ギターシールドの選び方
それでは、ギターシールドの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】用途に合わせた長さ
【2】カールコードかどうか
【3】プラグの形状
【4】音域
【5】耐久性
上記の5つのポイントを押さえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】用途に合わせた長さをチェック
ギターシールドの長さは製品よって幅広く、使うシーンに合わせて選ぶことが必要です。そこで、どんなときにどれくらいの長さがあると使いやすいのか、用途ごとの長さの目安を紹介していきます。
▼練習用に使いやすい「3~5m」
自宅などで練習をしたいときには、3~5m程度のシールドを選ぶのがおすすめ。練習中は、歩いたり体を動かしたりすることがないため、シールドが短くても不便に感じることはないでしょう。
一方で、長すぎるとシールドが絡まりやすく使い勝手が悪くなってしまう場合もあります。アンプと練習場所の距離などを考え、扱いやすい長さを選びましょう。
▼ライブで演奏するなら「5~7m」
スタジオやライブハウスなど、実際に楽器を演奏する場面では、5~7mと長めのシールドがぴったりです。シールドが短すぎると演奏中に動いたときにケーブルが抜けてしまい、ダイナミックな表現がしづらくなってしまいます。
とくに、お客さんを入れてのライブは盛り上がりによって、演奏中の動きが激しくなりやすいため、余裕のあるサイズを選ぶようにしましょう。
▼エフェクターを連結するなら「10cm」を目安に
演奏に使うエフェクター同士を連結する場合には、10cm程度の短いシールドを選びましょう。このサイズのシールドは「パッチケーブル」と呼ばれており、コンパクトにエフェクターを連結させられます。
また、パッチケーブルの長さを統一しておくと、足元のばらつきがなくなります。3つ以上を連結させるときは、なるべく同じ長さのシールドを選びましょう。
(★)ポイント:演奏に必要な長さ+1mを目安に
シールドを変えることでサウンドは確実に変わります。ギターの元音よりよくなることはありません。シールドによる信号の損失はどんな高性能のものでもありますので、それがどの程度か、またどの帯域にあるのかということで、シールドによる色づけの特徴が出てきます。
また、シールドの全長が長くなれば長くなるほど、そのシールドの性格は強くでてきます。演奏性も踏まえたうえで、最適な長さのものを選ぶようにしてください。目安は、演奏に必要な長さ+1mくらいです。
【2】カールコードかどうかチェック
ギターシールドの形状のデザインのひとつに「カールコード」があります。カールコードは、コード部分がバネのように巻かれたデザインで、自在に伸縮するようになっているので、幅広い用途で使いやすい長さに仕上がっています。
さらに、ケーブルが絡まりづらいので、演奏後の片付けも手軽になるのも魅力。ステージ上での見栄えもよく、使い勝手のよいコードです。
【3】プラグの形状をチェック
シールドの形状には「ストレート」と「L型」があります。サイドにプラグのついているレスポールやテレキャスターの場合、ストレートでももちろん使えますが、どうしても取りまわしが悪くなってしまうため、接触不良を防ぐためにもL型の方が適しています。
逆にストラスキャスターなどは、ストレートでないと使えません。また、通常ギター用のシールドはTSフォーンプラグを使っていますが、インサーションケーブルなどはTRSフォーンプラグのものがあります。TSとTRSを間違えて使うと接続機器の故障につながりますので、充分な注意が必要です。
【4】音域をチェック
ギターシールドは、低音域が得意なものや高音域が強調されるものなど、商品によってさまざまな種類があります。そこで、自分の演奏スタイルに合う音域のシールドを選ぶようにしましょう。
また、自宅用やスタジオ用など、場所によってシールドを使い分けるときには、なるべく同じタイプケーブルを選ぶのがおすすめ。ケーブルによる音の違いが出にくくなり、自分の演奏を追求しやすくなります。
(★)ポイント:はじめはフラットな音質のものから選ぼう
もしもいま、ギターを買ったときにおまけについてきたような安いシールドを使っているのであれば、これから紹介するようなシールドに交換してみてください。よくも悪くもかなり音が変わって聞こえるはずです。そのとき、なるべくならフラットな音のものを選ぶほうがよいでしょう。
例えば、『CANARE(カナレ)』や『MOGAMI(モガミ)』といったメーカーがおすすめです。音に色づけの少ないものを選び、それを基準にすることで、その後のシールド選びや音作りがスムーズに進みます。
【5】耐久性をチェック
ギターシールドは消耗品ですが、頻繁に購入し直すのは大きな負担になってしまいます。そのため、少しでも長くギターシールドを使いたい人は、使用している素材や太さをチェックして耐久性の高いケーブルを手に入れましょう。
さらに、使うシーンによって使うシールドを変えるのも、シールドを長持ちさせるポイントのひとつ。ひとつのシールドに負担が集中しないことで、劣化スピードをおさえられます。
(★)ポイント:ケーブルのかたさもチェック!
シールドの使いやすさを決める意外なポイントが、ケーブルのかたさです。ケーブルがかたいほど耐久性が高いのですが、ケーブルを曲げづらいため持ち歩きづらく感じてしまいます。
反対に、やわらかいケーブルだと収納性や演奏中の扱いはかんたんですが、断線などのリスクがあります。それぞれのメリットやデメリットなどをふまえて、自分のスタイルに合うかたさのケーブルを見つけましょう。
エキスパートのアドバイス
お好みがなければ、自作もひとつの手
たとえばCANAREのシールドには同社のF-15というプラグが使用されていますが、純正ではストレート仕様のものしか販売されていません。
L型のシールドが必要な場合は、自作をするという選択肢もあります。はんだ付けが必要なのでハードルが高いと思われがちですが、意外とカンタンにできるうえ、コストも安く付きますのでおすすめです。
ギターケーブル(シールド)おすすめ9選
上記で紹介したギターシールドの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。見ただけではわかりにくい、それぞれのシールドの特徴をわかりやすく解説いただきました。

多くの場面で使用される定番の存在のシールド
CANAREは日本の音響ケーブルやコネクタのメーカーで、プロのレコーディングスタジオやライブなどの現場でも使用されています。その色づけの少ないサウンドや耐久性は世界的に絶大な信頼を勝ち取っているほど。今回おすすめするのは、そのCANAREの超定番シールドです。
ギター用と銘打っているわけではありませんが、ギター・ベースに使われることも多く、価格も安いために、練習スタジオなどでも非常に多く見かけられます。音質はフラットで、よくも悪くも癖がなくノイズも少ないため、最初に選ぶのに最適です。この1本を、ほかのケーブルを選ぶ際の基準にしてもよいでしょう。

世界の一線で活躍しているシールド
MOGAMIもCANAREと同じく日本が世界に誇るケーブルメーカーで、プロのレコーディングスタジオやハイクオリティーなライブでの使用にも耐えうるすばらしい製品を生み出しています。音質はフラットで色づけは少ないですが、若干高域が持ち上がり気味で明るくサラッとした音色に聞こえます。
このシールドのなによりおすすめのポイントは、巻きグセがつきにくくとりまわしが容易なこと。プラグもスイッチクラフト製の丈夫なものです。使いやすくサウンドも音作りの基準になる、コストパフォーマンスにすぐれた、すべての方におすすめできるシールドです。

ツイードの外装がライブでも目をひくギターシールド
ギターやベースでおなじみFender純正のシールドです。ツイード素材の外装が、いかにもFenderという感じで高級感があります。プラグの処理もていねいで耐久性もあり、しかも永久保証つき。音質は変に強調される帯域もなく、ノイズも少ないので使いやすくなっています。
全体的にかためでとりまわししづらいですが、使い込んでいくうちにやわらかくなじんでくると思います。デザインのよさと耐久性を気にされる方、テレキャスやストラトなど、Fenderユーザーにはとくにおすすめです。

ライブでのとりまわしが容易で目をひくカールコード
60〜70年代のロックミュージシャンがよく使っていた、カールコードに憧れた方も多いのではないでしょうか。そのルックスはそのままに、音質や耐久性を向上させたのがこの製品です。カールコードで音がよいものはなかなかないのですが、
Vital Audioのシールドはフラットでありながらも、音が前に出てくるような感じで、楽器本来の音を最大限に引き出します。
そのかわり楽器がよく鳴っていなければ、それもそのまま聞こえてしまうので、楽器の質や演奏者の技術が試されるところ。レコーディングでの使用はもちろん、ルックスがよいのでライブにもおすすめです。
これさえあれば十分
アメリカの有名なケーブルマーカーから発売されているこのシールドです。ギター用に開発されただけあって、中音域の劣化が少なく、ストレートにバランスよくギターのポテンシャルを発揮してきます。クリーントーンでは、優しく包み込むような倍音を、歪み時には、ピッキングニュアンスやディテール感を細かく描き出しどの音でも対応することができます。
質の高いケーブル
こちらのギターシールドでは、マルチゲージ構造の伝導体により、音の質の向上を実現しています。純度99.99%の純度の高い銅を使用した伝導体で高音質を約束し、ノイズ干渉を低減する2重シールドの構造です。耐久性に優れた、摩擦抵抗の少ない被覆材を使用しています。使われている絶縁体の質も高いので、質の高い音を楽しむことができますよ。
シンプルかつ高性能
こちらのギターシールドは、柔らかく、より自然な音を奏でられるようになっています。思わずずっと弾いていたくなる心地よさが特徴。そのため、他のギターシールドに比べて精度は抜群です。楽器専用ケーブルならではの温かみがあります。耳障りな帯域を抑えるように設計されているので、初心者の方も楽しみながら弾けるでしょう。
立ち上がり音を忠実に
こちらのギターシールドは、ニュアンスとピッキング時の音の立ち上がりの良さにこだわって開発されたケーブルです。ラフなカッティングやコード弾きとされる倍音のバランスを取りながらも、アンプのみのラウド感も出しやすくなっています。ギターのボリュームを絞っても、音のニュアンスを損なわず、思い通りの音を出すことができます。
対応性に強いケーブル
どんな状況でも、機材のポテンシャルとサウンドを常に引き出すことをテーマに作られています。曲げや折れに対して高い信頼性を持つケーブルでもあり、断線にも強い加工が施されているのでとても強度があります。ギターサウンドを最も自然に伝達させる事に立ち戻り、様々な素材で構成されたケーブルの中からプロのアーティストによって選ばれた素材を採用しているので安心の一品です。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ギターシールドの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのギターシールドの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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自分にピッタリの商品を選ぼう
本記事では、ギターシールドの選び方やおすすめ商品を紹介しましたが、いかがでしたか?
シールドは適当に巻いたまま置いておくと、巻きグセがついて使いにくくなったり、断線したりしてしまうこともあります。できれば八の字巻きをしておくと、次に使うときに絡むことなく使用できます。
また、長く使っているとプラグに手の脂やよごれが付着して、音のヌケが悪くなり、ひどいときにはノイズの原因にもなりますので、接点洗浄剤(復活剤ではありません)などでクリーニングするとよいでしょう。このとき研磨剤入りのものは控えてください。
シールドはギターの音色を左右する重要なパーツのひとつ。形状や長さによっても音の質が違ってきます。それぞれのシールドの特徴をつかんで、自分が奏でたい音色にあったものを選んでくださいね。
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