パッシブスピーカーとは
アンプが内蔵されていないスピーカーのことを一般的にパッシブスピーカーと呼びます。好きな音楽のジャンルや音質に合わせてアンプ変えることで、自分の好きな音質を楽しむことができる、カスタマイズ性が魅力です。
さまざまな種類があり、高音質を求めたり、インテリアとして設置できるなど、組み合わせ次第でさまざまな楽しみ方が生まれます。
アクティブスピーカーとの違い
アクティブスピーカーはアンプを内蔵しているスピーカーのこと。
iPhoneやAndroidなどのスマホやPCをBluetoothや専用コードに接続するだけで音を出せるのが特徴的。つまり、設置が比較的かんたんです。また、低価格なものが多いです。しかし、音質や音の出力が低い傾向があるのがデメリットです。
音質にこだわらない方はアクティブスピーカー、音質にこだわりたい方はパッシブスピーカーがピッタリです。
そもそもアンプとは?|接続の基本構成を解説
パッシブスピーカーはアンプを内蔵していないスピーカーと説明しましたが、では、アンプとは一体何を指すのでしょうか。
かんたんに役割を解説すると、アンプは音の電気信号(情報)を増幅させ、スピーカーに届ける役割。スピーカーはアンプから来た電気信号を音として発信する役割。
そもそも、オーディオ機器から発しているのは音ではなく、電気信号(音の情報)です。その電気信号は非常に小さく、スピーカーに接続しても音として発信することができません。そのため、アンプを媒介にすることで電気信号を増幅させ、音として発信できる大きさにし、スピーカーで音として発信させるのです。それが私たちが聞くスピーカーの「音」なのです。
本記事でご紹介しているのはアンプの内蔵されていない「パッシブスピーカー」。そのため、アンプがなければ作動しませんのでご注意ください。

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パッシブスピーカーの種類
パッシブスピーカーの形状には、大きく分けて「ブックシェルフ型」「トールボーイ型」「フロア型」の3種類があります。一つひとつ解説していきます。
コンパクトなブックシェルフ型
「ブックシェルフ=本棚」の名前の通り、コンパクトで本棚にも収まる大きさが特徴的なのがブックシェルフ型のパッシブスピーカーです。インテリアとの一体感を演出でき、扱いやすいのがポイント。設置場所を小さくしたい方にぴったりです。
ただし、コンパクトな分、迫力のある低音を出すのは得意ではありません。低音を重視したい人は、大きめのブックシェルフ型スピーカーを選ぶとよいでしょう。
パワフルな音のトールボーイ型
スピーカー自体が大きく、また、設置場所にスペースが必要なのがトールボーイ型のパッシブスピーカーです。スピーカーユニットも複数内蔵しているので、豊かでパワフルな音質を堪能できます。テレビと連携させて映画鑑賞を楽しんだり、音楽観賞の専用スペースを持ちたいと考えている人にぴったりです。
大きなスピーカーによる圧迫感を感じたくない人は、スリムタイプを選ぶとよいでしょう。
再現力や迫力にすぐれたフロア型
床に直接置くフロア型のパッシブスピーカーは、音の再現性や迫力にすぐれており、音質にこだわる人に適したタイプです。映画や音楽への没入感を味わいたい人は、フロア型のスピーカーを選ぶとよいでしょう。
サイズはほかのタイプより大きなものが多く、設置には場所を取ります。フロア型のパッシブスピーカーを選ぶ際は、スピーカーの性能に見合ったアンプも合わせてそろえると、より臨場感のある音が楽しめるでしょう。
有名メーカー・ブランドの特徴
パッシブスピーカーを選ぶにあたって、おもなメーカーの特徴を紹介しましょう。それぞれのメーカーの特徴をふまえて、自分好みの機種を選んでください。
ラインナップが豊富なヤマハ(YAMAHA)
楽器なども手掛けるヤマハ(YAMAHA)のパッシブスピーカーは、豊富なラインナップが特徴です。音楽制作に携わる人が使うようなものから、個人が家庭でカジュアルに楽しむためのものまで、幅広い機種がそろっています。
価格帯も幅広いので、豊富な選択肢の中からこだわりのパッシブスピーカーを選びたいという人にぴったりです。
音割れやノイズが少ないジェイビーエル(JBL)
音割れやノイズのない、クリアな音質で音を楽しみたい人には、ジェイビーエル(JBL)のスピーカーがよいでしょう。コンサートホールのスピーカーにも採用されているジェイビーエルの製品は、音量を大きくしても音が割れたりノイズが入っているすることが少なく、音への没入感が得られるのがポイントです。
音に集中したい人・音質にこだわりがある人に適したメーカーといえるでしょう。
おすすめ商品の比較一覧表
おすすめ7選|ブックシェルフ型
それでは早速、パッシブスピーカーのおすすめ商品をご紹介いたします。まずは、ブックシェルフ型の商品です。ぜひ参考にしてください。
おすすめ2選|トールボーイ型
続いては、トールボーイ型のパッシブスピーカーです。こちらもぜひ参考にしてください。
MONITOR AUDIO(モニターオーディオ)『BRONZE 5』
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする パッシブスピーカーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのパッシブスピーカーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
パッシブスピーカーの選び方
それでは、パッシブスピーカーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の6つ。
・サイズ
・ユニット構成
・ワット数
・周波数
・対応端子
・インピーダンス
上記の6つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】サイズをチェック
パッシブスピーカーといっても、その大きさは機種によってさまざまです。パッシブスピーカーを選ぶときは、置く場所の広さに合った大きさのものを選びましょう。
ワンルームなどのコンパクトな部屋であれば、ブックシェルフ型のスピーカーが適しています。デスクに置くのであれば、幅15cm前後のものがぴったりです。
リビングなどの広い場所に設置するのであれば、トールボーイ型やフロア型のパッシブスピーカーを選びましょう。幅の狭いものでも、臨場感のある音が楽しめます。
【2】ユニット構成をチェック
スピーカーはドライバーと呼ばれる太鼓のようなユニットを振動させて音を鳴らします。安価なモデルはひとつのユニットですべての帯域をカバーするフルレンジという機構が基本。
上位機種になると高域を再生するツィーターと中低域を担当するウーファーによる2ウェイ、さらに中域をミッドウーファー、低域をウーファーと3つに分けた3ウェイとユニットが増えていきます。
ユニット数の多いスピーカーはいずれも大型のもので、とくにユニット数が多い機種ほど低音の再生能力が高いものが多いようです。
【3】ワット数をチェック
スピーカーを使用するときの消費電力は「W(ワット)」で表されます。パッシブスピーカーを選ぶときは、このワット数にも注目しましょう。ワット数が大きなものほど繊細な音までしっかりと表現できます。
屋外で使用するのであれば200W以上のもの、繊細な音の表現まで楽しみたいなら100W前後、カジュアルに音楽や映画を楽しみたいのであれば30~50Wが目安です。
【4】周波数をチェック
パッシブスピーカーを選ぶ方は、やはり音質にこだわる方が多いでしょう。スピーカーの定格スペックのなかの「周波数特性」は再生できる低音から高音の音域幅をあらわしていて、数値の幅が大きいほど定格上すぐれています。高域側を40kHz(キロヘルツ)以上までカバーするものは、ハイレゾ音源を再現するための基準を満たしているため、ハイレゾ対応などと呼ばれますね。
スピーカーの鳴らしやすさをあらわす能率や、オーディオ機器とそろえるのが基本のインピーダンスの数値も確認しておきましょう。
【5】対応端子をチェック
パッシブスピーカーを選ぶときは、再生機器やアンプの対応端子を確認しておきましょう。端子に対応していない機種を選ぶと、せっかく購入したのに使えないということになりかねません。
通常アンプとスピーカーは1本の端子で接続されますが、なかには低音・中音・高音で端子がわかれているものもあります。
パッシブスピーカーでBluetoothに対応しているものはほとんどないので、スピーカーを持ち運んで手軽に映画や音楽を楽しみたいときは、Bluetooth対応のものも多いアクティブスピーカーを選ぶとよいでしょう。
【6】インピーダンスをチェック
スピーカーに限らず、電気を流す際は、小さくも大きくも「電気抵抗」が発生します。この電気抵抗を「インピーダンス」と言います。
一般的に「Ω(オーム)」で表記され、このインピーダンス(Ω)が小さいほど、大きい電気が流れます。電気が大きければ故障を引き起こす可能性があるため、アンプよりも大きいインピーダンスのパッシブスピーカーを選ぶようにしましょう。
エキスパートのアドバイス
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家
スペックはあくまでも参考に止めよう
どの機種からどんな音が聴けるかは、ブランドの個性によります。スピーカーを購入する方の決め手は、実際にショールームや専門店、家電量販店の店頭で試聴したり、Webや雑誌の記事を参考にしたりとさまざま。
また、ブランドによる音作りの方向性を信頼して購入する人もいらっしゃいます。買いものはスピーカー選びの情報収集をしっかりしてからにしましょう。
購入前に気を付けるポイント
選び方の基礎知識としてスペックの解説をしましたが、やはりスピーカーのスペックを見ただけではどんな音色に聴こえるかはわかりません。スピーカーが備えている音色はメーカーや製品ごとに個性があります。お気に入りのスピーカーを選ぶにはそこまで踏み込んで探すべきでしょう。
商品紹介には、私自身のスピーカー試聴経験をもとにしたサウンドの特徴を示しておきました。可能であれば、メーカーのショールームやオーディオ専門店、家電量販店の試聴コーナーなどに足を運び、自分の耳で聴いて、好みに合うスピーカーを探すことを強く推奨します。
【関連記事】さまざまなスピーカーをチェック!
まとめ
本記事では、パッシブスピーカーについて、そもそもの接続の基礎知識や失敗しない選び方、そしてタイプ別のおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、パッシブスピーカーとアクティブスピーカーの特徴を抑えた上で、サイズやユニット構成などをチェックしつつ、ワット数、周波数、対応端子、インピーダンスなどもチェックすると、音質も使いやすさもある商品を選べるはずです。
パッシブスピーカーは、アンプから選び、自分の好みの音質に組み替える楽しみがある商品。形状や音質などを確認すれば、理想の空間と音楽を完成させることができるため、ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
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