エンディングノートとは
エンディングノート(終活ノート)は、自分が亡くなったあとや病気などで意思の疎通が難しくなったときのために、家族などの身近な人に、遺したいものや伝えたいことを書き記しておくものです。遺書とは異なり、必要な情報を自由に書くことができます。
緊急連絡先や保険、銀行口座などを記しておくことで、残された家族の負担を軽減することにもつながります。死後の意向もしっかり示しておくことで、親族間のトラブルを避けられるでしょう。
エンディングノートは、本屋や文房具売り場、通販サイトなどで購入可能です。
エンディングノートの選び方
「終活」の一環として話題の「エンディングノート」。整理して記していくことで、自分の人生を振り返ったり見つめなおしたり、今後の人生に大いに活用できます。ここでは、そんなエンディングノートの選び方とポイントをご紹介します。ポイントは下記のとおり。
【1】書きたい内容に合わせて選ぶ
【2】はじめてなら、薄手ノートを!
【3】更新や追加ができるものを選ぶ
【4】書き方の説明書つきを選ぶ
【5】動画や画像も残せるものをチェック
自分の使い方にぴったりのエンディングノートを選ぶために、参考にしてみてくださいね。
【1】書きたい内容に合わせて選ぶ
エンディングノートにはさまざまな商品があります。まずは何を書き残したいのかを考えて、目的に合った商品を選んでみましょう。
人生を振り返るなら自分の履歴が書けるものを
これまで「自分が送ってきた人生を振り返りたい」「子どもたちや身近な人に伝えたい」という人は、自分史の年表のような履歴を書くことのできるエンディングノートを選びましょう。自分の人生で苦労した経験や楽しかった思い出を振り返ることで、心を落ち着かせることにもつながります。
残りの余生の過ごし方のヒントが見つかることもあるかもしれません。
葬儀や相続の項目が充実したもので、自分の亡くなったあとの要望を伝えよう
自分が亡くなったあとの葬儀や墓について、要望がある人や相続のことで伝えたいことがある人は、葬儀やお墓、相続や資産などの項目が充実しているエンディングノートを選んでください。自分らしい最期を迎えたい人は、介護や延命治療などについても記しておきましょう。
自分のためだけでなく、家族など周囲の人のためにもなりますので意思の疎通が難しくなる前に書いておいてください。
銀行口座や保険の項目があれば備忘録としても使える
人が亡くなるとさまざまな手続きが必要になります。銀行口座の情報や入っている保険情報、持っているクレジットカードなどの項目を、エンディングノートにまとめて書いておけば、探し回る必要がなく手続きもスムーズに行えます。自分用の備忘録として使うこともできるので便利です。
備忘録としても活用したい人は、思い出したことを書き留めておくメモのようなスペースがたくさんあるエンディングノートを選ぶとよいでしょう。
書きたい項目が充実しているものを選ぶ
エンディングノートは、ある特定の項目にページや項目数を多く割いたものもあります。エンディングノートには、「頭から書かなければならない」「全ページ記入しなければならない」などと、かた苦しいルールはありません。自分が書き進めやすい項目、書き進めたい項目が充実したエンディングノートを選ぶようにすると、エンディングノートをはじめるきっかけづくりにもなりやすいです。
自分史や財産整理が充実したもの、人生の未来を見つめることができるものなどがあります。1冊で完結しようとしないで、各目的が充実したものを複数冊記入してもいいでしょう。
【2】はじめてなら、薄手ノートを!
エンディングノートをはじめて書く場合、意気込んで項目が多いものを購入しても、なかなかペンが進まないこともあると思います。はじめてなら、ページ数の少ないシンプルな薄手のものを選ぶようにしましょう。
必要最低限の項目についての記入ができますし、記入する心理的ハードルも低く感じやすいと言えます。1冊の記入が終わったときには、充実感と達成感を感じることができるでしょう。
【3】気持ちの変化で更新、追加ができるものを選ぶ
書いたエンディングノートを読み返してみると、時間の経過とともに気持ちや考えが変わったり、情報が古くなったりすることもありえます。一度書いたエンディングノートをあとから手軽に更新したい方は、記入項目が増やせるものや内容の差し替えができるものを選びましょう。
カスタマイズしてエンディングについての項目以外も増やしたい方も同様です。バインダーやファイル形式になっているエンディングノートが使いやすいでしょう。
【4】書き方の説明書付きを選ぶ
エンディングノートを書くときに、全くわからず不安な方は、書き方の説明書があるエンディングノートを選びましょう。いま書いている項目はどうして必要なのか記入しておくことで、もしものときにどう役立つのか確認しながら記入ができ、理解も深まります。
マンガやイラスト、挿絵が豊富なエンディングノートは取り組みやすいしわかりやすいです。法的に有効な遺言書の書き方の説明書がついたものもあります。
【5】動画や画像も残したいなら特典もチェック
エンディングノートに必要な項目を書くだけではありません。写真などのデータを保存しておけるCD-Rを入れられるケースが付いたものや、カードを入れるケースが付いたものもあります。長期間保存することを考えてノートカバーがついているものも。
エンディングノートを購入するときには、特典が付いているタイプもチェックしてみてください。
エンディングノートおすすめ12選
上記で解説したエンディングノートの選び方のポイントをふまえて、おすすめの商品をご紹介します。はじめての人でも安心して書けるものもありますので要チェック!

はじめてでも安心して書ける終活への道のりの第一歩
文具大手メーカーが出したことで話題にもなったエンディングノートです。なぜこのページが必要なのか、どう書けばいいのかなどの詳しい解説が各ページにあります。エンディングノートはどういうものか知りたい方、はじめてエンディングノートを書く方におすすめです。
紙は長期保存に適したコクヨ帳簿紙を採用しています。また、写真や大切なデータなどが入ったCD-ROMを1枚収められるポケットがついており、こまかな配慮が感じられる1冊です 。

必要なものをまとめて安心
A4サイズリング式ファイルのカラーバリエーション豊富なエンディングノートです。お葬式で使ってほしい写真はもちろん、通帳や保険証券など重要な書類も一緒に収めておきたい方におすすめ。
また、文字列書類が入れられる各ポケットのほか、葬儀の希望といったエンディングに関して必要最低限のことが記入できるプリントつきです。足りない項目がある場合はリング式ファイルなので容易に追加できます。

難易度が低い便利なエンディングノート
はじめてエンディングノートを書く方、エンディングノートはハードルが高いと思っている方におすすめの1冊です。自分の意思を選択できるチェック形式の項目が多く、気負わずラクにエンディングノートが完成するような構成になっています。
もちろんチェック項目だけでは足りない自分の意思は、余白スペースが多めに用意されているので気軽に記入できます。

遺言書までしっかり残しておいて不安を解消
自筆遺言書キットつきのエンディングノート。遺言書を自分で書くのはハードルが高いと思っている方や、はじめて自分で遺言書を書いてみたい方におすすめです。遺言書は弁護士をはじめとする専門家に頼まないといけないと思っている方もいるかもしれませんが、自分でも法的に有効な遺言書を書くことができます。
こちらのエンディングノートには詳しい説明書と封筒などの必要なものが一式セットになっています。ただし、エンディングノートのほうに記載した内容は法的には有効ではなく、申し送り書的な要素が強いもの。とくに相続に関することはしっかりと遺言書を残しておくのがベターです。

自由度が高いので自分だけのエンディングノートに
証券や通帳などの財産整理をメインにしたい方、財産整理からエンディングノートを書きたい方におすすめの1冊。4穴のバインダーファイル形式で、エンディングノート以外にA4書類ポケットや通帳4冊用ポケット、CD-ROM2枚用ポケットなどとリフィル類が豊富です。
もちろん、リフィルが足りない場合は市販のものを追加できますし、インデックスシールもついているのですぐに整理がはじめられます。

親子のコミュニケーションのひとつにも
エンディングノートを書いてほしいけれど「まだ早い!」と拒否されたり、まったく聞く耳をもってくれなかったりする両親がいる方におすすめの1冊です。葬儀のことのようなエンディングの要素はほとんどありません。しかし、もしも介護が必要になったときに介護者にも両親のことを知ってもらうきっかけになりますし、子どもも知らなかった驚きのエピソードが出てくるかもしれません。
エンディングノートを書いてもらうには遠まわりに感じるかもしれませんが、まずは親子でコミュニケーションを深めるのが大切。そのツールとして使ってもらいたいノートです。

自分のいままでを振り返ることができる
こちらのエンディングノートは、自分史を中心に書けるエンディングノートを探している方におすすめです。自分の歩んできた人生の記録と、これからの人生についてまとめて考えることができます。人生に悩んだときや人生の棚卸しをしたいとき、あなた自身を見つめ直したい岐路に立ったときにも助けてくれますのでどの世代の方にもおすすめです。
ほかのエンディングノートにも自分についての項目はありますが、ページ数があまりない場合があるのでこのノートと併用して使うことをおすすめします。もしも介護が必要になったときにも第三者に自分のことをより知ってもらう1冊にもなるでしょう。
パソコンでも使える2部構成のエンディングノート
今を全力で生きている人のためのエンディングノートです。遺産相続の話や、葬儀の細かな連絡はもちろんのこと、介護や延命治療に関する伝言までを網羅できる内容になっています。
トラブルを未然に防ぐために、財産関連の部分は切り分けできるようにもなっているので、いざという時にも安心できる設計です。自分の人生を振り返る良い機会にもなります。
項目が充実していて初めての方でも記入しやすい
いざエンディングノートを書こうと思っても、ガイドラインが無いと何を書いたら良いのかわからなくなってしまうものです。このノートを使えば、細かくわかりやすく項目をかき分けてくれているので、該当する項目を埋めていくだけでどんどんと整理が進みます。
預貯金や口座番号までは気が回っても、自動引き落としのことまでは忘れてしまう、なんてことが無くなります。
よりよい終活のための考え方を知りたいという方に
「死は究極的には断捨離である」というテーマを軸に語られていくエンディングノートです。自分の中にあるエンディングストーリーを書いていく形ではなく、これを読み進めながら、エンディングを形作って行きたい方に最適なノートだと言えるでしょう。
人生において「引き算」や「多すぎるものから解放されること」がどれほど重要かが語られています。

すべてを開示しない配慮ありのエンディングノート
エンディングノートを書く必要性はわかっているけれど、人に見られたくない項目をどう書いたらいいか悩んでいる方におすすめの1冊です。お金や財産に関する項目やデリケートな項目にのりしろを使って袋とじにすることができます。
また、エンディングノートは一度書いてどこかにしまって終わりになるものではなく、緊急連絡先を書くといった実生活でも活かせたほうがよい項目もあります。そういった項目は冷蔵庫や人目につきやすい場所に貼りだしておくことも可能です。
読む側も配慮された3冊に分かれた便利なノート
赤、緑、黄の3冊に分かれたエンディングノートは、筆者だけでなく、遺される家族のことを考える人におすすめです。
緊急時に救急隊に伝えておくべきことを赤のノートに記入。家族に伝えなくてはならない大事なことは緑に。死後に確実に伝えたい業務連絡は黄色に。と使用用途が明確に分かれているため、自分の終活がクリアになっている人向けと言えます。
「エンディングノート」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする エンディングノートの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのエンディングノートの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
エンディングノートを書く前に知っておきたいこと!
エンディングノートを書く人は近年増えていますが、書く前に知っておきたいことがいくつかあります。事前に確認しておきたいことをご紹介します。
エンディングノートと遺言書は違う!
エンディングノートと遺言書は、似ているようで異なります。遺言書は、相続に関する財産処分に法的効力がありますが、エンディングノートには法的効力がありません。エンディングノートと別に遺言書がある人は、その旨を記載しておくと良いでしょう。
また、エンディングノートは、形式も自由でPCやスマホに記録を残しても問題ありません。しかし、遺言書は決まった形式で書く必要があり、自筆のみが有効となります。決められた形式以外の遺言書の内容は、法的効力を持ちません。
個人情報はしっかり守ろう!
エンディングノートには、個人情報を記入する欄もたくさんあります。遺産や大切な金庫の暗証番号など、他人に知られては危険なこともきっと書いてあるはずです。
分冊になったタイプのエンディングノートもあるので、個人情報は別に金庫などに保管しておくことをおすすめします。別のノートに定期的に更新して、使い分けることも検討しましょう。
エンディングノートの書き方
はじめてエンディングノートを書く人なら、説明書が付いていなければ、書き方や使い方がわからずに悩むのも当然です。エンディングノートは遺言とは違って、自分の思いや気持ちを伝えるものになります。まずは、生年月日や住所や本籍地を書いておきましょう。誰が書いたものか一目瞭然です。
自分の趣味や好きな食べ物、共有したい思い出なども記しておくことで新たな発見につながるかもしれません。商品によって、書き方が若干変わってくるので、予め確認しておく必要があります。
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あなたの想いを伝える「エンディングノート」
エンディングノートを書くことは、自分の人生を考えたり見つめ直したりすることに繋がります。また、一番身近な家族や大切な人のために、あなたの「想い」を伝える行為、相手への思いやりでもあります。みなさんはエンディングノートを書いていますか? 私はもう数年前にエンディングノートを書いていて、もしものときに備えています。
「私はまだ大丈夫!」と思っていませんか? 自然災害や事件、事故などの場合、いつ自分が巻き込まれてしまうのか知る由(よし)もありません。若者や働き盛りの方ほどピンとこないかもしれませんが、年齢に関係なく、一度は手に取ってエンディングノートを書いてみましょう。
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