アウトドア高機能インナーの選び方 登山愛好家に聞く

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ブランドによってその機能はさまざま。使いたい時期の季節や温度にあわせて選んでみましょう。
アウトドア高機能インナーは、登山用インナーウェアと呼ばれることもあり、ハードな登山などのシーンにも適した機能を持つインナーです。
アウトドアのアクティビティでは、季節によって厳しい寒さのなかだったり、汗をたくさんかいたりします。着心地のよさはもちろん、防寒、吸水など多機能なものがほしいですよね。選び方としては素材・機能・タイプ・フィット感・デザインなどをチェックする必要がありますので、順番に見ていきましょう。
素材の特徴を知ってインナーを上手に選ぼう
アウトドア高機能インナーを選ぶうえでまず大事なのが素材。その特徴によって使用用途が変わってきます。
また、通常のインナーとは違った素材が使われていることが多いので、必ずチェックしたい項目です。
吸湿性と保温性にすぐれた天然繊維メリノウール
天然素材であるメリノウールは、ウールのなかでも肌触りがいいことで知られています。吸水性にすぐれており、濡れても温度を保ってくれるという大きな特徴があるので、夏・冬両方の季節に対応できる素材です。さらに消臭機能もあり、快適に着用できます。
なお、Tシャツに多く使われている綿素材は、吸湿性はありますが乾きが遅いため登山用インナーには向いていないので注意しましょう。
メーカー独自の素材も! 吸汗速乾性にすぐれた化学繊維
天然素材に対し、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は速乾性にすぐれた素材。夏場や汗をかくアウトドアでのインナーに向いています。近年では各メーカーが独自で開発した新素材も注目されています。
パタゴニア、モンベルなど世界を代表する大手メーカーが、それぞれ従来の素材の持つ保温性や速乾性をさらに向上させることを目指し開発したものなので、信頼も充分。
いいとこ取り! 天然繊維と化学繊維の混合素材も
混合素材としては、ウールと化学繊維を組み合わせたハイブリッド素材などが例としてあげられます。天然繊維の保温性と化学繊維の速乾性の両方を持つこのタイプなら、いろんな用途に使用できます。
さらに、両方の特性の配合を変えることによって、気温に合わせたインナーなども作られています。
季節やアウトドアシーンにあわせた機能性に注目
アウトドア高機能インナーにはおもに3つの素材が使用されていますが、使用する季節やシーンによって素材を使い分けることができます。
それぞれの素材の特徴を考えながら、自分の使用するシーンに適したものを選んでくださいね。
夏場や汗をかくときは吸汗性や速乾性の高いものを
夏のアウトドアや汗をかく機会の多いアクティビティ時には、吸汗性の高いものを選ぶのがいいでしょう。汗をしっかりと吸ってくれるものであれば不快さを感じにくくなります。合わせて、すぐに乾燥する速乾性も備えたものが望ましいです。
速乾性にすぐれているものは体温調節がしやすい状態をキープしてくれます。
冬場や寒さが厳しいときは保温性も高いものを
冬や寒い場所でのアウトドアでは、保温性にすぐれたものを選ぶことが重要です。また、大量の汗をかく登山などで着用するには吸汗性や速乾性の高いものを選びましょう。
なお、冬用のインナーといえば発熱性素材のものが思い浮かびますが、注意が必要です。発熱性素材は吸汗性に乏しく、汗冷えで体温を下げてしまう可能性があるのです。
強い日差しにはUVカット素材を! 防臭機能も押さえて
アクティブに動くアウトドアシーンでは汗をかく機会も多く、その分ニオイも気になります。そこで押さえておきたいのが防臭・消臭機能。また日差しによる日焼けが気になる方には、UVカット機能がついたものがおすすめ。
吸汗・速乾性プラスこれらの機能付きのものを選べば、より快適に活動ができますね。
スリーブやネックのタイプもさまざま
用途によってさまざまな機能を備えているアウトドア高機能インナー。その形やタイプも多々販売されています。
暑い季節や寒い季節に合わせて、いくつかご紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
半そでタイプは暑い時期のアウトドアに
暑い季節のアウトドアには、ノースリーブや半そでタイプが適しています。吸汗性と速乾性を兼ね備えたものであれば、ムレも気にせず快適に行動できます。
メッシュ状のインナーなら汗をかいたときの不快感を大幅に減らすことができ、快適さが格段にアップします。
長そでタイプは虫除けや日よけ・怪我予防にも
ロングスリーブの長そでタイプなら、真夏以外はほぼ通年使用できるので数枚持っていても損はありません。腕がむき出しになる半そでタイプに比べて、虫や日差しを防ぎ、厚手のものなら怪我のクッションにもなります。
なお、虫や日差しを充分に予防するには、防虫機能やUVカット機能を有する素材を使用したものを着用するといいでしょう。
首元にジップがあれば着脱しやすく温度調節も可能
首元、または胸元にジップがついているプルオーバータイプのものであれば、開け閉めするだけで温度調節がしやすいのでおすすめです。着脱がスムーズにできる点もポイント。
季節を問わず着ることができるので、1年を通して着用したいという方にも向いています。
ハイネックタイプは首までガードであったか
厳しい寒さや雪山に登る場合は、首元までしっかり覆えるハイネックタイプがおすすめ。首元までカバーしている分保温力もあがりますし、マフラーのような役割も担ってくれます。
サイズが小さすぎると首が苦しくなってしまうので、自分に合ったサイズを選びましょう。
サイズをチェックして自分にフィットするものを
アウトドア高機能インナーは肌のうえに直接着ることでその機能を発揮するもの。なのでサイズ選びも重要です。同じサイズでも商品によってつくりが異なるので、インナー全体だけでなく、首回りやそで、着丈の長さなどをよくチェックすることをおすすめします。
また、デザインによって身体へのフィット具合に強弱があるので確認しましょう。
季節によってアウトドア高機能インナーを使い分ける 快適に過ごすコツ
アウトドア用のインナーウェアのもっとも大切な役割は、季節に関わらず、常に快適な体温と肌の状態を保持させるということです。しかし、当然ながら夏と冬では暑さ寒さの感じ方が違いますし、汗の量も異なります。そのため、1着で四季を通じて使うのはなかなか難しいものです。
夏は化学繊維のインナー、冬はメリノウールか混紡のインナーというように、季節で使い分けるのが快適に過ごすコツです。
アウトドア高機能インナーおすすめ6選【メンズ編】 素材・機能・タイプ・フィット感をチェック!
まずはアウトドア高機能インナーのメンズ用おすすめ商品をご紹介します。
ロングスリープから半そでタイプまで幅広くそろえてみましたので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
汗冷え対策の定番!
汗冷えを防ぐため、ベースレイヤーの下に着用するドライレイヤーのインナーです。いわゆる吸汗速乾素材のインナーであっても乾くまでにはある程度の時間がかかり、その間に身体が冷えてしまうことも。
この商品は撥水加工された素材でできており、生地全体に穴が設けられています。汗は撥水効果によりドライレイヤーでは吸収されず、穴を通してベースレイヤーに吸い上げられ、身体はドライな状態が保たれます。登山には欠かせないアイテムです。
独自の技術でドライ感と快適さを生む編みシャツ
ミレーの最新技術が生み出した高機能インナー。水分を吸収しにくいポリプロピレンを使用し、汗は厚手のメッシュを通してベースレイヤーに吸収され、肌に濡れた感覚を残しません。また、速乾性も兼ね備えています。
汗冷えせず体がつかれにくい状態を保ってくれるので、激しい運動をする方におすすめです。こちらのインナーとその上に重ね着するベースレイヤーは、体にフィットするサイズを選ぶことでその効果が期待できます。
瞬時の吸汗性で水分をコントロール
アンダーウェアで有名なアンダーアーマーの高機能インナー。汗をすばやく吸収し外部へ発散させる独自開発の「モイスチャートランスポートシステム」が発汗後の不快感を軽減させます。その効果により体温上昇による体の疲れも感じにくくなります。
デザインも無駄がなくシンプル。伸縮性も高く体にぴったりとフィットしながらも動きやすいので、激しい運動が多いアスリートなどにもおすすめです。
ハイパードライ素材でバツグンの速乾性
トライアスロン選手などに愛用されているテスラブランド。ハイパードライ素材を使用し、すぐれた吸水・速乾性と通気性を保ちます。さらにシャツの温度を低く保つクーリング効果と、冷感効果も合わせ持つというまさに真夏にぴったりの高機能インナーです。
サイズが大きめに作られているので、ワンサイズダウンしたものを購入することをおすすめします。より快適な着心地を求めている方に向いているでしょう。
高い発熱力で体温をしっかりキープ
国内老舗スポーツメーカー、ミズノの高機能インナー。肌からの水分を吸収して発熱する素材、ブレスサーモを使用しています。こちらは秋から春にかけて利用できるミドルウェイトタイプ。防風性もあり、冷たい風から体を守ってくれます。
動きやすいストレッチの効いたフィット感、やわらかく着心地もいいので、キャンプでの就寝時にも着用できます。テント泊をしたい方におすすめ。
オールシーズンで使用できる汎用性の高さ
世界でも有数のアウトドアメーカー、モンベルのロングスリープインナー。ジオラインという素材を使用しています。高い吸汗速乾性を保持しているほか、保温性もあるのが特徴。
薄手なので軽く、伸縮性にもすぐれているので重ね着もしやすくなっています。銀イオンの防臭効果も持っており、ニオイも気にならず。寒い環境のなかでの激しい運動や、夏のウォータースポーツなどに向いており、オールシーズンに活用できます。
アウトドア高機能インナーおすすめ2選【レディース編】 素材・機能・タイプ・フィット感をチェック!
続いて、レディース向けのアウトドア高機能インナーのおすすめ商品をご紹介します!
女性にうれしい機能満載でサラサラ肌が続く
ミレーのドライナミックシリーズのウィメンズバージョン。熱伝導率の低いポリプロピレン素材がドライ感を長時間キープし、サラサラな肌を保ちます。消臭糸で防臭効果もあり。
カップレス仕様でスポーツブラと併用できるところや、伸びがよく体のラインにフィットするようデザインされているなど、女性にとって魅力的ですね。冬場のランニングやマラソンにも向いています。
なお、ブラがスポーツタイプの吸汗性に優れたものであればインナーの下に、そうでなければインナーの上からブラをつけると汗が気になりにくくなりますよ。
「アウトドア高機能インナー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アウトドア高機能インナーの売れ筋をチェック
Amazonでのアウトドア高機能インナーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
アウトドア高機能インナー関連のおすすめはこちら 【関連記事】
防寒、吸水など多機能なアイテムを
ここまでアウトドア高機能インナーのおすすめをご紹介しました。
1、素材の特徴を知ってインナーを上手に選ぼう
2、季節やアウトドアシーンにあわせた機能性に注目
3、スリーブやネックのタイプもさまざま
4、サイズをチェックして自分にフィットするものを
あなたが欲しいアウトドア高機能インナーを見つけてみてくださいね!
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自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に。登山やクライミングが趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて連載中。悩みは増え続けるアウトドア用品などの遊び道具の収納場所で、愛車のJeepラングラーもすっかり倉庫代わりに。昨今は車中泊にもハマり、住居をキャンピングカーに変えるか真剣に悩み中。