電子書籍リーダーとは? メリット・デメリットを紹介
電子書籍リーダーは電子書籍の読書に特化したデバイスで、ディスプレイは「電子ペーパー」を採用し、紙と同レベルの視認性を備えています。
大きなメリットとしては、画面の光もやわらかくブルーライトが発生しないので、長時間使用しても目に優しい設計になっていること。また、電池の消耗が少なくバッテリーが長持ちし、タブレットより本体が比較的軽いことも魅力です。リーズナブル価格のモデルもあるので、はじめての人にもトライしやすいところもポイントです。
スマートフォンやタブレットなどを電子書籍リーダーの代わりとして使うこともできますが、やはり使いやすさでは専用機器にはかなわないと言えるでしょう。
雑誌やカラー漫画を読む場合はタブレットにしよう
電子書籍リーダーは基本的に白黒です。そのため、小説やビジネス本は十分楽しめますが、ファッション雑誌やカラーの漫画など、色味が重要になる書籍は向いていません。ファッション雑誌やカラー漫画を楽しみたい場合にはタブレットか、もしくはアプリと連動させて使用することをおすすめします。
電子書籍リーダーの選び方
ここからは電子書籍リーダーを選ぶときのポイントをご紹介します。どういう点に注目して電子書籍リーダーを選んだらいいかよく分からないという方はぜひ参考にして、ご自身の使い方に合わせてぴったりの電子書籍リーダーを見つけてください。
利用中の電子書籍ストアに対応しているかチェック
スマホなどですでに電子書籍ストアを利用しているのなら、そのストアに対応している電子書籍リーダーを選ぶようにしましょう。電子書籍リーダーによっては、ある特定のストアしか利用できないものもあります。購入する前にどのストア対応なのかのチェックが必要です。
もし複数のストアを使っているのであれば、複数のストアに対応している商品を選ぶとよいでしょう。
保存できるデータ容量をチェック
電子書籍リーダーは、電子書籍のデータを端末本体に保存して利用します。文字中心の本の場合、1冊あたりのデータ容量がそれほど大きくないため、容量の小さなモデルでもじゅうぶんに利用できます。
データ量の大きなマンガを読みたい場合は、32GBなどの大容量モデルも選択肢に入れて検討するといいでしょう。
とくに長期連載作品を電子書籍でそろえたい場合は、途中で容量オーバーになることがないように、ゆとりのあるモデルを選んでおいたほうが賢明です。
クラウド利用やSDカードでデータを拡張できる
電子書籍は、端末本体に保存する以外にクラウドを利用できるモデルやSDカードで容量を拡張できるモデルがあります。
アカウントで管理するクラウドシステムなら複数のデバイスで閲覧が可能となります。SDカード対応ならつねに大量の書籍を持ち運べるメリットがあります。どちらのタイプがよいか用途や好みで選ぶとよいでしょう。
本体・画面サイズをチェック
電子書籍リーダーの場合、ディスプレイのサイズは小さいもので6インチ、大画面のモデルで8インチ程度となります。
6インチの場合、紙媒体の雑誌などは文庫本程度のサイズとなるのでかなりコンパクトに。持ち歩いてもじゃまになりません。ただし、マンガなどは少し読みにくいかもしれません。
一方、大画面のものはマンガを迫力あるサイズでたのしむことができますが、持ち歩くときに少々荷物になるのが難点です。読みたいコンテンツやどこで使うかに合わせて選ぶのがおすすめです。
解像度も確認しておこう

Photo by マイナビおすすめナビ
「ppi」は1インチあたりの画素数をあらわし、数値が高いほど細部までクリアに見ることができます。電子書籍リーダーは白黒表示が一般的ですが、白黒の濃淡をはっきりさせたりこまかなグラデーションを再現するため解像度も重要です。マンガやラノベの挿絵、ビジネス本のグラフなどは、解像度が高い方がよりきれいに見えるでしょう。
防水機能をチェック
防滴や防水に対する保護等級をあらわす数値「IPX」は、0から8まで9段階の等級があります。電子書籍リーダーのなかにはIPX8規格に準拠しているモデルも販売されているので、お風呂やキッチン、ビーチなどでも使用できて便利です。とはいえ、生活防水を目的として設計されているので、水中などの過度な使用は控えましょう。
PDFファイル機能があるかチェック
BOOX Note Pro
自宅にある大量の本を持ち歩きたいなら、PDFファイルとして電子書籍リーダーに取り込むとコンパクトに持ち歩けて便利です。自分で本をスキャンしたものを自炊本と呼ぶのですが、電子書籍リーダーによっては変換などの手間が必要なものとそうでないものがあります。
PDF以外のファイル形式もサポートしている商品もありますので、自炊本作成を考えている人はチェックしてみるとよいでしょう。
3種類の人気メーカーの特徴を比較
3種類のメーカーから販売されている電子書籍リーダーの違いをチェックしておきましょう。
Amazon『Kindle』
大手通販サイトAmazonが展開する電子書籍リーダー。kindleストアの圧倒的な在庫数から書籍を選べるメリットがあります。またスマホやタブレットと連動することもできます。操作性も直感的で、読み込みスピードも申し分のない、シェアの高い電子書籍リーダーです。
楽天『kobo』
KOBO N249-KJ-BK-S-EP 電子書籍リーダー
電子書籍コンテンツやアプリ開発などを行うカナダの企業koboを、2012年に楽天が買収後、サービスを開始した電子書籍リーダー。一般的な機能はその他の電子書籍リーダーと変わりませんが、圧倒的なメリットはコストのお得感。数多くの書籍が比較的安く購入できることに加え、100円につき1ポイントの楽天ポイントが貯まります。
文石『Boox』
IBM、Google、Microsoftのチームによりアメリカ ロサンゼルスで創業され、中国広州に本社を置く先進家電企業。androidOSも搭載しているだけでなく、使用者の使い勝手を重視した表示切替機能、電子ペンを使用したメモ機能など、「読む」だけに留まらない使いやすさがあります。
Kindleかkoboが主流
現在、日本で主流となっている電子書籍リーダーは、Amazonの「Kindle」と楽天の「kobo」に大別できます。
Kindleは、Amazon内のストアから1冊単位でコンテンツを購入できます。それに加え、Amazonの有料会員サービスである「プライム会員」なら対応作品が読み放題になる「Prime Reading」のサービスも利用可能。
一方のkoboは、専用の「楽天koboストア」でコンテンツを購入するしくみです。ポイント増量や割引クーポンなど、お得感の大きいキャンペーンも頻繁(ひんぱん)に行なわれています。
どちらもストアのラインナップは無料で見ることができるので、目的の本やマンガが決まっている場合は配信されているかをまずチェックしてみましょう。
電子書籍リーダーおすすめ4選|Kindle(Amazon)
電子書籍リーダーの選び方のポイントをふまえ、ITライター・酒井 麻里子と編集部が厳選したおすすめ商品をメーカー別にご紹介します。まずはKindle(Amazon)からご覧ください。

はじめての方におすすめ! シンプル&リーズナブル
6インチディスプレイを搭載した端末。Kindleシリーズのなかでは比較的リーズナブルで、はじめて電子書籍リーダーを購入する方にも適しています。
容量は8GBのモデルのみなので、文字中心の本をよく読むという方向け。前モデルにはなかったフロントライトが搭載されたので、暗い場所でもストレスなく読むことができます。
なお、Kindleシリーズには「広告つき」と「広告なし」の2種類の端末が用意されています。「広告つき」の場合、ロック画面などに広告が表示されます。
しかし、その分価格が抑えられているのでリーズナブルに端末を購入したい方におすすめ。気になってしまう方は「広告なし」を選ぶとよいでしょう。

Amazon『Kindle Paperwhite』
目にやさしく長時間の読書でも疲れにくい
画面の精細さを示す「解像度」が300ppiと高く、文字やマンガが美しく表示されます。防水機能を搭載しているので入浴中に読書をたのしむことも可能です。
Wi-Fiのみのモデルに加えて、データ通信によるネット接続が可能な「Wi-Fi + 無料4G」も用意されています。
自宅にWi-Fi環境がない方や、外出先で電子書籍のダウンロードを行なう可能性がある方はこちらを選ぶといいでしょう。

高精細な大画面ディスプレイがマンガ読みにうれしい
Kindleシリーズの上位モデル。ほかのKindle端末より大きな7インチのスクリーンを搭載し、画面も300ppiと高精細です。
8GBモデルと32GBのモデルが用意され、8GBなら約140冊、32GBなら約650冊のマンガを保存できます。
大容量モデルなので、データ量の大きいマンガをたくさん保存したい方、お気に入りのマンガを電子書籍で全巻そろえたいという方などにおすすめ。
こちらも防水対応なので場所を選ばずに使うことができます。
子ども向けの本が読み放題になるキッズモデル
本体を購入すると1,000冊以上の子ども向けの本が1年間読み放題になるキッズモデルです。Amazonのコンテンツならすべて無料でクラウドに保存ができるので容量を気にせずたのしめるでしょう。
見守り機能がついていたり、ゲームやソーシャルメディアへのアクセスができないので、安心して子どもに与えられますね。
電子書籍リーダーおすすめ2選|QUADERNO(富士通)
続いて、QUADERNO(富士通)のおすすめをご紹介します。
想像以上の書きやすさで便利!
「書く」と「膨大な資料を持ち運ぶ」に特化した新しいビジネスツール電子ペーパーです。静電容量方式タッチパネルと専用スタイラスペンの組み合わせにより、まるで本物の紙のような自然な書き心地を実現。さらにペンには、消しゴムやマーカーにワンプッシュで切り替えられるボタンもついています。
コピー&ペースト機能、マーク検索機能など、紙のノートを超えるデジタル機能を搭載。想像以上に便利な一台。
軽さが魅力のペーパーレスに役立つ1台
富士通QUADERNOシリーズのA4サイズモデル。13.3インチの大画面にも関わらず、約350gという軽さで気軽に持ち歩けます。2画面で文書を並べて作業したり、図版を多用するなどの作業をする人にオススメ。
また、約5.5時間のフル充電で、Wi-fiやBluetooth機能オフ状態で最長3週間、オン状態でも最長1週間の使用が可能と、バッテリー切れを気にせず使え安心です。
電子書籍リーダーおすすめ4選|kobo(楽天)
次に、kobo(楽天)のおすすめをご紹介します。
お手ごろ価格が魅力の電子書籍リーダー
基本的な機能が充実したはじめてのかたでも扱いやすい電子書籍リーダーです。小説なら約6,000冊、コミックなら約150冊の書籍が入れられます。お手ごろ価格で購入できるのも魅力のひとつ。
PDFやGIF、TIFFなど対応できるファイルフォーマットの種類も豊富なので、ビジネスシーンでも活躍しますね。
読みやすさを追求した電子書籍リーダー
上位モデルである「kobo forma」の特徴を継承するE-Ink端末。紙のコミックと同じように見開き表示で臨場感あふれるシーンもたのしめ、ページめくりボタンなどの読みやすさを追求したこだわりも。
防水機能IPX8やスクリーン調整機能つきなので、室内でも屋外でも場所を選ばず快適に読書ができるでしょう。

コンパクトながら大容量メモリを内蔵
koboシリーズのなかではリーズナブルなモデル。300ppiの高精細ディスプレイを搭載しているので美しい画面で電子書籍をたのしめます。
エントリーモデルながら8GBの容量を搭載し、マンガで約150冊、文字メインの本で約1500冊の保存が可能。
6インチと持ち運びやすいサイズなので、外出が多く出先でマンガや読書をたのしむ機会の多い方におすすめです。

フロントライトと防水機能で場所を選ばず読書可能
koboシリーズの上位モデル。フロントライトを搭載し、防水にも対応しているので、浴室や暗い場所などさまざまな場所で利用できます。
ディスプレイ下部に搭載された物理ボタンでページをめくることも可能。浴室での閲覧や、手がぬれている場合でもスムーズに操作することができます。
8インチの大画面で見開き表示にも対応しているので、紙の書籍に近い感覚でマンガをたのしむことができます。
さらに、データ容量は32GBと大容量。たくさんのマンガを保存してたのしみたい方におすすめです。
電子書籍リーダーおすすめ5選|Boox(文石)
続いて、Boox(文石)のおすすめをご紹介します。
13.3インチの大画面でAndroid搭載
BooxシリーズはAndroidを搭載した電子書籍リーダーです。Google Playからストアアプリをインストールすれば電子書籍を購入できます。
こちらのMaxLumi2は13.3インチの大画面が特徴で、A4とほぼ同じサイズ。大きさをいかして目にやさしいPCのサブディスプレイとしても使用できるでしょう。
強力プロセッサを搭載した高性能モデル
薄くて軽いボディに64GBの大容量ストレージ。2Ghzの強力なオクタコアプロセッサを搭載し、指紋スキャナーやスピーカーがついた高性能モデルです。
語学学習アプリやニュースアプリを使って学習したりニュースを読んだり、電子版の新聞を読んだりと、幅広く活用できるでしょう。
文石『BOOX Nova2』
持ち運びしやすくて読み書きできる!
持ち運びしやすい7.8インチサイズに、300ppiの解像度を誇る読み書きできるタブレットです。シャープで鮮明な画面は、長時間の使用でも目が疲れにくいのが特徴。
また、デジタル化された書物の画面に、付属のペンで直接書き込みができるので、読みながら気になるところをメモすることも可能ですよ。
64GBの大容量ストレージモデル
10.3インチのディスプレイと64GBの大容量ストレージが魅力的なモデルです。暖光、冷光を調整し、暗闇でも読書が可能。
オーディオフォーマットにも対応しているので、Bluetoothスピーカーに接続すれば、音楽やオーディオブックもたのしめます。テキスト読み上げ機能は、自動で音読してくれるので便利ですよ。
インタラクティブで直観的な操作性が魅力
指による操作とスタイラスペンによるデュアルタッチを搭載した多機能な電子リーダーです。USB Type-Cと対応しているので、パソコンにつなげば高速のデータ転送が可能に。
単語を辞書検索したり、アプリをダウンロードしたりと、よりインタラクティブで直観的な操作ができるでしょう。
電子書籍リーダーおすすめ2選|その他のメーカー
さいごに、うえで紹介した以外のメーカーの電子書籍リーダーおすすめ2選をご紹介します。
本物の紙のような書き心地と読み心地
読書にとどまらずビジネスにも、万能なE Ink タブレット。紙の良さとデジタルの良さを融合し、10.3インチのディスプレイは86.3%の高い画面占有率を持ち、ちらつきが無くなめらかな表示で、まるで本物の本を読んでいるかのよう。画像はもちろん、PDF のページものびのびと、広い画面で見ることができます。
録音中にタグをつけて、聴くときにはそのタグをタップすれば、すぐに聴きたい部分から再生されます。会議の内容を効率的に振り返ることができます。
Androidを搭載し、GooglePlayが使える7.8インチE Inkタブレット。紙のような書き心地を実現した新開発のペンとフィルム、デュアルステレオスピーカー、ページをめくりやすい物理ボタンがついたケースと組み合わせることで、長時間の読書もストレスフリーで楽しむことができます。
6.3mmの厚みと235gの重量。ケースとペンを合わせても約435gと軽量で持ち運びもラクラク。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 電子書籍リーダーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの電子書籍リーダーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
電子書籍リーダーに関するそのほかのおすすめ 【関連記事】
たくさん電子書籍を読むなら、専用端末は一択
電子書籍は、スマホやタブレットでも読むことができます。しかし、電子書籍リーダーには、専用端末ならではのメリットがあります。
たとえば、バッテリーの持ちがよく、旅行など長時間の移動でも電池切れを気にせずに使える点や、メールなどの通知にじゃまされることなく読書に集中できる点などです。
ふだんからスマホなどで電子書籍を読むことが多い方や、これからたくさん書籍を読みたいと思っている方は電子書籍リーダーを使うことで、これまで以上に読書をたのしめるでしょう。購入の際には、ディスプレイの大きさやデータ容量に着目しながら選択してください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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