トランペットの選び方 レコーディングエンジニアに聞いた
レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんに、トランペットを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
材質で選ぶ
真鍮・金・銀などを音の響き方や好みに合わせて選ぶ
トランペットにもっともよく使われている素材は「真鍮(しんちゅう)」(ブラス)です。真ちゅうは鉄と亜鉛の合金で、明るい響きが特徴です。さびにくい材質なので、古くからトランペットをはじめとする金管楽器に使われてきました。なかでも音が明るいイエローブラスがもっともよく使われています。銅を多めに使ったゴールドブラスは、イエローブラスよりも少し赤みを帯びており、幅のある音色を持っています。
真鍮のほかにもツヤが長持ちしやすい金、しなやかな音色をもつ銀でできたトランペットがあります。どんな音色を響かせたいかによって選ぶといいでしょう。
塗装方法をチェック
入門者はラッカー仕上げ、中級以上はメッキ仕上げを
トランペットは、塗装方法によってえられる音色が変わってきます。ノーラッカー、ラッカー、ゴールドラッカー、クリアラッカー、金メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキなどさまざまな仕上げがあります。なかでもクリアラッカーやゴールドラッカーは比較的低コストで製作できるため、お求めやすい価格のものが多く、もっともポピュラーです。
ラッカー仕上げのものは、総じてシャープで音の立ちあがりがよいとされています。反対にメッキ仕上げのものは、柔らかく歪み感が少ないのでクリアな音色がえられるといわれています。しかし、息を吹きこむ際に抵抗感が増し、演奏が少し難しいので、中級者〜上級者向けといえます。
ベルの加工方法で選ぶ
「1枚取り」か「2枚取り」か
ベルの加工方法は大きく分けて「1枚取り」と「2枚取り」の2種類があり、それぞれ音色に特徴があります。
1枚の真鍮板から手作業で成形する「1枚取り」は、作業に手間や時間がかかるため高価になりますが、継ぎ目がないことから、なめらかで伸びやかな音がえられます。一方、「2枚取り」は別の材料で作ったベルとパイプをつなぎ合わせる製法です。機械加工ができるため、比較的手にいれやすい場合が多いです。
以前は、2枚取りは安かろう悪かろうとされていました。しかし今では工作技術の進歩から製品のクオリティも上がり、プロの使用にもじゅうぶん耐えうるものになっています。あえて華やかで軽い音色の2枚取りを選ぶ奏者もいるようですよ。
トランペットのおすすめ8選 初心者から中級者まで!
うえで紹介したトランペットの選び方のポイントをふまえて、レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。長く愛用できるトランペット選びの参考にしてください。

カラーバリエーションが豊富な入門用トランペット
「トランペットを演奏してみたい」と思いたったら、気軽に始められる商品をお探しの方におすすめ。しっかりと作られており、初心者の入門用から中級者の練習用まで、幅広く使っていただけます。仕上げはクリアラッカーで、ゴールドのほかにもレッドやブルーなどのカラーバリエーションがあるのも魅力です。
若干ピストンや抜差管に引っかかりがあるという声もあるようですが、オイルやグリスなどを使って手入れすることで解消できる場合が多いですよ。

軽やかで華やかな音色が特徴のトランペット
管楽器、とくにトランペットは、はじめての方にとって、まともな音を出すだけでも難しい楽器です。しかし、この機種はビギナーにも演奏がしやすいように考えて作られていて吹きやすいです。リーズナブルな機種のなかでも、作りがしっかりしたもののひとつといっていいでしょう。
2枚取りのクセのある倍音の出方も華やかに響き、重くなりがちなイエローブラス・ラッカー仕上げも軽やかな音色に聞こえます。ビギナーの方、個人練習用のサブ機としておすすめです。

ビギナーにもおすすめの定番機種
非常に人気の機種で、定番と言ってもいいでしょう。最初の1台に選ぶビギナーの方も多い機種です。管楽器には比較的アタリ・ハズレがあるものですが、メーカーがYAMAHAということもあり、製品ごとのばらつきも少なく、安心して選ぶことができます。初心者でも吹奏しやすい主抜差管に支柱がないタイプですので、抵抗感がなく、肺活量の少ない方でもラクに演奏できます。
2枚取りベル、イエローブラス・ゴールドラッカー仕様ですが、華やかで素直な音色が特徴。ビギナーから中級者までおすすめできるモデルです。

中級者以上におすすめの2枚取り機種
V.BACH(バック)のラインナップの中でも比較的手に入れやすい価格で、コストパフォーマンスに優れています。サウンド的にはV.BACHの看板機、Stradivarius(ストラディバリウス)の系統をふまえつつも、華やかであり、いい意味で若干の軽さが感じられるのが特徴です。
ベルは2枚取りで、この機種専用に開発されたものを採用し、1本支柱を備えることで、ある程度の吹奏感とコントロールのしやすさを両立しています。仕上げは「GL=ラッカー仕上げ」と「SP=銀メッキ仕上げ」があり、GLの方が若干明るめな音色、SPは落ち着いた印象の音色です。好みによって選ぶといいでしょう。
トランペットを始めるのに必要なものが揃っている
ソレイユのトランペットは、初心者入門セットということで最初に揃えておきたいものが全てセットになっています。そのため、届いたその日から練習を開始することができますよ。高い音域を得意としており、ジャズやホップス、ロックなど幅広い楽曲の演奏が可能に。
華やかで明るい音を奏でられるので気分も上がります。カラーバリエーションも豊富なので自分に合ったものが見つかるでしょう。
なめらかな音のでる扱いやすいモデル
ヤマハのトランペット YTR-3335Sは、リバースタイプチューニングスライドを採用しており伸びの良い音を奏でることができます。また、とても吹きやすいため演奏がしやすく毎日の練習も苦にならないでしょう。
軽量なのに耐久性には優れているので長く愛用できるモデルと言えます。吹きやすさにこだわりたい方におすすめです。
明るく爽快な音が特徴
こちらのトランペットは、パーツの一つ一つ、細部までこだわり抜かれているため無駄のないつくりとなっています。できる限り軽量に作られており長時間の演奏にも適しています。アタック感が強く、アンサンブルでも他の音に隠れることなく音を奏でます。
指掛けが手の大きさに合わせられる可動式になっているなど初心者の方にも嬉しい工夫がされています。
コスパ良し!最初の1本におすすめ
ケースや手袋などもセットになっているammoon のトランペットです。約10,000円と、これからトランペットを始める方も手を出しやすい価格となっています。高音域も綺麗にでるなど、お値段以上の品質と言えるでしょう。
耐久性にも優れており、初めの1本にもおすすめできますよ。ゴールドとシルバーの色合いも良くデザインの良さもおすすめです。
「トランペット」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする トランペットの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのトランペットの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかのトランペットアイテムはこちら!
レベルに合わせて機種を買い替えていく 最後にエキスパートからメッセージ
3つの観点から選び方を紹介してきましたが、ビギナーの方がそれらの組み合わせを考えると途方に暮れてしまうと思います。まずは手にいれやすいものから始めてみましょう。ある程度感覚をつかんだうえで上位機種にステップアップしていくと、ムダなく自分にあうものを選べると思います。
細かい点は省略しましたが、本体の1枚取りと2枚取りの違いのほかに材質についてもいくつか選択肢があります。また、マウスピースを変えるだけで吹きやすさが格段に良くなるので、マウスピースの素材やサイズなどもゆくゆくは考えていくといいでしょう。
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1989年株式会社ゼロスタジオに入社。 アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。 その後、数々のレコーディングに携わる。 2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。 以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"