アウトドアには機能的な靴下が必須!
アウトドアシーン、特に登山などにおいて、かなり重要になってくるのが靴下です。坂道や砂利道、小枝が散乱している山道を歩く際は、衝撃や歩行の快適性を考え、シューズだけでなく靴下にもこだわると、より快適な登山を楽しむことができます。
そもそも、アウトドア用の靴下は、ちょうどいいフィット感に加え、衝撃を和らげ、靴擦れや水ぶくれを予防する厚み、そして汗によるムレを防ぐ通気性のいい素材も使用されています。これにより、夏・冬の季節に関わらず快適にアウトドアを楽しめます。ぜひ靴下にもこだわり、アウトドアを楽しんでください!
アウトドア用高機能靴下の選び方
それでは、アウトドア用高機能靴下の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】高機能な靴下が持つ「効果の種類」が重要
【2】「自分に合うサイズ」の靴下探しを
【3】「素材」により効果が異なる
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】高機能な靴下が持つ「効果の種類」が重要
日常生活用ではなく、アウトドア向けの靴下だからこそ投入されている特殊機能にはいくつかの種類が見られます。代表的なものは「着圧」。これは靴下の生地の織りに変化をつけることで肌の上から圧力をかけ、「筋力をアップさせる」「足裏のアーチ(土踏まず部分)をサポートして姿勢を正す」「血流を促進して疲れを軽減する」などの機能を持つものです。
アクティビティの最中ではなく、終わったあとに着用して効果的に疲れをとる「リカバリー」系も高機能な靴下のひとつ。また、足を濡らさないことで不快感や冷えを軽減する「防水」系もニーズがあります。まずは機能の種類を知ることが大切です。
【2】「自分に合うサイズ」の靴下探しを
靴下というものには伸縮性があり、販売されているものの大半は、サイズが数センチきざみになっています。アウトドア用も同様で、センチきざみやS~Lといったサイズ展開です。
ここで重要なのは、「着圧」で効果を出す靴下の場合、足の全長以外のサイズもチェックしたいという点です。たとえば、ふくらはぎの太さが合っていない場合、肌の上からかかる圧力が高すぎたり、低くなりすぎたりすると、正しい圧力が筋肉や血管に伝わらず、効果が半減してしまいます。
また、防水ソックスの場合は、ゆるすぎるものは、うえから水が流れ込みかねません。日本人よりも体格がいい人が多い海外メーカー製品には、日本人の足には合わないものもあるので注意が必要です。
【3】「素材」により効果が異なる
一般的なアウトドア用の靴下ならば、現在の主流は汗冷えしにくく天然の消臭効果もあり、肌触りがよいウール製です。しかし、高機能な靴下となるとウール製は少数で、多様な加工を施せる化学繊維のほうが靴下に特殊な機能を持たせられます。
そんな化学繊維はメインとなる機能に加え、UVカットや消臭の機能などもサブで持たせているものも。傷みやすいつま先やかかとを強靭な素材で補強した靴下もあります。どのような加工がどの部分に加えられているのか、こまかく素材のチェックを行ないましょう。
アウトドア用高機能靴下のおすすめ9選
上記で紹介したアウトドア用高機能靴下の選び方のポイントをふまえて、山岳/アウトドアライター&プロデューサー・高橋庄太郎さんと編集部が厳選したおすすめ商品を紹介します。
なにかひとつの機能に限定せずに紹介していきますが、もしかしたら今までに聞いたこともなかった機能を持つものが登場するかもしれません。

アーチをサポートする力も強い五本指タイプ
足の甲の部分はメッシュ状の織りにして汗をすみやかに蒸発させる一方、足裏は生地を強く伸縮させ、アーチの正しい形状が長く維持できるようにサポートします。
指先は五本指に分かれ、それぞれの指が自由に動くために強い力が発揮できるようになり、同時に指の間の汗を吸い取ってくれて快適です。摩耗(まもう)しやすいつま先とかかとは補強し、長く使えるようになっています。

磁力で疲労を軽減!
下から上にかけて圧力を弱める段階的着圧の靴下です。それだけでも疲労軽減効果が期待できるのですが、さらに土踏まずの部分にネオジムの永久磁石を2つずつ配置。磁気の効果で血行促進の効果をプラスし、足の疲れや違和感を取り除くのに貢献しています。
ナイロンやポリエステルをおもな素材としながらも、シルクから作った成分をコーティングし、肌触りの滑らかさと保湿効果も実現しているのもユニークです。

雨の日も、足をドライに温かく!
ポリエステルを中心とした肉厚の生地の下には防水性のポレール(膜)があり、水濡れに強いデザインです。
これ1枚で長靴のような機能を持ち、たとえ冷たい水たまりにくるぶしまで入ってしまっても、足はドライに保たれます。暖かい時期にサンダルを履く方はこれを用意しておき、雨が降ったら、サンダルにあわせて履くという使い方もおすすめ。足先の濡れは血流を阻害し、疲れの大きな原因にもなりますので、このような防水性は想像以上に有用です。
温かさとクッション性に優れた厚みで足先をサポート
厚みが特徴的なミズノの「ブレスサーモウール極厚ソックス」。吸湿発熱素材のブレスサーモは、体からの水分を吸収し発熱効果をもたらしてくれる素材です。
ブレスサーモとウールを使用しており、厳しい寒さの中でも足先の温かさをキープ。足先の冷えが気になる方におすすめです。

武田レッグウェアー『R×L SOCKS TMW-36』
ウールの肌触りを活かしつつ、アーチをサポート
ブランド名の「R×L」は、右左(Right/Left)で異なる足の形状に合わせ、立体的に靴下をデザインしていることからつけられたもの。でっぱっている親指にばかり圧力がかからず、足全体のフィット感が良好です。
足の裏のアーチ部分は長時間歩いたり、立ち続けていたりするとつぶれはじめて疲労の原因になります。この靴下はアーチ部分を編み目を減らすことでサポート性を高め、疲れにくい仕様になっているのが特徴。擦れやすいつま先とアキレス腱のところにはナイロンを混紡し、耐久性を増しているのもポイントです。

疲れたときのリカバリーに最適
アウトドアで遊んでいるときではなく、終了後に履き替えて着用したいリカバリー用の靴下。足首から上にかけて段階的に着圧を変えて血流を促進させ、疲労によって生まれた乳酸の除去に役立ちます。
足裏のアーチをサポートする力も強く、これもすばやく疲れを癒やすことに貢献。通気性も高いので、蒸れが少ないのも長所です。足の疲れはアウトドアだけに限りませんので、仕事や家事のあとなど日常生活でも活躍するでしょう。
冬のアウトドアにぴったりな保温性と防臭性
保温力と防臭効果に優れたメリノウールを使用したアウトドアソックス。ウール特有のチクチク感がないので、履き心地の良さもポイント。
クッション性があり、ずり下がりにくいので登山をはじめとしたアウトドアに適しています。冬期登山や極地探検にも耐えるように作られているので、足先の冷えが気になる冬のアウトドアにおすすめです。
アクティブなアウトドアでも頼もしいタフな耐久性
タフで快適なソックスブランドとして有名なダーンタフ。こちらのソックスはメリノウールを使用しており、耐久性だけではなく、蒸れにくさや防臭効果に優れています。
つま先部分のシームレス化、伸縮性のアーチサポートなど、履き心地にもこだわっているのがポイント。丈夫さはもちろん、長時間のアウトドアでも苦にならない履き心地を求める方におすすめです。
遠赤外線機能糸の保温効果でスノースポーツを快適に
保温性の高い遠赤外線機能糸を使用したスノースポーツ用ソックス。ひざ下までの長さで、足先からふくらはぎまで冷えから守ってくれます。
甲とくるぶし部分にはパイル編み、かかと部分には立体的なY字ヒール構造と、足にフィットするのもポイント。スノースポーツや冬のアウトドアを快適にサポートしてくれる高機能靴下です。
「アウトドアで使える高機能靴下」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アウトドア高機能靴下の売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのアウトドア高機能靴下の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
一緒にチェックしたいアイテム
エキスパートのアドバイス
アウトドア用高機能靴下は用途によって使い分けよう
アウトドアのウェアのなかでは地味な存在で、靴下にこだわる人はあまりいません。しかし足は常に全身の体重がかかっており、負担を与えやすい場所だけに、この部分を少しサポートするだけで大きな効果を得られます。
行動中には血流や筋力を補うものを利用し、行動後にはリカバリータイプで疲労を取り除きつつ、雨に備えて防水性を用意しておくなど、このように高機能な靴下をいくつか使い分けると、アウトドアでの快適さがアップするでしょう。
使用後はきれいに洗濯して完全乾燥させ、繊維が伸びないように左右バラバラに保管。この手の靴下は素材が傷むと伸縮性が変わったり、メンブレンが剥がれてきたりして機能が低下しますので、注意してください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
1970年宮城県仙台市出身。高校山岳部で山歩きを始め、早稲田大学卒業後は出版社に勤務。 その後、フリーランスのライターに。著書に『山道具 選び方、使い方』(枻出版社)、『テント泊登山の基本』(山と渓谷社)などがあり、近年はテレビ番組やイベントへの出演も増えている。また、アウトドアメーカー各社とのコラボレーションを行なう自身のブランド「SCREES」を立ち上げ、製品開発にも取り組んでいる。