電動リール用バッテリーとは? どんなバッテリーが適しているのか
電動リールは本体に電動モーターが搭載されているため、バッテリーで駆動し自動で糸を巻き上げることのできるリールのこと。手巻きのリールよりも仕掛けを回収する作業が楽で速いため、時間を効率良く使うことができます。
そんな電動リールを動かすためには、電源が必要になります。この電源には船からの電源かマイバッテリーからの電源かがあり、電圧の安定性や使い勝手を考慮するとマイバッテリー(自分専用の電動リール用バッテリー)を用意しておくのがおすすめ。それではどんな電動リール用バッテリーがあるのでしょうか?本記事を読んで確認していきましょう。
電動リール用バッテリーの選び方
電動リール用バッテリーを選ぶとき、どのような点に着目すればいいのでしょうか。釣りライターの中山一弘さんに、選ぶときのポイントを教えていただきました。ポイントは下記。
【1】バッテリーの種類で選ぶ
【2】釣り方に応じて容量を選ぶ
【3】防水性能で選ぶ
【4】電動リール専用を選ぶ
【5】買い替え前提で選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】バッテリーの種類で選ぶ 「鉛」「リチウム」の2タイプ
電動リール用バッテリーには、鉛バッテリーとリチウムバッテリーの2タイプがあります。それぞれの特徴をチェックして、自分に合うタイプを選びましょう。
手ごろな価格で購入しやすい「鉛バッテリー」
鉛バッテリーは、手ごろな価格で購入しやすいのが魅力です。ただ、サイズが大きく重量が重いため、持ち運びに手間がかかります。電圧は12Vでリチウムバッテリーより劣るのも難点です。
とはいえ、鉛バッテリーは安価なので、なるべくコストを抑えたい方にはぴったり。らくに持ち運べるように、持ち手つきの収納バッグがセットになったものも多く販売されています。
コンパクトで長持ちする「リチウムバッテリー」
リチウムバッテリーのメリットは、高電圧で軽量なこと。14.8Vと鉛バッテリよりやや高くなっています。
電圧が高いため、電動リールの性能をしっかり引き出すことができます。深場を狙うときやパワーが必要とされる巻き上げ回数が多い釣りにも活躍してくれるでしょう。小型で軽量なため、持ち運びもスムーズです。
高性能なリチウムバッテリーですが、性能がすぐれているぶん価格は高め。釣りに行く頻度や交通手段などを考えたうえで、失敗がないように吟味して購入しましょう。
電動リールのバッテリーには、安価な代わりに大きく重たい鉛バッテリーと、高価ですが軽量コンパクトのリチウムバッテリーがあります。また、電圧も鉛バッテリーが12Vなのに対し、リチウムバッテリーは14.8Vとやや高くなっています。
鉛バッテリーがパワー不足というわけではないですが、深場を狙うときや負荷の高い巻き上げをする際にはリチウムバッテリーのほうが安心です。釣りに行く頻度や交通手段などを考えたうえで、適切なものを選びましょう。
【2】釣り方に応じて容量を選ぶ 5~10Ahが目安!
釣りに必要なバッテリー容量は、その日にやる釣りの内容によって決めます。100号の重りを水深90mまで落とす釣りと、40号で30m付近を狙う釣りでは、当然バッテリーの消費量が大きく違います。
一概にはいえませんが、ライトな釣りなら5Ah、やや負荷が高い釣りには10Ahぐらいはほしいところです。状況に応じて選ぶのが一番ですが、釣り仲間単位で良いので予備が持てると安心です。
コストとの兼ね合いもありますが、バッテリー切れで釣りを中断することがないように、余裕をみて準備してください。
【3】防水性能で選ぶ 規格も確認すると安心!
バッテリーは船に取り付けて利用するため、防水性能が高いものを選ぶとよいでしょう。
もちろん商品によって防水レベルは違いますが、リチウムバッテリーのモデルは比較的高いものが多く販売されています。一方鉛のバッテリーは付属の専用ケースがついているものが多くあります。
そのため商品の日常生活防水や防水規格などをしっかり確認するとよいでしょう。あくまで目安ですが、防水規格でIPX4まであると心配しなくてすむでしょう。ただし、海水ですのでお手入れはしっかりしてください。
【4】電動リール専用を選ぶ 車やバイクのバッテリーはNG!
電動リールを使う際に、車やバイクのバッテリーを代用するのは好ましくありません。電圧不足で電動リールの性能を引き出せないことや、バッテリーに水がかかって壊れてしまうことがあるからです。
そのため、性能はもとより安全性に関する面からも、電気に関する専門的な知識を有し自己責任で使用できる方以外は、電動リール用に設計されたバッテリー製品を使ってください。
電動リール用として販売されているバッテリーは、水場での使用を想定して設計されています。トラブルなく快適に釣りを楽しむために、「電動リール用」とはっきり記載があるものを選びましょう。
格安バッテリーとしてバイク用のバッテリーを流用する人がいますが、あまりおすすめできません。電動リールは精密機器であり、電源の品質はなるべく高いほうがよいのは当然のこと。そのため、性能はもとより安全性に関する面からも、電気に関する専門的な知識を有し自己責任で使用できる方以外は、なるべく電動リール用に設計されたバッテリー製品を使ってください。
【5】買い替え前提で選ぶ バッテリーの寿命は数年!
バッテリーは消耗品です。どんなに高性能なバッテリーを購入しても、いつか買い替えが必要になります。また、釣りの種類によって必要なバッテリーが異なるため、新しく買い替えることもあるでしょう。
釣りに行く頻度や使い方にもよりますが、バッテリーの寿命は数年ほどといわれています。この先買い替えることを意識して、自分の釣りのスタイルにあったものを選びましょう。
電動リールにバッテリーは必需品 釣りライターからのアドバイス
最近の遊漁船の中には電動リールが使われることを前提に、あらかじめ電源ボックスが釣り座についているところもあります。もちろん、そのような場合はバッテリーを持ち込むことなく釣りができますから活用しない手はありません。
しかし、すべての遊漁船についているかというとそうではなく、電源ボックスを用意していない船もたくさんあります。いつ、どの船に乗るのかわかりませんから、電動リール用バッテリーをひとつは用意しておく方がよいです。
電動リール用バッテリーのおすすめ14選 人気のダイワやシマノほか、軽量モデルや大容量モデルも
ここまでに紹介した電動リール用バッテリーの選び方のポイントをふまえて、釣りライターの中山一弘さんと編集部で選んだおすすめの商品を紹介します。
ダイワの電動リールをほぼカバー
ダイワの電動リールにおいて1200番サイズ以下の電動リールに対応している12Ah大容量バッテリーです(マリンパワー・ワカサギ電動は除く)。300番以下の小型電動リールであれば2台同時に接続も可能。滑り止めにもなるシリコンカバー付がついている点や劣化した充放電端子は交換が可能なので長く愛用できる商品です。
小型電動リールなら2台同時使用も可能!
ダイワ電動リールの1200サイズ以下のモデルであればすべてのアイテムに対応する万能型のバッテリーです。300サイズ以下の小型電動リールであれば2台同時に使用することも可能です。
従来の鉛バッテリーモデルと比較すると巻き上げスピードもパワーもアップしていますので、より快適な大物釣りも楽しめる高性能バッテリーです。

専用キャリーバッグつきでコスパ最高!
鉛バッテリーのメリットを活かし、大容量を低コストで提供してくれるダイワのタフバッテリー。4kgと少し重いですが、持ちやすい専用のキャリーバッグが付いてくるので機動性は高いです。リチウムバッテリーと比較するとコストは圧勝で、重さを気にしない人なら、ずいぶんお得にたっぷり楽しめます。
このシリーズには20Ahの『タフバッテリー 20000C』もあります。コスパ重視の人には要チェックなシリーズですね。

さすがの純正品で安定度は抜群
10Ahの大容量はもちろんですが、このバッテリーはさすが純正というか、2台同時使用でもショートを起こしにくいのが利点です。
釣り仲間が容量の少ないバッテリーしか持っていなくても、これがあれば万が一のときに相乗りできますし、2種類のタックルを順番に使うということもかんたんにできるようになります。「持っていてよかった!」と思わせてくれる専用バッテリーですね。

スリム&大容量! 電動リールのヘビーユーザーに!
30cmほどのボディに10Ahの大容量バッテリーを内包した製品です。軽量スリムな点もいいですが、シンプルなフォルムは置き場所を選ばないのがなおいいです。
船の釣り座はとても狭いのでスペースは有効活用したいもの。このバッテリーならいろいろな置き方が考えられますからその点はバッチリですね。
5Ahタイプ、12Vタイプもあるなどラインアップも豊富で、釣りのスタイルに合わせて選べるのもおすすめできるポイントです。
安全制御機能搭載のシリーズ最軽量バッテリー
リチウムバッテリー「Fishing CUBE 12V」シリーズの中で、最も軽量でコンパクトなモデルです。シンプルなデザインで置き場所を選びません。ダイワ製は500サイズ以下、シマノ製は3000シリーズ以下の電動リールに対応しています。制御機能で安全に動作するように設計されているので安心です。
USB/充電ケーブルを接続すれば、モバイルバッテリーとしてスマホやタブレットの充電もできます。生活防水で水に入れることはできないので注意しましょう。

ボートフィッシングを知り尽くしたメーカーの商品
BMO JAPANはもともとボート用品を開発、提供している企業なので、電動リールもよく知るメーカーです。そんなメーカーらしく、船べりにぶら下げて使える工夫や、一台で魚探、電動リールが動かせる仕様はさすがです。
ちなみにワニ口は最大3つまで同時使用できますが、大容量機器同士での使用は控えましょう(過放電保護回路が働き、電源が消えるおそれがあります)。また防水性も高く、非常にタフなのも人気の理由です。これから購入する人はもちろん、いままでのバッテリーに物足りなさを感じていた人にもおすすめです。
安くて大容量!電動リール用バッテリーの定番
繰り返しの放充電に強く、電動リールに適した鉛バッテリーです。使用および保管状況にもよりますが、100%放電後の満充電で230回、60%放電後の満充電で550回の放充電が可能です。充電器付きで、家庭用のコンセントで簡単に充電できます。12V機器用の電源としても使用できるので、防災グッズとしても重宝するでしょう。
専用バッグは、底面が滑りにくいラバー素材で耐久性にも優れています。また、上部に余裕をもたせてあるため、充電器もスッキリ収納できます。
シンプルで使いやすい電動リールバッテリー
コンパクトサイズでシンプルなスタイルの電動リール用バッテリーです。12Vタイプのさまざまな電動リールに対応しています。容量も12Ahと十分なのでたっぷりとファイトを楽しみたいという方にもぴったりです。
比較的リーズナブルな価格帯のバッテリーながらバッテリー残量が一目でわかるLED式のチェッカーが搭載されているのも嬉しいポイントです。
丸一日使用OK!電動リールのパワーをフルに発揮
Hapysonから2020年9月に発売された小・中型電動リール用のリチウムイオンバッテリーです。重さ約1kgのコンパクト設計でありながら、電圧14.4V・容量6.7Ahと、1日釣りを楽しむのに十分なパワーを備えています。インジケーター機能で電池残量が一目でわかるので安心です。
付属の腰巻ベルトを使用すれば、ロッドを持ったまま船の上を自由に移動できます。ほかにも、スマホ充電に使えるUSBポートや、最大3週間連続点灯可能なLEDライトなど、便利な機能が満載です。
ダイワとシマノのリールで使用できる汎用タイプ
こちらはダイワやシマノの多くの電動リールで使用することのできる汎用タイプです。もちろん、信頼性で言えばメーカー純正品がベストですが、汎用品であればさまざまなメーカー・サイズのリールを使用できますので釣りの幅を広げてくれます。
もちろんPSE・CEマークも取得していますので安心して使用できるという点もポイントです。
ケーブルが邪魔にならないタイプの互換バッテリー
こちらもダイワやシマノの電動リールに対応した汎用バッテリーですが、ケーブルが邪魔にならないタイプになっていますのでより快適な釣りを楽しむことができます。
バッテリー本体のみでなく充電器やホルダーなど一式が付属していますので、すぐに使用できるのも嬉しいポイントです。サブバッテリーとしてはもちろんのこと、メインとしても十分に使えます。
オーソドックスな電動リール用バッテリー
近年ではリチウムバッテリーが主流になりつつありますが、こちらはオーソドックスなメンテナンスフリーカルシウムバッテリーです。
サイズもコンパクトなので、昔から使い慣れているオーソドックスなスタイルのバッテリーを使用したいという方におすすめです。大容量ながら実売価格7000円代というコストパフォーマンスも魅力です。
純正品質!繰り返し充電に強いサイクルバッテリー
南進貿易の自社開発製品である「SUPER NATTO」。世界のバイクメーカーが純正採用しているバッテリー工場で生産されており、低価格でありながら、国産バッテリーと同等レベルの優れたパフォーマンスを実現しています。最後まで安定した出力が続き、繰り返しの充電にも強いので、電動リールのバッテリーとして最適です。
付属の充電器を使って家庭用コンセントで充電できます。防水仕様のキャリーケースは、肩かけタイプなので、荷物が多くて両手が塞がっていても持ち運びラクラクです。
「電動リール用バッテリー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 電動リール用バッテリーの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの電動リール用バッテリーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
電動リール用バッテリーに関するQ&A

Photo by Wynand van Poortvliet on Unsplash
船電源よりマイバッテリーがいいのは何故?

船電源は周りの釣り人の使用状況によっては電圧が不安定になることも。船電源を使用している人が多ければ多いほど電圧が不足し、糸を巻き上げる際に低速になってしまいスピーディに効率よく作業ができなくなる可能性があります。リールの性能をフルに発揮させるにはマイバッテリーを用意したほうが良いでしょう。
適した電圧はどれくらい?

だいたいの電動リールは12V対応になります。一部の大型リールのみ24V対応となっています。電圧が高いほど比例するようにモーターのパワーとスピードが上がります。12〜14.8Vのバッテリーなら使用に問題ないので購入の際には電圧も必ず確認するようにしましょう。
電動リール用バッテリーの保管方法は?

使用した後は塩分をシャワーで洗い流しましょう。その後、リチウムバッテリーは7割程度まで充電し、鉛バッテリーはフル充電し保管すると場バッテリーが長持ちします。仮に長期間使用しない場合でも自然放電させないためにも定期的に充電するようにしてください。
電動リール用バッテリーとあわせてチェックしたい記事 リール本体やジギングロッド、処分方法など
釣りライフを満喫できる便利なバッテリーを見つけて
こここまで電動リール用バッテリーの選び方とおすすめ商品を紹介してきました。
沖釣りで大物を狙うなら電動リールは必須です。いざという時にバッテリー切れで使えない……ということがないように、種類や容量を確認して選ぶようにしましょう。
あなたにぴったりの電動リール用バッテリーを見つけて、釣りライフを満喫してください。
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