スピーカースタンドを使うメリット
スピーカースタンドとは、スピーカー専用に作られたスタンド(台座)のこと。
通常、スピーカーを床やテレビ台などの場所に置くと、音の振動が吸収されたり、共振してしまい、クリアな音で楽しめなくなります。しかし、スピーカースタンドは、スピーカーとの設置面に無駄な共振や振動吸収をおこなわない設計になっており、スピーカー本来のクリアな音を楽しめる効果があります。
また、細かい音や低音などもしっかり表現してくれるため、ライブ映像だけでなく、テレビの音楽番組もリアルに楽しむことができます。
スピーカースタンドの選び方
スピーカーの音質を、さらによく楽しみたいのに欠かせない「スピーカースタンド」。設置するだけで音がクリアになるため、せっかくなら自分のスピーカーに合ったものを見つけたいですよね。
そこでこの記事では、スピーカースタンドの選び方をご紹介します。選ぶポイントなど、どこを重要視すればよいか解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ポイントは下記。
【1】ツィーターの高さ
【2】スタンドの素材
【3】振動しないかどうか
【4】スピーカーの形状に合うものを選ぶ
【5】耐荷重をチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ツィーターの高さをチェック
スピーカーシステムにおいて、高音の再生を担当するのがツィーター。ツィーターから再生される高音は直進性が強いため、その方向が耳に向いていないと聴き取りにくくなります。そのため、スピーカースタンドの高さはツィーターが耳の高さになるよう選ぶことが大切です。
また、リスナーがイスに座るか、ソファーに座るか、床に座るかによってもスタンドの高さは変わってくるので、注意が必要です。
【2】スタンドの素材をチェック
頑丈で不動の状態に見えるスピーカースタンドも、顕微鏡(けんびきょう)を使ってミクロの世界を覗いてみると、わずかに振動しています。このわずかな振動が再生される音楽に重畳(ちょうじょう)し、スピーカースタンドの個性となって音にあらわれます。
一般的に、木製スタンドはやわらかな音、鉄はダイナミック、アルミ製スタンドは高音がよく響き、ガラスはクールでスピード感がある音と言われます。これらを組み合わせたハイブリッド型も発売されていますので、スピーカーシステムの個性を壊さず、好みの音の素材を選ぶことが重要です。
【3】振動しないかどうかチェック
スピーカーシステムは、スピーカーユニット(音が出る部分)とエンクロージャー(箱)からなり立っています。スピーカーのメーカーは、スピーカーユニットの開発とともに、スピーカーユニットの音を歪(ひず)みなく再生するための、エンクロージャーを研究し続けています。
スピーカーユニットは音楽信号で効率よく振動すること、エンクロージャーは不要な振動がなく、スピーカーユニットを強固に支えることが理想です。スピーカースタンドは、そのエンクロージャーを振動なく不動の状態にするため、ガタつきがなく頑丈なものでなければなりません。
【4】スピーカーの形状に合うものを選ぶ
スピーカースタンドを購入する際は、スピーカーの形状に合ったものを選びましょう。スピーカーに対してサイズの小さいものを選んだり、逆に大きすぎるものを選んだりすると、音のバランスが崩れてしまったり、スピーカーが安定しなくて落下する恐れがあります。
スタンドを購入する際は、必ずスピーカーと合った形状かチェックしてください。
【5】耐荷重をチェック
耐荷重のチェックも必須です。スピーカーは重量のある製品が多いので、耐えられる重さかどうかの確認は必ずしましょう。
耐荷重を超えたスピーカーをのせてしまうと、スタンドが不安定になる可能性があります。また、形状に合わないモノと同じように、落下する恐れもでて、破損する恐れもあります。
あらかじめスピーカーの重さを確認し、スピーカーに合ったスタンドを選びましょう。
スピーカースタンドおすすめ12選
上記で紹介したスピーカースタンドの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品をご紹介します。
それぞれ個性豊かな商品ばかりですから、自分のスピーカーにはどのスタンドが適しているか、比較したうえで購入候補を選んでくださいね。

高級スピーカーメーカーが作ったスタンド
KRIPTON(クリプトン)は、医療画像情報支援システムなども手掛ける、最先端の映像・音響の専門メーカー。高級スピーカーでも有名です。
こちらの『SD‐5』は、鉄と木を組み合わせた構造が特徴的。台座部分は木製のベースに0.4mmの鉄球がつめられており、スピーカーからの振動だけでなく床からの振動をも熱変換し、双方向の振動対策がなされています。
支柱は高級木材のホワイトアッシュ無垢材(むくざい)ですが、強度を増すために芯材(しんざい)として鉄材が埋め込まれています。現代的なスピーカーはもちろん、伝統的なヨーロッパの小型2WAYのブックシェルフスピーカーに最適なものを探している方におすすめです。
中高域のあばれが目立たなくなり、聴きやすくなる印象です。

スピーカースタンドのハイエンド
TAOCのスタンドは、溶かした鉄を型に流し込んで作る鋳鉄(ちゅうてつ)が原料です。鋳鉄は一般の鉄よりもかたく、振動が少ないといわれています。
さらに、パイプ状の鋳鉄の支柱に鋳鉄の粉がつめられており、振動を抑え込む設計です。重量は23kgあるため、重量級の中型スピーカーに使用しても、スピーカーが発する音楽でスタンドが振動することはきわめて少なくなっています。
また、スピーカーを設置する天板の下部には、縦振動子(たてしんどうし)と呼ばれる振り子状の金属塊が取りつけられており、振り子のようにスピーカーが発する振動と逆方向に振れることで、スピーカーが発する振動をキャンセルさせています。
スピーカーユニットから発せられる音だけを再生したい方や、重量級のスピーカーに使えるスタンドを探している方におすすめです。

低い位置にスピーカーを設置したい場合はこれ!
この製品は5.1チャンネルのセンタースピーカー用として発売されているものですが、オーディオ用としても効果的です。
「小さなお子様がスタンドを倒してしまうのが心配」「インテリア上スピーカーを低く設置したい」というような、背の高いスピーカースタンドが使用できない環境で重宝します。
イスに座って音楽を聴く環境で、低い位置にスピーカーを設置すると、通常は直進性が強い高音は耳の高さまで届かずバランスの悪い音になってしまいますが、スピーカー前面を斜め上方向に傾けて設置することでスピーカーユニットの軸の延長を耳の方向に合わせることができ、バランスのよい再生音が期待できます。

どんなスピーカーもそつなく鳴らすスタンド
鉄の一種のローカーボン鋼で作られた支柱を、両側から側木(そばき)でサンドイッチした構造です。金属と木材がおたがいの固有の響きをキャンセルし、素材特有の響きを減少させることに成功したモデル。
スピーカーからの音だけをピュアに再生しますが、かといって、スピーカーの音を押さえつけるような鳴り方ではありません。スピーカーの個性を尊重して、うまく再生を手伝ってくれるスタンドを求めている方におすすめです。
高さは457mmのほか、610mm、762mmもあり、カラーも2種から選択可能。絨毯(じゅうたん)でもガタツキなく、安定した設置が可能なスパイクが付属しています。
フローリングでは、付属の床をキズつけないように、スパイクベース(スパイク用の床保護部品)を使用します。
コスパで考えるならコレ
昭和2年に創業されたラジオ店からはじまり、現在ではオーディオラックやスピーカースタンドを製造するメーカーであるハヤミ工産。歴史あるメーカーらしくデザインにもすぐれ、加工精度も高いスタンドです。このスタンドの支柱は2本使われており、強度を高めています。
さらに、2本の支柱が平行ではなく、角度をつけて取りつけられていることで、フラッターエコーと呼ばれる「支柱と支柱の間で特定の音域が増長する」のを防いでいます。
デザインにこだわりたい方や、強度が高めでコスパのよいスピーカースタンドを探している方におすすめです。
40kgまでたえられる折りたたみ式スタンド
3脚式のスタンドで、スタンド自体は2.3kgですが、40kgまでたえられるのが魅力です。軽量なので、持ち運びも便利です。高さは92.5~142.5cmまで調整が可能で、座奏でのモニターにも対応できます。さまざまな演奏で使用可能なところもポイントです。
折りたたみもできるので、使用しないときはコンパクトに収納できます。キャリング・ケースが付属していて、BA330をはじめとした多数の機種とセットアップも可能です。
ハヤミ工産『ポール型スピーカースタンド(SB-109)』
用途に応じて使いやすい2種類の天板付き
サイズの違う2種類の天板により、設置するスピーカーのサイズやタイプ、用途により使い分けられるハイポジション小型スピーカースタンドです。
安定性や音質にすぐれています。無駄を削った実用的なデザインで、さまざまなシーンで便利に使用できます。
高さは55~100cmの間で自由に調整できて、好みの位置に設置しやすいのも魅力的です。耐荷重は3.5kgまでなので、重量のある大型スピーカーは載せられない点に注意しましょう。
スピーカーの性能を引き出すハイスペックスタンド
金属の組み合わせや張り合わせの工夫で共振を排除していて、心地よい響きや音色を実現しています。振動処理に方向性があり、無理な振動抑制を行わずに素早く振動を逃すという手法が最大の特徴です。
支柱内部にはポリプロピレン粒子が充填していて、支柱の共振も抑制しています。音を混濁させる要素を排除していて、心地よいきれいな響きや音色をスピーカの性能により十分に引き出してくれます。スピーカースタンドの最高級とも呼べる商品です。
シンプルなベーシックスタイルが魅力的
無駄を省いたシンプルなデザインで、インテリアに溶け込むスピーカースタンドです。カラーはブラックとシルバーの2種類で、どちらも落ち着いたカラーが魅力的です。
スペースを取らずにスピーカーの設置ができて、68~110cmの間で調整が可能なので、空間や目線に合わせて最適な高さに調整しやすいのもよいところです。かんたんに組み立てもできます。ただし、ねじ穴はM5に対応している商品なので、事前にねじ穴の確認が必要です。
B&Wの小型スピーカーにおすすめなスタンド
不要振動のみを効率よく減少させるTAOC独自の制振技術を採用していて、スピーカーのもつ性能を一層高めることが可能です。天板部に採用している2重鉄板構造、鋳鉄粉封入支柱と4点スパイク支持フットにより不要な振動を抑えますが、スピーカーシステムから発せられる必要な振動には影響しません。
小型スピーカーの特徴であるクリアでスピード感あふれるサウンドを、よりリアルに再現できます。スモールスピーカーにぴったりなサイズ感です。
インテリアとマッチしやすいデザイン
柱は太く、耐荷重は50㎏と安定性抜群のスピーカースタンドです。重厚感がありますが、木製でどこか素朴な風合いもあり、インテリアとしても存在感があります。
なお、柱の中央に砂を充填できる設計になっています。砂充填後の効果はより安定し、重量を2倍にすることができます。スピーカーの買い替え時にもスタンドは引き続き使用できる可能性が高いですので、お得な一品です。
モニタースピーカーに最適なスタンド
置いて少し高さをだすと音ぬけが向上し、低音域もよりダイレクトに体感できます。より臨場感のある音、また、ダイナミクスのあるサウンドを得ることができます。ゴム製のインシュレーターが付属されているので、不要な振動の影響を回避できます。卓上スピーカーにもぴったりです。
音楽制作や音楽鑑賞目的の方におすすめのスピーカースタンドです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スピーカースタンドの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのスピーカースタンドの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのスピーカーをチェック
まとめ
本記事は、スピーカースタンドの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたか?
スピーカースタンドは自作や代用で済ます方もいますが、音の広がりや音質を考えると、スピーカーのことを考えて作られたスピーカースタンドを使用することをおすすめします。
また、小型ブックシェルフスピーカーでも重量があるスピーカーは、スピーカースタンドも重量級のものを使用したほうが、低歪(ていひずみ)の音が期待できます。ただし、スピーカースタンドは、同じスタンドでも使用するメインスピーカーによって大きく印象が変わります。ある人は低域がよく出るといい、またある人はちょうどよいということも。
「このスピーカースタンドはこんな音」という評価を鵜呑み(うのみ)にするのではなく、メインスピーカーとの組み合わせからスタンドを選択してください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。