パッシブスピーカーとは
アンプが内蔵されていないスピーカーのことを一般的に「パッシブスピーカー」と呼びます。音楽のジャンルや音質に合わせてアンプを変えることで、自分好みの音質に変えることができる、カスタマイズ性の高いスピーカーです。
さまざまな種類があり、デザイン性の優れたモデルはインテリアとしても人気があります。
▼アクティブスピーカーとの違い
スピーカーには「パッシブスピーカー」の他に「アクティブスピーカー」と呼ばれるものがあります。パッシブスピーカーとは逆に、アンプを内蔵しているスピーカーのことを指します。
スマートフォンやタブレットなどのデバイスと、Bluetoothや専用コードで接続するだけで音を出せるのが特徴です。アクティブスピーカーは設置が比較的かんたんで、低価格なものが多いです。しかし、音質や音の出力が低い傾向があるのがデメリットです。
音質にそこまでこだわらない方はアクティブスピーカー、音質にとことんこだわりたい方はパッシブスピーカーがおすすめです!
▼そもそもアンプとは?


パッシブスピーカーはアンプを内蔵していないスピーカーと説明しましたが、そもそもアンプとは一体何を指すのでしょうか。
簡単に解説すると、アンプは音の電気信号(情報)を増幅させ、スピーカーに届ける役割。スピーカーはアンプから来た電気信号を音として発信する役割を担っています。
そもそも、オーディオ機器から発しているのは音ではなく、電気信号(音の情報)です。
その電気信号は非常に小さく、スピーカーに接続しても音として発信することができません。そのため、アンプを媒介にすることで電気信号を増幅させ、音として発信できる大きさにし、スピーカーで音として発信させるのです。それが私たちが聞くスピーカーの「音」なのです。
本記事でご紹介しているのはアンプの内蔵されていない「パッシブスピーカー」。そのため、アンプがなければ作動しませんのでご注意ください。
パッシブスピーカーの種類
パッシブスピーカーの形状には、大きく分けて「ブックシェルフ型」「トールボーイ型」「フロア型」の3種類があります。一つひとつ解説していきます。
▼コンパクトなブックシェルフ型
「ブックシェルフ=本棚」の名前の通り、コンパクトで本棚にも収まる大きさが特徴的なのがブックシェルフ型のパッシブスピーカーです。インテリアとの一体感を演出でき、扱いやすいのがポイント。設置場所を小さくしたい方にぴったりです。
ただし、コンパクトな分、迫力のある低音を出すのは得意ではありません。低音を重視したい人は、大きめのブックシェルフ型スピーカーを選ぶとよいでしょう。
▼パワフルな音のトールボーイ型
スピーカー自体が大きく、また、設置場所にスペースが必要なのがトールボーイ型のパッシブスピーカーです。スピーカーユニットも複数内蔵しているので、豊かでパワフルな音質を堪能できます。テレビと連携させて映画鑑賞を楽しんだり、音楽観賞の専用スペースを持ちたいと考えている人にぴったりです。
大きなスピーカーによる圧迫感を感じたくない人は、スリムタイプを選ぶとよいでしょう。
パッシブスピーカーの選び方
それでは、パッシブスピーカーの基本的な選び方を見ていきましょう。
ポイントは下記。
【1】サイズ
【2】ユニット構成
【3】ワット数
【4】周波数
【5】対応端子
【6】インピーダンス
上記のポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】サイズをチェック
パッシブスピーカーといっても、その大きさは機種によってさまざまです。パッシブスピーカーを選ぶときは、置く場所の広さに合った大きさのものを選びましょう。
ワンルームなどのコンパクトな部屋であれば、ブックシェルフ型のスピーカーが適しています。デスクに置くのであれば、幅15cm前後のものがぴったりです。
リビングなどの広い場所に設置するのであれば、トールボーイ型やフロア型のパッシブスピーカーを選びましょう。幅の狭いものでも、臨場感のある音が楽しめます。
【2】ユニット構成をチェック
スピーカーはドライバーと呼ばれる太鼓のようなユニットを振動させて音を鳴らします。安価なモデルはひとつのユニットですべての帯域をカバーするフルレンジという機構が基本。
上位機種になると高域を再生するツィーターと中低域を担当するウーファーによる2ウェイ、さらに中域をミッドウーファー、低域をウーファーと3つに分けた3ウェイとユニットが増えていきます。
ユニット数の多いスピーカーはいずれも大型のもので、とくにユニット数が多い機種ほど低音の再生能力が高いものが多いようです。
【3】ワット数をチェック
スピーカーを使用するときの消費電力は「W(ワット)」で表されます。パッシブスピーカーを選ぶときは、このワット数にも注目しましょう。ワット数が大きなものほど繊細な音までしっかりと表現できます。
屋外で使用するのであれば200W以上のもの、繊細な音の表現まで楽しみたいなら100W前後、カジュアルに音楽や映画を楽しみたいのであれば30~50Wが目安です。
【4】周波数をチェック
パッシブスピーカーを選ぶ方は、やはり音質にこだわる方が多いでしょう。スピーカーの定格スペックのなかの「周波数特性」は再生できる低音から高音の音域幅をあらわしていて、数値の幅が大きいほど定格上すぐれています。
高域側を40kHz(キロヘルツ)以上までカバーするものは、ハイレゾ音源を再現するための基準を満たしているため、ハイレゾ対応などと呼ばれますね。
スピーカーの鳴らしやすさをあらわす能率や、オーディオ機器とそろえるのが基本のインピーダンスの数値も確認しておきましょう。
【5】対応端子をチェック
パッシブスピーカーを選ぶときは、再生機器やアンプの対応端子を確認しておきましょう。端子に対応していない機種を選ぶと、せっかく購入したのに使えないということになりかねません。
通常アンプとスピーカーは1本の端子で接続されますが、なかには低音・中音・高音で端子がわかれているものもあります。
パッシブスピーカーでBluetoothに対応しているものはほとんどないので、スピーカーを持ち運んで手軽に映画や音楽を楽しみたいときは、Bluetooth対応のものも多いアクティブスピーカーを選ぶとよいでしょう。
【6】インピーダンスをチェック
スピーカーに限らず、電気を流す際は、小さくも大きくも「電気抵抗」が発生します。この電気抵抗を「インピーダンス」と言います。
一般的に「Ω(オーム)」で表記され、このインピーダンス(Ω)が小さいほど、大きい電気が流れます。電気が大きければ故障を引き起こす可能性があるため、アンプよりも大きいインピーダンスのパッシブスピーカーを選ぶようにしましょう。
有名メーカーの特徴
ここからは、パッシブスピーカーの主なメーカーの特徴を紹介します。どのスピーカーにするか悩んだら、好みのメーカーの製品を選ぶのもひとつの手です。
▼ラインナップが豊富なヤマハ(YAMAHA)
楽器なども手掛けるヤマハ(YAMAHA)のパッシブスピーカーは、豊富なラインナップが特徴です。音楽制作に携わる人が使うようなものから、個人が家庭でカジュアルに楽しむためのものまで、幅広い機種がそろっています。
価格帯も幅広いので、豊富な選択肢の中からこだわりのパッシブスピーカーを選びたいという人にぴったりです。
▼音割れやノイズが少ないジェイビーエル(JBL)
音割れやノイズのない、クリアな音質で音を楽しみたい人には、ジェイビーエル(JBL)のスピーカーがよいでしょう。コンサートホールのスピーカーにも採用されているジェイビーエルの製品は、音量を大きくしても音が割れたりノイズが入っていたりすることが少なく、音への没入感が得られるのがポイントです。
音に集中したい人・音質にこだわりがある人に適したメーカーといえるでしょう。
パッシブスピーカーのおすすめ商品
それでは、パッシブスピーカーのおすすめ商品をご紹介いたします。
▼おすすめ7選|ブックシェルフ型
▼おすすめ4選|トールボーイ型
すぐに各商品が見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼おすすめ7選|ブックシェルフ型
まずは、ブックシェルフ型の商品です。ぜひ参考にしてください。
ナチュラルサウンドの定番
パッシブスピーカーのなかでもお手ごろな価格で信頼できる製品を展開しているのが、日本を代表するスピーカーブランドのひとつであるヤマハ。もとは音楽制作スタジオで使われていたモニタースピーカーがルーツの『NS-B330』は、ハイレゾ対応のロゴを取得していて、ワイドレンジが特徴です。
ヤマハのサウンドは、「ナチュラルサウンド」とも呼ばれる心地よく瑞々しい自然なサウンドが特徴。小型のブックシェルフ型で、自然に聴けてくせの少ないサウンドを求めている方におすすめです。
英国の人気スピーカーブランド
BBC(英国放送協会)向けに放送用モニタースピーカーを送りだした老舗として、日本でも人気の英国スピーカーブランドがKEFです。高域用のツィーターと低域用のウーファーを同一軸上に配置する、独自の同軸ユニット「Uni-Qドライバー」を用いたスピーカー設計で知られています。
『Q350』はKEFの主力シリーズでもっともコンパクトな機種ですが、同軸スピーカーユニットらしく、すべての音を淀(よど)みなく正確に定位する再現性は本物です。小型ながら低音も見た目以上に出せる実力派のスピーカー。定位感と低音にこだわりのある方にもおすすめです。
JBLのモニタースピーカーを家庭に
音楽制作のスタジオに置かれたプロフェッショナル向けのJBLのモニタースピーカーのスタイルを、家庭にそのまま届けるコンパクトモニター。
133mm径の大型ウーファーをレイアウトしたサウンドは、JBLらしくヌケがよくエネルギッシュです。そのまま床に設置でき、家庭で使用すれば存在感抜群。自宅にJBLのモニタースピーカーを所有するという満足感から、愛好家にも人気です。
ライブに来たような迫力と臨場感
自宅でまるでライブ会場にいるかのような音源が楽しめるスピーカーです。独自の機能で、迫力と臨場感を感じさせる音色に仕上げてあります。
ライブ映像と合わせれば、自宅がライブ会場に早変わり。また、ボディは木製で出来ていて高級感を感じさせます。インテリアにこだわりのある方でも、お部屋に置きやすいデザインでしょう。躍動感のある音楽や、ライブ映像を見るときに使いたい方におすすめです。
DENONのアンプと併せたいならコレ
デノン製品のアンプと相性がいいスピーカーです。ハイレゾは非対応ですが、繊細で透明感のある音を楽しめるのが特徴です。
クリアに音が聞こえるので、楽器の音が際立って聞こえます。比較的リーズナブルに手に入るにもかかわらず、音色には歪みがないのでコスパのいい商品でしょう。デノン製品のアンプを持っている方には特におすすめです。
理想のホームシアターに相応しい一台
艶やかで伸びのある高音と、深みのある低音をしっかり響かせてくれるスピーカー。音楽だけでなく、テレビやコンテンツ再生にもぴったり。AirPlay、インターネットラジオに対応。重さはわずか2.5kgほどと、軽量コンパクトなので、置き場所を選びません。
デザインは、漆黒が美しいピアノブラック・フィニッシュと、天然木突き板セミグロス・フィニッシュから選ぶことができます。
コンパクトなので置き場所に困らない
コンパクトなブックシェルフ型スピーカーです。スピーカーの中ではリーズナブルに手に入れられるので、学生の方でも購入できるのがポイントです。
シンプルなデザインなので、どんなお部屋でも置きやすくインテリアとしても違和感がありません。場所も取らないので、置き場所に困ることがないでしょう。比較的手ごろな値段で手に入れたい方や、スペースの確保が難しい方におすすめです。
▼おすすめ4選|トールボーイ型
続いては、トールボーイ型のパッシブスピーカーです。こちらもぜひ参考にしてください。
どんな音域でも自然な響き
低音から高音まですべての音域を心地よく聴けるスピーカーです。シアターサウンドによって、身体に響くような低音とのびのびした高音を自然に奏でてくれます。ハイレゾに対応しているので、より滑らかな響きを楽しむことができます。
スピーカーを置くのに使う面積は、小型のブックシェルフスピーカーほどしか使いません。上質なスピーカーが欲しいけれど、置き場所に困る方におすすめです。
スリムデザインで高品質
文D.D.L.コーン・ユニットやP.P.D.D.方式などの技術を採用しながら、20×22×92cmというコンパクトなサイズを実現したエントリースピーカーシステム。設置面積を取らないので、さまざまな場所に置くことができます。
再生周波数帯域は45Hz~60kHz。また、8cmD.D.L.コーンと2cmソフトドーム形ツイーターが搭載されており、艶やかな音声とより正確なピストンモーションを実現しています。
MONITOR AUDIO(モニターオーディオ)『BRONZE 5』
低音までパワフルな英国スピーカー
有力スピーカーブランドが多数存在する英国のなかでも、自社ですべてのスピーカーパーツを製造するブランドが、MONITOR AUDIO。『BORONZE 5』は、同社の入門向けシリーズのなかでも中型のトールボーイスピーカーで、金属素材を用いた独自のC-CAM振動板を搭載しています。
サウンドは歯切れがよくダイナミック。日本の住宅ではじゅうぶんすぎるほどにパワフルでボリューム感たっぷりの低音。存在感ある大きめのトールボーイスピーカーを探している方におすすめです。
高級感のあるトールボーイ型スピーカー
ピアノブラックと天然木突き板仕上げのデザインから選べるミドルクラス・シアタースピーカー。ハイレゾ対応で、艶やかな音声を再生するソフトドームツィーターを搭載。広い帯域に渡って正確なピストンモーションを実現するD.D.L.コーン・ウーハーユニットが奥行きのあるクリアかつ深みのある音を再現してくれます。
インテリアとしても美しいデザイン性の高いスピーカーです。
おすすめ商品の比較一覧表
各通販サイトのランキングを見る パッシブスピーカーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのパッシブスピーカーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ|好みの音質に組み替える楽しみがある
パッシブスピーカーについて、そもそもの接続の基礎知識や失敗しない選び方、そしてタイプ別のおすすめ商品をご紹介しました。
商品を選ぶ際は、パッシブスピーカーとアクティブスピーカーの特徴を抑えた上で、サイズやユニット構成などをチェックしつつ、ワット数、周波数、対応端子、インピーダンスなどもチェックすると、音質も使いやすさもある商品を選べるはずです。
パッシブスピーカーは、アンプから選び、自分の好みの音質に組み替える楽しみがある商品。形状や音質などを確認すれば、理想の空間と音楽を完成させることができるため、ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
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