか、用途に合わせて選びましょう。
おすすめサラウンドヘッドホン|シアター向け

サラウンドヘッドホン選びに、チャンネル数は欠かせないもの。数字が大きくなるほど音が立体的になります。ブルーレイなどの高音質サウンドには、7.1ch以上がいいとされています。
そんな映画などをさらに楽しむためのシアター向けサラウンドヘッドホンのおすすめを野村さんに選んでいただきました!
おすすめサラウンドヘッドホン4選【3万円以下】

Panasonic(パナソニック)『RP-HX350』














出典:Amazon
サラウンド | 最大11.1ch |
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連続再生時間 | - |
充電時間 | - |
接続端子 | アナログ |
接続方法 | 有線 |
DTS HeadphoneX対応ハイコスパモデル
ステレオ音声だけでなく、2chのヘッドホンで最大11.1chのマルチサラウンドを楽しめるDTS Headphone X対応のヘッドホン。カラフルなカラーバリエーションが用意されているので選択の幅も広がりますし、屋外用のポータブルヘッドホンとしても大いに活躍してくれます。
入力はアナログのみとなってしまいますが、この価格帯、この軽量さでDTS Headphone X対応を謳ったモデルは貴重といえます。映画やゲームなどの映像コンテンツをよく見る人はもちろん、自宅だけでなく屋外でもスマホなどに繋げて活用出来るヘッドホンが欲しい、という人にはピッタリの製品です。

audio-technica(オーディオテクニカ)『ATH-DWL550』














出典:Amazon
サラウンド | - |
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連続再生時間 | 連続通信 最大約12時間 |
充電時間 | 約4時間 |
接続端子 | φ3.5mmステレオミニプラグ |
接続方法 | 無線 |
3モードのエフェクトで迫力の音場空間が楽しめる
バーチャルサラウンド、ゲーム、クリアボイスという3つのモードを持つ「SOUND VISION」機能を搭載することで、それぞれの映像コンテンツにベストなサウンドが楽しめるワイヤレスヘッドホンです。2.4GHz帯デジタル方式のワイヤレス機能を搭載しているので、接続安定性が高いことも好評のポイントとなっています。
普段テレビはヘッドホンで楽しんでいる人や、ゲームをプレイするときはヘッドホンを使いたい人、またはヘッドホンを増設すればペアでワイヤレス視聴が可能なので、家族と2人でヘッドホン映画鑑賞をしたい、といった人にオススメの製品です。

audio-technica(オーディオテクニカ)『ATH-DWL770』














出典:Amazon
サラウンド | ー |
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連続再生時間 | 12時間 |
充電時間 | 4時間 |
接続端子 | 光デジタル、アナログ |
接続方法 | 無線/有線 |
Bluetoothヘッドホンとして使用可能!
姉妹モデルと同様に接続安定性の高い2.4GHzワイヤレスを採用しつつ、Bluetooth機能を搭載。屋外でも音楽を楽しむことができるワイヤレスヘッドホン。
バーチャルサラウンド、ゲーム、クリアボイスという3つのモードを持つ「SOUND VISION」機能を搭載しているので、コンテンツごとにベストなサウンドキャラクターや音場空間を楽しむことができます。
また、折りたたみ可能なため、屋外の持ち運びも手軽となっています。室内ではテレビやゲーム機用と活用し、屋外ではスマホと接続して音楽を楽しみたい、という欲張りな人にもピッタリの製品です。

Panasonic(パナソニック)『デジタルワイヤレスサラウンドヘッドホンシステム(RP-WF70)』
















出典:Amazon
サラウンド | 7.1ch |
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連続再生時間 | 約16時間(付属充電式電池)/約20時間(単4形アルカリ乾電池) |
充電時間 | 約3時間 |
接続端子 | 光デジタル×2、アナログ入力 |
接続方法 | 無線 |
軽量に纏め上げられたヘッドホン本体が魅力
多彩な音声フォーマットに対応するとともに、ドルビープロロジックⅡxデコーダー搭載により臨場感あふれる7.1chサラウンドを実現しているワイヤレスモデル。本体ユニットとサラウンドヘッドホンの距離は最大30mまで対応可能となっているうえ、最大4台までヘッドホンを接続可能となっていて、家族みんなで楽しめることも魅力のひとつといえます。
また、ヘッドホンは単4電池2本によって駆動する、汎用性の高いバッテリー方式を採用しています。充電式電池も使用でき、その場合は本体に装着したままの充電が可能となっています。
自宅で複数人で映画を楽しみたいという人におすすめです。
おすすめサラウンドヘッドホン3選【3万円以上】

Sennheiser(ゼンハイザー)『RS175-U』








出典:Amazon
サラウンド | - |
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連続再生時間 | 約18時間 |
充電時間 | 充電時間8.5時間 |
接続端子 | ステレオミニ(アナログ)/光デジタル(角型) |
接続方法 | 無線 |
低音ブーストとバーチャルサラウンド搭載の万能型!
ダイナミックベースモードとバーチャルサラウンドモードを搭載し、2つを切り替えることでコンテンツごとに最良のサウンドを楽しむことができるワイヤレスヘッドホン。最長100メートル離れても接続を維持してくれるデジタル伝送方式を採用している点も大きな魅力となっています。
隣の部屋に行っても音声が途切れない接続安定性はとても便利で、ライフスタイルを大きく変えてくれます。また、デジタル、アナログ両方の入力を用意しているため、テレビはもちろん、ゲーム機、ミニコンポなど、様々な機器の音をこれ1つで楽しむことができます。家中どこでも同じヘッドホンで楽しみたい、という人におすすめです。

SONY(ソニー)『デジタルサラウンドヘッドホンシステム(WH-L600)』






























出典:Amazon
サラウンド | 7.1ch |
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連続再生時間 | 約17時間 |
充電時間 | 約6.0時間 |
接続端子 | HDMI、光デジタル、アナログ |
接続方法 | 無線 |
独自技術により7.1chサラウンドを再現
ソニーのミドルクラスモデル。独自技術の「Virtualphones Technology」によって、ヘッドホンでも臨場感溢れる7.1ch音声が存分に楽しめます。また、2chや5.1chの入力音声を7.1ch音声に拡張する「DOLBY Pro logic IIx」も搭載されています。
製品はワイヤレスタイプのヘッドホンとヘッドホンスタンド型の本体がセットになり、ヘッドホンを置くことで充電が行なえます。接続端子は、ARC対応のHDMIに加えて、光デジタルやステレオも二端子も用意されています。使い勝手を重視したい人は「MDR-HW700DS」よりもこちらがおすすめです。

SONY(ソニー)『デジタルサラウンドヘッドホンシステム(MDR-HW700DS)』






出典:Amazon
サラウンド | 9.1ch |
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連続再生時間 | 約12時間 |
充電時間 | 約3時間 |
接続端子 | HDMI、光デジタル、アナログ |
接続方法 | 無線 |
おすすめサラウンドヘッドホン|ゲーム向け

続いてはゲーム向けのおすすめサラウンドヘッドホンをご紹介いたします。
ゲームソフトやゲーム機器のサラウンド音声に向いているのは、チャンネル数5.1chとされています。光デジタルによる接続が主流なので、接続方法も重視しましょう。
おすすめサラウンドヘッドホン5選【3万円以下】

Razer(ライザー)『Kraken Ultimate』














出典:Amazon
サラウンド | 7.1 ch |
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連続再生時間 | - |
充電時間 | - |
接続端子 | USB |
接続方法 | 有線 |
「THX SPATIAL AUDIO」で正確な音
人気の高い無印『Kraken』の 7.1 chサラウンドに対して、音場定位のより正確な「THX SPATIAL AUDIO」を採用することで、周囲360度にわたって高い位置精度の音響を実現したヘッドホン。
視界に入っていない敵の正確な位置を把握することができるため、巧みに使いこなせばゲーム時の優位性を確保することも可能となっています。また、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載したマイクを採用することで、仲間とのコミュニケーションも確実に行うことができます。
FPSなどのゲームで、実際の競技イベントも含めてシビアに活用したい人にもオススメできる製品です。

キングストン『HyperX Cloud Stinger Core 7.1(HHSS1C-AA-BK/G)』














出典:Amazon
サラウンド | 7.1ch |
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連続再生時間 | - |
充電時間 | - |
接続端子 | - |
接続方法 | 有線/無線 |
軽量ボディが魅力のハイコスパモデル
NGENUITYソフトウェアとの組み合わせによって「バーチャル7.1サラウンド」を実現したヘッドセット。指向性をもつ40mm口径ドライバーを搭載することで、正確、かつ迫力のサラウンド空間を実現しています。
また、マイクはノイズキャンセリング機能を搭載しており、ユーザーの言葉を明瞭に伝えてくれます。さらに、マイクは上に跳ね上げるように回転させることでミュートしてくれるなど、ハイコスパモデルとは思えない細やかな気遣いも盛り込まれています。
この製品の魅力は、なんといっても使い勝手の良さ、価格を上まわる機能性の高さです。使い勝手の良さを重視して製品を選びたい人にオススメです。

Logicool(ロジクール)『ロジクールG PRO X Gaming Headset(G-PHS-003)』




















出典:Amazon
サラウンド | 7.1ch |
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連続再生時間 | - |
充電時間 | - |
接続端子 | USB |
接続方法 | 有線 |
eスポーツのプロと共同開発した本格モデル
プロのeスポーツアスリートと共同開発したゲーミングヘッドセットです。ゲームの立体音響を正確に表現するため、「DTS Headphone:X 2.0」サラウンドを採用しているのが特徴です。
また、マイクブランドBlue Microphonesの技術を活用したサウンド調整機能「Blue VO!CEテクノロジー」を搭載することで、ゲーム中でも聴き取りやすいクリアな音質を実現。同時に、音声を調整することも可能となっています。
eスポーツアスリートが開発に加わっているだけに、実際のゲームで大いに役立つ製品に仕上がっています。競技にも使える本格派のヘッドセットが欲しい、という人には有力な候補となるでしょう。

SONY(ソニー)『ワイヤレスサラウンドヘッドセット(CUHJ-15007)』














出典:Amazon
サラウンド | 7.1ch |
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連続再生時間 | - |
充電時間 | - |
接続端子 | - |
接続方法 | 無線/有線 |

ASUS(エイスース)『ROG Centurion(ROG 7.1)』












出典:Amazon
サラウンド | 7.1ch |
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連続再生時間 | - |
充電時間 | - |
接続端子 | USB |
接続方法 | 有線 |
おすすめサラウンドヘッドホン2選【3万円以上】

ASTRO(アストロ)『A50+BASE STATION』




















出典:Amazon
サラウンド | 5.1ch |
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連続再生時間 | 15時間以上 |
充電時間 | - |
接続端子 | USB |
接続方法 | 有線/無線 |
ワイヤレスでも本格派!ゲームヘッドセットの新しい
A50ワイヤレスヘッドセットと充電ステーションともなるBASE STATIONとが組み合わされたシステムがこの『A50+BASE STATION』です。2.4GHzワイヤレスを採用することで、遅延が少なく接続も安定しているのが特徴です。
これまで競技用ヘッドセットといえば有線モデル一択でしたが、こちらの製品が登場してからはワイヤレスでも大丈夫かもしれない、と徐々に評判が広がりつつあります。環境の問題からシビアなFPS競技会場では厳しいかもしれませんが、自宅などでは、こちらの方が圧倒的に使い勝手が良いはずです。また、約15時間の連続使用ができることも高ポイントといえます。
FPSでも活用できる遅延のないヘッドセットが欲しい、けれどもワイヤレスの利便性も捨てがたい、という人にオススメです。

ASTRO(アストロ)『A40 TRゲーミングヘッドセット』


















出典:Amazon
サラウンド | - |
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連続再生時間 | - |
充電時間 | - |
接続端子 | 光デジタル、USB |
接続方法 | 有線 |
定番のゲーミングヘッドセットがさらに進化
eスポーツの大会などでも使用されている高い人気を持つASTRO Gaming製ヘッドセット「A40」と、こちらも定評あるヘッドセット用アンプの最新版「MixAmp Pro TR」とのセットモデル。
このうち「MixAmp Pro TR」は、PCからのUSB入力、PS4からの光デジタル入力でサラウンド音声に対応していて、ヘッドホンでも迫力あるサラウンド音声を楽しむことが可能となっています。アンプとヘッドセットの接続は有線となっていますが、その分、競技で使えるほどの定位感のよさや遅延のなさを持ち合わせています。こちらはゲームがメインという人におすすめです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする サラウンドヘッドホンの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのサラウンドヘッドホンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】エキスパートのアドバイス
オーディオ・ビジュアル評論家
5.1chか、2chか、パターンをチェックしよう
サラウンドヘッドホンには、5.1chなどのサラウンド音声入力に対応しているものと、2ch入力をサラウンド化してくれるヘッドホンの2パターンがあります。後者は、厳密にはバーチャル(のつく)サラウンドヘッドホンであって、本記事で紹介したものとは別のものとなります。
ゲームも定位感(敵の位置など)が重要となってきていますので、できれば“本当の”サラウンドヘッドホンをチョイスしましょう。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/10 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 加藤佑一)
ポータブルオーディオやホームオーディオなどのAV機器をメインに、専門誌やモノ誌、Web媒体などで幅広く活躍。 特にヘッドホン&イヤホンに関しては、年間300以上の製品を10年以上にわたって試聴し続けるなど、深い造詣を持つ。 また、TBSテレビ「開運音楽堂」やレインボータウンFM「かをる★のミュージックどん丼885」にレギュラー出演するなど、幅広いメディアでの活動を行っている。