コンパクトスピーカーの選び方 重低音の聞こえ方や防水などの機能面もチェック

Photo by Gabriel Beaudry on Unsplash
ガジェットライターの武者良太さんへの取材をもとに、コンパクトスピーカーを選ぶときのポイントをご紹介します。
ステレオタイプかモノラルタイプか
コンパクトスピーカーを選ぶ際には、まずステレオタイプかモノラルタイプかを選びましょう。それぞれどのような特徴があるのかをご紹介します。
左右のスピーカーで良質な音を楽しむ「ステレオタイプ」
ステレオタイプのコンパクトスピーカーは、左右のスピーカーからそれぞれの音を出すことで、立体感が出てすばらしい音質を楽しめます。音割れもしづらく、良質な音を家などでゆっくり楽しみたいときに、いかがでしょう。
しかし左右2つのスピーカーを要するステレオタイプは、持ち運びがしづらいデメリットがあります。
コンパクトな「モノラルタイプ」
モノラルタイプのコンパクトスピーカーは、ひとつのスピーカーだけで音を楽しめるので、持ち運びもしやすいでしょう。音質はやや物足りなく感じるかもしれませんが、音が360度拡散する無指向性のモノラルスピカーや、2台つなげてステレオタイプになる商品もありますよ。
自宅でゆっくり動画やゲームをするなら有線タイプ!
コンパクトスピーカーをスマートフォンやPCなどとケーブルで直接つなぐ場合、音のズレ・遅延が起こりにくいです。とくに動画を見たりゲームをやったり、視覚と聴覚どちらも使うときにピッタリ合っていると、ストレスにもなりません。じっくりと腰を据えて、楽しめるでしょう。
ただケーブルを接続しなければいけませんので、機器の近くにコンパクトスピーカーを置く必要があります。
持ち歩きしやすい無線タイプのチェックポイント
無線タイプのコンパクトスピーカーは、ケーブル接続しないため、有線タイプと違い場所を気にする必要がありません。基本的にBluetoothなどでつなげられますので、見た目にもスッキリしていますね。また多少音源とスピーカーが離れていても大丈夫。
以上のように外に持ち出しやすく手軽な無線タイプですが、音質にこだわりたい場合は、以下の3つの点に注意しましょう。
スピーカーの音質を左右するコーデックを確認
無線タイプのコンパクトスピーカーを利用するときは、商品のコーデックを確認しましょう。コーデックはスマホなどからスピーカーに圧縮して音を送る方式のこと。どのコーデックの方式に対応しているかによって、スピーカーの音質が異なってきます。
Bluetoothスピーカーであれば基本のSBCコーデックがついていますが、音質はほどほど。さらにその上を望む場合は、いいほうから順にLDAC、apt−X、AAC形式があります。
ただリーズナブルなコンパクトスピーカーを選ぶと、SBC形式のものが主流になります。その場合は、パッシブラジエーターや再生周波数帯域の確認など、他のポイントで音質のよさを追求していく必要がでてくるでしょう。
またスピーカーだけではなく、音源のほうも同じコーデック方式を採用している必要があります。たとえばiPhoneはAAC、AndroidはApt−X、ソニー製品のなかにはLDACのものなどが出ていますよ。
パッシブラジエーターが入ったモデルかを確認
ガジェットライター
モノラルタイプだけではなく、ステレオスピーカーでも一体型・ワンボディ型が流行しています。おもにバッテリー内蔵でBluetoothも使えるため、アウトドアでも使いやすいのがポイント。しかし、屋外で音を鳴らすと低域が損なわれやすいところが難点です。
そこで、パッシブラジエーターというパーツを使ったモデルに注目しましょう。パッシブラジエーターはスピーカーユニットから磁石・コイルなどのパーツを取り除いたもの。スピーカー内部の低音を増強させる効果があり、コンパクトスピーカーでもはっきりとした重低音を響かせることができます。
連続再生時間を確認
無線で使用するときは、連続再生時間がどのぐらいになのかのチェックも忘れないでください。なかには、連続再生時間が2~3時間の商品もあります。しかし充電などの手間を減らすためにも、連続再生時間は10時間以上あるとうれしいですね。
なおコンパクトスピーカーの充電方法は、乾電池を入れるものやACアダプタなどで給電・充電するタイプなどがあります。
持ち歩き用には、防塵・防水機能付きを
コンパクトスピーカーを持ち歩きしたい場合は、防塵・防水などの機能がついたものがいいでしょう。
防塵機能の表示はIPからはじまり、そのあとに続く数字0〜6で優劣をあらわし、後者の数字が大きいほど高い防塵効果を持ちます。防水機能の表示はIPXからはじまり、そのあとに続く数字0~8で優劣をあらわし、これもまた数字が大きいほど高い防水効果を発揮します。
目安としては防塵機能IP5以上、防水機能IPX5以上。ただお風呂や海などでも使用したい場合は、IPX7以上を選んでおくといいでしょう。
耐久性の高さをチェック
コンパクトスピーカーのなかでも、商品によって耐久性はそれぞれです。とくに安いものには注意が必要。作りが甘いと、壊れやすかったりすぐに使えなくなったりすることがあります。もちろん低価格は魅力ですが、その耐久性については口コミなども参考にしながら、商品を選ぶのがいいでしょう。
アンプ内蔵のセパレート型はパワーの値をチェック
ガジェットライター
2台のスピーカーを左右においてステレオ再生をおこなうセパレート型のうち、アンプ内蔵のアクティブスピーカー(パワードスピーカーとも呼ぶ)は、アンプのパワー・出力値に注目しましょう。値はW(ワット)です。低音を大音量で鳴らすには大パワーが必要なため、アンプの出力が大きいモデルのほうがおすすめ。
また、ハイパワーなアンプを搭載したアクティブスピーカーのうち、モニタースピーカーと呼ばれるタイプはボリュームを上げても音が割れにくいように設計されています。
もともとミュージシャンが作曲するときやレコーディング・ミキシング時に使われるもので、タフな作りとなっているのです。
アンプ非搭載のセパレート型は再生周波数帯域を見る
ガジェットライター
ステレオコンポや単体のアンプと接続して使う、アンプ非搭載のパッシブスピーカーもあります。従来はスピーカーといえば、そのほとんどがこのタイプでした。
コンパクトサイズでも重低音を鳴らすには前面や背面、底面に穴(バスレフポート)があるものや、奥行きが長い形状のものが好ましいのですが、それよりもわかりやすいポイントが再生周波数帯域/定格周波数特性の数値。HzやkHzという単位で示されているもので、Hzの数値が低ければ低いほど、低音再生能力の高いスピーカーとなります。
コンパクトスピーカーおすすめ10選 ソニーやJBLなど人気メーカー
ここまで紹介した、コンパクトスピーカーの選び方のポイントをふまえて、ガジェットライターの武者良太さんと編集部で選んだおすすめ商品をご紹介します。

SONY『ワイヤレスポータブルスピーカー(SRS-XB22)』
































出典:Amazon
パッシブラジエーター | 有 |
---|---|
最大出力 | 7W×2 |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
連続再生時間 | 12時間(Standardモード)、10時間(EXTRABASSモード) |
サイズ/重量 | 幅201×奥行68×高さ72mm/540g |
保護等級 | IPX6、IPX7 |
Bluethooth | Bluetooth4.2 |

JBL『Charge 3 ポータブルBluetoothスピーカー』


















出典:Amazon
パッシブラジエーター | 有 |
---|---|
最大出力 | 10W×2 |
周波数特性 | 65Hz~20kHz |
連続再生時間 | 20時間 |
サイズ/重量 | 幅213×奥行87×高さ88.5mm/800g |
保護等級 | IPX7 |
Bluethooth | Bluetooth4.1 |

IK Multimedia『iLoud Micro Monitor』






















出典:Amazon
パッシブラジエーター | 無 |
---|---|
最大出力 | 70W |
周波数特性 | 55Hz〜20kHz |
連続再生時間 | - |
サイズ/重量 | 幅90×奥行135×高さ180mm/1720g |
保護等級 | - |
Bluethooth | - |
サイズを超えたパワフルトーンの持ち主
かんたんにスタジオ環境が実現できるように……という目的で作られた、コンパクトなセパレートアクティブスピーカー。1台あたりの設置面積はだいたい手のひらサイズで、置き場所に困りません。狭い環境で音楽制作をしている人や外出先での使用を考えている人におすすめ。
シャキッとした高音、密度の高い中音に、設置したテーブルや棚が震えるほどの低音。パワーはなんと50Wで、見た目で判断するといい意味で裏切られます。
フラットなトーンで、どんな曲でも鳴らし切る性能をもちますが、全体的にシャープな音を奏でるので、YouTubeなどの圧縮された音を聴くと荒々しく感じてしまうことも。使用する音源を選びたいところです。Bluetooth接続もできますよ。

Razer『NOMMO』










出典:Amazon
パッシブラジエーター | 無 |
---|---|
最大出力 | - |
周波数特性 | 50Hz~20kHz |
連続再生時間 | - |
サイズ/重量 | 幅170×高さ220mm/-g |
保護等級 | - |
Bluethooth | - |
ゲームやアクション映画の爆発音を聴くのにぴったり
アンプを内蔵したアクティブスピーカーで、パワー・出力値は未公開ながら、ド迫力なサウンド再生を得意としてファンを増やしてきているのがNOMMOです。レイザーはもともとゲーミングデバイスメーカーとして有名であり、NOMMOもゲームプレイ時のスピーカーとして作られました。空気を揺るがすような爆発音などのSEがリアルで、アクション映画やSFアニメの視聴時にもぴったり。
もちろん低音モリモリの音楽を聴くにも適しています。アナログ入力端子しかなく、機能はシンプル。それだけに比較的リーズナブルなプライスでゲットできる魅力があります。
液晶テレビの音楽力をパワーアップさせる目的で使うのもいいですね。

ONKYO『D-212EXT(D)2ウェイ・スピーカーシステム

出典:楽天市場
パッシブラジエーター | 無 |
---|---|
最大出力 | 120W |
周波数特性 | 37Hz~100kHz |
連続再生時間 | - |
サイズ/重量 | 幅188×奥行297×高さ303mm/6100g |
保護等級 | - |
Bluethooth | - |
LUNAUTE『Bluetoothスピーカー(ICD-1001HK)』


















出典:Amazon
パッシブラジエーター | - |
---|---|
最大出力 | 6W(3W×2) |
周波数特性 | - |
連続再生時間 | 8時間 |
サイズ/重量 | 約180mm×44mm×62mm/285g |
保護等級 | - |
Bluethooth | Bluetooth4.2 |
MIFA INNOVATIONS『Mifa (A1)』


















出典:Amazon
パッシブラジエーター | - |
---|---|
最大出力 | 5W |
周波数特性 | - |
連続再生時間 | 12時間 |
サイズ/重量 | 85mm×46mm×86mm/175g |
保護等級 | IP56 |
Bluethooth | Bluetooth 4.2 |
JBL『CHARGE4』


























出典:Amazon
パッシブラジエーター | 有 |
---|---|
最大出力 | 30W |
周波数特性 | 60Hz ~ 20kHz |
連続再生時間 | 20時間 |
サイズ/重量 | 220mm×95mm×93mm/965g |
保護等級 | IPX7 |
Bluethooth | Bluetooth 4.2 |
Anker(アンカー)『SoundCore mini(A3101511)』














出典:Amazon
パッシブラジエーター | 有 |
---|---|
最大出力 | 5W |
周波数特性 | - |
連続再生時間 | 15時間 |
サイズ/重量 | 約67×67×67mm/215g |
保護等級 | - |
Bluethooth | Bluetooth 4.2 |
Anker(アンカー)『SoundCore 2(A3105014)』


















出典:Amazon
パッシブラジエーター | - |
---|---|
最大出力 | 6W |
周波数特性 | - |
連続再生時間 | 24時間 |
サイズ/重量 | 167mm×47mm×56mm/414 g |
保護等級 | IPX7 |
Bluethooth | Bluetooth 5 |
「コンパクトスピーカー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする コンパクトスピーカーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのコンパクトスピーカーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【最後に】ガジェットライターからのアドバイス
ガジェットライター
ストリーミングサービスなど、スマートフォンを音楽プレーヤーとして使うのであれば、Bluetooth接続ができるワンボディタイプがおすすめです。とくに最近のスマートフォンはヘッドホン端子を省いているものが多いため、有線接続が面倒なところがあります。
タブレットやパソコンをプレーヤーにするなら、それらの機器の左右に分けて設置できるセパレートタイプのスピーカーがいいでしょう。システムを簡潔にしたいのであれば、アンプ内蔵のアクティブスピーカーを選ぶと楽です。以前から使ってきたステレオ機器と合わせて使うなら、アンプを内蔵していないパッシブスピーカーはいかがですか。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/07/20 商品情報の更新を行いました。(協力:マグスター 掲載:マイナビおすすめナビ編集部 加藤 佑一)
1989年にパソコン誌、ゲーム誌のライターとしてデビュー。 90年代初頭に株式会社三才ブックスに入社。編集職に就き、パソコン雑誌などを手がける。 退職の後にフリーライター/カメラマンとして活動。 現在のカバーエリアはIT、IoT、デジカメ、オーディオ機器、モビリティ、クラウドファンディングなど。 1971年生まれ。元Kotaku Japan編集長。