タイヤの種類
ロードバイクのタイヤはおもに下記の3種類があります。
・クリンチャータイヤ
・チューブレスタイヤ/チューブレスレディ(※)
・チューブラータイヤ:タイヤとチューブ
(※)チューブレスレディ:チューブレスタイヤの内側にシーラント剤(パンクの際の空気漏れを防ぐ液体)を入れて密閉性を高めたタイヤ。
クリンチャータイヤ
インナーチューブ(タイヤの中に入れたチューブ)の空気圧でタイヤをホイールに固定するタイプ。
ロードバイク用タイヤの中でも一番オーソドックスで、パンク修理をはじめとしたメンテナンスが手軽で簡単なのが特徴です。
チューブレスタイヤ/チューブレスレディ
インナーチューブが不要で、密閉構造のある専用ホイールが必要になるタイプ。
比較的、低圧(タイヤ内の空気が少ない状態)でもパンクがしにくい作りになっています。しかし、個人で整備するには難易度が高く、また空気も抜けやすいです。
チューブラータイヤ
タイヤとチューブが一体になっていて接着剤やテープでホイールに貼りつけるタイプ。
競技用として使用されることが多く、パンクがしにくい作りになっています。空気の調整もしやすく、高圧・低圧を好みで変えやすいです。しかし、パンクをした場合の修理は大変難しく、慣れていないとかなり時間が掛かります。
自分のホイールに合うタイプを選ぼう
現在ポピュラーな方式がクリンチャー。多くの完成車はこのタイプのホイールやタイヤを採用しています。まずは自分のもっているホイールがどのタイプかを確認し、対応するタイヤを選びましょう。
なお、クリンチャーホイールでもインナーチューブを使えばチューブレスタイヤを使うことは可能です。ただし、クリンチャータイヤを使う場合と比べてトータル重量が増加する傾向にあります。
ロードバイク用タイヤの選び方
それでは、ロードバイク用タイヤの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
・タイヤの太さ
・シチュエーション
・トレッドパターン
・耐パンク性能や耐久性の高さ
・フレームに合わせたカラー
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】タイヤの太さをチェック
一般的なロードバイクのタイヤサイズは、「700×23C」というような表記方法です。
700はタイヤの外周とリム(タイヤをはめこむ部分)サイズを表し、23Cが太さを表しています。太さは数字が小さいほど細く、大きいほど太くなり、以前はレース向けは23C、ロングライド向けは25Cが一般的でした。最近はレース向けは25C、ロングライド向けは28C以上とやや太めのサイズが選ばれる傾向にあります。
▼タイヤの太さの表示方法

太さ別の特徴は下記になります。一つひとつ確認していきましょう。
【 23C 】
軽量性が魅力であるため、軽さが重要になるヒルクライムなどで人気の太さです。また、数年前まではレースの主流でもあったため、競技で使用する方もいます。しかし、パンクがしやすいといった耐久性は劣ります。
【 25C 】
現在、レースでも主流となっている太さです。安定性と耐久性、そして重量とのバランスが良く、幅広い層に人気です。以前は長距離を走るロングライドで主流でしたが、現在はレースユーザーに多く選ばれています。
【 28C 】
安定感が魅力で、ロングライドや街乗りなどで人気の太さです。空気圧を調節することで好みのライディングができるのと、スピードに乗ると抵抗力が少なくペダルを踏めます。
【 32C以上 】
かなり太くて丈夫なため、グラベルロード(砂利道や山道などの整備されていない道)やマウンテンバイクなどで多く使用されている太さです。重量感があり、ペダルへの抵抗力も高いですが、パンクなどはしにくいです。ロードバイクではあまり見かけませんが、使用する場合は、フレームやホイールのサイズにより設置できないこともあるので、必ずサイズは測りましょう。
太さの分だけ乗り心地は良くなる!
タイヤが太いと、エアボリュームが増して衝撃吸収性が向上するため乗り心地がよくなるのが特徴。また、接地面が横に広がるので転がり、抵抗が少なくなりますが、重量は増える傾向にあります。
太いタイヤはフレームによっては干渉してつけられない場合もあるので注意しましょう。
【2】シチュエーションをチェック
同じクリンチャータイヤでもさまざまなモデルがラインナップされていますが、選ぶポイントとなるのは「タイヤになにを求めるか」です。
ヒルクライムレースで使うなら重量の軽さ、通勤ライドで使うなら耐久性やパンクのしにくさを重視。ほかにもロードレースで使うならグリップ性能を。タイムトライアルで使うなら転がり抵抗の少なさというように、シチュエーション別に重視すべき性能も異なります。
自分がどのような走り方をするかで最適なタイヤを選びましょう。
【3】トレッドパターンをチェック
タイヤに刻まれているさまざまな柄の溝をトレッドパターンと言います。このトレッドパターンによっても適した場面があるので覚えておきましょう。
たとえば乾いた地面を走るのであれば溝がないタイプを、濡れている地面を走るのであれば溝の深いタイプを選ぶとよいでしょう。
一般的には溝の少ないタイプが使われていますが、整備されていない道や泥道を走行する場合は凹凸の多いセミブロックタイプを選ぶと安心できます。自分の走るであろう道を想定し、適したトレッドパターンを選ぶようにしましょう。
【4】耐パンク性能や耐久性の高さをチェック
タイヤの耐パンク性能は、トレッドゴム(接地面のゴム)の下に耐パンク層を配置するなどして高めます。
モデルによってはサイドウォールまで耐パンク層を巡らせ、タイヤの側面を切ることによるパンクを防いでいるモデルも。タイヤの耐久性は、トレッドゴムが厚いほど高くなります。
一方でトレッドゴムが厚くなるぶん、耐パンク性能にすぐれたモデルや耐久性が高いモデルは、総じて重量が重くなる傾向に。
軽量モデルはトレッド面の貫通パンクを防ぐ最低限の耐パンク層を配するか、耐パンク層そのものをなくして重量を軽くしているケースもあります。トレッドゴムも薄めなので、耐パンク性能や耐久性にはやや劣ります。
【5】フレームに合わせたカラーを選ぶ
タイヤと言われると、一般的には黒色をイメージしますが、実はさまざまなカラーバリエーションがあります。
ロードバイクのボディに合わせてタイヤのカラーをコーディネートすれば、ほかの人との差をつけられて、個性を発揮させることができます。また、自分だけのロードバイクに仕上がっていくのでより愛着が湧いてくるでしょう。
カラーコーディネートをしながらタイヤ選びをすることも、大切な選び方のひとつです。
おすすめ5選|クリンチャータイヤ
それでは、まずクリンチャータイヤのおすすめ商品をご紹介していきます。
定番レーシングロードタイヤがリニューアル
10年以上の長きにわたって、レーシングタイヤの定番として多くのサイクリストに支持をえてきたグランプリ4000/4000Sを進化させた、コンチネンタルの最新モデルです。
先代モデルより転がり抵抗を減らし、グリップ力を高め、軽量化を実現。さらに耐パンク性能も向上させるなどの進化を遂げているのが特徴です。
ハイスピードでのコーナーリングやウエット時のグリップでも安心感があり、レース用ならこれを選んでおけば間違いないと言えるほど。新たな定番タイヤといっても過言ではありません。
耐パンク性能を強化したレーシングタイヤ
日本ブランドの自転車タイヤメーカー・パナレーサーのロード用レーシングタイヤ・レースシリーズです。EVO4では新コンパウンド「ZSGアドバンスドコンパウンド」を採用することで、転がり抵抗を10%減らしてグリップ力を20%向上。耐パンク性能にもすぐれています。
レースシリーズでもとくに耐パンク性能を強化したレースDはトレッド面の貫通パンクだけでなく、サイドウォールにも耐パンク層を配し、徹底したパンク対策がおこなわれています。トレーニングや通勤ライドはもちろん、レースでのパンクを避けたい人におすすめです。
ドライ・ウェットとも高いグリップを発揮
マキシスの最新ロード用レーシングタイヤ。
最新のコンパウンド「HYPRコンパウンド」は、従来のものより転がり抵抗を15%減らし、ウェットグリップを20%も向上させているのが特徴です。重量も210gと軽く、価格もレーシングタイヤとしては比較的お値打ちで、コストパフォーマンスがいいのも魅力。
ウェットグリップと重量の軽さを両立したタイヤをお探しの方におすすめです。耐パンク層の素材には、多くのタイヤに使われるケブラーやベクトランよりすぐれた性能を誇る「K2ケブラーコンポジット」を採用し、耐パンク性能にもすぐれています。
すぐれた耐パンク性能! Eバイクにも対応
シュワルベのロングライド向けモデル・デュラノシリーズのなかで、とくに耐パンク性能を強化したモデルです。
トレッド(左右の車輪の中心間距離)の下にレースガード、タイヤサイドにはプロテクション素材・スネークスキンを搭載。タイヤ全体をガードすることで貫通パンクもサイドカットによるパンクも防ぐので、パンクに対する安心感が非常に高いのが魅力です。
さらに、これから日本でも勢力を拡大することが予想されるEロードバイク(電動アシストロード)にも対応しています。
走行性能・制動性・快適さいずれも良好
グリップの高いコンパウンドを採用。乾燥した路面はもちろん、濡れた路面でも横滑りもなく安定した走り。制動性もなかなか。
また、センターゴム幅を広げたことで、コーナリングが安定、快適な乗り心地です。カラー展開は4色。
おすすめ4選|チューブレスタイヤ・チューブレスレディ
続いては、チューブレスタイヤ/チューブレスレディのおすすめ商品をご紹介していきます。
世界最速の呼び声高いタイヤがバージョンUP
海外のタイヤの実験サイトで圧倒的な転がり抵抗の少なさを記録したことで、世界最速の呼び声が高いコルサスピードの最新モデルです。
メーカーによると炭素原子がシート状に結合した「グラフェン」を配合したコンパウンド(複合物、化合物)をグラフェン2.0に進化させ、転がりの軽さを向上。グリップや空気の保持力、耐カット性能も高めるなど、全方位的に性能アップしているとのことです。
抜群の転がりの軽さと強化されたグリップ力から、ロードレースやタイムトライアルなどでとっておきの決戦用タイヤとして使うのがおすすめ。
チューブレスレディ対応なので、転がりの軽さを求めるならチューブレスレディ対応ホイールと組み合わせるとベストです。
コンパウンドつきで耐摩耗性にすぐれたタイヤ
チューブレスタイヤの仕様はそのまま残していながらも、価格はリーズナブルなタイヤです。
軽量化のためにフォールディング仕様で作られています。また、耐久性と摩耗を抑えるためにコンパウンドつきのトレッドゴムを使用しています。
ケーシングは127tpiを使用することで、しなやかな走りが体感できます。
季節問わないオールラウンドモデル
トップのモデルをもとに製作されたタイヤで、季節問わず走行できるオールラウンドモデルのロードタイヤです。
今までと異なる新しいコンパウンド「ADDIX」を搭載することで、真冬の濡れた路面でも滑りにくくなっています。
耐パンク性と耐久性を高めるために、耐パンクベルトにはレースガードを搭載しているのも魅力のひとつです。
バランスがとれたチューブレスレディータイヤ
MICHELIN (ミシュラン)のPOWERシリーズ待望のチューブレスレディータイヤです。
ライバルより総合的にバランスがとれていることが開発のコンセプトとなっているので、トータルのバランスがとれたタイヤがほしい方にはぴったりでしょう。
新たなトレッドパターンを取り入れたことにより、回転効率やグリップ力などが強化されているので、安定したコーナーリングが可能になっています。
おすすめ3選|チューブラータイヤ
最後は、チューブラータイヤのおすすめ商品をご紹介します。
エアボリュームアップで安定感が抜群
エアボリュームを増やすことで、溝や凹凸などを超えたときも衝撃を吸収してくれて、安定感があります。
耐パンクベルトを取り入れているため、耐久性にもすぐれていますよ。
ロングライドやブルべにぴったりなタイヤでしょう。
バルブコアが脱着可能で便利!
アラミドベルトを使用することで耐パンクの性能をグンと上げているため、パンクのリスクを軽減できます。
バルブコアの脱着が可能になり、今まで以上に使いやすくなったトレーニング用チューブラータイヤです。
赤色を基調としたタイヤカラーになっているので、車体のカラーと合わせてみるのもよいでしょう。
バランスのとれたチューブレスタイヤ
トレッド形状は縦長で、スリックに溝きりを使用しているタイプの商品です。
抵抗の低さ・グリップ力・クッション性・耐パンク性などバランスがとれたタイヤとなっているのもポイントです。
ブラックチリコンパウンドとベクトランブレーカーもついていますよ。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ロードバイク用タイヤの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのロードバイク用タイヤの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ロードバイク用タイヤに関するQ&A よくある質問
パンクを防ぐ走り方は?

尖ったものがたまりやすい道路の端を走らないことと、段差や石を踏む際に体を浮かせる(抜重)ことが重要です。
タイヤの寿命や交換時期は?

ロードバイク用タイヤの寿命や交換時期は、使用する環境や保管状況によって劣化度合が変わるため、~年といった数字で表すのは難しいです。そのため、直接タイヤを触って確認する方法をおすすめします。
タイヤのセンター部分が平らになっていたり、ヒビ割れが入っていれば、交換した方がよい時期になります。手で触ってみるとより確認しやすいので、タイヤの横の部分なども含め、注目して見てみるようにしてください。
ロードバイク用タイヤに関するそのほかのおすすめ記事 【関連記事】
軽さと耐久性を適度に兼ね備えたオールラウンド系が扱いやすい 自転車ライターからのアドバイス
用途によってベストなタイヤは変わるものですが、特定の性能を強化したモデルは得意・不得意がはっきりしすぎていてバランスが悪く感じることも。
たとえば耐パンク性能や耐久性にすぐれたタイヤは重いことが多く、登りを走る際や加速時に重さを感じることがあります。また、軽量タイヤは耐パンク性能や耐久性に不満を感じるケースもあるでしょう。
あらゆるシーンでバランスよく使いたいと考えると、軽さも耐久性もほどほどに兼ね備えたオールラウンド系のモデルが扱いやすいといえるかもしれません。
タイヤは走行に一番影響を与えるパーツ
本記事では、ロードバイク用タイヤの種類ごとの特徴や選び方、そしてタイプ別のおすすめ商品を紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、タイヤのそれぞれの種類の特徴を抑えた上で、下記の5つのポイントを抑えましょう。
・タイヤの太さ
・シチュエーション
・トレッドパターン
・耐パンク性能や耐久性の高さ
・フレームに合わせたカラー
上記のポイントを抑えることで、納得のできるタイヤ選びができるはずです。
ロードバイクに乗り慣れてくると、走行性向上のため、カスタムしたくなってきますよね。その中でもタイヤは走行に一番影響を与えるポイントです。より快適で爽快感のある走りを実現するために、ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリのタイヤを見つけてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
自転車専門誌やウェブサイトなどで活動する自転車専門のライター。 ロードバイクやサイクルパーツ、サイクルアパレル、自転車用デジタルデバイスなどのインプレッション記事、トレーニング系の記事、ロングライドの実走レポートなどを得意とする。 執筆活動の傍ら、Jエリートツアーの選手としてロードレースやタイムトライアル、ヒルクライムなど幅広いレースに参戦。 自転車版の耐久レース・エンデューロも好きでよく出場している。