リクライニング式チャイルドシートの選び方
公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに、リクライニング式チャイルドシートを選ぶときのポイントを教えてもらいました。ポイントは下記の3つ。
【1】3種類のリクライニングタイプから選ぼう
【2】快適性と安全性のバランスを考慮
【3】ベッドのようにリクライニングできる「ベッド型タイプ」も
チャイルドシートは、レンタルするという選択肢もありますが、日常的に使用することが多いなら、購入するほうが長期的にみてコストパフォーマンスが高い場合もあります。しっかりとポイントをおさえて、ぴったりの商品を選びましょう。
【1】3種類のリクライニングタイプから選ぼう
リクライニングシートというと、レバーを引いて背もたれが倒れるシートを想像する方が多いと思いますが、チャイルドシートにおいては大きく分けて3種類のタイプがあります。
(1)チャイルドシート本体が傾くことで背もたれが倒れるタイプ
(2)背もたれと同時に座面が前に出るタイプ
(3)車のシートのリクライニングに合わせてチャイルドシートの背もたれも一緒に傾くタイプ(チャイルドシート本体にはリクライニング機能はない。ジュニアシートに多いタイプ)
また、リクライニングの操作には
取り付ける前に調節するタイプ
子どもを乗せたままワンタッチでリクライニング操作ができるタイプ
があります。子どもが車のなかで寝ることが多いなど、頻繁(ひんぱん)にリクライニングをさせたい場合にはかんたんに操作できるものを選びましょう。
【2】快適性と安全性のバランスを考慮する
前述(1)シート本体が傾くタイプのチャイルドシートは、背もたれが倒れて足部分が上がった状態になるのでシートの内角は広がりません。
一方、(2)の背もたれが倒れて同時に座面が前に出るタイプは、シート内角も大きくなるため子どもをより平らな姿勢に近づけます。
快適性でいえば後者になりますが、衝突時の安全性はリクライニングなしの状態より劣ります。そのため、衝撃を受けても子どもの体がハーネスの間から飛び出さないよう、ハーネスを規定どおり指2本入る程度にしっかり締めましょう。
【3】ベッドのようにリクライニングできる「ベッド型タイプ」も
現在日本国内で新品として販売しているチャイルドシートのなかで、ベッドのように使えるチャイルドシートはアップリカとコンビの製品が代表的。アップリカは横向きのベッド型です。コンビは一般のチャイルドシートのように縦型(進行方向に対して後ろ向き)で、シートのなかでベッドに近い角度にセットできます。
ほぼ完全にフラットなシートがよければアップリカの製品を選ぶことになりますが、横向きにセットされるため、最大で80cmの設置スペースが必要です。そのため、車の後部座席のスペースを考慮して選ぶようにしましょう。
リクライニング式の安全性は? 公認チャイルドシート指導員が解説
リクライニングできない機種の方が安全性は高い
チャイルドシートは車との適合、そして安全性を第一に考えて選びます。後向きで使う乳児用シートは背もたれと座面の角度が45度になるように装着することが推奨されています。この角度が新生児を含む乳児に圧迫感がなく、衝突安全性との兼ね合いも考慮された理想的な角度とされているからです。
国土交通省と自動車事故対策機構のチャイルドシートアセスメントにおいても、リクライニングができないシートの方が衝突安全性にすぐれているという結果が出ています。
大きくリクライニングするチャイルドシートに赤ちゃんを座らせる際には、ハーネスを指2本程度入るきつさでしっかり締めて使うようにしましょう。
リクライニング式チャイルドシートのおすすめ6選 公認チャイルドシート指導員が選ぶ
うえで紹介したリクライニング式チャイルドシートの選び方のポイントをふまえて、公認チャイルドシート指導員の加藤久美子さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。車の適合はもちろん、安心して使える商品を見つけましょう。
いつからいつまで使用できるのか、使用対象月齢や体重をしっかりとチェックしておきましょう。

背もたれと同時に座面も前に出てゆとり度アップ!
一般的なチャイルドシートの多くは、シート全体が傾くことでリクライニングの状態になります。ところがこちらのフォームフィットは、背もたれと座面がそれぞれ独立して動く、独自の「ムービングシート」を搭載。背もたれを倒すと座面が前に出てくるタイプのリクライニングなので、ゆとりが広がります。
チャイルドシートに座ったまま操作も可能なので、眠ったお子さんを起こすことなくラクな角度に変えることが可能です。

指1本の操作でどの向きでもリクライニング可能
リクライニング可能なチャイルドシートの多くは幼児・学童用となり、乳児用でリクライニング可能なタイプは数が少ないものです。しかし、こちらのシートは後ろ向きの乳児モードはもちろん、前向きの幼児モードでも、指1本の軽い操作でシート本体の角度をそれぞれ3段階に調節できます。
乳児モードでもっとも寝かせた状態では、ベッドに近い姿勢にすることも可能。後ろ向きで使用してもコンパクトなので、横幅は最大でも46cmと省スペースに収まります。

英国ブランドらしい、ポップなデザインのシート
乳児モードは1段階、幼児モードは3段階にリクライニング(チルト)できるチャイルドシートです。
通常時のサイズは約奥行50×高さ62cmですが、リクライニングを最大限倒したときには約奥行70×高さ49cmと、奥行きが20cmも深くなります。前向きの幼児モードでは3段階での調節が可能ですが、後ろ向きの乳児モードは45度だけの設定です。
このシートのいいところはとてもコンパクトで、価格が1万円台半ばくらいとリーズナブルな点。さらにかわいらしいポップなデザインなところにあります。1万円台半ば前後でリクライニングができるコンパクトなシートを探している人におすすめです。

ほぼフラットな状態になり、回転機能もある!
成長に合わせて横向きのベッド型、後ろ向き、前向きと3つのモードで使える回転も可能なベッド型チャイルドシートです。ベッド型は横向きにして使いますが、ほぼフラットに赤ちゃんの体を寝かせた状態となります。
360度回転するので、赤ちゃんの乗せ降ろしや、車内で寝かせた状態でのオムツ替えなどがかんたん。ママが無理な姿勢をとることなくスムーズに行なえます。

前向きも後ろ向きも7段階にリクライニング
横向きのベッド型にはなりませんが、後ろ向きで使う乳児モードでも、前向きで使う幼児モードでも7段階にリクライニングできる乳幼児兼用チャイルドシートです。「おやすみモード」や「くつろぎモード」などのわかりやすい名前が記されたレバーによって、リクライニングの角度が選べます。
赤ちゃんを乗せたまま操作ができるので、眠ってしまった赤ちゃんを起こすことなくリクライニング操作が可能。ISOFIXとシートベルトのどちらでもシートの設置ができます。

背もたれが車のシートに合わせて角度調整できる
3歳~12歳ごろまで使えるジュニアシートです。背もたれが固定されていないタイプなので、車の座席の背もたれの角度に合わせて同じようにリクライニングが可能です。後部座席がリクライニングしないタイプであれば、ジュニアシートの背もたれも動かすことはできません。
助手席のシートはほぼすべてリクライニングが可能だと思われるため、後部座席で使えない場合は助手席で使う方法もあります。ただし、助手席で使う場合はシートを極力後ろに下げて、エアバッグによるダメージを受けないように注意しましょう。
「リクライニング式チャイルドシート」のおすすめ商品の比較一覧表
そのほかのチャイルドシートはこちら!
購入前にリクライニング角度の調節方法を調べておこう 公認チャイルドシート指導員からアドバイス
乳児用でリクライニング可能なチャイルドシートは、コンビとアップリカの製品が大半を占めています。そのほかは、乳幼児兼用シートであっても乳児用は45度の角度で固定して使い、幼児モードのときにだけリクライニングができるというのが一般的です。
操作方法もさまざまで、赤ちゃんを座らせる前に角度調整しておくものや、乗せた状態で指1本の軽い力で操作できるものなど製品によって異なります。角度調整のしやすさにかなり違いがあるので、購入の際は事前にリクライニング方法を調べておくのがおすすめです。
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